そこで彼らはジャスミンから平行世界についての話を聞かされる
自分たちが選ばなかった選択肢というもう一つの世界についてを考えさせられる中
今いるこの世界もまた平行世界の一つであり、皆が妖魔にやられ、残った場所がこの場所であることに驚きを隠せずにいた
話しを聞いていた光牙はここでジャスミンの目的が自分たちを強くするためであることを示唆する
彼女の反応から詠みは当たっていたと確信した光牙は手出しがなくても自分たちは強くなるために腕を磨いていくだけと告げる
さらに光牙はこの場で自分がさらなる高みに上ろうとしていること
しかもそれは彼のみに関わらず、紫苑と相馬も同様であることが明かされる
それを聞いたジャスミンは自らが試し相手になると宣言し、光牙たちはジャスミンとの戦いに挑むのだった
ジャスミンと戦闘を開始してから早数分が経過した
果敢に攻める光牙、紫苑、相馬の3人だったが
彼らの攻撃を悉く防ぎ、いなし、カウンターを繰り出す攻防一体のジャスミンを相手に攻めあぐねていた
「くそっ、隙を狙って仕掛けたってのに簡単に返してきやがった」
相馬は先ほどの仕掛けを防がれ、逆にカウンターを受けてしまった事を悔しそうに思っていた
「…流石はあの半蔵と肩を並べるほどの存在だな」
「あの程度の攻撃で仕留められるなんて考えは甘いということが身にしみて伝わりますね」
光牙と紫苑はジャスミンに対し恐ろしさを感じさせられていた
交互に隙を生じぬ3段構えで仕掛けたというのにその悉くをしのぎ切るほどの技量を持ち合わせている
自分たちが相手にしているのはそれほどの猛者なのだと痛感した
「くっそ~!よくもやってくれたな!もう許さねぇぞ!」
「ほう?許さないならどうするっていうんだい?」
「決まってんだろ、もう手は抜かねぇここからは全力全開だ!行くぜアオ!」
『あぁ!』
内心で合図をかけあうとともに相馬がシノヴァイザーに巻物を装填し、ボタンを押す
システムが起動するとともに能力が発動し、相馬と蒼馬に分離した
「今度は2人でくるのかい?」
「おうとも!俺たちの最強コンビネーションを見せてやんぜ!」
「俺たちは2人で1人、今度はさっきのようにはいかんぞ!」
相馬がシノヴァイザーを蒼馬に渡して再び突っ込んでいく
同時に蒼馬もシノヴァイザーの銃口を構え、ジャスミンに狙いを定める
「おりゃっ!どりゃりゃりゃ!せりゃっ!」
ジャスミンとの間合いに入った相馬が徒手空拳と蹴りの奥州を仕掛ける
しかしジャスミンはそれを無駄の少ない動作でかわしていく
「どりゃあっ!」
「はっ!」
直後に相馬が振りおろした攻撃を後方に下がることで回避する
「アオ!」
「分かってる!食らえ!!」
「――っ!?」
バキュキュキュン!
後方に下がったタイミングを見計らったように蒼馬がヴァイザーから光弾を放ち
放たれた光弾はジャスミンに向かって飛んでいく
「なるほど、息の合ったコンビネーション。2人で1人とは伊達ではないってことかい、大したもんだ…でもね!」
クルクルクルクル!カキキキキキン!
「なにっ!?」
「マジかよ!?」
ジャスミンは巨大キセルをプロペラのように回転させ、防御壁を作り出す
蒼馬が放った光弾はそれにはじき返されてしまった
悔しさを滲ませているとジャスミンが地に着地する
「なかなかの連携だが、その程度、あたしと半蔵のコンビネーションと比べたらまだまだだね?」
「ぐぅ~、戦闘中に惚気話しかよ?なめやがって~!」
こちらが必死に攻め込んでいるにも関わらずぴんぴんしつつ、さらには自分と半蔵のほうがコンビネーションのよさは上と自慢げに言ってくるのだから悔しさも尋常ではなかった
「すごいわねジャスミン」
「あぁ、光牙や相馬たちを相手に善戦している」
「これが伝説級の忍の実力なのですね」
戦いを観戦していた他のメンバーたちは驚いていた
自分たちの中でも最強戦力と言っても過言ではない光牙たちを相手に優勢を保っている
ジャスミンがいかに強いかが表れているのだと感じずにはいられなかった
「(…みなさん)」
様子を見ていた佐介は心配そうに3人を見守る
「どうしたんだい?勢いが無くなったようだけど、怖気ずいたのかい?そんな覚悟で高みに上るってほざくとは片腹痛いね。ほら吹き野郎にはおしおきだ!」
そういうことジャスミンが左手を横に凪払う
何をするのかと警戒していると直後、3人の足元に煙がもくもくと湧き上がる
「な、なんだこれ?」
「…っ!まずい、逃げろ!!」
直感から危機を感じた光牙が紫苑と相馬に声をかけた次の瞬間だった
パオオォォォォ!!
「ちいぃっ!?」
「く、クリアウォ――っ!?」
「「ぬああぁぁっ!?」」
煙の円から出現した巨大な象の足が出現し、光牙たちに襲い掛かる
警戒を促した光牙はぎりぎりのところで攻撃をかすることに成功したが
反応が少し遅れた3人はそうはいかなかった
紫苑は防御壁を作ろうとするも間に合わず、相馬たちもまともにそれを受けてしまった
凄まじい勢いの一撃は彼らに大ダメージを与えた
「あたしの一撃を食らった感想はどうだい?実力差を身に染みて感じたかい?」
痛みに悶える紫苑たちを目にしたジャスミンはしてやったように笑みをこぼす
「お前たち、状況を報告しろ」
「んなもん言わなくてもわかんだろ、めちゃくちゃ痛てぇに決まったんだろうが」
「こ、これが元カグラまで上り詰めた方の一撃ですか…ここまでとは恐れ入りますね」
「まったくだな」
光牙たちは互いに今の自分たちの現状を確認し合う
先のダメージを受け、ジャスミンがいかにすごいかを感じさせられた
「…ジャスミン」
「ん?」
「流石だよ。あんたの強さを改めて思い知らされたよ。このままの状態では俺たちに勝ち目はないだろう…だから、ここからは本気で行かせてもらう」
「ほう?では今までは本気ではなかったというのかい?面白い、だったら見せてもらおうか?」
現状を打破するため、光牙は意を決するようにジャスミンに宣言する
ジャスミンのほうも光牙の宣言を聞き、受けて立つ構えを取る
「これまでの修行の成果、見せてやる!」
直後、光牙は構えると力を集中させ始める
「
掛け声を叫んだ瞬間、発生した粒子が彼の身体を包み込み
その粒子が一気に消えるとそこには光牙の強化形態、
「光牙くん、やる気満々のようですね…では僕も!」
光牙の行動を目にした紫苑が自分もと言わんばかりに力を高める
「ふぅぅぅぅん!」
すると紫苑の周囲に黒い煙が発生しだす
「はぁぁぁっ!」
力を最大限まで高めた紫苑は黒い気を纏っていた
「この流れと来れば」
「俺たちもやるしかないな」
「だな。やるぞアオ!」
「あぁ!」
2人に続き相馬と蒼馬が互いに拳を合わせる
瞬く間に蒼馬が蒼い炎となりて相馬の体に入った
「超・大転身!」
相馬がシノヴァイザーのボタンを押すと赤と蒼、二色の炎が彼を包み込み
炎が払われた瞬間、そこには一心一体となった相馬の姿があった
強敵ジャスミンを前に3人は全身全霊を持って戦う意を示すのだった