閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第十章 さらなる強敵が出現ですか!?

月閃女学館で受けた怪我が治り、佐介たちは半蔵の営む店に行った

 

 

そこで旬のネタの寿司や太巻きを振舞われ

 

 

出された品々に佐介は目をキラキラさせ

 

 

目にも止まらぬ速さでそれを平らげ、飛鳥や半蔵たちのド肝を抜かせた

 

 

そして食事を終えた時、飛鳥が口火となり

 

 

半蔵は佐介たちにかつて自分が友と呼んだ忍の話しを聞せ

 

 

佐介たちは善とはなにか悪とはなにかを再確認したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は夕暮れどき

 

 

 

 

「じっちゃん。また来るねー」

 

 

「ご馳走様でした」

 

 

「おう、また必ず来いよ。待っとるぞぉ~」

 

 

半蔵の店で食事を終えた佐介たちは帰る前に半蔵に頭を下げて感謝の言葉を送りカウンター席を立った

 

 

こうして半蔵に見送られながら一行は学生寮に帰るための道を歩きはじめた

 

 

寿司屋を後にした帰り道、飛鳥や斑鳩たちが寿司の話題でおしゃべりをしている中

 

 

佐介は1人、先ほどの話しを思い返しながら

 

 

話の中、半蔵が黙り込む寸前に言った言葉を思いだしていた

 

 

『いき過ぎた正義は時として悪にもなる』

 

 

それと同時に半蔵の語った言葉に対して自分が言った言葉が脳裏をよぎる

 

 

『僕はこの世界には影もまた必要だと思います。影がなければそもそも僕たちの存在すら必要ないものとなります』

 

 

あの時、自分は半蔵にそう告げた

 

 

確かにそう言った……しかし、それでも佐介の心には揺らぎが生じていた

 

 

その原因は紫苑たち月閃の存在だった

 

 

『僕らも負けられない理由がある!!』

 

 

紫苑が技を放つ前に言った言葉が浮かび上がる

 

 

彼らは自分たちと同じ正義を貫こうとする強い意識を持っていた

 

 

しかし、それと同様に彼らは悪に対して強い憎しみを抱いていた

 

 

これまでの月閃との戦いを通し、彼らの思いを知った佐介は考えていた

 

 

おそらくこのままでは紫苑たちも、かつて半蔵が友と呼んだ忍が辿った、偏った袋小路へと迷いこんで行くかもしれない

 

 

「(どうにかして、紫苑さんたちと分かり合えないだろうか?」

 

 

そうすればこんな啀み合いをする必要はなくなる

 

 

憎しみは何も生みはしない

 

 

平和を願う者どおし心と心が通じ合えば分かり合えると

 

 

佐介はそう願っていた

 

 

そんな時だった

 

 

 

キュィィィィィィィン!

 

 

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 

突然、この商店街全域に忍結界が張り巡らされた

 

 

「これは…」

 

 

「忍結界だな…」

 

 

「みなさん。集中してください」

 

 

いち早く気づいた佐介と葛城、斑鳩が構えをとり、飛鳥たちも斑鳩の指示通りに構えをとった

 

 

一瞬、佐介は月閃がまた攻めて来たのかと思っていた

 

 

しかしこの結界、明らかに月閃のものではない

 

 

5つの初めて遭遇する結界

 

 

つまりこのことが意味するものは月閃とはまた別の敵が現れたということだ

 

 

「……気を付けろ、何者だかわからん」

 

 

柳生がみなに注意を促し

 

 

それによって全員が警戒心を強めた

 

 

「いったいどうなってるの?」

 

 

飛鳥はこの事態に困惑する

 

 

そしてその時だった

 

 

 

シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!

 

 

 

 

とうとうこの結界の主たちが佐介達の前に姿を現した

 

 

「貴様らが半蔵の生徒か…?」

 

 

「誰!?」

 

 

降り立ち、起き上がると同時に白い髪の女性が話しかけてきた

 

 

「こんな小娘どもにあいつらはやられたのか…私がいない間に蛇女も随分と貧弱になったものだな」

 

 

「っ?」

 

 

立ち上がり顔を見せた女性に何やら佐介は何かを感じた

 

 

彼女の顔、どこかで見た感じがした

 

 

「蛇女?どうしてあなたたちが蛇女のことを?」

 

 

蛇女という単語を聞いた斑鳩が尋ねるも女性は答えようとせず

 

 

逆に女性の方は何やらキョロキョロし始める

 

 

「…お前たちの中に佐介というやつはいるか?」

 

 

すると女性は佐介を名指しで呼んだ

 

 

「はっ、はい。僕が佐介です…?」

 

 

なぜ名指しで呼ばれたかにキョトンとしながらも後ろの位置から顔を見せるために前に出た

 

 

「……お前が」

 

 

「っ?」

 

 

女性が一瞬、何かを呟き

 

 

佐介がなんだろうと思っていたその時

 

 

 

シュン!!

 

 

 

「っ!!?」

 

 

 

カキィィン!!

 

 

 

「っちぃ!」

 

 

いきなり刀で斬りかかってきたのに驚くも

 

 

咄嗟に篭手で攻撃を防いだ

 

 

「佐介くん!?」

 

 

「佐介!あんにゃろぉぉ!!」

 

 

「今助けますわ!!」

 

 

それを見た飛鳥たちは佐介を助けに行こうとするも

 

 

「雅緋の邪魔はさせない!」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

「かつ姉!?」

 

 

「葛城さん!?」

 

 

助けに行こうとした飛鳥達だったが

 

 

その最中にメガネをかけた女性が葛城に攻撃を仕掛け、それを阻止する

 

 

「ついでに言うなら」

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

「お前たちもだ。あいつはあの佐介とやらに用があるようだ、どうしても行くと言うならお前らまとめて俺が相手をしてやろう」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

飛鳥たち残りの4人の前に立ちはだかるは1人の男

 

 

しかし、その男を見た飛鳥たちは直感的に感じた

 

 

この男、只者ではないと

 

 

 

 

そして佐介と女性は篭手と刀でつばぜり合いに持ち込まれていた

 

 

 

 

「あっ、あなたはいったい!?」グヌヌ

 

 

「私の名は雅緋、蛇女子学園の選抜メンバーだ!」グヌヌ

 

 

「蛇女の選抜メンバー!?」グヌヌ

 

 

彼女、雅緋の言った言葉に佐介は驚く

 

 

「なぜいきなり攻撃を!?」グヌヌ

 

 

「決まっている!お前のした事は万死に値するからだ!!!」

 

 

怒りとともに雅緋が刀を持つ手に力を込める

 

 

「なぜですか!?…まさか僕たちのせいで蛇女を滅茶苦茶になってしまったからですか!?」

 

 

「違う!もっと重要なことだ!それに比べたらそんなもの大した問題じゃない!!」

 

 

「いやいやいやいや!大問題じゃないですか!?しかもそれに比べたらって随分なものいいじゃないですか、母校は大事にしないと!?」

 

 

「ええいうるさい!!」

 

 

雅緋の言葉にツッコミをいれる佐介だったが

 

 

怒鳴り声をあげながら雅緋がつばぜり合いを強制解除し、距離をとる

 

 

「私がお前を憎む理由はただ一つ。……あの時、半蔵学院と蛇女の決戦の日、お前たちのせいで私の最愛の弟が抜忍となってしまったからだ」グヌヌ

 

 

「決戦の日…弟…抜忍……まさかその弟さんって……あっ!?」ハッ

 

 

雅緋の言った言葉のキーワードを脳内で検索し、答えを見出すと

 

 

それと同時に先ほど感じたものが何かわかった

 

 

「もしやあなたの弟というのは…光牙くんのことですか?」

 

 

「そうだ。私は光牙の姉だ!」

 

 

「っ!?」

 

 

姉と言い張る雅緋を改めてまじまじと見てみると

 

 

確かに髪は白髪、女性故に胸が大きいということを除けば

 

 

顔付、目つき、雰囲気などまさに光牙と瓜二つと言っても過言ではないほど似ていた

 

 

「光牙が抜忍となってしまったきっかけを作ったお前たちを私は絶対に許さない、そこで私たちはお前たちに学炎祭を申し込む!」

 

 

「なっ、なんですって!?」

 

 

「7日後とかまどろっこしい事は無しだ!今ここでお前たちに引導を渡してくれる!私の光牙を傷つけた罪、何倍にも返してくれるわ!!」

 

 

雅緋は高らかに宣言し、今ここに半蔵学院対新・蛇女子学園の学炎祭が始まろうとしていたのだった

 

 


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