閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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月閃に攻め込んで来た紅蓮竜隊との戦闘が勃発し、叢が詠に打つ倒されてから次々と仲間たちも倒されてしまう


絶体絶命の危機に陥ってしまった叢たち、そんな彼女たちを救うべくして現れた雪泉の登場によって状況が変化した


さらにはその後に続くようにこの場に紫苑も到着した


敵味方双方とも思いもよらぬ事態に驚きを見せつつも紅蓮竜隊のほうは多少の変化をもろともせず


この場の勝利を得るためにも自分たちの前に立ちはだかる紫苑に攻撃を仕掛けてきた


その光景に叢たちは紫苑が不利と焦った様子を見せるも、雪泉は彼女たちに心配はいらないと宥める言葉を送る


信頼と期待を寄せる雪泉の思いに応えるかのように紫苑が動きを見せ


ついにこれまで山で特訓をしていた成果を披露し、その姿を知らしめるのだった


闇、再び 

月閃の拠点にて戦慄が走る

 

 

全員の視線は紫苑に釘付けだった

 

 

「…ふぅ~」

 

 

そんな彼女達を他所に紫苑は力を解放し終えると力んだ余力を空気と一緒に口から吐き出していた

 

 

「……どうにか成功してくれたようだね」

 

 

手を握りしめ、力を解放が上手くいったのを体を動かしながら紫苑は確認していた

 

 

「な、何よあれ?一体何をしたのよあいつ!?」

 

 

「焔さん並にくろっくろやな?」

 

 

未来と日影が紫苑の変貌に驚いている様子だった

 

 

「あら紫苑くん、一瞬のうちに随分と焦げたわね?おまけに白かった衣装もそんなに黒くなって?」

 

 

「驚きましたか?正直自分でもそう思いますよ。もう二度となることはないだろうと思っていたこの姿によもや自分の意思でなることになるなんてね」

 

 

あの戦い以降、二度と使うまいと思っていたこの力を自分が解放させるなど想像してもいなかった

 

 

「でも、だからこそ、こうなったからには貴女達にもう勝利の二文字はありませんよ」

 

 

「言ってくれるわね。ならその力、どれほどか見せてもらうわよ――っ!」

 

 

「「――っ!!」」

 

 

話しを終わらせると共に春花達が一斉に飛び出してきた

 

 

「まずはあたしが相手よ!食らえ――っ!!」

 

 

未来が跳躍するとともにたくし上げたスカートの中からガトリング砲を展開し、それを紫苑目がけて飛ばす

 

 

「…っ」

 

 

弾丸が迫りくるも紫苑は逃げる様子を見せず、おもむろに右手を突き出す

 

 

右手を突き出してから僅かな時間の中、紫苑は動かずにいたが、その直後目をかっとさせる

 

 

すると紫苑に向かっていた無数の弾丸が直前になって動きを止める

 

 

「な、どういうこと!?」

 

 

「お返ししますよ…はあっ!」

 

 

動きが止まったことに困惑する未来に向かって紫苑が弾丸を跳ね返す形で未来に飛ばす

 

 

「きゃあぁぁぁぁぁ――っ!?」

 

 

「未来!?」

 

 

攻撃を跳ね返され、未来は地面に倒れる

 

 

「今度はわしの番や――っ!」

 

 

「ふっ!」

 

 

「なっ、なんやて!?」

 

 

「たあっ!」

 

 

背後から襲い掛かる日影の攻撃を寸前で屈むとともに躱し

 

 

直後に蹴り上げ攻撃を繰り出した

 

 

日影は咄嗟に防御の姿勢を取り、そのまま身を宙に浮かす

 

 

すかさず紫苑は構えを取ると手のひらに風を呼び寄せる

 

 

「闇の風よ、吹きすさべ【暗風のソナタ】――はあっ!!」

 

 

 

ビュォオオオオオオオ!!

 

 

 

「な、なんやて!ぬぁあああ!?」

 

 

紫苑の放った黒き風は頭上にいる日影を瞬く間に飲み込んでしまった

 

 

数秒後、風が止むと上空から風の刃で切り刻まれたと思われる日影が落下していった

 

 

「未来…日影ちゃんまで」

 

 

この短時間で2人が瞬殺されてしまったことに春花は唖然とする

 

 

「次はあなたの番ですね、春花さん?」

 

 

直後に紫苑が春花に話しかけてきた

 

 

「(…これは見誤ったわね?闇の力、恐ろしいものね。しかもそれを紫苑くんが使うだなんて)」アセアセ

 

 

計算が狂ったばかりか想定外の事態になってしまった

 

 

先ほどまで優先だったのが言い分、果ては劣勢にまで追い込まれてしまっているのだから

 

 

「来ないのでしたら、こちらから参ります――っ!」

 

 

「っ、させないわよ!!」

 

 

≪『ウィ~ン!』≫ババババババ!

 

 

向かってくる紫苑を前に春花は傀儡を操作してそれを阻もうとする

 

 

傀儡は両手を展開させ、銃やミサイルを乱射する

 

 

自分めがけて飛んでくるそれらを紫苑はすかさず回避していく

 

 

「はっ!」ビュゥン!

 

 

十分に間合いを取った紫苑は傀儡の目の前で跳躍した

 

 

「てぇい――っ!」

 

 

さらには傀儡に蹴りを食らわせ、それを食らった傀儡は春花の目の前まで吹き飛ばされた

 

 

「くっ!…あっ!?」

 

 

戦闘不能になった傀儡を見て、よくもという顔を浮かべながら紫苑のほうに視線を向ける春花だったが

 

 

既に紫苑は次なる手を準備していた

 

 

右手を空高く掲げ、その手のひらには闇のエネルギーが混ざった黒い炎の球体が生み出されていた

 

 

これはまずいと春花は危機を察知する

 

 

「行け!【黒炎の夜想曲(ノクターン)!!】」

 

 

しかしそれよりもはやく紫苑が黒き火球を繰り出した

 

 

「〜――っ!!?!?」

 

 

向かってくる黒炎の火球を前に春花は逃げることも出来ず

 

 

黒炎が近付くにつれ春花の世界は白一色に染まる

 

 

 

 

ドバアァァァァァァァァン!!!

 

 

 

次の瞬間、凄まじい爆発が巻き起こる

 

 

「春花さん、〜〜――っ!?」

 

 

爆発の光景を目の当たりにしていた詠はすぐにでも駆けつけようとしたが、爆発の衝撃による風圧で身動きが取れなかった

 

 

やがて風圧が収まり、体の自由がきくまでになった

 

 

「あっ!?」

 

 

そうして詠が再度視線を向けるとそこには紫苑の攻撃によって戦闘不能になっている春花だった

 

 

「みなさんが…そんな」

 

 

「どうしますか?ここで終わらせるか続けるか?」

 

 

「くぅっ…わたくしたちの負けです、潔く引きます」

 

 

他の面々がやられてしまったことで詠は状況を把握し

 

 

自分たちの敗北を認めた詠は少しして意識を取り戻した春花たちと拠点に帰還していった

 

 

紅蓮竜隊の面々がいなくなるのを確認すると紫苑が肩の力を抜く

 

 

すると紫苑の姿が元に戻った

 

 

「紫苑」

 

 

「――っ?」

 

 

声のするほうに視線を向けるとそこには雪泉たちが自分の元に集まってきていた

 

 

「…叢」

 

 

「は、はい?」

 

 

「これを」

 

 

「あっ、わ、我のお面!」

 

 

紫苑が手渡したのは詠から取り戻した叢の面だった

 

 

叢は面を受け取ると嬉しそうな顔を浮かべながらそれを被った

 

 

「…やっと、やっと戻ってきてくれた」

 

 

面をつけたことで叢はいつもの調子を取り戻す

 

 

すると叢の視界の先に紫苑が映る

 

 

「…っ」

 

 

後ろめたかさ叢は紫苑の顔を直視できずにいた

 

 

自分のわがままによって紫苑と雪泉と対立する結果を作ってしまった

 

 

故にどうすればいいのかわからなからないのだ

 

 

「…叢」

 

 

「し、紫苑?」

 

 

暗い顔を浮かべる叢の頭を紫苑が優しく撫でる

 

 

「無事で、何よりだよ」

 

 

「…えっ?」

 

 

「君だけじゃない、夜桜も四季も美野里も、みんな無事で何よりだ」

 

 

「…紫苑」

 

 

仲違いするきっかけを作ってしまった自分に対して紫苑は今までと変わらない優しい笑みを向けてくれていた

 

 

自分たちの無事を何より安堵しているようだった

 

 

「……う、うぅ……うわぁぁぁぁぁん!うぁぁぁぁ!!」

 

 

紫苑の優しさに包まれた叢は溜まらず泣きじゃくった

 

 

「むらっち…しおんちん…うぇぇぇん!」

 

 

「ぐぅ…うぅぅ…!」

 

 

「うぇぇぇえん!ふぇぇぇぇん!」

 

 

叢につられるように皆も泣きじゃくり出した

 

 

「…よしよし」

 

 

そんな彼女たちを抱き寄せ、優しく胸を貸してあげる紫苑だった

 

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