互いの信念と想いを込めた大技による大立ち回りを演じる両備と両奈、そして両姫の鍔迫り合いが続いていた
「うぉおおおおお!!」
グゴゴゴゴゴゴオオオ!!
「「ぐぅうう!?」」
だが、両姫の超電磁砲の威力は凄まじいものであり、両備と両奈の放ったエネルギー波をどんどんと追い込んでしまっていた
「まっ、まずいですよ蒼馬くん!?」アセアセ
「明らかに2人の力のほうが、よっ…弱い」アセアセ
様子を見ていた佐介と蒼馬は追い込まれていく2鍔迫り合いを見て冷や汗を流していた
「りょ、両備ちゃん、まっまずいよこのままじゃ!?」
「分かってる。けど負けられない、もっと力を込めるわよ!」
「うっ、うん!」
「「はぁああああ!!」」
押し込まれていくもまだ諦めようとしていない両備の言葉に励ましを受けた両奈も踏ん張りを見せていく
「ふん、その程度のことで止められるような技じゃねぇ!」
両姫はそう言うと勝負を決めるべく己の持つ力を全て超電磁砲につぎ込んでいく
それに好悪するかのように超電磁砲の勢いが最高長に達し、先ほどよりも押し込む速度を強めていった
「うっ、うぅううう!?」
「ぐっ、ぐぐぅうう!?」
じりじりと追い込まれていく状況に両備と両奈が苦悶の表情を浮かべていた
「おらおらおらぁあ!どうした、もう後がないぞ!もう何もできないってんならおどれらここで終いじゃああ!」
ここで両姫が勝負を決めるべく最大火力を放出し、ラストスパートを仕掛けていく
勢いは先ほどまだとは比べ物にならない威力を誇っていた
2人がかりでも抑え込めないほどに
「(こ、これ以上は持ち堪えられない!?せっかくここまできたのに!?このままじゃお姉ちゃんを安心させて帰らせてあげられない、それにもし両備たちが負けたら…!?)」
追い込まれる状況の中、両備の瞳が別の方へ向く
彼女の視線の先には自分たちの戦いを心配そうに見守っている佐介の姿だった
「(ここで両備が負けたらあいつはもう一生ここから出れなくなっちゃう。せっかく前に進もうとしているあいつの想いを両備が奪ってしまうことになる…そんなこと絶対に嫌、両備は…両備は…)」
佐介のことを考える両備の脳裏に浮かぶのはこれまでの彼との思い出たちだった
どれもこれも両備にとって忘れられない思い出、そこには常に笑顔の佐介がいた
しかし、ここで自分が負けてしまえばその笑顔を奪ってしまう
「…ない」
「りょ、両備ちゃん?」
「絶対に諦めない!あいつのためにもみんなのためにも、そして何よりお姉ちゃんのためにも!両備はこんなところで負けられないんだぁああ!!」
直後、気力を振り絞って両備が力を込める
するとそれに好悪するかのように成す術もなく追い込まれていた鍔迫り合いが持ちこたえ始めたのだ
「うぉおおおおお!」
必死に目一杯に両備力を込めていく
「両備ちゃん…両奈ちゃんもぉお!!」
諦めずに抗う両備の姿を目にした両奈もそれに触発されるかのように力を籠め、巻き返しを図る
「負ける…もんかぁああ!!」
両奈と共に巻き返そうと声を張り上げる
その時だった
キュピィイイン!!
「「っ?」」
戦いを見守っていた佐介たちだったが、突如として自分たちの身に輝くものを目にする
なんだと思っていた矢先、2人の懐から何かが飛び出してきた
飛び出したのは2人の使っている巻物だった
「こ、これは…?」
「いったいなにが?」
いきなりのことで佐介も蒼馬も状況がまるで飲み込めず、困惑していた
するとその直後、独りでに飛び出した巻物が輝きを増すと同時に一筋の光を放った
光はそれぞれ両備と両奈に当たる
「なっ、なにこれ?」
「両備ちゃん、なんだかわかんないけど体の中からものすごく力が湧いてくるよ!」
「うっ、うん…これなら!」
「「はぁあああっ!!」」
その光がどこから照射されてきたかは両備たちは知る由もないものの、2人は迷わずその力を使う
コゴッ!ゴゴゴゴゴコゴ!
「なっ、なに!?」
刹那、あれだけ押し込まれていた鍔迫り合いの状況がみるみるうちに変わっていった
湧き上がる力によって両備と両奈は両姫の攻撃を押し返し、逆に追い込んでいく
「今よ!」
「うん!」
「「たああああっ!!」」
勝機を見出した両備と両奈はその勢いをこの一撃に注ぎ込んだ
次の瞬間、ついにその時が来た
グゴゴゴゴゴッ!ブオオオオオオッ!!
2人の技がとうとう両姫の技を破ったのだ
「……っ!?」
自身の技を破られたことに両姫は唖然としてしまう
「……ふふっ、本当に強くなったわね2人とも」
「「――っ!?」」
その時だった
両姫が2人に向けて言葉を紡ぐ
しかしそれは先ほどまでの荒々しいものではなく、いつもの彼女たちのよく知る優しい両姫の声色だった
ジュイイイイイイン!!
2人に向けてそう告げると同時に両姫は両備と両奈の放った一撃の直撃を受け、その身は真っ白に染まる
ドバァアアアアアアン!!
刹那、凄まじい大爆発が巻き起こる
この場にいた全員がその光景に一瞬固まってしまう
「はっ!?お、お姉ちゃん!?」
「両奈!?」
直後、我に返った両奈が一目散に両姫の元に駆け込んでいき、慌てつつも両備もその後を追っていった
「…どうやら終わったみたいですね?」
「あぁ…しかしさっきの現象はいったい何だったんだ?」
急に巻物が独りでに浮かび上がったと思ったら両備たちに力を分け与えた
不可思議な現象に蒼馬は解せぬと言った顔を浮かべていた
「そんなことより、僕は両備ちゃんたちの元に向かいますね!」
「おっ、おい佐介…まったく!」
もう居てもたってもいられないと言った勢いで佐介は両備たちのほうに向かって行き
蒼馬もまた若干呆れた様子を見せつつも佐介の後を追っていくのだった
そしてそんな中、先を行く両奈とそれを追う両備が両姫のいるであろう煙の立ちこむ場所にやってきた
「お姉ちゃん!?」
到着早々に両奈が両姫を呼ぶ
するとタイミングよく立ち込めていた煙が晴れ、状況が見えるようになってきた
「「――っ!?」」
ひらけた視界の先には出来上がったクレーターの上で大の字に倒れる両姫の姿があった
「両姫お姉ちゃん!」
「……っ!」
倒れている両姫の姿を見るなり両奈が駆けつけ、両備もその後についていく
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
抱き抱えるようにして持ち上げる両奈が何度も両姫に呼びかけ、その様子を両備と遅れて駆けつけた佐介と蒼馬が見守るのだった