閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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大導寺のお陰で辛くも両親より逃げ延びることができた


しかし拠点に戻っても状況は未だ最悪に変わりはなかった


それどころか佐介は両親の豹変ぶりにすっかり心をやられてしまっていた


これからどうしたらいいのか途方に暮れていた時だった


直後にこの場に現れたのは大導寺が足止めしていると思われていた佐介母だった


さらにはそのすぐ後に佐介父も合流したことで一同は動揺した


なぜここにいるのかを問うとそれは愚問であり、自分たちがここにいる意味を考えるよう促した


佐介たちはその言葉を聞いた瞬間、脳裏に最悪のヴィジョンを浮かばせていた


絶望的なこの状況下にて佐介母は切り出す、佐介を渡せばこれ以上は何もしないと


提案であり、警告ともとれるその言葉を聞いた佐介はどう選択すればいいのか自問自答に苛まれるのだった



連れてかないで!飛鳥たちの抵抗 

 

 

 

半蔵学院の拠点を舞台に佐介たちと彼の両親とのにらみ合いが続いている

 

 

「佐介、こっちに来て、私たちと一緒に暮らしましょう。あの時なくしてしまった家族の時間を取り戻すのよ」

 

 

佐介は母からのその言葉にどうしていいのかがわからず、ただただ困惑するしかなかった

 

 

「ど、どうしよう?このままじゃ佐介くんは」

 

 

「あぁ、わかってる。オレたちだって理不尽に離れ離れになるなんてごめんだ」

 

 

「ですが相手はあの大道寺先輩ですら敵わない相手、それが2人も居るとなると…」

 

 

「マジでやべぇぞこの状況」

 

 

そんな中、佐介と母が会話のやり取りをしている中でひばりや柳生たちがこの状況をどうすべきかを考えていた

 

 

考えを巡らせてはみても目の前に居る強者2人とどう対処したらいいのかと思い悩むだけだった

 

 

「(もし僕が母さんの申し出を断ったらみんなが…)」アセアセ

 

 

一方の佐介もこの状況を前にし、皆のためにも自分が2人の元に行けばという考えに染まりつつあった

 

 

意を決して佐介が声をかけようとした時だった

 

 

直後、飛鳥が前に立ちそれを止める

 

 

「飛鳥…ちゃん?」

 

 

いきなりのことに困惑する佐介をチラッと見たのみで飛鳥はすぐに目の前の2人を見る

 

 

「みんな…私、戦うよ」

 

 

「あ、飛鳥ちゃん!?」

 

 

思いもしない飛鳥のその言葉に皆がめんをくらったような顔を浮かべた

 

 

「もちろん相手がどれほど強いのかは重々知ってるし、勝てる見込みもまったくない、でもここで引き下がったら佐介くんとは二度と会えなくなっちゃう。私やっぱりそれは嫌だから」

 

 

これはいうなれば飛鳥個人としてのわがままだった

 

 

佐介とこれからも一緒にいたいという思いが彼女に戦う意思を作り上げていた

 

 

「…そうだな。その通りだな飛鳥!」

 

 

「かつ姉?」

 

 

「お前の言う通りだ。アタイだって佐介とこんな形でお別れするかもしれないなんてごめんだ。だから無謀fだとわかってたとしても構わない、アタイも最後の最後まで抵抗してやるぜ!」

 

 

飛鳥のその意思に最初に賛同したのは葛城だった

 

 

彼女もまた飛鳥とともに例え無謀であろうとも戦うことを決めた

 

 

「そうですわね。わたくしとてこんなの納得できる訳はございません」

 

 

「佐介くんはひばりたちの大切な仲間だもん、無理矢理お別れさせられるなんてひばり、嫌だよ!」

 

 

「ひばり、心配するな。みんな思いは同じだ」

 

 

2人に続くように続々と立ち上がる

 

 

「み、みなさん!?」

 

 

「佐介くんごめんね、でも私たちの思いは折れないよ。私たちはみんな佐介くんと一緒に居たいから。今も、そしてこれからも…だから、どんなに無謀な道だろうと私たちは戦うよ!」

 

 

飛鳥が強くそう意を込めた言葉を言うとともにほかの4人も一斉に身構えた

 

 

「やはり引かないか…仕方ないな」

 

 

最後までチャンスを棒に振るとはと感じながら佐介父がそれならばと彼女たちを相手にしようと前に出ようとする

 

 

「待ってあなた」

 

 

「――っ?」

 

 

「今回は……私が行くわ」

 

 

しかしそれを静止するかのように佐介母の手が行く手を遮り、自分が彼女たちの相手をすると告げた

 

 

どうしたのだろうかと思い父が母のほうに視線を向けるといつになく真剣な面持ちを見せている様子であることに気づく

 

 

「…わかった。ここはお前に任せる」

 

 

「ありがとう」

 

 

了承を受けた佐介母は一瞬だけ佐介父をチラ見し、すぐに飛鳥たちのほうに視線を向け直す

 

 

緊張感で押し潰されそうな程の心持ちの飛鳥達に対し、佐介母はふっと余裕そうな笑みを溢していた

 

 

その状況下の中、先に動きを見せたのは佐介母の方だった

 

 

一歩一歩、飛鳥たちの方へと歩み始める

 

 

「…飛鳥?」

 

 

「うん…行くよ、みんな!」

 

 

「「「「おぉー!」」」」

 

 

「あっ!?」

 

 

飛鳥の合図と共に他の4人も一斉に駆け出した

 

 

静止も間に合わず、彼女たちは視線の先にいる佐介母に向かって駆け出した

 

 

一方の佐介母も飛鳥たちの動きを見て同じようにゆっくりの歩みから一気に駆け出し始めた

 

 

双方の距離が一気に縮まっていき、そして数秒も経たぬうちに間合い入った

 

 

「はあああぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

間合いに入るや否や先に動いたのは飛鳥だった

 

 

大きく振りかぶって小太刀を振るう

 

 

「ふっ!」

 

 

「なっ!?」

 

 

これに対し、佐介母はその身を宙へと飛び上がらせ、飛鳥の頭上を通り過ぎ、背後へと着地する

 

 

「おりゃぁぁぁぁぁ!」

 

 

「やぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

次に葛城と斑鳩が仕掛け、蹴りと斬撃による奥州をかけてきた

 

 

佐介母はこれを無駄のない動きでかわしていき、隙を見つけるやカウンターを繰り出していく

 

 

「ひばり、オレたちも行くぞ!」

 

 

「うん!」

 

 

「「はあああぁぁ!!」」

 

 

「――っ!」

 

 

2人に続くように柳生とひばりもこの乱戦に加わる

 

 

「みんなにばかり任せてられない、私だって!」

 

 

さらにそこに飛鳥も再度加わり

 

 

佐介母と飛鳥たち5人の乱闘へと発展する

 

 

しかし、数だけ見れば圧倒的に有利と思える状況も佐介母が相手が故にそうとも言えない様子だった

 

 

5人を相手にしながらも佐介母は軽快な動きと回避術によってこの状況をもろともしなかった

 

 

次第に息を上げ始めたのは飛鳥たちの方だった

 

 

「くそっ!これだけ仕掛けてるのにこれといった攻撃を決めらんねぇ!?」

 

 

「落ち着け葛城、臆せず攻めるぞ、このアドバンテージを崩さぬためにも!」

 

 

それでも勢いを止めまいと5人は満身する

 

 

だがそれで状況が好転するわけもなく、有効打を当てることもできずだった

 

 

「「「「「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」」」」」

 

 

「息が上がってきたようね?安心して、私、相手を嬲るようなことはしない主義だから終わらせてあげるわ」

 

 

これ以上の戦闘は無意味と、佐介母が戦いを終わらせるため、飛鳥たちに歩み寄る

 

 

せめてもの抵抗というかのように構えを取り、佐介母を迎え撃つ意を示した

 

 

するとその時だった

 

 

「――っ?」

 

 

佐介母が何かに反応したかのように頭上を見る

 

 

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ!!

 

 

 

「――っ!?」

 

 

「「「「「「――っ!?」」」」」

 

 

刹那、佐介母が空に頭を上げたのと同時に彼女目がけて無数のミサイルが飛んできた

 

 

慌てて後ろに後退したのと同時に地面に突した瞬間にミサイルが爆発した

 

 

いったい何がと思っているとミサイルによって発生した煙の中に人影が現れる

 

 

「まったく、だらしないわよあんたたち?」

 

 

煙の中に見える人影が声をかける

 

 

「そ、その声って?」

 

 

聞き覚えのある声を聞いた瞬間、一同はそれが誰なのかを察する

 

 

直後に煙は晴れていき、露わになったのはなんと両備だったのである

 

 

「りょ、両備ちゃん!?」

 

 

思いもよらぬ者の登場に全員が驚愕するのだった

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