閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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蛇女の拠点にて忌夢が母の元に入り浸るようになってしまったことに忌夢が不満を抱いていると


そこに単独で拠点を攻めに日影がやってきた


戦いににきた日影だったが忌夢の様子に何かあったのかと察知し、その理由を問うた


どうしていいかもわからない心境になっていた忌夢はこれまでの経緯を日影に話す


もし雅緋がこの世界に残るというのなら自分もこの世界に残ろうかと思っている旨を添えて


話しを聞き終えた日影はそれでいいのかと忌夢に問う


気持ちの整理がついていなかった忌夢はその日影の言葉に反論したりと軽い言い争いが起こってしまう


しかしその中で日影は迷いに苦しむ忌夢に自分のことを語るとともに諭すような言葉を送る


日影からの諭しと励ましの言葉を受け、吹っ切れた忌夢は自分が雅緋の目を覚まさせると意を決することを決めたのだった



雅緋と光牙、母へのそれぞれの思い 

蛇女の拠点で忌夢と日影が接触していたころ、森のほうでは雅緋がいつもの如く母の元にやってきていた

 

 

「ママしゃま!」

 

 

「あら雅緋、また来てくれたのね」

 

 

「はい!」

 

 

雅緋の顔を見るなり母は笑みを浮かべ、雅緋もつられるかのように笑みを浮かべ、そそくさと母の元に寄り添った

 

 

「えへへ、ママしゃま~、ママしゃま~♪」

 

 

「うふふっ、雅緋ったら♪」ナデナデ

 

 

自分の膝に顔を埋める雅緋に対して母は優しく温かく頭を撫でた

 

 

「(あぁ、気持ちいい…ママしゃまのなでなでは最高だ♪)」

 

 

そのあまりの心地よさに心も体もほっこりするようだった

 

 

幸せを噛み締めればしめるほど雅緋の心は母と離れたくない、ずっとこうして居たいという気持ちになる

 

 

『……オレの妹は交通事故にあって命を落とした』

 

 

「――っ!?」ピクッ

 

 

だが、幸せに浸っていた雅緋の脳裏に少し前の柳生とのやり取りがフラッシュバックした

 

 

『今でも妹のことを思い出すだけで胸の奥がギュッと締め付けられそうな思いに駆られる』

 

 

あの時、拠点にやってきた柳生は自分の過去を、妹を失った時のことを赤裸々に語った

 

 

『でも、だからこそオレは逃げない。どんなに辛く、痛く、苦しくても、それらよ痛みと共に前に進もうと思うんだ』

 

 

大切なものを失う悲しみ、絶望を味わいながらもそれでも前に向かって行こうと決めたといっていた柳生の言葉が脳内に響いた

 

 

「…っ」

 

 

柳生の言葉を思い返すと雅緋の顔に先ほどまでの浮かれ気分は鳴りを潜めてしまい、途端に苦い顔をしていた

 

 

「あら、どうしたの雅緋、急に黙り込んで何かあったの?」

 

 

「えっ?…い、いえ、何でもないですよ!あっ、あはははは…」

 

 

「そう?それならいいんだけど、何か悩みがあるのなら遠慮なく言ってね、力になるから」

 

 

「ママしゃま…ありがとう、ございます」

 

 

母の優しさがこの上なく嬉しく思う半分、先の柳生のことを考えるとどうにも複雑な心境にならざるおえなかった

 

 

こうして雅緋が母との時間を過ごしている時だった

 

 

草木をかき分ける音が近くからしてきた

 

 

「――っん?姉さん、来てたのか?」

 

 

「あっ、光牙!」

 

 

雅緋と母の前に現れたのは光牙だった

 

 

「あら光牙、いらっしゃい。来てくれたのね」

 

 

「…あぁ、来たよ母さん」

 

 

母に出迎えられ、少し照れくさい顔をしながら光牙は2人の元に行くとゆっくりその場に腰掛ける

 

 

そうして母がいれてくれたお茶の入った湯吞みを口に運び、ごくっと飲み、一息入れる

 

 

「光牙、最近はどうなの?」

 

 

「…別に大したことはないさ、あいつらの面倒を見たり強くなるために修行に明け暮れてるよ」

 

 

「うふふ。相変わらず真面目ね、お母さん嬉しく思うわ、あなたが立派な人になってくれてて」なでなで

 

 

「か、母さん。頭を撫でるのはやめてくれ///…俺はもうそんな歳じゃない」

 

 

母に頭を撫でられた光牙は照れくさそうに告げる

 

 

「いいじゃない、どんなに大きくなっても私にとって2人は最愛の子共たちであることに変わりはないんだから」

 

 

「ママしゃま♪私もママしゃまのこと大好きです!」

 

 

「……っ」

 

 

母からの愛ある言葉を受け、雅緋が漫勉の笑みをこぼして抱き着く

 

 

しかし光牙のほうはどこか複雑そうな顔を浮かべていた

 

 

「…さて、俺はもう行くとする」

 

 

「えっ?」

 

 

「あら、もう行っちゃうの?」

 

 

「あぁ、あいつらを心配させるわけにはいかないからな。それに俺には果たないといけないことがあるから」

 

 

お茶を飲み終え、話す話題も終わったところで光牙は帰ることを告げる

 

 

仲間たちに心配をかけさせないためにも、自分が今すべきことを果たすためにも

 

 

「そう、わかったわ。また来てね」

 

 

「わかっている…それじゃ」

 

 

互いに挨拶をし終えると光牙は来た道を歩いて行った

 

 

 

 

 

 

別れた後、光牙は拠点に向かう帰路の道を進んでいた

 

 

「…っ」ピタッ

 

 

しかしその途中で歩みを止めた

 

 

「……隠れてないで出てきたらどうだ?」

 

 

後ろを振り返り視線を向ける

 

 

すると草葉の陰から現れたのは雅緋だった

 

 

「何をこそこそとしているんだ姉さん?」

 

 

「…光牙、一つ聞いていいか?」

 

 

「なんだ?」

 

 

「お前はなんでそんなに割り切れているんだ?」

 

 

隠れながらに自分のことを追いかけてきたのであろうことを察しながら雅緋にそのことを光牙は問うた

 

 

雅緋は光牙に質問を質問で返すように訪ねてきた

 

 

「どういうことだ?」

 

 

だが光牙にはその質問の意図が分からなかった

 

 

「だって、せっかく母さんと会えたんだぞ!私たちを育て愛して抱きしめてくれて…あの日、死んでしまった母さんと!…なのにお前はどうしてそんなにいつも通りでいられるんだ?」

 

 

自分はこの世界で再会してから皆のことを差し置いてでも忘れていた時間を取り戻すように母に甘えているというのに

 

 

同じ想いを抱いているはずの光牙は母と過ごすよりも今までと変わらず仲間たちの元で過ごしている

 

 

それを考えるだけで何か底知れぬ敗北感に近いようなものを感じていた

 

 

この差はいったいなんなのかとそればかりが頭を回っているようでいてもたってもいられなかったのだ

 

 

「別にいつも通りってわけでもないさ、俺だってこの世界で母さんとまた会えたことは素直に嬉しいと思っている」

 

 

「な、なら、どうして?」

 

 

「それと同時に弁えてもいるからだ」

 

 

「弁える?」

 

 

雅緋の必死の問いかけに対して光牙は自分も変わらないと主張をしつつ、それと同時に弁えてもいると語る

 

 

光牙のその言葉を聞いた雅緋は意味が分からないといった顔を浮かべていた

 

 

「確かにこの世界では母さんのように死者に会うことができ、懐かしさに思いをはせることができる。だが、それにうつつを抜かしてばかりで自分の道を耳失うようでは本末転倒もいいところだ。俺にはも尾の世界でやらなければならないことがたくさんある。それを果たせぬようではそれこそ母さんに顔向け出来やしないからな」

 

 

この世界にいれば亡くなった人たちと会うことも会話もできる

 

 

一緒に過ごすこともできる

 

 

だが、それに甘えて、過去の思い出に浸っているばかりでは今の自分を見失う、それは自分たちを信じ、今を託してくれた者たちへの冒涜でしかないと光牙はわかっているからだ

 

 

「……お前も柳生と同じなのか?」

 

 

「っ?」

 

 

「お前も…柳生と同じことを言うのかっ!」シャキン!

 

 

「姉さん!?」

 

 

話しを聞き終えるや否や意味深な言葉を呟くと共に愛刀である妖刀を手にする

 

 

「やぁぁっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

そして突然自分に向かって飛び出す雅緋に光牙は戦慄するのだった

 

 

 

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