片や光牙を経由して母が光の竜との対話を行っていた
そんな中、紫苑たち月閃女学館は偵察に出ていた叢からの情報によって光牙たちが母親と再会したことを知る
母親と再会できて幸せそうな顔を浮かべている雅緋の姿を見た叢が黒影の傍にいるべくこの世界に残ると言い出した
最初こそいきなりのことに驚きを隠せずにいた一同だったが、やがて叢の主張に共感した夜桜、四季、美野里の3人もそれに賛同する運びとなった
しかし再会した際に黒影との約束の言葉を胸に刻んでいた紫苑と雪泉はその考えを良しとせず誘いに応じようとはしなかった
何とかして考え直してもらえるように手立てを考えようとした紫苑たちだったが
それよりも先に叢が行動に出て紫苑たちも無理やり自分の考えに賛同させるべく夜桜たちとともに武器を構える
意見の対立による仲間同士の戦いが今始まろうとしていた
月閃女学館の拠点にて対立してしまった二組が向かい合う
紫苑と雪泉の現実世界に戻るべき派と叢をその他の3人によるこの世界に残る派が
このような結果になることを望むものなどこの場にいるはずはない
だが、見解の相違となった以上、この戦いは必然だった
「いくぞ紫苑、雪泉!!」
「「っ!」」
その言葉を合図に叢が先陣を斬るように飛び出した
「てぇい!」ブォン!
「ふっ!」バッ!
「はっ!」バッ!
2人との間合いに入るや勢いよく斬りかかる
当然、紫苑と雪泉もこれに応戦する
攻撃をかわすとともに距離を取る
「雪泉ちん、ごめん!」
「っ!?」
「やあっ!」シュィン!
「うぅっ!?」カキン!
だが、間髪入れる暇もなく後方から四季が雪泉に襲い掛かる
「雪泉!?」
「紫苑、すみません!」
「ごめんね、しおんちゃん!」
「くっ!?」
雪泉が四季に襲われているのを見てこれを危惧する紫苑だったが、自信も同じく後方からきた夜桜と美野里に襲われ、交戦することに
「はっ!やぁっ!」
「四季さんやめてください、私たちは皆さんとこんな戦いたくなんてありません。仲間同士で戦うなんてしてはいけないんです!?」
「こんなことあたしたちだってしたくないよ。でも仕方ないじゃん、雪泉ちんと紫苑ちんにあたしたちの気持ちをわかってもらうにはこうするしかないんだよ!」
何とか説得を試みるも聞いてはもらえず状況は変わらなかった
「はぁぁぁあああ!」
「ちぃっ!?」
「てやぁあああ!」
「うぅっ!?」
夜桜と美野里が連携して紫苑を追い込もうとしていた
「わしらだって紫苑たちと戦うなんてこと望んでなんかいません。我々はただこの世界で黒影様と一緒に居たい、紫苑も雪泉もそれは同じじゃないですか!」
「そうだよ!みのりだって黒影おじいちゃんと一緒にいたい、でもそれと同じくらいしおんちゃんもゆみちゃんとも一緒にいたい、だからしおんちゃんたちを倒してわかってもらうんだ!」
「ぐぅっ!?」
形はどうあれ、黒影と一緒にいたいという叢の考えに3人もまた染まりきってしまっていた
故に今の彼女たちに生半可な説得は無意味だった
「紫苑、雪泉。意地を張るのはよせ、お前たちも我らと想いは同じはず、無駄な抵抗はやめて我らとともにこの世界で黒影様と暮らそう。そうすれば我らは全員幸せになれる、あの日のような悲しみを抱かずに済むんだ!」
戦いが拮抗する中、今度は叢のほうから先んじて賛同している夜桜たちのように勧誘を求めてきた
叢たちとてこれは望んだ戦いではない、わかってくれるのならそれでよし
この世界で黒影とともに皆で暮らせればいいのだから
話し事態に関しては紫苑にとっても雪泉にとっても望まないといえば噓になる話しだ
現に2人とて叶うなら黒影と一緒に居たいのだから
「…叢、誘ってくれることは嬉しいよ、僕たちだって本当ならそうしたい」
「だったら」
「でも、それでも…一度かわした約束を破るなんて僕にはできないんだ」
あくまでも自分たちを信じてくれた黒影の想いに答えることを誓った以上、それを投げ捨てるなんてできないんだと紫苑は告げる
「っ――強がりはよせ紫苑。今のお前は術をまともに使うことすらままならない身、そんな状態で我らを相手にできるものか、もう一度言う、無駄な抵抗はやめるんだ!」
「くぅっ――」
悔しいがぐうの音も出なかった
確かに今の自分は未だ闇の力の残留思念によって忍術をうまく扱え手はいない
この状態のままで叢たちを相手にするのはキツイ
しかしそれは勝負がどうだとかという訳ではない
制御しきれずにいるこの力を下手に扱い、彼女たちを怪我させるのが怖いからだ
だからと言って手を抜いて勝てる程みんなが弱くないことは周知の事実
「(やるしか…ないのか?)」
使いたくはないこの力を使わざる負えないのかと今の自分の不甲斐なさが恨めしくて仕方がなかった
そんなこんなでいがみ合いがなおも続いていた時だった
「なんだなんだ?どうなっているんだこれは?」
「「「「「「っ?」」」」」」
突然この場にいる自分たち以外の者の声を聞き、すかさず振り返った
するとそこにはいつの間にかやってきていた焔たちがいた
「貴様ら、いつの間に!」
「いつの間にも何もないわよ。ヤグラを壊しに来てみればなんだか内輪もめしてるみたいで何事かと思ってたわよ?」
来訪に驚きすぐさま反転して警戒をする叢たちに対して未来がツッコミを入れる
「うぅ、痛いところ突かれたよ…で、でもさそう言うそっちだっていつもよりも人数少ないじゃん。他の3人はどうしたのさ?」
焔たちの侵入に気づくこともできないくらい戦いに気を取られてしまっていたのかと少々不買ない気持ちを抱きつつも、一方で拠点を襲撃しにきたにしては人数が足りないことを示唆する
「あ~…それがだな~」
その問いを聞いた瞬間、焔は気まずそうな顔を浮かべていた
「…春花さまはひばりと遊ぶのが楽しくてしょっちゅう半蔵のほうに顔出してるし、日影には愛花と一緒にお留守番してもらってて、光牙に至ってはお母さんと再会できたようだから…ねぇ」
「あ~…な、なるへそ」
未来から事の経緯を知って四季は思わず納得してしまった
そんな一方で詠と叢が対峙する
「叢さん、これはいったいどういうことなのですか?どうしてあなたたちと紫苑さんたちが戦ってらっしゃったのですか?」
「それをお前が知ったところでなんになるというんだ?これは我らの問題、部外者であるお前に話す義理などない!」
「…部外者とは聞き捨てなりませんね。少なくともわたくしたちはともに貧民街で過ごした間柄ですのに」
この状況がどういうことなのか気になった詠は叢に経緯を問う
だがそれに対して説明を拒否し、部外者は引っ込んでいろといわんばかりの言いぐさにムッとなった
「黒影さんのことで悩んでいるのは百も承知です。しかし幼馴染として一言言わせていただきます」
「無駄だ詠、我はお前の話しなど聞く耳持たん。いいか、我たちのヤグラは絶対に壊させない、少しでもこの祭を長引かせるためにもこんなところでお前たちに好き放題させるわけにはいかんのだ」
何を言っても今の叢に響く事はなく、邪魔をしようとしている詠たちを排除するべく叢が彼女たちを新たな標的と定めた