閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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忍の盆踊りのためにこの世界に呼び出されて移行


黒影と再会を果たした月閃女学館は再び暮らしたいという叢の意思に賛同した夜桜たちと紫苑たちとの間で対立が起こってしまい、いざこざが起こってしまった


仲間同士で戦う羽目になってしまい、どうすべきかという状況の最中、ヤグラを壊しに来た焔たちの出現によって事態は傾きを見せ


叢はこの幸せを継続させるためにもヤグラを死守すべく詠たちの撃退に乗り出したのだった






奪われたお面

 

ヤグラをかけて、叢を筆頭とする月閃女学館と焔たち紅蓮竜隊がにらみ合いを聞かせる

 

 

「行くぞ、覚悟しろ!…っ!!」

 

 

先んじて沈黙を破ったのはこれまた叢であり、勢いよく駆け出しながら3人に向かっていく

 

 

「真っ向勝負か、面白い、受けて!」

 

 

「いいえ焔さん、ここはわたくしにお任せください!」

 

 

「あっ、詠!?」

 

 

こちらに向かって突進してくる叢を見て焔が迎え撃とうとするも先を越される訳にいかないと詠が追い抜かして行った

 

 

そうして焔よりも先に先陣を切った詠が叢との間合いに入った

 

 

「てぇぇぇい!」

 

 

「やぁぁぁぁ!」

 

 

刹那、叢の鉈と詠の大剣が勢いよくぶつかり合う

 

 

すかさず鍔迫り合いに持ち込まれ、両者ともに力と力が拮抗し合っていた

 

 

「叢さん、聞いてください!」

 

 

「くどいぞ詠、お前と話す舌は今の我にはない!」

 

 

鍔迫り合いの最中、再び対話を試みるも

 

 

やはり聞く耳を持たない叢に訴えるのは難しいことだった

 

 

「詠も頑張ってるしボチボチ私たちもいくか未来」

 

 

「うん、詠お姉ちゃんばっかりに任せちゃったら悪いもんね」

 

 

詠の戦いぶりを見て焔と未来も気合いを入れえ直し、自分たちもやるぞという意を示す

 

 

「盛り上がってるとこ悪いんだけどさ、そう簡単に好きにさせるわけにいくと思ってたら大間違いだからね」

 

 

「わしらがいることも忘れなくお願いしますよ」

 

 

「みのりたちだってやれるんだから!」

 

 

そんな2人の前に四季、夜桜、美野里の3人が立ちはだかる

 

 

「へっ、面白い、じゃあ見せてもらおうか!」

 

 

「行くわよ!」

 

 

これを受け、焔と未来はさらに気合い十分の状態となり

 

 

勢いよく駆け出し、同時に3人も迎え撃つべく駆け出し双方ともに激突するのだった

 

 

その間にも一段と熾烈を極めているのはやはり叢と詠だった

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

「やぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

鍔迫り合いから剣撃に発展し、互いに一心不乱になりながらも斬り合う

 

 

方や叢からの蛇棒による突を弾き返し、方や詠の砲弾の射出を瞬時に鉈による一発で起動を変えたり、様に一心一体の攻防と呼べるほどのものだった

 

 

「叢さんもさることながら詠さんもすごいですね、お互いに一歩も引いてません」

 

 

「それだけ互いに負けられない理由があると言うことだよ」

 

 

目の前で繰り広げられる2人の壮絶な戦いに紫苑はそう思っていた

 

 

「「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」」

 

 

双方ともに激しい激突によって体力気力ともに限界を迎えようとしていた

 

 

「…っ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

それを悟ってか叢が仕掛けた

 

 

これを見て詠も迎え撃つ

 

 

「ふっ!はっ!!せぇぇえい!」

 

 

「うっ、ぐっ、うぅっ!?」

 

 

追い込みをかけるがごとき叢の連撃が詠を圧倒していき、それによって詠は次第に防戦一方になっていった

 

 

「そやっ!!」

 

 

「しまっ!?」

 

 

 

カキィィィン!フォンフォンフォン!グサッ!!

 

 

 

刹那、金属と金属のぶつかる音が響いたとともにその数秒後には地面に剣の突き刺さる音がした

 

 

そしてその直後に見えた光景は叢の蛇矛の振り払いによって自身の得物を吹き飛ばされてしまった詠の姿だった

 

 

「…っ」アセアセ

 

 

「…詠、我の勝ちだ」

 

 

詠の得物を弾き飛ばしたことにより叢が勝負は自分の勝ちだと宣言する

 

 

「我の勝ちだ詠よ。さぁ、他の奴らも連れて早くこの場から立ち去れ!」

 

 

叢からその言葉を聞いた詠は数秒間彼女と顔を見合わせていた

 

 

「…叢さん、わたくしは」

 

 

「何度言わせれば気が済むんだ。お前の言葉など聞く耳もたんと言っている」

 

 

「そうですか…それなら!」

 

 

「なにっ!?」

 

 

尚も話しに耳を傾けてくれようとはしないことに軽くため息をついたと思われた次の瞬間

 

 

素早い動きで叢に迫る

 

 

突然の詠の行動に叢も反応が間に合わなかった

 

 

「はっ!」バッ

 

 

「しまっ!?」

 

 

刹那、詠が手を伸ばし、その手が叢の面を掴んだ

 

 

そして詠は掴んだその叢の面を一気に引き抜き、彼女の顔からそれを引きはがした

 

 

素顔が露見したことによって叢の動きが硬直する

 

 

すかさず詠はその間に後ろに下がる

 

 

数秒の沈黙が流れる

 

 

「…~~~~///!?」ワナワナ

 

 

叢はその間、頭が真っ白になっていたようだが徐々に思考を取り戻すとともに顔をトマトのように真っ赤に染め上げた

 

 

「あっ、あわわわわわわわ////!?な、な、な、な、何をするんですか!?お、お、お、お、お面を、か、かかかか返してください///!?」

 

 

お面を剥がされたことにより羞恥心に支配されてしまった叢はわなわなしながら詠にお面を返すように懇願する

 

 

「そうはいきません。さらにこうです!」

 

 

必死にお面を取り返そうとする叢に対して詠がとった行動は

 

 

奪った叢のお面を自分の顔にかぶるというものだった

 

 

「な、ななな、なんで!?ど、どうして我のお面をかぶる!?」

 

 

詠がなぜこのような行動をとったのか理解できず叢は困惑する

 

 

「ようやくわたくしの話しを聞く気になりましたか?」

 

 

「お、お、お、お面を返してくれないと話しを聞くも何も~」

 

 

「叢さんとわたくしは同じ貧民街で育ちました。覚えてますか?あそこは食べるものも着るものも何もないような街でした。住んでる子供たちも暗くて、それはそうですよね。だって本当に何もないような場所でしたから」

 

 

「い、いや、あの…お面がないと、話が…」

 

 

自分そっちのけで語りだす詠に対してあくまで面を返すよう叢は頼んでいた

 

 

「ですが、わたくしたちが立派な忍として成功することができればきっと子供たちにも伝わるはずです。何にも持ってなくてもあきらめず努力すればきっと希望はあるんだと。黒影様と一緒にいたいという気持ちは分かりますが、叢さんもまた子供たちに希望の道を示すという義務があるんです」

 

 

「子供たちの希望…」

 

 

そんな詠の言葉に紫苑は心打たれる思いを抱いた

 

 

「わ、わわわ、わかりました。わかりましたからお面を返して」

 

 

「本当にわかったのですか?」

 

 

「はい、わかりました!」

 

 

「いえ、信じられません」

 

 

言動と行動からもあくまで面を取り返すしか頭にないんだと誰でもわかる

 

 

「今の叢さんの言葉には信じられる根拠は全くありません」

 

 

「っ…!?」

 

 

詠からの指摘に叢は何も言い返せなかった

 

 

「詠!」

 

 

「詠お姉ちゃん!」

 

 

「っ?」

 

 

するとその時、自分の元に焔と未来が戻ってきた

 

 

「すまない、作戦は失敗だ。一先ず引くぞ」

 

 

「これ以上の長居は不要だよ」

 

 

「…わかりました」

 

 

作戦継続はできないと判断した紅蓮竜隊は潮時を感じ、撤退を選んだ

 

 

そうして2人が先んじて撤退する中、詠が叢のほうを見る

 

 

「叢さん、このお面はわたくしが預かります」

 

 

「ふぇっ!?」

 

 

「ちゃんと覚悟ができたならわたくしの元に来てください」

 

 

「そ、そ、そ、そんな!?ちょ、ちょっと待ってー!!」

 

 

必死の訴えも空しくお面は詠が持ち去ってしまった

 

 

「詠さんやりますね。わたくしではとてもできないことです」

 

 

「幼なき日を共にしていた彼女だからこその行動なんだろうね」

 

 

これまでのやり取りを見て紫苑と雪泉はそう考えていた

 

 

「ううっ…お、お、お、お、お面。我のお面が~」

 

 

「叢…」

 

 

お面を持ち去られてふさぎ込む叢に紫苑はあえて声をかけず、その様子を見守るのだった

 

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