閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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熾烈を極める佐介をかけた争奪戦


圧倒的な力を持ちいて飛鳥たちを圧倒する佐介母に押されてしまっていた


加勢にやってきた両備とチェルシー、レイナの増援があったものの、根本的なことはなにも変わらなかった


しかしそれでも諦めない意志を見せる飛鳥が今度は単身で佐介母と交戦する


だが、今度はさっきまでとは違い、思いの力を刃に乗せ、それを振るう飛鳥に佐介母が徐々に焦りを見せていく


早期決着を狙い、再び技を発動させる佐介母を迎え撃つべく飛鳥もまた技を発動させる


次の瞬間、互いの全身全霊を込めた大技が炸裂し、次に顕になった光景は互いに背を向け、技を放ったと思われる姿


その中で飛鳥がよろめくのを見て皆に焦りが浮かぶが、土壇場で踏みとどまりを見せる


逆に佐介母はゆらりと前方に倒れかけ、それを佐介父が支えるのだった




一難去ってまた一難 

飛鳥と佐介母の大技のぶつかり合いの結末は皆の想像外のものとなった

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

「あっ、飛鳥ちゃん。大丈夫?」

 

 

「う…うん、なん、とか…」

 

 

力尽き、自分にもたれかかる飛鳥に佐介は声をかけると

 

 

その声に反応した飛鳥が弱弱しくも返事をしたので佐介は少しホッとした

 

 

「飛鳥~!」

 

 

「飛鳥ちゃ~ん!」

 

 

「大丈夫か飛鳥、無事なのか!?」

 

 

するとそのすぐ後に他の皆も駆け付け、飛鳥の身を案じる

 

 

「うん…心配かけてごめんね」

 

 

「本当だぜまったく」

 

 

「…よかった。よかったです」

 

 

皆も佐介同様に彼女が無事であることに胸をなでおろしていた

 

 

一方、その様子を佐介両親もじっと見ていた

 

 

「…大丈夫か?」

 

 

「え、えぇ…私としたことが迂闊だったわ、飛鳥ちゃんがあそこまでやってのけるなんてね…不甲斐ないわ」

 

 

佐介父に支えられながら佐介母は自身のこの失態を悔やんでいた

 

 

己の力を過信していた証拠だと反省の顔を浮かべながら

 

 

「そう自分を卑下するな。お前はよく頑張ったさ」

 

 

「…あなた」

 

 

しかしそんな彼女に佐介父はその奮闘を称えるとともに称賛の言葉を送る

 

 

最愛の人からの賞賛の言葉に佐介母は嬉しさとときめきを感じていた

 

 

「お前はここで休んでてくれ、ここからは俺がやる」

 

 

「で、でもあなた?」

 

 

「いいから、後は俺に任せてくれ」

 

 

交代すると告げ、佐介父は母から離れ、佐介たちのほうに視線を向ける

 

 

「…――お前たち!」

 

 

「「「「「「――っ!?」」」」」

 

 

「その子を労っているところ申し訳ないがまだ戦いは終わってはいないぞ?次は俺が相手をしてやろう」

 

 

大きな声で佐介たちの視線を自分に集めるとともに次は自分が戦う相手であることを主張する

 

 

「とっ、父さん…」

 

 

自分たちの前に立つ佐介父の姿を見て皆が息を吞むほどの緊張感を覚える

 

 

「…――っ!」グヌヌ

 

 

「おい飛鳥、何してんだ!?」

 

 

「決まってるでしょ、戦うんだよ!」

 

 

「飛鳥ちゃん、無理しちゃダメだよ!?」

 

 

佐介父と戦うのだと悟った飛鳥が心配する皆の静止を他所に再び戦おうとする

 

 

「絶対に負けるわけには…――っ!?」ガタッ

 

 

「飛鳥!?」ギュッ!

 

 

だが、やはり先ほどの戦闘のせいもあってか飛鳥には立ち上がるほどの体力すらもはや残っていなかった

 

 

「お前は休んでろ飛鳥、ここはアタイたちがやる!」

 

 

「で、でも!?」

 

 

葛城が自分たちが佐介父と戦うと告げ、それを聞いた飛鳥は尚もごねるようとする

 

 

「今の動けないお前が出しゃばったところで足手まといにしかならん。大人しくオレたちに任せておけ!」

 

 

「やっ、柳生ちゃん…」

 

 

しかしそんな飛鳥を柳生が一喝し、自分たちに任せるようにと伝える

 

 

「佐介さん、チェルシーさん、レイナさん、飛鳥さんを頼みましたよ!」

 

 

「あっ!?」

 

 

そうして葛城たちは動けない飛鳥を佐介たちに任せ、佐介父と戦うべく飛び出していった

 

 

静止しようとする佐介の声も遮りながら

 

 

「「「「はあああぁぁぁぁぁぁ!」」」」

 

 

そうして4人が全速力で佐介父に向かっていった

 

 

するとそれを見た佐介父が掌を顔の前に持ってくとともに力を集中させる

 

 

「……っ!!」

 

 

 

ビュオオォォォォォォ!!

 

 

 

「「「「――っ!?」」」」

 

 

佐介父が掌を突き出すと集中によって蓄積させたエネルギーが衝撃波となって4人に向かって飛んでいった

 

 

「「きゃあぁぁぁぁぁ!?」」

 

 

「うわあぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

「ぬあぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

衝撃波の直撃を受けた4人は大きく吹き飛ばされ、佐介たちの前で倒れた

 

 

「み、みなさん!?」

 

 

「大丈夫ですか!今、回復を!」

 

 

吹き飛ばされた4人を手当てしようとレイナが駆けつける

 

 

「――っ!!」

 

 

 

ビュオオォォォォォォ!

 

 

 

「きゃあっ!?」

 

 

「「レイナ!?」」

 

 

しかし、それを阻止するかのように佐介父が再びレイナに向かって衝撃波を放つ

 

 

直撃を受けたレイナもまた後方に吹き飛ばされた

 

 

「…よくも、よくもレイナを!許さない!」

 

 

「チェルシーちゃん!?」

 

 

大事な弟をひどい目に合わせたと怒り心頭になったチェルシーが無謀にもと単身で特攻する

 

 

「やああぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「――っ!!」

 

 

 

ビュオオォォォォォォ!

 

 

 

「なっ、ぐっ!?うわあぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

「チェルシーちゃん!?」

 

 

だが。それに対して佐介父が三度衝撃波を放つとチェルシーもまたそれによって吹き飛ばされた

 

 

こうして佐介を除く全員が立った一瞬でやられてしまった

 

 

「み、みなさん」

 

 

1人残された佐介は倒れる皆のことを心配していた

 

 

「あとはお前だけだ佐介」

 

 

「――っ!?」

 

 

するとそこに佐介父が声をかけてきた

 

 

佐介と父が互いに顔を見る

 

 

「これでもう邪魔をする者たちはいなくなった。さぁ佐介、一緒に行こう」

 

 

自分たちに抵抗していた飛鳥たちが戦闘不能になった今

 

 

邪魔をするものがいなくなったことで佐介父が手を差し伸べ、自分たちの元に来るようと誘いをかけてきた

 

 

これに対し佐介は暫し沈黙していたが周りに横たわる仲間たちに視線を向ける

 

 

相手がどれほど桁違いの相手とわかっていても、ボロボロになりながらも彼女たちは自分のことを思い、その身を顧みず戦ってくれた

 

 

もしこのまま父の言う通りに2人の元に行ったとすれば彼女たちの思いと覚悟を裏切ることに他ならない

 

 

何より仲間たちが傷つく様を見て黙っていられるような心を佐介自身持ち合わせてはいなかった

 

 

「…お父さん、すみません。それはできません」

 

 

そう思うと佐介は自然と父の誘いを断っていた

 

 

「なんだって?」

 

 

「飛鳥ちゃんやみんながこんなになりながらも僕のために必死になって守ろうとしてくれた。僕はそんなみんなの思いに応えなければならないんです」

 

 

「ほう、ならばどうするというんだ?」

 

 

「…僕は、お父さんと戦います!」

 

 

佐介はそういうと構えを取った

 

 

彼は選んだのだ。飛鳥の思いに応えるため、父と戦う覚悟を決めた

 

 

「…本気なんだな?」

 

 

「はい、僕はもう覚悟を決めました」

 

 

念押ししながら訪ねる父に対し、佐介ははっきりと自分の意志を告げた

 

 

「……わかった。ならばかかってきなさい。相手になってやろう」

 

 

目を見てその決意が本物だとわかり、父もその意思を尊重し、戦うことを決めた

 

 

互いに構えを取り、戦闘態勢を整える

 

 

数秒の沈黙が場を支配する

 

 

「…っ!!」

 

 

先にその沈黙を破ったのは佐介だった

 

 

父に向かって勢いよく駆け出した

 

 

「たあぁぁぁぁぁ!!」

 

 

跳躍とともに間合いに入るや否や父に向かって引き絞った拳を突き出す

 

 

「ふん!」

 

 

それに対して父もまた迎え撃つかのように己の拳を突き出した

 

 

佐介と父、親と子のそれぞれの拳がぶつかり合い、激しい火花を散らすのだった

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