小百合は若かりし頃の姿、ジャスミンへと転身を果たし、佐介たちに戦いを挑んできた
相応のリスクを覚悟しながらも佐介たちはジャスミンが自分たちに伝えようとしているものが何かを知るために彼女との戦いに望む
しかし、伝説級の力は伊達ではなく、ジャスミンの独壇場と言われても何も言えないくらい佐介たちは追い詰められてしまった
起死回生の一手と佐介たちは6人の連携による攻撃を仕掛ける
その連携によってジャスミンに多少の焦りを感じさせることはできたものの
成果としてはそれくらいしか得られず、最後には彼女の放った秘伝忍法によって大ダメージを受け、佐介たちは見事に敗北を記したのだった
戦いはジャスミンの勝利によって幕を閉じ、技を食らった佐介たちは今もその痛みが残っているのか辛そうにしていた
「はぁ…はぁ…ばっちゃん、強すぎる…」
「本気でやったのに全然歯が立たなかった。これがカグラの力なんだ…」
「くぅ、アタイたちはまだまだ弱いってことなのかよ…」
「不甲斐…ないです」
負けてしまったことに一同は悔しさを抱き、歯を食いしばっていた
「はぁ…はぁ…いそんなに卑屈になることもない。お前たちは私が血を吐いていることを知りながらも手加減せず、最後まで全力で戦った。それでいい、それが情を捨てるということじゃ…」
ジャスミンはそんな彼らに対し、フォローの言葉を送る
自分が伝えたかったことをしっかりとやってのけたと
「捨ててないよ」
「なにっ?」
だが、ここで予想外の一言がでたことに思わずジャスミンは声を出す
「うん、飛鳥ちゃんの言う通り、僕たちは情を捨ててなんかいません」
「どういうことだ?」
「ばっちゃんへの情があったから思いっきり戦う決意ができたんだよ」
飛鳥と佐介はジャスミンの問いにそう答える
「あくまでも情は捨てんというのか?」
「うん」
「はい」
念押しの問いに対しても2人は即答で答える
ジャスミンは佐介たちの目に映る純粋な心を感じ取り、一息をつくと意を決した顔をする
「千年に一度現世に現れる妖魔がいる。それがお前たちが戦うことになる相手…古の妖魔「シン」だ」
佐介たちにジャスミンは語る
千年祭が始まる前に見せられた巨大な妖魔、それが古に伝わる妖魔、シンであることを
「千年に一度……もしやカグラ千年祭というのは?」
「っ…」
話しを聞いた斑鳩と佐介も同じように考え込んでいる
「佐介と斑鳩のほうはようやく気づいたようだな?」
「どういうことなの2人とも?」
「それは」
「まぁまて、ここまで頑張った褒美だ。あたしの口から話してやるよ。この千年祭のすべてをな」
佐介が話しをしようとするよりも先にジャスミンが言葉を遮り、自分が語ると言い出すのだった
それからしばらくが経過した
半蔵学院の拠点に呼び出しを受けた他のチームがやってきた
「あっ、おーい!焔ちゃん、雪泉ちゃん、雅緋ちゃーん!」
「お待ちしてましたよ」
こちらに来るのを見るや佐介と飛鳥がやってきた彼らに手を振り、出迎える
「まったく、急に呼び出しよこしてくるんだもんな。んで、何の用だよ?」
「お話しがあるということで来ましたが何かあったのですか?」
到着早々に相馬と雪泉が自分たちが招かれた経緯についてを尋ねる
「う、うん。それなんだけどね」
「あたしがお前たちを呼ぶようにこの子たちに言ったのさ」
説明をしようとするとジャスミンが割って入ってきた
「あ、あたしって…あんた誰だよ!?」
するとその時、ジャスミンの姿を見た相馬が思わず声を大にして問いただす
無論それは相馬のみならず他の面々も同じように驚いていた
「うるさいぞ相馬。ギャーギャーわめくな…でだ。その恰好、あんたまさか小百合か?」
「「「「えぇ!?」」」」
「さすが光牙だ。察しがいいね。いかにもそうさ、だけど今はその名前で呼ぶのはやめとくれ、この姿の時のあたしのことはジャスミンとよ呼んどくれ、これが若いころの姿だからね」
唖然となる皆を光牙が宥め、彼女が小百合であることを指摘し
ジャスミンも認めているのでなんとかこの場は静まった
「おいおいマジかよ?あのよぼよぼでいつ死んでもおかしくないようなばあさんが…若作りすご!?」
「…っ」ピキッ
「「「「「「あっ…」」」」」」アセアセ
その瞬間、相馬の放った一言によって場は一気に凍り付いた
相馬とジャスミンを除く全員が震える
「おい小僧、だ~れがいつ死んでもおかしくないだって?誰が若作りがすごいだって~?」ゴゴゴゴゴゴ
「…あっ」アセアセ
この時、相馬は察した
自分がとんでもない失言をしてしまった事を
そして目の前に悪鬼羅刹がおり、自分の命が終わったということを
「え…え~っと……っ?」チラッ
慌てて雅緋たちのほうに視線を向ける
「「「「「……っ」」」」」シラ~
皆、我関せずというかのようにそっぽを向いてしまうありさまだった
「は、薄情者!?」
ヤバいヤバいと焦りを露わにする相馬だったが、その時にはもう手遅れだった
「…それで小僧、言い残すことはあるか~い?」ゴゴゴゴゴ!
既に目の前には拳の骨をバキボキとならしながら相馬を見るジャスミンの姿があったのだった
「えっ、あ、あ~…その……ごめんちゃい♪」てへぺろ★
「カワイ子ぶってんじゃないよ!!」
バシコォオオオオオオオォォォォン!!
「はんぎやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」キュピーン!
軽いノリで謝罪を述べる相馬にジャスミンの鉄拳制裁が振舞われ
その一発を食らった相馬は勢いのままに空高く舞い上がって星になってしまうのだった
それから数秒が経過した
場は気が気ではない空気が流れる
「だ、大丈夫ですか?相馬くん」
「これが大丈夫に見えるのかお前は?」ヒリヒリ
「…い、いえ」
ちらりと視線を向ける彼らの先には頭にドデカいたんこぶのできた相馬が立っていた
「さて、少しそれちまったが話しを続けさせてもらうよ」
何事もなかったかのようにジャスミンが話しをしだす
「時に紅蓮竜隊の者たち。お前たちは組織にも属さずに忍の道を極めようとしているな?」
「それが俺たちの選んだ決断だ。俺たちは俺たちのやり方で忍の道を極め、カグラになる」
ジャスミンの質問に対し、光牙はそう答える
「じゃが、お前たちが蛇女子学園に戻っている世界があるとすればお前たちは信じるか?」
「「「「「「――っ!?」」」」」
しかしジャスミンが語る内容を聞いた瞬間、紅蓮竜隊の面々はもちろんのこと、他の皆も驚いた顔を浮かべる
「あ、あたしたちが蛇女に戻ってるですって?」
未来が自分たちが蛇女に戻った世界があると聞いてジャスミンに問う
「世界は一つではない、今いる世界とは異なる世界が幾重にも存在しているのじゃ」
彼女の問いにジャスミンはこう答える
「えっと、つまりそれって」
「平行世界、パラレルワールドは実在するということか」
「そうじゃ」
「「「「「「…えぇっ!?」」」」」
一同は光牙とジャスミンの話しを聞いてその内容に驚愕するのだった