閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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ありがとうの言葉を 

両姫との戦いは突如として発生した事態により、両備と両奈の勝利にて幕を閉じた

 

 

戦いが終わるや一目散に駆けつける両奈と両備たちがそこで見たのは地面に倒れる両姫の姿だった

 

 

「お姉ちゃん、両姫お姉ちゃん!」

 

 

彼女を抱き抱えた両奈が必死に呼びかけながら揺さぶっていた

 

 

「うっ…ううん」

 

 

「お姉ちゃん?」

 

 

「りょうな…ちゃん、りょうび…ちゃん?」

 

 

何度目かの呼びかけでとうとう両姫が目を覚ました

 

 

「…お姉ちゃん!よかった、本当によかったよ〜!」

 

 

目を覚ましてくれたことに両奈は安堵と興奮から居ても立っても居られず両姫に抱きつく

 

 

「あらあら、もう両奈ちゃんたら」

 

 

少しくすぐったそうな顔を浮かべながらも両姫は両奈の頭を優しく撫でてあげていた

 

 

「両姫お姉ちゃん…」

 

 

「…っ?」

 

 

そんな時、自分の名を呼ぶ声に振り向くとそこには両備が立っていた

 

 

「両備ちゃん」

 

 

「お姉ちゃん、両備は…両備は…」

 

 

何か言いたげな様子で、しかし、面と向かうと言葉が出ないのか両備は服の一部を握りしめていた

 

 

「…両備ちゃん、こっちにいらっしゃい」

 

 

すると両姫が自分の元に来るようにと声をかけ、手招きをしてきた

 

 

「うっ…うん」

 

 

言われるがままに両備は両姫のの元へと近づく

 

 

「……ふふっ」

 

 

「えっ?お、お姉ちゃん?」

 

 

「両備ちゃんもよくやったわね。お姉ちゃんとっても嬉しいわ」

 

 

「……っ」

 

 

直後、両姫が賞賛の言葉と共に両備の頭を撫でる

 

 

優しくて愛に包まれたなでなでを受けた両備は感情が入り混じるかのような感覚に見舞われる

 

 

ついにはその瞳に涙を浮かべる

 

 

「…おっ、お姉ちゃん!」

 

 

とうとう我慢の限界を迎えた両備が遅れて続くように両姫に抱きついた

 

 

「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」

 

 

涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしつつも両姫にぴったり抱き合いて離れようとしなかった

 

 

「あらあら。うふふ」

 

 

自分の服が汚れてしまったにも関わらず、両姫はそれを気に留めるようなこともなく両奈の時同様に両備を愛おしそうに抱きしめていた

 

 

「…良かったですね両備ちゃん」

 

 

「…ふふっ」

 

 

姉妹たちの温かい愛情を目にした佐介と蒼馬はその尊さに軽く涙を浮かべていた

 

 

「両備ちゃん、両奈ちゃん。2人ともよく頑張ったわ、あなた達の成長を見ることができてお姉ちゃんとっても嬉しいわ…これでもう”思い残すことはないわ”」

 

 

2人のことを抱きしめながら重要な一言を両姫が呟くと、それにハッとしたように両備と両奈が振り返る

 

 

するとその直後に両姫の身体が光り輝き始め、それに伴い彼女の肉体が薄くなってきた

 

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

 

「心配する必要はないわ。ただ単に私にその時が来たってだけのことよ」

 

 

「……っ」アセアセ

 

 

妹たちが自ら成長し、巣立ったことにより両姫の一切の未練が無くなった

 

 

従ってついに彼女があるべき場所へと戻る時が来たのである

 

 

「まっ、待ってお姉ちゃん!両奈ちゃんまだお姉ちゃんに言いたいことやしたいことがまだあるんだよ!?」

 

 

だが、両奈はこの土壇場で気持ちがぐらついてしまい、まだ一緒にいたいとぐずってしまう

 

 

「両奈ちゃん。あなたの気持ちはよくわかるわ、けれど私はもう死んでる存在、ずっと一緒にいられないのよ」

 

 

「そ、それはわかってるけど…」

 

 

諭すように両姫が言うも、頭では理解していても両奈は複雑そうな面持ちを見せていた

 

 

「両奈、わがまま言ってんじゃないわよ。両備たちは何のために戦ったの?お姉ちゃんを安心して返してあげるためでしょ?…だったら最後くらい泣き言言わないで笑顔で送ってあげようよ」

 

 

「…両備ちゃん」

 

 

そんな両奈に両備が物申す

 

 

しかしその時、両奈は気づいた両備が涙を流しながらも必死に笑顔を浮かべていることに

 

 

「…そうだね、こんなんじゃダメだよね。ごめんね両備ちゃん、ごめんね両姫お姉ちゃん…両奈ちゃんもうぐだぐだ言うのやめる。だって、お姉ちゃんには笑顔で逝ってほしいから」

 

 

両奈も覚悟を決めて両姫を見送ることにした

 

 

「2人とも私の妹として生まれてくれてありがとう、私をお姉ちゃんにしてくれてありがとう…お姉ちゃん、とっても幸せだった…愛してるわ両備ちゃん、両奈ちゃん。永遠に…」

 

 

「おっお姉ちゃん…」

 

 

「……っ」

 

 

「じゃあね。いつまでもあなたたちのこと見守ってるから」

 

 

2人に今の自分が持てる最高のお礼の言葉を述べる両姫

 

 

姉の最後の言葉に両備と両奈は心打たれる思いだった

 

 

刹那、その言葉を呟いたと同時に両姫の体が光の粒子となって天に昇って行った

 

 

「「……っ」」

 

 

空へと舞いあがって行く粒子を両備と両奈はじーっと眺めていた

 

 

「両備ちゃん」

 

 

「両奈」

 

 

「「っ?」」

 

 

その時、2人にかけられる声がした

 

 

両備と両奈が振り向くとそこには佐介と蒼馬がいた

 

 

「…佐介」

 

 

「蒼馬くん」

 

 

呆然としている様子の2人の元に佐介と蒼馬が歩み寄る

 

 

「…お疲れ様でしたね」

 

 

「よく頑張ったな」

 

 

佐介と蒼馬は2人の前まで来ると2人の頭を撫でる

 

 

「…ぐすっ、あぁあん!?」

 

 

「うぇぇ〜ん!?」

 

 

2人の優しさに触れたことにより、緊張の糸が切れたかのように両備と両奈はここまで溜め込んでいた涙を一気に吐き出した

 

 

枯れてしまうのではないかと思うほどに佐介と蒼馬の胸の中で両備と両奈は泣き続けるのだった

 

 

 

 

 

 

無事に両姫を送り届けることができた後の頃、両備は佐介とともに帰路の道のりを歩いていた

 

 

両奈と蒼馬は先に蛇女の拠点に帰り、両備は半蔵学院の拠点近くまで送るという理由のために

 

 

「両備ちゃん、大丈夫ですか?」

 

 

「ぐずっ…えぇ、大丈夫よ。問題ないわ」

 

 

「…そうですか」

 

 

佐介は未だ悲しみに暮れている両備が心配でならなかったが、今の彼女にどう接していいのかと困り果ててしまっていた

 

 

何もきっかけが掴めず、とうとう拠点近くまできてしまった

 

 

「りょ、両備ちゃん。送り届けてくれてありがとうございます。きょ、今日は大変でしたからゆっくり休んでくださいね」

 

 

「……っ」

 

 

声をかけるも両備の反応がなく、渋々佐介は拠点に帰ろうとした

 

 

「……ありがとう」

 

 

「えっ?」

 

 

するとその最中、両備の口から出た言葉に佐介は驚く

 

 

「あんたが見守ってくれて、ずっと応援してくれたから両備はお姉ちゃんを無事に送ることができたわ。本当にありがとう」

 

 

俯いていた両備が佐介に対して感謝の気持ちを伝える

 

 

「…いいえ、たいしたことはしてないですよ」

 

 

作り物とはいえ、笑みを浮かべる両備に佐介も笑みを返すことで応える

 

 

「じゃあ両備はそろそろ行くわね」

 

 

「あっ、はい」

 

 

両備はそう言うと蛇女の拠点に戻ろうとし、佐介もそれを見送ろうと声をかける

 

 

「5日後、楽しにしているわよ」

 

 

「はい、ご期待に応えられるように精進するつもりです」

 

 

「…まぁ、だとしても最後に勝つのは両備たちだから!せいぜいやられないように励みなさいよ!」

 

 

その直後、残っていた涙をぬぐい、両備は佐介の検討を称えつつ、それでも最後は自分たちが勝つと宣言し、足早に去っていった

 

 

「ふふっ…やっぱり両備ちゃんはそうでないとですね」

 

 

拠点への帰路の道を賭けていく両備の後ろ姿を見ながら佐介は笑みを零したのだった




”速報”!!


新たなる新章、ここに開幕!


平和な一時を過ごす佐介


「君は…誰?」


「…っ?」


街で遭遇した謎の子供


「「はぁああああ!」」


「だ、誰ですか!?」


突如として襲い来る2人の少女


「そ、そんな…みんなが!?」


囚われた仲間たち


「――っ!!」


「お前は佐介か!?何をする!?」


佐介が闇に落ちる?


「これより、シノビマスターズの開幕を宣言します!!」


謎の少女による忍たちによる大会、シノビマスターズの開催


「面白いことになってきたね~?」


様々な暗躍が蠢きだす


今ここに新たなる戦いの幕が上がる



”新章 シノビマスターズ編 9月4日より投稿開始!”



「佐介くん!?」


「飛鳥ちゃん…ごめんね」


Coming soon
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