だが、その直前に早くも小百合に見つかってしまい、自分にすら隠しているその目的が何なのかを聞き出そうとする
そこに両姫も現れていよいよまずい状況下と思われたが以外にもこの場を逃れるための嘘を言ったにも関わらず、巫神楽三姉妹に助け舟を出してくれたことで何とかやり過ごすことができた
両姫の協力によって拠点を離れた巫神楽三姉妹はこの機会を逃すまいと行動を開始した
しかし、張り切ったはいいものの、結論からして収穫はなく、ただただいたずらに時間を費やすだけだった
一向に見つからないことに不安を覚えたり、道中半蔵学院の面々に協力を打診されるも
諦めるわけにはいかないという意思の元にそれを断り、次こそはと奮起するのだった
巫神楽三姉妹の人探しに佐介たちが遭遇した時からしばらくが経った
「それにしても気になるね。蓮華さんたちはいったい誰を探しているんだろう?」
「うん、それは私も思ってた。でも聞いても教えてくれる雰囲気じゃなかったよ」
「「う~む…」」
拠点近くを散歩しながら佐介と飛鳥は蓮華たちのことを話題にしていた
結局のところ彼女たちが誰を探しているのかわからず仕舞いだったこと
それによって結局わからず仕舞いになってしまっていることに何とも言えぬモヤモヤ感を抱く
「ていうかさ、そもそもの話し、蓮華ちゃんたちって結局何者なんだろうね?」
「うん確かに…僕もいろいろ気になってはいたんだ」
佐介にとっては両備たちに付き添った時に、飛鳥たちにとってはこの世界に来た時に彼女たちと出会ったわけではある
しかし自分たちが知るのは彼女たちは小百合がこの千年祭を円滑に進めるために連れてきたこと
蓮華は気が強くすぐに服を脱ごうとしたり、華毘は明るい性格だが難しいことを考えるのは難しい様子だったり、華風流はツンケンドンな態度で少々気難しいなど
個性に関してはある程度つかめたわけではあるが、彼女たちがどうして小百合に協力して千年祭に参加したのか
その意図については未だに謎であった
考えれば考える程謎が深まっていった
「…ん?」ピクッ
「どうしたの佐介くん?」
会話の最中、何かに気づいた様子で動きを止める佐介を見て飛鳥はどうしたのだろうと声をかける
「飛鳥ちゃん、見て。あそこにいるのって?」
「…あっ!」
佐介の指さすほうに飛鳥も視線を向けるとその向こうに見知った人物がいた
「おーい、両備ちゃ~ん!」
「っ?」ピクッ
飛鳥が呼びかけ手見ると両備がその声に気づき、自分の元に歩み寄ってくる佐介たちのほうを見た
「飛鳥…それに佐介じゃない?」
「どうしたの両備ちゃん、こんなところで1人で…両奈ちゃんたちは一緒じゃないの?」
「うっ…そ、それは…」
いつもなら一緒に居るはずの両奈も、ましてや蛇女のメンバーの姿もないので飛鳥は不思議そうにして居り
逆に両備に至っては気まずそうな顔を浮かべていた
「…両備ちゃん。何かあったんですか?そんな暗い顔をしないでください。僕らでよければ話しを聞きますよ」
「佐介…」
両備は一瞬迷ったような顔を浮かべる。どうしたものかと
しかし佐介が自分に向けている純粋な眼差しを目にして両備の心は揺らいだ
「…お姉ちゃんと顔を合わせていると両備の心は嫉妬でいっぱいになるの」
「お姉ちゃん?…ということは両姫さんですか?」
「…っ」コクコク
口を開いた両備から出たお姉ちゃんというワードで佐介は両姫のことなのかと尋ねるとこくんと両備は頷いた
「でもどうしてそんなことに?」
話しを聞いていた飛鳥がその状況について疑問を抱く
「…だってそうでしょ…何を言われても気にしなくて、いつもニコニコ笑って…優しくて温かくて…それに、お母さんの代わりにいつも両備たちの面倒を見てくれて…嫉妬してイライラをぶつけたくもなるじゃない!」
「う~ん、それは嫉妬なのかな?」
「えっ?」
「だって、両姫さんはお母さん代わりだったんでしょ?お母さん相手に嫉妬ってするかな?」
飛鳥が両備の話しを聞いて疑問を口にする
「じゃあ何だって言うのよ?」
「う~ん例えば…反抗期、とか?」
「は、反抗期!?」
自分が抱いている子の感情が嫉妬ではないのならなんだというのかと尋ねると飛鳥からそれは反抗期ではないかと言われ、両備は驚いた
「は、反抗期なんてそんなこと」アセアセ
「いえ、確かに一理あるかもしれませんよ。だって両備ちゃんもそうなる前は両姫さんと仲良しだったんですよね?」
「そ、それは…」
佐介からも指摘され、あながち否定もできない様子だった
「私のお母さんも家事とかいろんなことできる人なの。でも中学の頃、私、訳もなくイライラしてお母さんに八つ当たりしたりしちゃってたんだ」
「えっ?そうなの飛鳥ちゃん?」
「佐介くんが修行の旅に出てた頃だからね、知らなくても無理ないよ」
飛鳥の話しを聞いていた佐介は彼女が母親に八つ当たりをしていた頃があったと聞いて驚いた様子を見せていた
「それで、お母さんと喧嘩しちゃったわけなんだけど、本当は自分でもいけないことをしてたって自覚はしてたんだ…だけど、あの頃の私はお兄ちゃんが亡くなって、佐介くんも旅に出て行ちゃって、その悲しさや寂しさのせいもあってか誰かに気持ちをぶつけないと気が晴れないような思いに駆られてたから」
「……僕が旅に出たせいで飛鳥ちゃんにそんな思いをさせてたなんて」アセアセ
「あっ、だ、大丈夫だよ佐介くん!今はお兄ちゃんを失った悲しみも受け入れられたし、何より佐介くんともこうしてまた一緒にいられるんだからもう気にしてないよ」
「飛鳥ちゃん…」
佐介は飛鳥が母親にそうしてしまった責任の一端が自分にあると思い謝罪する
その様子を見た飛鳥が慌ててフォローを入れ、互いを見つめ合い、いい雰囲気に
「ちょっとちょっと!両備の前でのろけてんじゃないわよ!?」
「「――っ!?」」
しかしその光景がなんだかおもしろくない両備は強引に2人を引きはがす
「あんたたちったら両備の話しをききたいんだか?それとものろけたいんだか?どっちなのよ?」
「あはは…ごめんね両備ちゃん」
「す、すみません」
自分たちのことに夢中になってしまっていたことを佐介と飛鳥は両備に謝罪する
「まったく…羨ましいじゃないの」ボソリ
「えっ?」
「な、何でもないわよ///!」
2人の様子を見ていた両備がぼそりと思いを呟く
「それにしてもなによそれ、両備があんたの中学生の頃並っていうの?勝手に決めつけんじゃないわよ!」
「ご、ごめんね、決めつけとかじゃないんだけど、なんとなく似てるような気がしたから?」
「ふん、所詮あんたなんかに両備の気持ちは分からないわよ!」バッ!
「あっ、両備ちゃん!」
飛鳥の言い分が気に食わなかったのか両備はその場を去っていってしまった
「…悪いことしちゃったな」
「気にしないで飛鳥ちゃん」
自分のせいで相手を不快にさせてしまったと落ち込んでしまった飛鳥を佐介は慰める
「(…お母さんか)」
そんな中、佐介はこれまでの会話の中で出てきた母という言葉にどこか思うところを見せるのだった