閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第七章 できることは全てやって見せる!

月閃女学館からの攻撃に耐え、学院を焼かれずには済んだものの、

 

 

仲間たちの受けた戦いのダメージが酷く

 

 

唯一他のみんなよりは軽症の飛鳥が攻撃権が移ったことにより、単身で乗り込むと言い出すも

 

 

傷も癒えぬ身でありながら飛鳥を傷つけたくないと言う思いから彼女を気絶させ

 

 

彼女に変わり、月閃に乗り込んだ佐介だったが

 

 

そんな彼を待っていたのは月閃の選抜メンバーの1人

 

 

四季が佐介の前に立ちふさがったのだった

 

 

「いっくよーん♪忍、転身ー!」

 

 

両方に刃のついた鎌を手に忍転身するとともに四季が佐介に襲いかかる

 

 

「えーい!」

 

 

「ふっ!」

 

 

「おりょー?」

 

 

四季が鎌を振り回すとともに投げつけてきた

 

 

しかしそれを佐介ははじき返した

 

 

戻ってきた鎌をキャッチし、着地するとともに少々驚いた顔をする

 

 

「へー。紫苑ちんとやりあってボロボロなのに、まだそんな力残してるんだー?佐介ちんてばやる〜♪」

 

 

佐介を賞賛する言葉を贈る四季だった

 

 

「じゃあ、そろそろ本気いっちゃうよー!」

 

 

「っ!!」

 

何か仕掛けると見た佐介は構えをとる

 

 

そして案の定四季は仕掛けてきた

 

 

「秘伝忍法・シキソクZEX(ゼックス)!!」

 

 

秘伝忍法の掛け声とともにたくさんのコウモリが飛んできた

 

 

そして呼び出したコウモリとともに、四季自身も赤い霧を纏い、佐介に向かって突撃してきた

 

 

「たぁ!!……くぅっ!?」

 

 

突進してきた四季の頭上までジャンプしてかわすも傷が疼き、よろける

 

 

「逃げても無駄だよ〜ん!」

 

 

かわしたと思っていたが四季が方向を転換し、再び佐介に襲いかかる

 

 

「どこまでも追い詰めちゃうよー!」

 

 

四季が迫る

 

 

「それなら、はぁぁぁぁぁ!!」

 

 

避けきれないとわかると佐介は戦略をかえ

 

 

構えをとり、掌に気を溜める

 

 

「はぁぁぁぁぁ!!獣波拳!!!」

 

 

ガオォォォォォ!!!!

 

 

「ちょ!?なにそれ!?タイムタイム!ちょいタイムゥゥゥゥゥ!!!??」

 

 

ドバアァァァァァン!!

 

 

技の発動中、しかも突進型の技であるが故

 

 

止まろうにも止まらず避けきることもできず、技に自分から突っ込む形となり技をまともに食らってしまった

 

 

そして煙が晴れた場所には

 

 

「まっ、マジありえない……」

 

 

衣服などがボロボロで目を回しながら倒れる四季の姿があった

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

四季を倒したが、その間に体力を消耗したため

 

 

地面に手をつき荒々しい呼吸音とともに佐介は息を吐く

 

 

「こ、…こんな、ところで…立ち止まるわけにはいかない…」

 

 

佐介はそう自分に言い聞かせ、消耗していながらも

 

 

立ち上がり、月閃の校内に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

ふらふらになりながらも佐介は校内を進んでいく

 

 

「(あと、残るは5人……その中には、紫苑さんもいる…5対1のこの戦い、最初からこれは僕の負け戦さ……でも、だとしても、やれることは全部やる。少しでも月閃の戦力を削ってみせる!……そうすれば次の戦いで飛鳥ちゃんたちが試合を楽にはこべる…そのためにも僕は…!)」

 

 

佐介はこの戦い、文字通り捨て身の覚悟だった

 

 

全ては仲間たちを思えばこそ

 

 

彼女たちのためになるのなら、自分は喜んで犠牲となる

 

 

それほどの覚悟を佐介は決めていたのだった

 

 

そして通路を抜けると佐介はようやく何処かの広い部屋にたどり着いた

 

 

「はぁ…はぁ…と、ともかく…先にいそごう」

 

 

ふらつく足取りで部屋に入った時だった

 

 

 

ヒュウゥゥゥゥゥゥン!

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

ドスウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!

 

 

 

部屋に入った瞬間、その上の階から何者かが佐介に攻撃をしてきた

 

 

間一髪、それをよけ、転がりながら体制を立て直し、落下の衝撃で発生した煙の方を見ると

 

 

「……仕損じた」

 

 

「あっ、あなたは…!」

 

 

そこにいたのは以前、雪泉たちとともに半蔵学院に来た時、斑鳩に襲いかかろうとしたあの般若の面をつけた少女、叢だった

 

 

「……許さぬ」

 

 

「えっ?」

 

 

「貴様のせいだ。我の邪魔をしただけでなく、我を辱めた。…もはや許すこと叶わず!そして月閃に乗り込んだ貴様にもはや逃げ道はない。観念せよ!」

 

 

叢は蛇矛と鉈を持つ手に力を込める

 

 

佐介はそれに合わせ構えを取ろうとした時だった

 

 

「っ!?」

 

 

同然、腹辺りに痛みを感じ触れてみると

 

 

ポタ・・・ポタ・・・

 

 

どうやらとうとう無理が祟ったようで紫苑との戦いで負った傷口が開いてきたのだ

 

 

むしろ四季の戦いでなってもおかしくはなかったのによく持ったというべきか

 

 

しかし、これは佐介にとってはかなり不味い状況だった

 

 

相手は万全な状態な上に自分を殺る気満々

 

 

対してこちらは連戦につき、体力の消耗に加え、傷口が開き、出血

 

 

これ程のハンディーキャップを背負いながら戦うというのは佐介と言えど簡単なことではない

 

 

むしろ最悪な状態だった

 

 

「……でも、それでも!」

 

 

負けられない、その意思が今の佐介を突き動かし、立ち上がらせた

 

 

ふらつき、息を荒く吐きながらも佐介は再び構えを取る

 

 

「…ゆくぞ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

蛇矛と鉈を駆使した連続攻撃が佐介に襲いかかる

 

 

佐介はそれをかわしていくも出血により、頭がぼおっとし始め、目も霞んできた

 

 

「ぐっ、させん、きゃくぅぅ!!」

 

 

今ある力の限り、螺旋脚を放つも

 

 

的はずれな方向に行ってしまった

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はず、した…?」

 

 

「…腑抜けた攻撃なり」

 

 

「うっ……っ、ゲボォ!」ボタボタ

 

 

螺旋脚は当たらず、おまけに反動で傷口がさらに悪化し、口から血を流す

 

 

「…これ以上は時間の無駄だ。小太郎!!」

 

 

 

ワォォォォォン!!

 

 

 

叢がそう叫ぶとどこからともなく白い毛の狼、小太郎を呼び寄せた

 

 

 

グルルルルルルルル!

 

 

 

小太郎は佐介を睨みつけながら唸り声をあげる

 

 

「噛み殺せ!!」

 

 

 

アォォォォォォン!!!

 

 

 

叢の命令を聞いた小太郎は佐介に向かってじぐざぐに疾走し

 

 

佐介に攻撃をしかけてきた

 

 

 

バシバシバシバシバシバシバシバシ!!!!

 

 

 

「ぐっ、があぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!???」

 

 

手負いの相手にも容赦せず、佐介を襲い続ける小太郎の攻撃によって衣服ともボロボロにされた

 

 

しかし、ことはそれだけに終わらず

 

 

「…はぁぁぁぁ」

 

 

「なっ!?」

 

 

上空からこちらに蛇矛を突きつけようと構える叢の姿が

 

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

ザシュン! ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!

 

 

 

「あっ…あぁ…」

 

 

衝撃により、地面に叩きつけられ、体に新しい痛みを感じ、見てみると

 

 

叢の突きつけた蛇矛は佐介の右肩を貫いていた

 

 

「…積みだ」

 

 

「…うぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

あまりの激痛に佐介は断末魔の叫びをあげるのだった

 

 

 

 

 


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