相馬たちの前に現れ、この戦いが双方にとっても最後の戦いであることを告げる
死と消滅をかけた最終戦闘が開始され、相馬と響のぶつかり合いを合図に全員がそれぞれの相手とぶつかる
両陣営とも互いに一歩も引かない攻防を繰り広げ、それは勢いよく激しいものとなっていく
果たしてこの戦い、勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか…
各面々がそれぞれの相手と戦い火花散らしていく蛇女の拠点内
そんな中、最初の火蓋を切ったこの2人もまた例外ではなかった
【「たあぁぁぁぁぁぁぁぁ――っ!!!」】
「おらぁぁぁぁぁぁ――っ!」
声を張り上げながら相馬と響がぶつかり合う
互いに手にシノヴァイザーとプロトシノヴァイザーを装備し、スラッシュモードの部分による斬り合いを繰り広げる
【「ふっ、せやっ!!」】ガキン!
「うわっ!?」ドサッ!
しかし響の方が若干優勢だった事もあり、直後に繰り出された斬り上げによって態勢を崩した相馬が地面に転がる
【「もらった――っ!!」】
すかさずプロトシノヴァイザーを突き立て、相馬に止めを刺そうとする
「――っ!」カチャン!ピコン!
刃先が迫り来る中、相馬がシノヴァイザーに巻物を装填し、ボタンを押す
ギュィィィィィン!
【「なにっ!?」】
プロトシノヴァイザーの刃先が突き刺さろうとした瞬間、相馬がそこから消えた
標的を失った刃先が地面に突き刺さる
攻撃をスカしてしまったことを悔やみながらも消えた相馬の行方を追おうとする
「こっちだ」
【「なにっ!?」】
「おらっ!!」
【「ぐあぁああっ!?」】
後ろからの声に振り替えるとそこには相馬が居り、直後にシノヴァイザーの突き攻撃を受けてしまった
不意打ちを受け、よろけながらに後方へと下がる
【「ぐぅ~!?」】
「余所見している暇はないぞ?」
ダメージにもがき苦しんでいると今度は前方から声が
見るとそこには蒼馬が立っていた
【「あんたは蒼馬…くそっ!」】
「ふっ、はっ!でやっ!」
【「がはぁ――っ!?」】
驚きつつも攻撃を繰り出す響だったが、蒼馬はそれを合気道の要領で刺突による攻撃をいなすと共に地面に叩き付ける
【「っ~!ぬあぁっ!」】
「――っ!?」
だがこのまま黙っている響でもなく全身に力を込めて無理やり拘束を解除すると距離を取った
【「なるほど、さっきの攻撃の際に分かれたってわけね?」】
「あぁ、その通りだぜ!」
「俺たち2人で今度こそお前たちを止める!」
【「私たちを止める?はっ、ふざけたこと言ってんじゃないわよ――っ!」】
蒼馬も加わった事で圧倒的に優勢になったと主張する2人に対し
調子に乗るなと響が激昂した様子で襲い掛かってきた
響を迎え撃つべく相馬と蒼馬も応戦し、徒手空拳による奥州に発展する
「ふっ!ほっ、てやっ!」
「はっ!せやっ!!」
【「ぐぅ――っ!?」】
しかしここでも相馬と蒼馬のコンビネーションが発揮され、響の攻撃を互いにカバーしながら防ぎ
その隙を突いて攻撃を繰り出すという戦法に翻弄されていく
「おらっ!!」ザシュン!
【「がは――っ!?」】
続け様に相馬がシノヴァイザーの斬撃で響を怯ませる
「アオ!」
「任せろ!」
直後、相馬は蒼馬に合図を送ると共にシノヴァイザーを宙に投げる
息を合わせるように蒼馬が相馬の背を踏み台替わりに跳躍し、宙を舞うシノヴァイザーをキャッチする
「はあっ!!」バキュキュキュン!
【「うわぁぁぁ!?」】
シノヴァイザーを手にし、銃モードで光弾を連発する
響はその攻撃を受け、更にダメージを負いながら地面を転げ落ちる
「おっし!ナイスだぜアオ!」
「ふっ、当然だ」
【「ぐっ、くぅぅぅ――っ!」】
2人の連携攻撃に手も足も出ず、響は過度なダメージによって重々しいその身で立ち上がろうと必死だった
【「ふがぁぁぁ――っ!?」】
【「こ、この声はっ!?」】
しかしその直後に近くの方から叫び声がするので響が振り返る
「はっ!やぁ――っ!」
「とぅ♪えーい♪」
【「フガガガ――ツ!?」】
視線の先には両備と両奈の攻撃を受けている光景
「決めるわよ両奈!」
「うん♪」
「「はぁ~!…はぁあああっ!!」」
【「ぐがぁぁああぁ――っ!?!?」】
両備と両奈が力を込めた弾丸を放ち、それを食らった事で大きく後方へと吹き飛ばされた
その光景を目にし、驚いているとすぐ後に同じように仲間達の叫び声がする
しかも複数聞こえたため、まさかと思いつつすぐにそっちのほうに視線を向ける
「これで、終わりにします!……はぁぁぁぁぁ!」
紫が全身に力を込めると共に髪に付いている手裏剣に禍魂の力のオーラが纏わった
「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
【「きゃあぁぁぁぁぁぁ!?」】
力を纏った斬撃によって莉愛は切り裂かれた
「たぁぁぁっ!」
【「っ、まずい!?…忌夢!待つんだ!私とお前の仲だろ!?」
「――っ!?」ピクッ
迫りくる忌夢を前にした智美が変身能力を使い雅緋に成りすます
忌夢は咄嗟に前方で止まる
「そうだ、それで良いんだ。流石忌夢だ」
雅緋の容姿と声で忌夢を誘惑しようとする
「…残念だったね。もうボクにその手は効かないよ!」
「なっ、なんだと?」
上手く行っていたと思っていた作戦が失敗したことが信じられないような顔を浮かべていた
「どんなに模倣しようとも所詮お前は雅緋じゃない――っ!」
【「なぁぁぁぁぁぁぁ――っ!?!?」】ビリビリビリビリ!
いくら姿形を真似ても決してそれは本人ではないと確信を突いた忌夢の渾身の電撃の一発を受けた智美は
全身を感電させながら叫び声をあげ、終いには黒焦げになってしまっていた
【「食らえ――っ!!」】パシュシュシュシュ
「はぁぁぁぁっ!」
【「っ、てぇいっ!」】パシュシュシュシュシュシュ!
「――っ!」
雅緋の方でも状況に変化が見え出していた
針が再生した事で遠距離からの攻撃を再開し出し、更にはその前に作り出していた長刀による接近戦も可能という正に攻守一対の体制を確立させていた
にも関わらず状況の方はそれとは真逆の展開を見せており、手数で上回っていた筈が徐々に追い込まれていたのである
【「なんで!?なんでさ!?こっちはほぼ全力出してるのに!?」】アセアセ
予想外過ぎる現状に耐え切れず声を荒げる
「お前は、確かに強い……だがっ!」
その瞬間、飛んできた針を黒炎の斬撃波で焼き尽くす
「私たちは負けられない、悪の誇りをこんなところで汚すわけにはいかないんだ!」
【「ほざくなー!!やぁぁ――っ!」】
減らず口を黙らせようと特攻をかけてきた
「秘伝忍法…」
迫りくる彼女を前に雅緋が構えると共に術の発動を呟く
「【悦ばしきInferno】!!」ザシュン!
【「ぐっ……ぐふっ!?」】ドサッ!
次の瞬間、雅緋の一太刀を受け、地面に跪いた
【「そ、そんな…」】アセアセ
響は絶句した
次々と仲間達が倒されていく光景を
以前は互角か自分達が勝っていた筈なのに
今は彼方の方が圧倒的で此方がほぼ手も足も出せない程だった
「響、もうやめにしよう。これ以上俺はお前たちと戦いたくなんかない」
「俺も同感だ。これ以上の戦いは無意味だ。お前たちにもう勝ち目はない」
勝利を確信した相馬たちは諭すように響に告げる
【「…ふ、ふふふふふふふ」】
「っ?」
「何が可笑しい?」
等々に笑い声を上げる響に相馬たちは困惑する
【「…言ったでしょう、この戦いに終わりがあるとしたらそれはどちらかが消える時だって!」】
「「――っ!?」」
相馬たちの言葉に唾を吐きながら響は隙を突いて距離を取る
「響、これ以上の戦いは虚しいだけだ!」
「あれを見ろ、既に勝敗は決している!」
再度2人が響を諭そうとするも
当の響は全く聞く耳持とうとはしていなかった
【「確かに今の私達ではあんたたちに勝てないようなのは分かった。だから…こっちも奥の手を使うのよ!」】
「奥の手だと?」
響が奥の手とやらを使うと言い出し、2人は何の事か分からない様子だった
【「あんたたちは知らないだろうけど、プロトシノヴァイザーにはシノヴァイザーにはない能力がある。それは他者の生体をデータ化させ、自身のエネルギーに還元する能力よ」】
「な、なにっ!?」
「プロトタイプにそんな能力が?
プロトシノヴァイザーが持つ機能の全貌を聞かされ、相馬達は驚愕する
【「無論これも万能ってわけじゃない。吸収できるのはあくまで相手を弱らせたりしなければ吸引の際に抵抗されて失敗に終わる。だけど……皆!やるわよ!」】」
【「「「「――っ!」」」」」】バッ!スタッ!
「「「「「っ!?」」」」」
不敵な笑みを浮かべた直後に響きが全員に呼びかける
すると4人が一目瞭然に響の元に集う
【「…やるのね響?」】
【「えぇ…やるわよ。覚悟はいい?」】
【「「「「っ」」」」】コクン
【「…ありがとう、っ!」】
皆の同意を得た事で響が行動を開始した
プロトシノヴァイザーのボタンを押すと奥の手と呼ばれる機能が発動する
銃口から吸引力を持った風が発生した
【「ぐぅぅ、ふがぁぁぁぁぁあ――っ!?」】シュゥゥゥ
「「「「「「「っ!?」」」」」」」
するとうち一人の身体がデータ化され、プロトシノヴァイザーに吸収された
【「あぁぁぁぁぁぁぁ!?」】
【「うわあぁぁぁぁぁぁ!?」】
それを皮切りに他の面々も次々と吸い込まれていった
「やめろ響、なんでこんな事を!?」
【「余計な口を挟まないで相馬、これは私達が自らの意思で望んだ事よ」】
「…智美」
吸収行為をやめさせようとする相馬だったが、対して智美がこれは自分たちの意思だと告げ、それを阻む
【「ごめんね、智美」】
【「気にしてない、こんな姿になってしまった時からもう後戻りできないってわかってたから」】
【「…ありがとう――っ!!」】
礼の言葉を告げると響は最後の1人である智美をプロトシノヴァイザーに吸収させた
【「これで揃ったわ……見せてあげる。私たちの覚悟を!ふぅぅん!!」】ブスッ!
「――っ!?」
「なにっ!?」
全員を吸収させた響はそのプロトシノヴァイザーをあろうことか自分の体に突き刺した
【「ぐぅぅぅ、ぐあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――っ!?!?」】
取り込んだ四人の生体エネルギーが全身を駆け巡っているのか響は苦しそうな断末魔を上げる
何が始まろうとしているのか相馬たちには見当もつかなかった
【「ぐあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――っ!!!」】
ビュオオオオォォォォォォ!!
「「「「「「「――っ!?」」」」」」」
二度目の叫び声とともに衝撃波が発生し、その圧によって全員が怯んだ
やがて衝撃波が収まったタイミングで皆が視線を向ける
「……あっ!?」
刹那、相馬たちの目に映ったのはとんでもないものだった
【「ふぅ~~……ふ、ふふふふふ、ふははははははははははははは!!」】
一呼吸を終えた直後、高らかな笑い声をあげるのは4人の力を取り込みパワーアップを果たした響の姿だった
「こ、こんなことが」アセアセ
「なんて…邪悪で、禍々しい…臭い」アセアセ
「ちょっと、なんなのよあれ」アセアセ
「想像の斜め上を行ってるよ」アセアセ
目の前で起きている現実に皆処理が追い付いていないようだった
更なる進化を果たした響、その実力は果たして…