夜、半蔵学院にて斑鳩、葛城は卒業試験に向けて修行に励んでいた
「少々つかれましたが、充実した修行が出来ましたね」
「おっ、夜のおつとめご苦労さん。アタイも今ロードワークから戻ったとこさ」
「そうなんですか。葛城さんもお疲れ様です」
互いに言葉をかわしあっていると
「みんな、お夜食作ったよ~。みんなで食べよう」
「おっ、気が利いて……って、なんだその山盛りのおにぎりは!?」
「あっ、ごめんなさい…つい作りすぎてしまいまして」アセアセ
お皿にはこれでもかというくらい積まれたおにぎりがあった
「でも大丈夫です。みなさんが食べきれない時は僕が全部食べ尽くします!」キラキラ
「まったく、食べる時は目の色変えるよな、本当」ハァ~
若干呆れた物言いで葛城は呟いた
そんなこんなで食事をし始める佐介たち
「うん。塩が効いててうめぇ~♪」
「本当に、佐介さんの料理は疲れを忘れるほど美味しいですわ」
「ふれふぉどれもありまふぇんよ(それほどでもありませんよ)」モグモグ
「飲み込んでから喋れ」ベシッ
「あひぃ~」イタタ
柳生にツッコミを入れられる佐介だった
「うわぁー!みんな、きてきてー!!」
「「「「「?」」」」」
すると突然、雲雀が佐介たちを呼ぶ
「どうしたんですかひばりちゃん?」
「見てみて佐介くん。窓の外、窓の外、雪だよ、雪!」
「わぁー!本当だ~!」
窓から見てみると雪が降っていた
それにはじゃぐ雲雀だったが
「…っ」
「どうしたんですか佐介さん?」
「あぁいえ、こういう時に不謹慎かもですが、せっかくこの前、雪かきをしたばかりなのにまた雪かきをしないといけないと思うと…」小声
「あ~……まぁ、ドンマイ」
雪かきの仕事が増えたことで少々ため息を吐く佐介だった
しかしその時
「「「「「「っ…!?」」」」」」
突然大きな力を感じた
「これはもしや忍結界?発生場所は校庭です!」
「行ってみましょうみなさん!」
佐介に続いて飛鳥たちも校庭に急いだ
校庭につくとそこには5人の人影が…1人は清楚な感じの女の子、1人は般若の面をつけた女の子、1人は頭に桜の花かざりをつけた女の子、1人はギャルっぽさを感じる女の子、1人は幼さを感じさせる女の子、そんな子達であった
「雪は全てを包み隠す。怒りも哀しみも、喜びも楽しみも…」
「あなた達は誰ですか?」
佐介が彼女たちに問いただす
「私の名は雪泉、死塾月閃女学館の忍学生です」
「死塾月閃女学館…?」
「はい、そして私のそばにいる彼女たちは私の仲間たちです」
雪泉が自己紹介をすると他のメンバーの紹介も始める
「こちらが四季」
「ちーっす♪」
ギャルっぽい彼女の名は四季、見ためだけでなく内面もギャルだった
「次にこちらが夜桜」
「夜桜じゃ」
桜の花かざりをつけた彼女の名は夜桜、同想とした態度で名を名乗った
「それからこちらが美野里」
「みんな、よろしくね♪」
幼さを感じさせる彼女の名は美野里、先ほどの四季同様見ためだけでなく内面からも幼さを感じさせた
「そしてこちらが叢」
「…」
無言で般若の面をつけた彼女の名は叢、何やら斑鳩のほうに目を向けているようだった
こうして自己紹介を終えた雪泉は再び佐介たちのほうを向く
「では、いったん全員を紹介したところで、私たちは今ここに…学炎祭の開始を宣言します!」
「がっ、学炎祭ですって!?」
「知ってるの、佐介くん?」
雪泉の言った学炎祭という単語に佐介は驚きの表情を浮かべた
「学炎祭とはいわゆる忍学校同士の対抗戦、元い決戦のことだよ」
「対抗戦!?」
「うふ、お詳しいですね。さすが半蔵学院1の実力者の佐介さんですね」
「僕の名前を知ってる?」
学炎祭について飛鳥に説明しているとき、雪泉が名乗ってもいないのに自分の名を呟いたことに驚きを隠せない
「先ほど佐介さんがおっしゃったように学炎祭は忍学校同士の決戦。それぞれの学校の忍学生たちは全員参加」
「他校に学炎祭を申し込まれた学校は自分たちの陣地に忍結界をはって、襲ってくる他校の生徒を迎え撃つ、それが基本的なルール。つまりこの場合、僕たちはこの学園に結界をはって彼女たちを迎え撃つというわけです」
雪泉と佐介の説明とその内容に息をのむ飛鳥たち
「その通り、そこまでお分かりいただけてるということはもう知ってらっしゃいますよね。この学炎祭で負けた場合、負けた者たちの辿る献ろを…?」
「っ……」
「負けた者たちの辿る献ろ?」
飛鳥はその言葉にキョトンとする
そして佐介は唇を噛み締めながら衝撃的事実を呟いた
「破れた者たちの献ろ、それは……負けた学校は焼かれ、炎上し、廃校に追い込まれる。故にそれが"学炎祭"」
「…さようでございます」
「「「「「えっ!?」」」」」
佐介の口からでた事実に驚きを隠せない飛鳥たち
「でも、でもどうしてそんなことを!?」
「これは運命なのです。私のおじい様であらせられる黒影おじい様と、飛鳥さん。あなたの祖父である半蔵との長きに渡り繰り返されてきた因縁が、私たちを戦いの運命へと導いたのです」
「っ……」
飛鳥を指さすと雪泉は強い意識を孕んだ言葉でそう告げた
「だからこそ、この因縁に終止符を打つために私たちは学炎祭の開催を宣言しました。もはや逃げること叶わず。どちらかが破れ去らぬ限りこの戦いは終わりません。いいですね?」
雪泉は佐介たちを睨みつけるようにそう告げた
「…わかったよ雪泉ちゃん。私たちはあなたたちとの学炎祭を受けて立つ!」
学炎祭のことを知って尚。飛鳥は戦う決意を固め
それに佐介たちも賛同する
「いい覚悟です。…ならば7日後、私たちは再びここに訪れます。それが祭りの始まりです…では!」シュン!
「「「」」」シュン!
雪泉が立ち去ると夜桜たちも後を追って学院をさるも
「…」
1人、叢のみが残った
「あなたはいかないのですか?」
斑鳩が尋ねると叢は面ごしに斑鳩を睨みつける
「…斑鳩だな?」
「えっ?」
「斑鳩、鳳凰財閥の娘…」
「なぜ、その事を?あなたはいったい?」
自分の出生を知っていることに斑鳩は驚く
「……許すまじ!」
「えっ!?」
「斑鳩さん!」
突然、斑鳩に襲いかかる叢の前に佐介がたつ
「邪魔…!」
「っ、ふぇい!!」
「なっ!?」
叢が突き出した蛇矛を跳ね除ける
それに叢は驚きを隠せない
「せりゃあぁぁ!」
「っ、しまっ!?」
佐介の攻撃をかわす寸前お面がとれてしまった
「きゃっ!?」
「っ?」
お面がとれてしまったことで叢が直ぐ様顔を隠す
「あっ、あなたは…!」
その寸前に顔を見た斑鳩は驚きの声をあげた
「み、見ないでください!恥ずかしい顔でごめんなさい!ごめんなさいったらごめんなさい!」アタフタ
すると先ほどまでと態度がうって変わりおどおどしながら謝りつづけた
「どっ、どうしたんですか?…ていうかごめんなさい、僕何かあなたのお顔に傷とかつけました?」アタフタ
「いっ、いえ傷なんてありませんから!すみません見ないでください!醜い我の顔を見ないでください!我の顔なんて見たってなんの得にもなりませんから!」アタフタ
「そっ、そんな、醜いだなんてとんでもない。むしろ綺麗なお顔じゃないですか?」
「きききききき、綺麗だなんて!そんなことありません!すみません!本当にすみません~~~!!!」ヒエーー
そう言うと叢は落ちてしまったお面を拾い上げ一目散に逃げていった
叢が去って静まり返る学院
「なんだったんだ?」
「…さぁ~?」
「しかし、学炎祭ですか。…大変な事態になってしまいましたね」
先ほどのことを思い出し頭を悩ませる斑鳩たち
「なってしまったからには仕方ありません。今はただ。学炎祭に向けて己を鍛えるんです。この学院を、僕たちの母校を廃校になんてさせません!」
「そうだね!」
「えぇ!」
「おっしゃ!アタイも負けてらんねぇぜ!」
「やってやるさ」
「ひばり、負けないもん!」
学炎祭に向けて月閃女学館と戦う決意をきめた佐介達だった