閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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読者の皆様、大変長らくお待たせいたしました


最後のオリ主にして、月閃女学館最後の1人


降臨!! 満を持して…!


第四章 あなたが、月閃6人目の忍……?

屋上にて、佐介の後ろから、フェンスの上に太陽を背に降り立つ影が

 

 

佐介は突如として舞い降りた影に驚いていた

 

 

「あなた…いったい?」

 

 

「ご機嫌よう、半蔵学園最強の忍、佐介くん。……私の名は紫苑(しおん)と申します。死塾月閃女学館を束ねるリーダーを務めており、雪泉たちと同じ選抜メンバーです」

 

 

名乗りあげる紫苑、その時、ふと紫苑の顔を見てハッとなる

 

 

「っ!?…あなたはあの時、すれ違いざまに」

 

 

佐介の脳裏によぎるあの時の言葉

 

 

 

『御機嫌よう…』ボソッ

 

 

 

そう、蛇女との戦いを終えて間もない日にランニング中の自分にそう語りかけた人だった

 

 

「覚えてくれてましたか…」

 

 

「っ…?」

 

 

ついに姿を現した月閃女学館六人目の忍、紫苑

 

 

雪泉曰く、最強にして神の力を持つ忍

 

 

未知数の相手を前に、佐介は言葉を失う

 

 

現在、半蔵学院は月閃女学館との学炎祭が始まり、それぞれ戦いを繰り広げていた

 

 

 

「…」

 

 

「どうしました?月閃には5人だけしかいないと思っていたのですか?…でしたら残念なことですね」

 

 

「っ!?」

 

 

まるで心を見透かしたかのように紫苑は述べる

 

 

紫苑はゆっくりと地面に降り立つ

 

 

それとともに紫苑の姿を見て佐介は不覚にも美しいと感じた

 

 

それもその筈。今、自分の目の前にいる人物はそれはもう美しかった

 

 

もちろん飛鳥たちも綺麗と思っている佐介だが、紫苑の容姿は老若男女問わず見惚れると言っていいほどのものだ

 

 

腰まで届くほどの長い銀髪、紫の瞳、汚れないほどの綺麗な白い肌

 

 

胸は飛鳥と斑鳩の中間ほどの大きさだった

 

 

「さて、無駄な話しはここまでとしましょう。なにしろ私たちの目的はあなたたち半蔵学院を完膚なきまでに叩き潰すことなのですから」

 

 

「っ。どうして…どうしてそこまで?」

 

 

「どうして…?自分の胸に手を当てて考えて見ることです」

 

 

言っていることが少し理解できない佐介に紫苑は述べる

 

 

「わからないのなら教えてあげましょう。理由は簡単。あなたたちはあまいからです」

 

 

「僕たちが…あまい?」

 

 

「そう、我々善忍は悪忍からこの世を、人々を守るために存在する。そして悪忍は私たちの最大の敵であり、この世界にのさばらせるべきではない。…なのに噂では、あなたたち半蔵学院の忍がその倒すべき悪忍とあろう事かなかよくなっているという話しを耳にしました。正直、理解に苦しみます」

 

 

紫苑はつまらなそうにそう告げる

 

 

「やはり、半蔵が掲げる正義など名ばかり、真に正義と呼ぶにふさわしいのは我が師、黒影さまなのです」

 

 

「っ、僕のことはなんと言われても構いません。ですが、僕の尊敬する偉大な忍、半蔵さまのことを悪くいうのは聞き捨てなりません!!」

 

 

「ならばどうします?」

 

 

「あなたを倒し、その言葉を取り消させます!!」

 

 

そう言うと全身から力を湧き上がらせる

 

 

「ならば、かかってきなさい」

 

 

「では……行きます!!」

 

 

佐介はダッシュするとともに大きく拳を引き絞る

 

 

「はぁぁぁぁ!!!!」

 

 

そして相当の力を込めた正拳突きを繰り出す

 

 

「…クリア・ウォール」スッ

 

 

ヴゥゥーン!

 

 

バキン! ジジジジジジ!

 

 

「なっ!?」

 

 

「…この程度ですか。あなたの力とは?」

 

 

しかしその佐介の正拳突きを右の掌を顔の前に持ってくると、それを前方に突き出し、そこから発生させた透明の壁により佐介の攻撃を止めた

 

 

そして驚きのあまり隙が生じたのを見計らい

 

 

壁をキューブ状に変換させ、佐介の右手を包むほどに収縮させ、彼の右手を封じた

 

 

「なっ、なんですかこれは!?」

 

 

「ふっ…」スゥ

 

 

「うわっ!?」

 

ふいに引っ張られ、紫苑の後ろによろける

 

 

佐介は負けじと残った左手で攻撃しようとするも

 

 

ヴゥゥーン!

 

 

「あだっ!?」ゴチン

 

 

再び壁を発生させ、自分と佐介を分断させる

 

 

『えい!やぁ!』

 

 

「無駄です。このクリア・ウォールはそう簡単には砕けません」

 

 

『それなら…!』

 

 

「っ?」

 

佐介は巻きものを取り出すと叫んだ

 

 

『忍…(ソウル)転身!!』

 

 

すると佐介の体を風が包み、そして現れたのは葛城の力を得た姿、佐介・(ソウル)葛城だった

 

 

さらに先ほど封じられた右手のキューブも跡形もなく消え去っていた

 

 

「ほう、それが噂に聞いた(ソウル)転身、凄まじいパワーですね」

 

 

『へっ、褒めても…なんにも出ないぜ!!』

 

 

 

パリィィィン!!!

 

 

 

「私のクリア・ウォールを破りましたか」

 

 

「おうよ。これがオイラとかつ姉の絆が生んだ力だ!そらぁいくぜ!!」

 

 

(ソウル)葛城の佐介が紫苑に迫る

 

 

「そりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!」

 

 

そして隙のない連続蹴りを放つ

 

 

「勢いはいい…ですが」

 

 

パパパパパパパパパパパパパ、ガシッ!!

 

 

「所詮はこの程度に過ぎません…」

 

 

「なっ!?」

 

 

しかし紫苑はその佐介の蹴りを全て受け止めてしまった

 

 

さらにそれだけなく、佐介の攻撃を防ぐとともに足を掴んだ

 

 

「…今度はこちらの番です」

 

 

「っ!?」

 

 

「…麗しの水曲に抱かれて…眠りなさい!秘伝忍法・水伯の前奏曲(プレリュード)!!」

 

 

バシャァァァァァァァァァァン!!!!!!

 

 

「うわあぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

左てに水のエネルギーを作り上げ、突き出した瞬間、それは激流の如き勢いで佐介を飲み込み吹き飛ばした

 

 

そして佐介の体が柵に激突するとともに(ソウル)葛城が解け、元の姿へと戻った

 

 

「どうです、私の力は?」

 

 

「っ…こっ、これは?」

 

 

「遥か昔よりこの地球に命を与えし根源たる力。それが私の操る地、水、炎、風の四大元素から生まれしこの自然エネルギーなのです」

 

 

「そっそんな、自然の力を操る忍なんて…そんなの…まさに神の如き力じゃないですか…」

 

 

紫苑の圧倒的な強さ、自然を司る四大元素を操るその力はまさに神のようだった

 

 

「でも、負けられない……負けるわけには行かないんです!」

 

 

「っ…?」

 

 

ボロボロな体を無理やりにながら起こして構える

 

 

「僕たちが負けたらこの半蔵学院は灰とかす。それだけは絶対にさせません!」

 

 

「意気込みはよし…しかし、どうやら状態はそうでもないみたいですね?」

 

 

「なんですって……っまさか!?」

 

 

落ち着いて気を探ってみるとすでに4つの気は弱々しくなっており

 

 

残っているのはたった1つだけだった

 

 

「どうやら夜桜達の方は結果的には引き分けですが、ダメージ的には半蔵学院のほうが上のようですね」

 

 

「斑鳩さん…かつ姉…柳生ちゃん…ひばりちゃん」

 

 

佐介は4人のことを心配する

 

 

「雪泉のほうは少し手間取っているようですね。さすがに半蔵の孫、そう簡単には倒せないか…ん?」

 

 

雪泉たちのいる方を向いて紫苑はつぶやくもその瞬間、佐介の気が大きく膨れ上がるのを感じた

 

 

「これは…?」

 

 

「…飛鳥ちゃんも頑張っているのならば僕もこんなところで倒れているわけにはいかない。何より、学院を守ろうと戦い倒れた斑鳩さんたちの思いに答えるためにも僕は負けるわけにはいかない!!」

 

 

そう言うと佐介は再び、巻物を取り出し高らかに叫ぶ

 

 

「忍……超・(ソウル)転身!!!!!」

 

 

ガォォォォォォォ!!!!!

 

 

獅子を象ったエネルギーが佐介を包み込む

 

「ハァァァ!!!」

 

現れたのは耳を尖らせ、尻尾を生やし、髪が少々長くなった佐介の姿

 

 

「佐介・極限魂(オーバーソウル)!!」

 

 

佐介の強化形態、極限魂(オーバーソウル)だった

 

 

「っ!?」

 

 

これにはさすがに紫苑も驚く

 

「行きます!…ふん!!」

 

 

「なっ!?はやっ!?「せぇぇぇい!!」なぁぁぁぁ!!?」

 

 

力を込めたかと思うと一瞬にして紫苑の背後をとり、紫苑を吹き飛ばすほどの連続攻撃を与える

 

 

「っ…っ!?」

 

 

「超秘伝忍法・滅・螺旋連牙脚!!」

 

 

「うぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

佐介の超秘伝忍法技を受け、止めの蹴りを食らうとともに下に叩きつけられ、その瞬間、激突の衝撃で煙が舞う

 

 

「これが…僕の全力です!!」

 

 

煙の中にいる紫苑に佐介は宣言するのだった

 


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