山道を進む佐介の後を追いかけていき
茂みをくぐり、向こう側に向かって行く佐介に続くように飛鳥たちもその先へと足を踏み入れた
たどり着いた喉かな景色の広がる場所に建てられた一軒家を見つけた飛鳥たちは恐る恐る中を覗き込んで見た
中には佐介と2人の人物がいるのを見て疑問を浮かべる飛鳥たちだったが
自分たちの存在に気づいていた女性から声をかけられ、慌てふためきながらも紆余曲折を経て家の中に入ることになった
そこで飛鳥たちは佐介の口から2人が自分の両親であると聞かされ驚きの声を上げるのだった
佐介を追いかけて辿り着いたこの家で衝撃の告白をうけ、飛鳥たちは固まってしまっていた
「こ、この2人が佐介くんの…?」アセアセ
「ご両親…?」アセアセ
「おいおい、嘘だろ?」アセアセ
「びっくりだよ?」アセアセ
2人が佐介の両親だと聞かされ、驚きのあまり上手く言葉が出せない状態だった
「凄い驚き振りだな?」
「仕方ないわよ。いきなりのことで衝撃過ぎたんでしょ。佐介だってそうだったんだし」
驚く飛鳥たちの様子に2人が初々しいものを見るかのような目を向けていた
「皆さん、大丈夫ですか?」
「佐介、そんな顔しなくても平気よ。あなたたち、戻ってらっしゃい」パンパン
「「「「「――っ!?」」」」」
面を食らったままでいる飛鳥たちに対し、手を数回叩く
その音で飛鳥たちはようやく我に返った
「あっ、は、はい…」
「そう、よかった。これでようやく話が進められそうね」
あのまま驚いているばかりではぼちぼち話もできないからとそう語っていた
「……ふふっ、なるほどね」
「な、なんですか?」
「あぁ、ごめんなさい。この子が信頼を寄せる子たちがどんなか気になっていたのだけれど、みんな根っこがしっかりしてそうな子たちで安心したわ。私こう見えても観察眼には多少の自身があるのよ」
未だどこかソワソワした様子の飛鳥たちに対して笑みをこぼすと佐介が信頼を寄せるのも分かるといってくれてみな悪い気はしなかった
「それにしても……随分と大きくなったのね”飛鳥ちゃん”」
「えっ?なんで私の名前を!?」
「お母さん、どういうことですか?確かに前々から飛鳥ちゃんたちのことを話し手たりはしましたが!?」
まだ自分たちは2人に自己紹介してはいない
佐介も話しには出していたがどの子がそれということは言っていない
にも関わらず彼女は飛鳥の名を呼んだ
まるで最初から知っていたかのように
「覚えてないのも無理はないわ。あなたとはまだ赤ちゃんだった頃に会ったきりだからね。実は私たちあなたのご両親とも知り合いなのよ」
「「えぇ――っ!?」」
さらに衝撃的な発言を聞かされ、このことに関しては先んじて聞いていなかったようであり佐介も同様に驚いていた
「佐介くんのお母さんってお母さんと知り合いだったんですか?」
「そうよ。忍学生時代の頃からの友達だったのよ。よく一緒に遊んだり、忍学生として修行にも明け暮れたわ、今思い出しても懐かしい」
そこから佐介の母はいろんなことを語ってくれた
時々喧嘩したりすることはあれど2人の仲が崩れる様なことはなく大人になってもそれは変わることはなかった
忍としても女性としても成長を遂げていく2人はやがてそれぞれの相手と恋に落ちていく
恋に落ちた相手というのはもちろん後に2人の父となる者たちのことを指していた
互いに運命の相手を見つけ、様々な困難や苦悩もあったが、それらを糧にし、無事に子を授かるまでに至ったのだ
自分たちの母が互いに友達関係だったのだと聞かされ、驚きか絶えなかった
「あなたのお母さんもそうだけど半蔵様や小百合さまも感謝してもしきれないわ。なんたって私たちの大切な佐介を育ててくれたんだもの」
心の底から飛鳥の母や半蔵や小百合に対して佐介を育ててくれたことに対してとても感謝している様子だった
「そんなそんな、お母さんたちだって佐介くんのことを本当の息子だとか孫が増えたみたいだって言ってましたよ」
「そう…それを聞けただけでも安心だわ」
それに対し飛鳥は自分の母たちが佐介を引き取って以降は彼の心優しさも相まって本当の家族のように接していたと話した
どこか申し訳なさそうな顔を浮かべていた虎白だったが、飛鳥からその話を聞いて気持ちが少し晴れたようだった
「あの、いいですか?」
「斑鳩さん?」
ある程度会話が区切られたところに斑鳩が声をかけてきた
「あら、なにかしら?」
「いえその…お二人の話しを聞いてたら少し訪ねてみたいことができたものでして、あの、幼い頃の佐介さんってどんな感じだったんですか?」
「ふぇっ?」
ここで斑鳩からの思わぬ発言に佐介は面を食らう
「おお、それいいな。アタイも興味あるぜ」
「うんうん。ひばりも見てみたい、柳生ちゃんも見てみたいよね?」
「オ、オレは……うん」
斑鳩のその願いに賛同するかのように葛城たちも乗り出した
「えっ?ちょ、皆さん?」
「わ、私も知りたい。出会う前の幼いころの佐介くんのこと!」
「飛鳥ちゃん!?」
更に飛鳥もこの提案にノリノリだった
「みんな知りたがりさんね〜。じゃあ特別に見せてあげようかしら♪」
「えっ?見せるって?」
「あなた、持ってきてくれる?」
「あぁ、わかった。ちょっと待ってろ」
ここで佐介母が声をかけると父が一旦席を離れる
数分後、黒獅が何やらファイルを持ってきた
その様子にワクワクする飛鳥たちと何が起こるのかと佐介のほうは不安そうな顔を浮かべていた
「さぁ、お待たせしたわね、これはね、私たちが生前にこの子の写真の入ったアルバムよ」
佐介母はファイルの中身が生前に自分たちが取り留めていた写真の入ったアルバムであることを説明する
一同がうずうずしている中、虎白がファイルのページを開いた
開かれたファイルの1ページ目にはとある写真が数枚飾られていた
「あの、もしかしてこれって」
「えぇ、この子が生まれた時のものよ」
「「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」」
飛鳥が質問し、虎白が答えると皆が歓喜の声を上げる
写真には虎白の腕に抱きかかえられている生まれたばかりの佐介の様子が写っていた
「す、すごくかわいいです♪」
「これが生まれたてのころの佐介くんなんだね♪」
「…なんて、愛らしいんだ」
生まれたての佐介の写真に皆見入っていた
「まだまだ。こんなもんじゃないわよ♪」
「えぇっ!?」
佐介は今世紀最大と言っていいくらい焦りを感じていた
「これは初めてはいはいした時のもので」
「「「「「おぉ…」」」」」
「こっちはお昼寝してる時ので〜♪」
「「「「「おぉ〜!」」」」」
次々と出てくる飛鳥たちにとっては貴重な、佐介にとっては恥ずかしさこの上ない幼き日の姿
「まだまだあるわよ♪」
「是非見せてください♪」
「も、もう勘弁してくださーい!?」
悲痛な声をあげる佐介だったが。結局この後も皆のアルバム鑑賞は続くのだった