閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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佐介たちと小百合(ジャスミン)が戦いを繰り広げる中


巫神楽三姉妹は密かに探し人の件についてを話し合っていた


これまでいくら探しても見つからなかったことから彼女たちはその子がまだ死んでおらず


どこかで生きているのだと確信していた


会いたいという気持ちを募らせていたその時、どこからともなくその子の声が三姉妹の脳裏に響いた


そうして驚いている蓮華たちに声は自分に会いたければカグラになるようにと言ってきた


三姉妹はカグラになれば再び会うことができると聞き、期待を高まらせるもそのためには大きな障害があることも痛感してしまっていた


思い悩む三姉妹だったが、いつも自分たちを励ましてくれた者とその言葉を思い出し


気持ちと目標を新たにカグラになるために気合いを入れるのだった



強くなりたい、佐介の決意と思い 

 

小百合(ジャスミン)との戦いから1日が経過した頃のことだった

 

 

「……っ」

 

 

佐介は山道を歩いていた

 

 

山道を進んでいく中、背後から佐介を追う人影があった

 

 

「…っ?」

 

 

人影の正体、それは飛鳥だった

 

 

物陰から飛鳥は佐介の様子を窺っていた

 

 

「(うーん、佐介くんったら思いのほか昇るペース速いな。置いていかれないようにするのも一苦労だよ)」

 

 

こっそりと飛鳥も付いてきたが、佐介の歩くペースが速い故において行かれないように必死だった

 

 

「(それにしても佐介くんどうしたんだろう?昨日からずっと思い詰めたような顔をしてたけど?)」

 

 

あの戦い以降、佐介がどこか思い詰めた顔をしていたので飛鳥としても気が気でなかった

 

 

「(それにこの山道って…)」

 

 

しかし飛鳥にはもう一つ気がかりがあった

 

 

それは今、佐介が向かっているであろう場所のことだ

 

 

この山道の先にあるのは彼女も知っている場所に繋がる道だった

 

 

「――っ!」カサカサッ

 

 

草根をかき分けながら佐介は山道を突き進み、やがて光刺すその先にたどり着く

 

 

到着した場合、そこは彼が両親と出会ったあの家だった

 

 

「……っ」

 

 

数秒家を見つめ佇む佐介だったが、覚悟を決めたように家のほうに歩いていった

 

 

飛鳥は合えて草葉の陰から様子を窺って見ることにした

 

 

佐介は家の前までやってくると扉をコンコンとノックする

 

 

するとガチャっという音と共に扉が開いた

 

 

「…あら、お帰りなさい。佐介」

 

 

「ど、どうも」

 

 

開かれた扉の向こうから虎白が顔を出す

 

 

気まずそうな顔を浮かべるも息子の顔を見て挨拶を交わす虎白と

 

 

同じように気まずそうにしているも佐介も挨拶を返す

 

 

「お父さんが待ってるわ。さぁ、上がって」

 

 

「はい」

 

 

虎白に案内されながら佐介は家の中に入っていこうとする

 

 

「……ところで、でてきたらどう飛鳥ちゃん?そんなところに隠れてないでこっちにいらっしゃい」

 

 

「――っ!?」ビクッ

 

 

「えっ?」

 

 

すると虎白が見透かしていたように飛鳥に声をかける

 

 

まるでデジャヴみたいな展開に驚きつつも飛鳥は恐る恐る茂みから出てきた

 

 

「飛鳥ちゃん…?」

 

 

「あっ、あはは…ど、どうも」

 

 

気まずそうな顔を浮かべながら飛鳥は仕方なしと隠れていた草むらから出てきた

 

 

「そう警戒しないでちょうだい、もうあなたに危害を加えるつもりはないわ。それにそんなところで隠れてたってしょうがないでしょ、お茶でも出すわよ」

 

 

「わ、わかりました」

 

 

前のこともあったこともあり警戒する飛鳥に虎白はもう危害を加えるつもりはないと語る

 

 

佐介がいる手間、不安を抱きつつも飛鳥は虎白に言われるがままに佐介とともに家に案内された

 

 

室内に入った2人は虎白に連れられてリビングにやってくる

 

 

「来たか佐介?」

 

 

「…お父さん」

 

 

リビングにやってきた2人を待っていたのはテーブルの椅子に座す黒獅だった

 

 

「おや、飛鳥ちゃん、君も来ていたのかい?」

 

 

「あっ…はい」

 

 

一緒に来ていたことに驚いた様子を浮かべる黒獅の問いかけに飛鳥は頷く

 

 

「ほらほら、2人ともそんなところで立ち尽くしてないで座って座って、今お茶入れるから」

 

 

そうして少しの沈黙の後、虎白がお茶とお菓子を用意した

 

 

何か入っているのではないかと少々警戒をする2人

 

 

「もう2人とも警戒し過ぎよ。変なものなんて入れてないわよ、現に……っ」ゴクゴク

 

 

半信半疑で手を付けない佐介と飛鳥を見かねて自分用としてカップに注いだお茶を虎白は一気に飲み干して見せた

 

 

「…ふぅ、ほらね?何も入ってないわ、だから遠慮なく2人も飲んで」

 

 

虎白の様子からして特に何も怒ってはいなかった

 

 

「……っ!」グビッ

 

 

「―っ!?」

 

 

不安を残しつつも佐介が意を決して出されたお茶を一口飲む

 

 

「ど、どう?佐介くん?」

 

 

「……美味しい」

 

 

一口飲み終えた佐介から帰ってきたのはその一言だった

 

 

大丈夫と佐介からもお墨付きを受けたので飛鳥も出されたお茶を一口飲む

 

 

「本当だ。すごくおいしい!」

 

 

飲んでみた飛鳥も先の佐介と同じようにお茶のおいしさにほっこりする

 

 

「ふふっそれは何よりだわ、実は少し茶葉を変えてみたりしたのよ」

 

 

2人が美味しいと褒めてくれたことに虎白は満足気に再びお茶を一飲みするのだった

 

 

「さて、ではそろそろいいかな?佐介、お前はどうしてまたここに来たんだい?」

 

 

お茶のおかげもあってか大分気持ちも和らいだところで頃合いを見はからった黒獅が話題を切りだす

 

 

それによりハッとなった佐介は2人に自分がここに来たわけを伝えなければと口を開く

 

 

「はい、お父さん、お母さん。今日はお二人にお願いがあって僕はここに来ました」

 

 

「何かな?」

 

 

「…お願いします。僕に、僕に修行の稽古をつけてください!」

 

 

「さ、佐介くん?」

 

 

話しを切り出したのと同時に佐介は自身の頭を机に叩きつけながら黒獅と虎白に稽古をつけてくれるようにと頼み込んだ

 

 

佐介のその行動を見た飛鳥は驚きの声を上げる

 

 

「理由を聞かせてくれないか?」

 

 

必死に頼み込む佐介を見ていた黒獅は一口お茶を飲むと佐介にどうして自分に稽古をつけてほしいのかを訪ねた

 

 

「……今のままでは僕はダメだと思ったからです」

 

 

どこか苦虫を噛み潰したような顔を浮かべながら佐介は今よりも強くなりたいと父に告げる

 

 

「なぜ自分がダメだと思うんだい?」

 

 

「先日僕は小百合様と戦う光牙くんたちの姿を見ました。皆さんそれぞれ修行を積んだおかげか今までよりもはるかに強くなっていました。あの小百合様を追い込めるほどまで……」

 

 

先の戦い、光牙たちは負けこそしたがそれでも元カグラの小百合を追い込んでいた

 

 

つまり今の彼らは限りなくカグラになりえる実力を持っているということにほかならない

 

 

「それを見て僕は何とも言えない空虚な気持ちになったんです。いつの間に光牙くんたちは僕を追い越して次のステージに上ろうとしている。今の僕が光牙くんたちと戦っても勝算はないでしょう」

 

 

「さ、佐介くんそれは考え過ぎじゃ?」

 

 

「飛鳥ちゃん、君も見たでしょ?今の光牙くんたちがどれほど強いか?」

 

 

「っ…」

 

 

思い詰めた佐介を慰めようとする飛鳥だったが、痛いところを突かれて逆に論破されてしまった

 

 

「この千年祭を勝ち抜くためにも僕は光牙くんたちに負けるわけにはいかないんです。だからお父さん。僕に、僕に強くなるための稽古をつけてください!」

 

 

「「……っ」」

 

 

強くなりたい、佐介はその思いを黒獅と虎白に切実に懇願するのだった

 

 

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