閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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佐介を奪い返すべく佐介の両親が拠点を襲撃してきた


力の差は歴然であると忠告する佐介母だったが


その忠告を蹴り、飛鳥と彼女の意気込みに感銘を受けた他の4人もまた佐介を死守すべく強大なる猛者に戦いを挑む


戦闘早々に圧倒されるなどやはり力の差を感じざるおえない現状に立たされるもそれでも諦めようとはしなかった


折れない闘志を見せる飛鳥を見て佐介母は徐に自分たちが生まれて間もなかった頃の話をする


2人が死んだ原因が自分にあると知り、一同は絶句するのだった



語られし忌まわしき記憶 

 

 

母から予想外のことを聞かされた佐介たちは面を食らってしまった

 

 

「わ、私が原因…?」

 

 

「ど、どういうことですかお母さん!?」

 

 

あまりにも衝撃的な発言を聞きいた佐介達は激しく動揺していた

 

 

「知りたいなら教えてあげる。飛鳥ちゃん、貴女にとっても大事な事でしょうしね……あれは丁度17年前だったかしら?」

 

 

「17年前…それってもしかして?」

 

 

「そうだ。お前が生まれた年だ」

 

 

17年前と聞いて佐介はハッとなるがそれよりも先に父が答える

 

 

佐介がこの世に生を受けたのがその17年前なのだから

 

 

「で、でも、佐介が生まれた日と飛鳥さんがお二人が亡くなる原因になったというのとどういう関係があるんですか?」

 

 

内容は驚くべきものだった

 

 

しかし佐介が生まれた日と飛鳥が2人の死んだ原因というのとではどうにも整合性がないようにみえた

 

 

「…今から17年前、私達は貴方を授かり、貴方の成長する未来に心躍らせていた。そこから少しして私達に半蔵様達から報告を受けた。飛鳥ちゃん、貴女が生まれたという報告をね」

 

 

「――っ!」

 

 

「それを聞いた時、私もこの人も佐介が生まれた時と同じくらい喜んだわ。あの子にもあなたのような子が生まれたんだと知り、これからはお互いの子を交えて更に親睦が深くなっていくんだと私たちは信じていた……あの日が来るまではね」

 

 

あの日という意味深い言葉を呟きながら佐介母は苦虫を嚙み潰したよう名顔を浮かべ、拳をぎゅっと握りしめた

 

 

「飛鳥ちゃんは生まれて間もなかったから知らないだろうけど、あなたが生まれた日のことだったわ。その日の夜事件があったの」

 

 

「ある事件?」

 

 

「そう……忍崩れたちによる襲撃という名のね」

 

 

「しゅ、襲撃!?」

 

 

物騒な単語が出てきたと佐介たちは思った

 

 

「そう、どこからか噂を聞きつけた輩があなたの家を襲ってきたの、奴等の目的は半蔵様たちへの報復、その手始めとして産後で動くこともままならない貴女のお母さんと幼い貴女を人質にして無抵抗になった半蔵様を殺そうとしていたの」

 

 

自分たちが生まれて間もないころにそのようなことが起こっていたとは知らず、佐介と飛鳥は絶句する

 

 

「そんな時、私達の元に貴女のお父さんが助けを求めてきたの、当時買い出しに出ていたため家を離れていたらしく事態を目撃したことで慌てて私たちにそれを伝えに来たの」

 

 

「お、お父さんが?」

 

 

「えぇ、事態を知った私たちは佐介を彼に預け、半蔵様と貴女のお母さんを助けに向かった。結果的に私達が来たことで状況を巻き返し、賊の討伐に成功してあなたたちの命を救うことができた…でも、その代償として私たちは命を失うことになったの、原因は奴らの武器に仕込まれていた毒だった」

 

 

ここにきて佐介母が自分たちの死因が毒であったことを明かす

 

 

幼い飛鳥と友人である彼女の母、そして半蔵を助けるべく奮闘に奮闘を重ねていった2人は敵の殲滅こそ達成したが

 

 

戦闘の中で敵の毒にやられてしまった

 

 

食らった毒は猛毒であり、解毒薬があれば助かる可能性もあったが、現実は彼女たちにそのチャンスを与えてはくれなかったのだ

 

 

「助からない事を悟り、死を受け入れた私達は最後の頼みとして半蔵様に願い出た。佐介の事を代わりに見守ってあげてほしいって」

 

 

死にゆく中、2人は半蔵に佐介を託した

 

 

半蔵はその頼みを聞き入れ、飛鳥と同じくまだ幼かった佐介を養子として迎え入れた

 

 

佐介はここで初めて物心ついたころから両親がいなかった訳を知ったのだ

 

 

2人は敵によって亡き者とされてしまったからだ

 

 

「そ、そんな…じゃあ2人は私のせいで…!?」アセアセ

 

 

「あ、飛鳥!?」

 

 

「飛鳥さん、落ち着いてください!?」

 

 

自分が2人の死因に関係していたとは想像もしていなかった飛鳥は絶句していた

 

 

「…飛鳥ちゃん、そんな顔しなくていいわ。私たちは別にそのことに関してあなたを恨んでいる訳ではないもの、むしろ親友の娘を救えたことを嬉しくすら思っているんだもの」

 

 

「…佐介くんのお母さん?」

 

 

今までの話しを聞くにてっきり恨んでいると思っていた佐介と飛鳥はその返答に驚く

 

 

「でもね、だからと言って私たちはそのせいで志半ばで散ってしまい佐介と過ごすはずだった時間を失ってしまった。だからこそ私たちは決めたの、多少強引とわかっていても佐介と一緒に失った時間を取り戻すと」

 

 

「お母さん…」

 

 

失った時間を取り戻すために佐介をこの世界に留まらせるのだと母は目的の全貌を明かす

 

 

「さぁ、わかったら佐介を返して、私たちはその子に与えられなかった家族の愛を与えてあげたいの」

 

 

「…佐介くんのお母さん、お父さん、私、今とっても感謝してるんです。2人が居なかったら私はこの世に居なかったかもしれないんだって、だから命を救ってくれたことにはとても感謝してます……でも、いくら愛を与えるためとはいえこんなやり方は間違っています!佐介くんをこの世界に閉じ込めようなんてするのは良くないと思います!」

 

 

「そう、あなたたちはあくまでも私たちの邪魔をするというのね。残念だわ、ならばもう手加減はなしよ、あなたたちを倒し、佐介を奪い返す!」

 

 

「こっちだって負けません!」

 

 

先の会話により双方の想いは悉く決裂した

 

 

これによりもはや言葉は無粋な物となった

 

 

「やああぁぁぁぁぁ!」

 

 

「たあぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

次の瞬間、飛鳥と佐介母が再度激突する

 

 

「はあっ!やぁっ!てぇぇぇい!」

 

 

「ふっ、はっ!やぁっ!」

 

 

さっきまでと違うとしたら今度は飛鳥が単身で挑み、佐介母と一騎討ちの形になった事だ

 

 

にも関わらず状況はさっきとは打って変わって飛鳥が佐介母と覚悟に渡り合っているところだ

 

 

「やぁぁっ!」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

今の今まで多勢を相手にしていても平然としていた佐介母の顔に苦悶の表情が浮かび上がる

 

 

「(こ、この子、さっきまでとはまるで違う、技の切れも、速度も!?)」

 

 

飛鳥の攻撃が数を重ねるごとに鋭く、素早くなっていく

 

 

佐介母が裁くのがきついと思うほどに

 

 

「やるようになってきたじゃない、ならばこれでどうかしら!」

 

 

「――っ!?」

 

 

「あの構えはさっきの!」

 

 

次の瞬間、佐介母が見せたのは先ほど飛鳥たちを追い詰めた技

 

 

「秘伝忍法【虎詩乱々】!!」

 

 

全身全霊で飛鳥を取りに来た佐介母の技が飛鳥に迫る

 

 

「ダメだ。飛鳥ちゃん逃げて!?」

 

 

「大丈夫だよ佐介くん…私、負けないから」

 

 

「っ…」

 

 

一瞬こちらを見るや飛鳥はすぐに前のほうへと視線を向ける

 

 

そして手にしていた小太刀を鞘に納め、身構える

 

 

「…絶、秘伝忍法」

 

 

刹那、全身に真影の力が湧き上がり、飛鳥は「真影の飛鳥」へと昇華する

 

 

「【二刀僚斬・真影】!!」

 

 

飛鳥が勢いよく小太刀を引き抜くと同時に目にもとまらぬ速さで居合切りを繰り出した

 

 

「いいわ、かかって来なさい。あなたの全力、私に見せてみなさい!!」

 

 

佐介母もそれを迎え撃つ意を示す

 

 

「はあああぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

「やああぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

2人の荒げる声と共に全身全霊をかけた大技がぶつかり合った瞬間、眩い光と衝撃が周囲を包み込んだ

 

 

やがて、光が消えていき、視界が回復する

 

 

「ど、どうなった?」

 

 

「あ、飛鳥ちゃんは?お母さんは?」

 

 

視界が回復するや佐介はすぐに視線を向ける

 

 

やがて、徐々に見えたのは2人が技を繰り出した後と思われる互いに背を向ける姿

 

 

微動だにせずその場に佇む2人の様子に皆が息を吞む

 

 

すると数秒後に動きが見えた

 

 

「…っ」ユラッ

 

 

「あっ!?」

 

 

「飛鳥ちゃん!」

 

 

飛鳥の身体がゆらりと倒れかける

 

 

一同はそれを見て焦りを覚える

 

 

佐介に至っては居ても立っても居られないと駆け出す

 

 

「…――っ!」ドン!

 

 

「――っ!?」

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

しかし、次の瞬間、飛鳥が踏ん張りを利かせ、なんとか倒れるのを堪えた

 

 

「…あっ…」

 

 

逆に佐介母の身体がゆっくりと崩れ落ちる

 

 

「母さん!?」

 

 

母の倒れる姿も目にした佐介は再び駆け付けようとする

 

 

「――っ」ストン

 

 

「あっ…」

 

 

すると倒れかけた佐介母の身体を支えたのは佐介父の姿だった

 

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