光牙side…
この世界を抜け出し、妖魔を討伐する権利を得るべく戦いを続ける光牙たち
戦いは終盤に差し掛かり、いよいよ4組全員が己のすべてをかけ、本気を出すことになった
緊張の糸が張り巡らされた空間はその場全体がピリピリとした雰囲気を醸し出していた
「行きますよ。超・魂転身!はぁぁ――っ!……はぁぁぁぁぁ!!」
佐介が力を込めるとともに力を解放する
そうして佐介は極限魂に転身を果たす
「気合入ってますね佐介くん。僕も遅れはいられませんね…霊子転身!!」
遅れてなるものかと紫苑も強化形態へと転身する
「アオ、俺たちも行こうぜ!」
「あぁ!」ヒュィン!
「(
さらに相馬と蒼馬もまた続くように2人が1つとなり、シノヴァイザーに巻物を装填し、パワーアップ形態に転身した
3人がそれぞれ、自身の持てる最強の力でこの戦いに望む
一方の光牙はそんな彼らの様子をじっと見る
「(流石だ、佐介も紫苑も相馬も強くなっていることをひしひしと感じさせられる)」
この戦いに勝利するため、力の限りを出そうとしている彼らに光牙は少なからず感服させられた
そんな彼らとこれから本気でぶつかると思うとさしもの光牙も息を吞む
『「手を焼いておるようじゃの我が主さまよ」』
「(…っ)」ピクッ
するとその時、彼の中にいる光の竜が語り掛けてきた
次に気づいた時には光牙は精神世界にいた
『「大分苦戦しておるようじゃのお前さまよ。あの小僧ども相当に腕を上げたようじゃな」』
『「あぁ、あいつらの強さは重々理解しているつもりだ。あいつらとは何度もやり合った仲だからな…」』
くすりと笑いながらそう告げる光牙だったが、その直後には暗い顔を浮かべる
『「…正直に言えば俺はこの戦いに勝てるかどうか不安を覚えている。今のあいつらは今までよりも格段に成長している。俺はそんな奴らを相手に勝てるのかとな」』
『「お前さま……何を弱気になっているんじゃお前さま。らしくないぞ~?」』
珍しく不安そうな顔を浮かべる光牙に光の竜はおちょくるような物腰で尋ねる
『「俺とてたまにはこんな日があるのさ……こんなの見せるのはお前くらいだからな」』
『「…お前さま」』
普段なら見せない弱みを自分には見せるのだと光牙のこの一言に光の竜は反応する
『「…ふっ、お前さま。そんな不安そうな顔を見せる出ない、お前さまには誰も及ばぬ利点があることを忘れたのか?」』
『「利点?」』
『「そう、それは…”このわしじゃ”!」』
ポンと胸を叩きながら光の竜は自慢げに語る
さらに光の竜はそういい終えるとおもむろに光牙に向かって手をかざす
『「お前さま、わしの手にお前さまの手を重ねよ。そうすればわしとお前さまのチャクラがリンクする。さすればわしとお前さまは真の意味で繋がる。あの時とは比べ物にならんくらいの力をお前さまは得ることができるのじゃ」』
光牙は光の竜の言葉を聞いて一瞬呆然とするも数秒後には口角を吊り上げにこッとした顔を浮かべる
そして光牙は光の竜がかざした手のひらに自身の手を重ねる
すると手と手を反して何かが伝わるのを感じた
『「…ふっ」』
『「ふふっ」』
どこか嬉しそうな顔を浮かべる光牙につられて光の竜も笑みをこぼす
重ねていた手を離すと光牙は光の竜をバックにキリっとした顔をする
『「光の竜、俺にお前がいてくれるようにお前には俺がいる。俺たちは最強のコンビだ」』
語りかけるように呟きながら光牙は檻の封印を解く印を発動させる
徐々に檻の封印が解かれていく
『「俺に力を貸してくれ…白亜!」』
『「っ!?……あぁ、見せてやろうぞお前さま!」』
唐突に光牙が光の竜の真名を呼ぶ
真名を呼ばれたことに驚きを抱くも、光の竜改め、白亜か彼の呼びかけに応えると共に封印が解かれた
ギュイイイイイィィィィィイン!!
「「「――っ!?」」」
その時、佐介たちは絶句する
突然、光牙の体がこの上ないほどの光を放ち出したからだ
「な、なんだ!?」
「凄まじい光が光牙くんから溢れ出している!?」
「こ、これはいったい!?」
光牙から迸る光に視界を保つのが精いっぱいだった
佐介たちが唖然としている中、光牙は大きく深呼吸をして心を静める
「…
その言葉を唱えた瞬間、光がさらに強さを増した
皆の視界を保つのもやっとなほどだった
視界が遮られそうな勢いの中、佐介たちはある光景を見る
彼らが見たのは光牙の後ろに見える光り輝く巨大な何かとそれが見せる眼光のようなもの
次の瞬間、光り輝く巨大な何かは光牙を覆いつくし、同時に輝く強さがピークを迎え、視界を完全に奪いつくすほどの光を発生させた
やがてその光がようやく勢いを無くし、視界が回復し始める
恐る恐る佐介たちが目を開けてみる
「「「……っ!?」」」
切断佐介たちは自分たちの視界に入ったものを見て驚愕する
彼らの先には今までに見たことのない光牙の姿だった
全身を装甲を纏っているのはもちろんのことだが、注目するのは背中の方に浮いている二つの物体
あれが何なのかと佐介たちは疑問を浮かべる
「待たせたな。さて、そろそろ始めるとするか?」
「「「――っ!?」」」
転身が完了した光牙が佐介たちに語りかける
その呼びかけに3人は身体をびくつかせる
「…――っ!!」バッ!
「佐介くん!?」
「――っ!」
「相馬くん!?」
このまま怖気づいてはいられないと紫苑の制止も聞かず、佐介と相馬が飛び出した
≪『くるぞ、お前さま』≫
「あぁ、わかっている」
迫る2人を見て光牙と白亜が意思疎通する
そうして光牙がすかさず迎撃のための行動を開始する
「好きにはさせんぞ【
次の瞬間、光牙のその意思に好悪するかのように背中の物に動きが
2つの球体の一部分がスライドし、その中から無数の光の球体が放出される
放出されたそれは光牙が佐介たちを指さすと同時に彼らのほうへと飛んでいった
「「――っ?」」ピクッ
佐介と相馬が自分たちのほうに飛んできたその光の球体を見て動きを止める
これはなんだと不思議そうな顔を浮かべていた
一方の光牙はというと光の球体たちが佐介たちの周囲に散布されるや目を閉じながら2人の方に手をかざす
「――っ!」パチッ
光牙が目を見開いたその時だった
ピシュン!ピシュンピシュン!
突如として佐介たちの周囲に散布されていた光の球体が襲いかかってきた
「「――っ!?」」
2人は必死にかわすもなにぶん小さく素早いばかりか数も尋常ではないほど多い
避けるのも一苦労なほどに
尚も必死に攻撃を回避する2人だったが
「うっ!?」
ビュビュビュビュビュビュビュ!ボバァァァァァァァン!!
「うわぁぁぁぁ!?」
「佐介ぇぇ!?」
不意にかわしきれなかった光球に着弾した瞬間、そのほかの光球も一斉に襲い掛かる
一斉攻撃を食らい、その身は大爆発に巻き込まれてしまった
思わず声をかける相馬だったが、彼とてそんな余裕はなかった
相馬のほうにも光球が襲い掛かってきていたからだ
「ちぃっ!!」
なんとかデュアルガンフレードを振るい、相馬は必死に抵抗を試みる
しかしやはり数の暴力には抗えず死角を突いた一個の光球が相馬に向かって飛んでいく
「ぐあっ!?」
死角を突いた光球が相馬の背中あたりに着弾する
ビュビュビュビュビュビュビュ!
そして先ほどの佐介同様に光球たちは隙を見逃さず一斉に襲い掛かる
「がはっ…ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
ボバァァァァァァァン!!
光球による一斉攻撃を受けた蒼馬は苦しみ藻掻き、最後には爆発に巻き込まれてしまった
2人がやられてしまい、残りは紫苑ただ1人になってしまった
「――っ!」ビュゥウウウン!
直後、紫苑が風の力を使い、自身の身を空へと舞い上がらせる
「……っ!」ブォオオオ!!
それを見た光牙が逃がすまいと宙へと飛翔する
パワーアップした光牙は飛行速度も以前よりも上がっており
風で浮かんでいるだけの紫苑に追いつくのも訳はなかった
紫苑に向かって光牙が急接近する
「――っ!」キキィッ!
「…っ?」
どうしたことか紫苑が急に動きを止めると共に迫る光牙に視線を向ける
「ふぅぅぅうん…――はあっ!!」
すかさず力を集中させるとともに風の力を光牙目がけて放つ
放たれた風の気弾が光牙目がけて飛んでいき
ある程度まで近づくと破裂し、拡散弾のように広範囲に飛び散る
「――っ!」ググググッ!
ブオォォォォォォォォ!!!
それを見た光牙は攻撃が迫りくる直前に急停止に加え
足裏と背中の球体による逆噴射による軌道修正にによって後方に後退することで凄まじい負荷に耐えつつも
紫苑の繰り出したその攻撃を間一髪でかわすことに成功する
「はぁあああっ!!」パシュン!パシュンパシュンパシュン!!
しかし紫苑はそれを機に同じその技を今度は数発も繰り出した
複数の拡散の雨が光牙に向かって飛んでいく
光牙はそんな拡散の雨の中を一つ一つを避け続けながら前進する
「――っ!」ピシュン!シュンシュンシュン!
拡散の雨をくぐり抜けた光牙が紫苑に向けて再び光球を展開する
自分目掛けて向かってくる光球を前に紫苑は今度は身構えると同時に風の力でブーストを掛け、光牙に向かって飛び出した
その間にも散布された光球が紫苑を襲う
だがそれでも紫苑は怯むことなく前進する
一気に光球の弾幕をくぐり抜けた紫苑は間合いに入るや尺棒を生成し、仕掛ける
「(捨て身の戦法とは紫苑もやる…ならばこちらも!)」
こちらに向かって飛んでくる紫苑に対し、光牙は動きを止めると右手をピンと伸ばして手刀を作り上げる
手刀からは眩い光が放たれていた
「――っ!!」
するとその直後のこと、光牙が左手で手刀を纏う光を掴むと同時にそれを引き抜いた
引き抜かれた光は瞬時に形を成し、それが一本の剣に変わる
「はぁあああああああっ!!」
「ふん!」
ガキィィィィン!
次の瞬間、2人がぶつかり合い、交差する
すぐさま体制を立て直し追撃に出る
無論それは光牙も同じことであり、再び両者がぶつかる
一回、二回と衝突の後に鍔迫り合いに発展する
「ふぅぅぅぅん!!」
「――っ!!」
互いに一歩も譲らぬ鍔迫り合いの駆け引きが続く
「ふっ!」
「――っ!?」
刹那、先に動きを見せたのは紫苑であり、強引に鍔迫り合いを解くとともに意識を集中させる
四元素の陣を展開させ、そこから放たれるエネルギー波を光牙に向けて放つ
対する光牙もこれに応戦し、かわせるものはかわしそうでないものは聖剣による斬撃で切り裂く
「(ここだ!)」
次の瞬間、紫苑は光牙の意識がそれているこの状況を好機と捉え、3度目の特攻を仕掛ける
「――っ!?」
「もらったぁぁぁぁぁぁ!!」
読みは当たり、一気に懐にまで潜り込めた紫苑が棒の先端を四元素のエネルギーを集約させた槍状に変異させ、光牙を貫こうとする
「…ふっ見事だ。だが!」
「――っ?」
しかしこの危機的状況の中で光牙が不意に笑うそぶりを見せたことに紫苑が困惑する
「超絶・秘伝忍法【
光牙が叫んだ次の瞬間、背中の球体についていたものが展開し、光のエネルギーを放出する
そしてそれと同時に光牙以外の時が動きを止める
停止した世界の中で動けるのはただ一人、光牙だけだった
光牙は動かなくなった紫苑を通り過ぎ、彼の背後にやってくるとそのまま振り替え座間に一撃をぶつける
動けない世界の中で攻撃を受けた紫苑は食らった際に一瞬だけ動くもすぐに停止する
『「お前さま、そろそろ解除せぬとまずいぞ。この力はやたら力を消耗するからの~?」』
「あぁ、わかった」
白亜の言葉に耳を傾け、術を解除する
術を解いた瞬間、止まった時が動き出す
ザシュ!ドバァァァァァァン!!!
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
動き出した瞬間、紫苑は光牙の与えたダメージで爆発する
「ぐはっ…はぁ…はぁ…い、いったい、なにが…っ!?」
自身に起こったことが理解できず、紫苑は困惑する
「ほう、まだ倒れぬとはな」
「――っ!?」
「しぶといな。だが、これで終わりだ決めさせてもらう」
そういうと光牙は光り輝く剣を天に掲げる
「切り裂け、すべてを断ち切る
光牙が叫びながら掲げていた剣を振り下ろす
ザシュゥウウウウウウウン!!
刹那、剣から放たれる斬撃波が紫苑を切り裂いた
「あっ…あぁ…」
やがて聖剣の一太刀を受けた紫苑はなすすべもなくその場に倒れ、間もなく意識を失った
「…っ」
崩れ落ちた紫苑を前に光牙は軽く剣を払うとそれに合わせるかのように転身が解除された
「か…勝った……光牙が勝ったぞ!!」
「やったぁぁぁぁぁ!!」
その光景を見ていた焔と未来が喜びの声を上げる
「やりました。やりましたよ皆さん、光牙さんが勝ちましたよ!」
「せやな。さすが光牙さんやな」
「うふふっ、ほんとうちのリーダーは最強ね」
「ししょー♪」
そうして勝者となった光牙の元に皆が駆けつけ、彼の栄誉を称えるのだった