閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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母の声に導かれ、森の奥にある泉に到着した光牙と雅緋はそこで感動の再会を果たした


大好きな母との再会似居ても立っても居られない雅緋が甘えたりなどして和やかな空気が暫し続いた


そんな中、母が親子丼を作ろうとしていることを知り、雅緋は材料確保のためにいったんこの場を離れた


このタイミングを見計らい、母が光牙の腹部に手を当て、光牙の精神世界に干渉し


訪れた精神世界にて光牙の中に眠る光の竜との再会を果たす


かつて自分の中に封印していた光の竜と母はお互いに身の上話しに花を咲かせる


その際に母は光の竜に今までの事を謝罪し、今、彼女と光牙の仲が良好であることをとても喜んだ


やがて別れの時が訪れ、現実世界に戻ろうとする母は去り際に光の竜に光牙を信じてほしいと最後の願いを託した


最後の願いにへそ曲がりの回答を返す光の竜に母は笑みを浮かべながら帰っていったのだった





黒影を思うが故に…

 

 

光牙が母の対話に協力していたころ、山から降りた雅緋の数々の奇行によってバタバタとなっており

 

 

さらにはその情報が他の拠点にも知れ渡っていた

 

 

そんな中、月閃女学館では…

 

 

「………っ」

 

 

拠点の一角にある足の上で座禅を組みながら目を閉じて精神統一を行っていた

 

 

「(ここにきてしばらく経つけど未だに闇の力の残留思念が残っているせいで力をうまくコントロールできずにいる。今はまだ運よく立ち回れている。だけどいずれは佐介くんたちとも戦うことになる。彼らを相手にするとなれば今のままではまず勝つことはできない。月閃の勝利のためにも一刻も早く力のコントロールを取り戻さないと)」

 

 

精神統一を行いつつ、未だ力の制御ができないことを危惧しつつ、これを打開する上手い手立てはないものかと考えを巡らせていた

 

 

「紫苑ち〜ん!」

 

 

「――っ四季、どうしたの?」

 

 

最中、紫苑の元に四季がやってきて自分に声をかけてきた

 

 

「あのね、今むらっちが帰ってきたからこれからみんなで夕食の準備するんだって紫苑ちんもそろそろ戻ってきてよ!」

 

 

四季が紫苑を夕食の時間が来たことを伝えに来てくれたようだった

 

 

紫苑も精神統一し続けていたことや時間としては頃合いなこともあってかちょうど小腹が空いてきたと思っていたところだった

 

 

腹が減っては集中もできないなと休憩がてらに夕食を食べることにした

 

 

「ありがとう四季、今行くよ!」

 

 

「うん♪」

 

 

そうして紫苑は四季とともにみんなの元に向かっていった

 

 

 

 

 

程なくして先んじて夕飯の用意をしていた雪泉たちと合流し、全員揃ったところでお茶会が始まった

 

 

開始早々、お互いに他愛無い話しによって和やかな雰囲気が漂っていた

 

 

「ふぅ…さて、ではそろそろ偵察の状況についての話しをさせてもらうぞ」

 

 

「わかりました。聞かせてください叢さん、他のところは様子は如何だったんですか?」

 

 

あらかたお腹も満たし、お茶を飲んで一息ついたところで叢が自分がこの偵察によって手に入れた情報を共有し始める

 

 

「光牙と雅緋が死別した母と再会できたらしい。蛇女の拠点を偵察した際に話しを聞いた」

 

 

「雅緋さんと光牙さんがお母さまと……」

 

 

「そうなんだ。雅緋ちゃん良かったね。すごい喜んでたんじゃないかな?」

 

 

「あぁ、あんなに幸せそうな雅緋の顔は見たことがない」

 

 

様子を伺っていた中、母のことを皆に語っていた雅緋は自分たちが今までに見たことがないほど幸せという言葉が似合うような顔を浮かべていた

 

 

叢もそれを目にし、この上ないほど共感する感覚を覚えていた

 

 

「そっか…じゃあ、もしかしたら雅緋ちんと光牙ちんは…」

 

 

「光牙は分からんが雅緋のほうはあの様子ではこの世界で母とともに暮らすやもしれんな」

 

 

「そうでしたか…あの雅緋さんが」

 

 

母親と再会したからとはいえ、意外な展開になったなと一同は思った

 

 

「…我も雅緋と同じ気持ちだ」

 

 

「叢?」

 

 

「心して聞いてくれみんな、我は……我はこの世界に残る」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、他の全員が驚きの顔を浮かべる

 

 

「ど、どうしたの叢、なんでそんな!?」

 

 

「やはり我は黒影様と離れることなどできない、だからこそ我はこの世界に残ることに決めたのだ」

 

 

大好きな人と一緒にいられるならばと叢は自分の思いを打ち明ける

 

 

「叢、気持ちは分かる。でも君だって黒影様の言葉を忘れたわけではないだろう?」

 

 

あの時黒影が自分たちに託した言葉の意味を思い出すようにと促す

 

 

「悲しませてしまうかもしれない…だが、きっとわかってくれるはずだ」

 

 

「しかし残るとしてもどうすればいいのか、その方法をわしらは何も知りませんよ?」

 

 

「執行部の連中ならば何か知っているかもしれん、無理矢理にでも方法を聞き出してみせる」

 

 

叢は本気だ。本気でこの世界に残ろうとしていた

 

 

そのためならなんでもするという思いがひしひしと伝わる

 

 

「皆だって同じのはず、なぜ気持ちを押し殺してまで元の世界に戻らなければならないんだ!」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

刹那、その叢の言葉を聞いた夜桜、四季、美野里の3人が反応を示す

 

 

「…そうだね。むらっちの言う通りかも」

 

 

「わしも…わしだって黒影さまと一緒にいたいです」

 

 

「みのりだって黒影おじいちゃんと一緒にいたいよ」

 

 

「夜桜、四季、美野里まで?」

 

 

気持ちを揺さぶられ、紫苑と雪泉以外は完全に叢の意見に賛同してしまっていた

 

 

「皆、わかってくれるか」

 

 

「うん、みのりたちだって黒影おじいちゃんと居たいもん」

 

 

3人が賛同してくれたことに叢も嬉しい気持ちを抱いていた

 

 

「お前たちも我らに賛同してくれるだろ?雪泉…紫苑」

 

 

「そ、それは…」

 

 

流れを掴んだ叢が残る2人からも賛同を得ようとする

 

 

特に叢はこの2人に一番賛同してほしかったからだ

 

 

「…ごめん叢、それはできない」

 

 

「なっ!?」

 

 

「「「えっ!?」」」

 

 

しかし紫苑は切ない顔を浮かべながらその誘いを断った

 

 

「な、なぜ…どうしてだ!」

 

 

「そうだよ紫苑ちん、どうしてなの!」

 

 

「黒影さまと一緒に居られるチャンスなのですよ!」

 

 

「しおんちゃん、どうしてそんなこというの!?」

 

 

紫苑の断りに皆が驚き慌てふためき、すぐに説得を試みる

 

 

「皆さん、申し訳ありませんが私も紫苑と同じ思いです」

 

 

「雪泉ちんまで!」

 

 

さらには雪泉までもが紫苑同様にこの提案を断った

 

 

「なぜだ紫苑、雪泉。我らは同じ黒影さまを慕い、敬い、愛してきた仲ではないか!」

 

 

「…叢、確かに僕も雪泉もみんなと同じさ、黒影さまと一緒にいたいと思う気持ちは変わらない」

 

 

「だったらなぜそのようなことをいう、さっきも言ったが自分の思いを殺してなんになるというんだ!」

 

 

「僕たちを信じてくれた黒影さまの思いを捨てるなんて…僕にはできないんだ」

 

 

気持ちは痛いほど分かる

 

 

だからと言ってこれは間違っていると紫苑は知っているからこそ否定したのだ

 

 

「ダメだ。認めない」

 

 

「っ?」

 

 

「そんなことは認めない、我がさせない。どうしても拒むというのなら!…力づくでも言うことをきいてもらう!」

 

 

刹那、叢が武器を手にする

 

 

「叢」

 

 

「夜桜、四季、美野里。力を貸せ!」

 

 

「で、ですが」

 

 

「紫苑たちにわかってもらうためだ。さぁ!」

 

 

叢のその主張に戸惑いつつ、3人も装束を纏い構える

 

 

「紫苑、私も戦います。構いませんね?」

 

 

「…すまない」

 

 

仲間同士で対立するという思わぬ形となってしまったことに一触即発と哀しみの空気が流れるのだった

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