行方知れずになる前に飛鳥が言い残した言葉を思い出し、佐介両親のいる家に向かうことを決めた
家に向かう山道の途中、彼らの前に光牙が現れ、飛鳥が行方不明の真相は佐介の両親が彼女を拉致したと告げる
何かの冗談かと問う佐介に光牙は容赦なく二度続けて両親が犯人であることを告げ、口論になりそうになる
しかし光牙が真相を知るならば自分の目で確かめろと告げ、それは回避された
その後、佐介たちは家にたどり着き、ノックに反応した母が現れる
飛鳥のことを問うと母は心配そうな顔をするも、その直後の表情を見た柳生が起点を利かせ、飛鳥のスマフォにコールをかける
すると家の中に飛鳥のスマフォのコールが鳴り響き、状況は一変したのだった
ピロリロリン~♪ピロリロリン~♪
柳生がスマホを鳴らした瞬間、室内に鳴り響く
着信音をバックに佐介達が佐介母に凝視の目を向ける
「柳生さんの言う通りこれは確かに飛鳥さんのスマフォの着信音です!」
「おいおい、こりゃどうなってんだよ!?」
「わ、わかんないよ!」
思いもよらぬ事態に皆困惑していた
「お、お母さん、これはどういうことなんですか?ど、どうして飛鳥ちゃんのスマホが鳴っているんですか?」アセアセ
「……っ」
佐介が震えながらに虎白に質問を投げかける
しかしその佐介の問いかけに対して虎白は何も答えようとはしてくれなかった
「…光牙くんの言ったことは本当だったということ、なのですか?」アセアセ
沈黙する虎白の態度からしてそれが肯定を意味していると察しがついた
愕然とする中、佐介の脳裏に浮かび上がるのは光牙の言った言葉だった
信じたくはなかった
だが、今の現状が光牙の言葉が正しかったことを証明していた
「どういう事なんだ?答えて欲しい、虎白さん?」
「そうですよ、教えて下さい。飛鳥さんはどちらにいられるのですか?」
「っ…」アセアセ
「なぁ、黙ってないでさアタイたちの質問に答えてくれって!」
皆に質問攻めにされ、万事休すな状況に追い込まれてしまった
だが、その直後だった
ズゥゥウウウウウウン!!
「「「「「――っ!?」」」」」ビクッ
突如、家の中からとてつもない、重くずっしりとしたプレッシャーのようなものを感じる
その発生によってざわついていた佐介たちが一気に言葉を失い、絶句した顔を浮かべる
何事かと思っていた直後だった
ブオオオオオォォォォォ!!
「ぐっ、なぁああああ――っ!?」
「う、うわ――っ!?」
「「きゃあぁぁぁぁぁ――っ!?」」
「み、みなさん!?」アセアセ
後から襲ってきた気圧によって佐介と虎白を除く他の面々が大きく後方まで吹き飛ばされる
いったい何が起こったのかと一同が唖然としていると
家の奥からこつんこつんと床を歩く音がする
足音が一歩、また一歩と近づき
やがて足音と共に現れたのは黒獅の姿
しかしそれはさっきまで優し気な笑みを見せてくれていたとは思えないほど怖い顔をしていた
「――っ」
「お、お父さん!?」
黒獅が斑鳩たちに向けているその顔を見て佐介は言うまく言葉を出せずにいた
「い、いって~」
「なにを…なにをするんだ黒獅さん!?」
「どうして、このようなことを!?」
斑鳩たちもまた黒獅がどうして自分たちにこんなことをしたのか不思議でならなかった
「…すまない、手荒な真似をして、だが、妻が責め立てられるのを見てこれ以上我慢ができなかったんだ」
愛する妻が皆に詰め寄られている光景が我慢できなかったのだと黒獅は言った
「お…お父さん!」
「――っ?」
「なんてことをしてるんですか!やめてください、みんなに酷いことはしないで!?」
何とか啞然としている我が身を奮い立たせ、佐介は父を止めるべく手を掴む
必死に訴えながら仲間たちを気づつけないでほしいと懇願する
「…っ!」バシッ
「うわっ!?」クラッ
捕まれた手を振りほどく黒獅によって佐介はよろけた
「――っ」ギロリ
「お、お父さん?」アセアセ
斑鳩たちを背に黒獅と向かい合う構図となった
正直、この状況で向かい合う黒獅にどう接するべきなのか分からなかった
だが、それでも佐介は一番聞かなければならないことをいわずにはいられなかった
「お父さん、やはりお二人は飛鳥ちゃんを?」
「……っ」パッチン
佐介が訪ねると黒獅は無言のまま指をパッチンと鳴らす
すると家のほうから駆け足と思われる足音が聞こえてきた
「佐介くん!みんな!」
「飛鳥(ちゃん)(さん)!?」
直後、入り口から顔を見せたのは飛鳥だった
飛鳥はすぐにまた駆け出し、佐介たちの元に
「飛鳥ちゃん、大丈夫?怪我はない?」
「うん、大丈夫。気絶させられて閉じ込められた理はしてたけど、それ以外は特に」
「そう、よかった…」
心配していた飛鳥の容体も特に怪我とか内容で安堵する
「説明してもらいますよお母さん、お父さん、どういうことかを?」
自分達の元に飛鳥が戻った事で一先ずは良しとしたが、続け様に佐介は両親に何故飛鳥を拉致したのかについての質問をする
佐介の質問に未だ口ごもりを見せる母を見て黒獅はやれやれと言うかの様にふぅっとため息を吐くと再び佐介たちの方に視線を向き直す
「もう隠しても仕方ないことだ。その子は俺たちの会話を盗み聞きしていた。お前たちが来なければ記憶抹消の術を使って送り届けるつもりだった」
「飛鳥ちゃんの記憶を?」
黒獅が語る内容に飛鳥以外はどういうことかと言った顔を浮かべる
「記憶を消さなければならない程に隠そうとしていた事とは何ですか?」
斑鳩が便乗する形で2人に問うた
「……2人だったんだよ」
「えっ?」
「私たちの拠点を襲ったあの仮面の忍たち、その正体は虎白さんと黒獅さんだったんだよ!」
「「「「――っ!?」」」」
その直後、飛鳥がぼそりと口を開き、そこから語られた衝撃の事実に佐介たちは絶句する
「そ、そんな…僕たちの拠点を襲ったのはお母さんとお父さんだった?」
「あぁっ!佐介くん、しっかりして!?」
「佐介さん、お気を確かに!?」
次から次へと信じたくないような事実が飛び出ることによって佐介は頭の中が真っ白になりそうだった
あまりのことに立っていられず倒れそうになるのを飛鳥と斑鳩が慌てて支えてくれた
「一体何が目的なんだあんた達は?何故こんな事をしたんだ?」
柳生が佐介の代わりに問い質す、2人は何故この様な事をしたのかを
「……取り戻すためよ」
「っ?」
するとここで返事を返したのは父ではなく母のほうだった
「取り戻すってなんだよ?何を取り戻すっていうんだよ?」
「決まってるわそんなの、”家族の時間“よ」
「家族の時間?」
虎白の言った言葉にひばりは小首をかしげる
「不甲斐なく死んでしまったせいで私達は親としてこの子に何一つしてあげる事が出来なかった。だから、今度こそ私達はこの世界で佐介と一緒に暮らすのよ。失われた家族の時間を私達の手で取り戻すのよ!」
遂に自分達の目的を明かした佐介の両親、果たしてこれからどうなってしまうのか?