閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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戦姫衆の章
第零章 始まりの再会 


とある日、とある昼間、ここは基立星十字学院(きりつせいじゅうじがくいん)

 

 

都会の真っただ中にある最高設備の整った名門校である

 

 

そんな学院の裏を牛耳り、実権を握っているのが生徒会を務めているこの学園の(しのび)たちであった

 

 

 

 

 

 

ここは生徒会室、表向きは学院の生徒会の役員の仕事をこなす場所である反面、同じく(しのび)学科である彼女たち「ゾディアック星導会(せいどうかい)」の招集場所でもあるのである

 

 

 

⦅生徒会室⦆

 

 

 

 

「うわ~、いい香り♪…う~ん、香りだけでなく味もいい♪」

 

 

「でも紅茶もいいけど今日のお茶菓子も美味しいよ。あむっ♪」

 

 

「まぁ、悪くはないかな」ボソッ

 

 

「うふっ、喜んでいただけたなら何よりですね」

 

 

現在、生徒会室ではゾディアック星導会(せいどうかい)のメンバーでリーダーである麗王(れお)が昨日貰ったとされる高級菓子と茶葉の紅茶で和やかなティータイムに興じていた

 

 

美味しいお菓子と美味しいお茶、これらに皆大満足してくれているようだった

 

 

「それにしても銀ちゃん遅いね?どこに行っちゃってるんだろう?早くしないとお菓子なくなっちゃうってのに?」

 

 

メンバーの一人、朱里が唯一この場に居ない銀嶺(ぎんれい)のことを話題に出す

 

 

「そんなに心配しなくてもすぐ戻ってくるよ。…まぁ、お菓子を残しておくという選択肢はないけどね」

 

 

「あっ!黒母衣(くろほろ)ちゃんずるい!それ藍夢(あいむ)も食べたいのに!」

 

 

「こういうのは早い者勝ちってやつだよ♪」

 

 

お菓子を巡って他愛ないやり取りをしているのが黒母衣(くろほろ)藍夢(あいむ)である

 

 

「こらこらお2人とも…まぁ、それはさておき、心配いりませんよ朱里(しゅり)、ギンのことですからもうすぐ帰ってくるはずですから」

 

 

じゃれあう二人に注意を呼びかけつつ、麗王(れお)朱里(しゅり)に心配はいらないと言い聞かせる

 

 

そんな時だった

 

 

 

バタン!

 

 

 

「「「「っ?」」」」

 

 

「はぁ…はぁ…麗王(れお)さま!」

 

 

噂をすればなんとやらというかのように生徒会室のドアが勢いよく開くとともに何やら慌てた様子の銀嶺(ぎんれい)が現れた

 

 

「ギン、どうしたのです?そんなに慌てて?」

 

 

「どうしたもこうしたもありません、これをご覧ください!」

 

 

困惑する麗王(れお)たちをそっちのけで銀嶺(ぎんれい)が机の上に写真を提示し、皆がそれに目を向ける

 

 

「…っ!?」

 

 

刹那、写真を見た麗王(れお)が眉をひそめる

 

 

その写真にはとある少女が映っていた

 

 

「…ギン、これはいつのものです?」

 

 

「送り主からによるとつい数分前に撮られたもののようです。」

 

 

写真をまじまじと見ていた麗王(れお)が意を決するように立ち上がる

 

 

「皆さん、これより緊急忍務を発令します。直ちに飛行機で現場に直行します。準備なさい、至急に!」

 

 

「はい、了解です!」

 

 

「わかったわ!」

 

 

麗王(れお)の指示を受けた朱里(しゅり)藍夢(あいむ)が即座に準備のために部屋を去った

 

 

「では私も準備に向かいます」

 

 

「えぇ、頼みましたよ」

 

 

後に続くように銀嶺(ぎんれい)も部屋を後にする

 

 

そうしてあっという間に部屋に残ったのは麗王(れお)黒母衣(くろほろ)だけになった

 

 

「…麗王(れお)

 

 

「なんです黒母衣(くろほろ)さん?」

 

 

「正直に言ってやめておいた方がいいと思うよ、気持ちは察するけど…うん、やっぱりね」

 

 

「結果は?」

 

 

黒母衣(くろほろ)は机の上に置いたタロットカードで未来を占おうとし、その結果にこの後の展開を予知した

 

 

「逆位置のカード、strength、death、さらに正位置のthe・devil。ここまで縁起でもない結果とは…悪いことは言わない、ここは大人しく手を引くべきよ?」

 

 

占いの結果を見て黒母衣(くろほろ)麗王(れお)に忠告する

 

 

「…お気持ちはありがたいです。ですがこれはまたとないチャンスなのです。このチャンスを逃せば次はいつになるかもわからない。だからこそ手が届くのならばわたくしはどんな逆境下の中でも伸ばしたいのです」

 

 

麗王(れお)はすこし潤んだ瞳で黒母衣(くろほろ)を見つめる

 

 

「…あっそ、あなたがそうしたいのならもう止めないわ。でも悪いけど私はパスさせてもらうわね。今回は乗り気がしないから」

 

 

「…わかりました。では留守を任せますね」

 

 

忍務(にんむ)に同行しない姿勢を示す黒母衣(くろほろ)にあえて文句を言わず麗王(れお)は留守を彼女に任せて部屋を去った

 

 

 

ギュォォォォォ!ビュゥゥゥゥゥゥン!

 

 

 

そうしてしばらくして用意が整った麗王(れお)たちは自家用飛行機で現場に向かって飛んでいった

 

 

無知(むち)って罪ね…」

 

 

飛び去る飛行機を生徒会室の窓から黒母衣(くろほろ)は眺めていた

 

 

「無事に帰ってこれるかしら?…いや、難しいかもね。"あの子"のバックには"彼"がいるんだから」

 

 

少し不安げな顔を浮かべながらそうつぶやく黒母衣(くろほろ)だった

 

 

 

 

 

 

⦅日本国 D県⦆

 

 

この県は海外との交流が盛ん(さかん)ゆえに日本ながらに外国の雰囲気を醸し出すそんな場所である

 

 

そしてここはとある高級レストラン

 

 

セレブ御用達の5つ星の店である

 

 

「お待たせしました。こちらが当店自慢のビーフステーキと当店オリジナルのフルーツカクテルでございます。ではごゆるりと」

 

 

定員がとある席にこの店で一番のメニューをお出し(おだし)し、一礼するとともにその場を後にする

 

 

責に座しているのはどう見ても少女であり、店にいる他の客たちとは明らかに空気が違う

 

 

だがそんなことを気にすることなく少女は目の前に置かれたビーフステーキにナイフに切り込みを入れ、フォークに刺さった肉片を口に運び、ゆっくりと味わう

 

 

「ごっくん……ふぅ~」

 

 

口の中で広がる肉汁と触感を堪能し、続けざまにフルーツカクテルを一口飲み喉を通る果汁の味わいを楽しむ

 

 

「…ふん、なかなか悪くないわね」

 

 

ステーキとカクテルの味に少女は賞賛の声をあげ、食事を続けていた

 

 

「っ?」

 

 

だが、そんなディナーを楽しむ少女の手がぴたりと止まってしまった

 

 

それは彼女が見据える先に原因があった

 

 

彼女が見据える先にはこの店の主人らしき者と会話している麗王(れお)の姿

 

 

会話をしていた麗王(れお)が店の主人に連れられてこちらにありがとうと告げ向かってくるのが見える

 

 

「…っ」

 

 

少女はそれをただ黙って見る以外しなかった

 

 

そうこうしているうちに麗王(れお)が少女の元にやってきた

 

 

「ようやく見つけたわ」

 

 

「…ふふっ」ニヤリ

 

 

「案内ありがとうございました。ここからは私たちだけで」

 

 

「はい、分かりました。では失礼します」

 

 

連れてきてもらったことに礼を述べ、麗王(れお)は主人を下がらせ、すぐさま少女のほうを見る

 

 

一方、少女の方は口元についているソースを用意されていた拭きもので拭っていた

 

 

「ここではなんですから場所を変えましょう」

 

 

「えぇ、構わないわよ」

 

 

重要なことであるがゆえに話しをするために場所を変えることになり、麗王(れお)の後に続くように少女もついていった

 

 

 

 

 

 

場所は移り、ここは人気(ひとけ)のない街の一端にある教会の前

 

 

「探しましたよ。あなたが忍務(にんむ)に行って以降行方を晦まして早数年、今日までわたくしは不安の日々を過ごしました。もしやあなたが死んでしまったのではとも思いました…でも、こうしてまた会うことができた」

 

 

「…」

 

 

麗王(れお)がこの数年間自分を捜していたことを告げると少女はそれを黙って聞いていた

 

 

「どうして?生きていたのならどうして連絡をくれなかったのです?わたくしやギンがどれほど心配だったかわかりますか?」

 

 

「…心配させていたことに関しては悪かったと思ってるわ。ごめんなさいねお姉さま…でも、それと私がお姉さまの元に戻るのは別の問題よ、はっきり言うわよ。私は戻るつもりはないわ」

 

 

「っ…!?」

 

 

少女の言い放ったその一言に麗王(れお)が絶句する

 

 

「なぜですか?なぜ戻る気がないなどと!」

 

 

「お姉さま、私はあの出来事を経てわかったの、この世界は腐ってる。このままでは世界に待つのは絶望だけ、だから私はこの世に変革をもたらすの、その変革を成すまではどこにも帰るつもりはないわ」

 

 

断固たる意志を少女が見せるも麗王(れお)にはそれがとても正しいことをしようとしているとは思えなかった

 

 

「…ならば仕方ありません、なるべく手洗い真似はしたくありませんでしたが…皆さん!」

 

 

「「「っ!」」」

 

 

「っ?」

 

 

麗王(れお)の声とともに待機していた銀嶺たちが少女を取り囲んだ

 

 

「あら銀嶺(ぎんれい)、久しぶりね?」

 

 

「…妹さま。まさかこのような再会になろうとは思いませんでした」

 

 

銀嶺(ぎんれい)の顔を見て少女は声をかけ、銀嶺(ぎんれい)のほうは麗王(れお)同様複雑な顔をしていた

 

 

「で、1人捕まえるために4人がかりなわけ?」

 

 

「白々しくしても無駄です。少なからずあなたの情報は得ています…あなたがその身に妖魔の力を宿していることくらい」

 

 

「あら、知ってたとは意外ね。確かに今の私は妖魔の力を宿しているわ」

 

 

少女は少し驚いた程度であっという間にネタ晴らしをした

 

 

「気をつけてください皆さん、今のこの子は生半可な相手ではございません!」

 

 

「「「っ!」」」

 

 

麗王(れお)の呼びかけに応じて全員が武器を構える

 

 

「せっかちね。でもどうやらお姉さまたちが知ってるのはその程度の情報のようね?」

 

 

「その程度?…何が言いたいんです?」

 

 

「…私が何の策もなく誘いに乗ったとでも?」

 

 

「っ?」

 

 

少女が意味深(いみしん)な言葉を述べた瞬間

 

 

 

シュン!ヒュゥゥゥゥ!!

 

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

「全員散開!」

 

 

突如上空から降りてくる影に驚きつつも麗王(れお)の機転で回避に成功する

 

 

すかさず視線を戻すと少女の前に土煙で隠れた人影が

 

 

「何者です!」

 

 

麗王(れお)がその影に問いただす

 

 

その直後だった

 

 

ブオッと言う音とともに豪快に土煙が払われ、露わになったのは背の丈くらいの大きさの鈍器を手に持った自分たちと年の近しいような不棒の少年だった

 

 

「姫、大丈夫?」

 

 

「えぇ、ありがとうアキ」

 

 

守るように立ちはだかる青年に少女は礼を述べる

 

 

「まさか伏兵がいたなんて」

 

 

「な、なんだかすごく怖そうな人?」

 

 

「どうします麗王(れお)さま?」

 

 

思わぬ伏兵の登場によって麗王(れお)たちは度肝を抜かれてしまう

 

 

「で、こいつらどうしたらいいの姫?」

 

 

「そうね…まぁ、少なくとも殺さない程度には痛めつけていいわ」

 

 

「…わかった」

 

 

少女からの指示を受けた少年がギロリと麗王(れお)たちに視線を向けるとゆっくりと彼女たちに近づく

 

 

「皆さん、行きますわよ。やられる前にこちらから仕掛けます!」

 

 

「「「はい(うん)!」」」

 

 

「いざ、参ります!たあぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

「「「やあぁぁぁぁ!!」」」

 

 

先手必勝といわんばかりに麗王(れお)たちが少年に攻撃を仕掛ける

 

 

「…」グポーン

 

 

それに対して青年の目が怪しい光を放っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後の時が発った

 

 

戦場とかした教会はどうなったかというと

 

 

「う、うぅぅ…」

 

 

「ぐっ…あう…」

 

 

「にゅ~…」

 

 

その身をズタズタにされ、アスファルトの上に転がっている銀嶺(ぎんれい)たちの姿があった

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

かろうじてレーザーブレードを支えに麗王(れお)が対峙していた

 

 

一方の少年の方は全くと言っていいほど無傷でスタミナ切れすら起こしていない、すなわち圧勝だった

 

 

「こ、ここまで強いなんて…」

 

 

実力差に麗王(れお)は絶句する

 

 

「しぶといな…」

 

 

「アキ、もういいわ」

 

 

「…わかった」

 

 

少年が麗王(れお)を再び襲おうとしたがそれを少女は阻止した

 

 

「これでわかったでしょうお姉さま?これに懲りたらもう私のことを追うのはやめることね。行くわよアキ」

 

 

「うん」

 

 

「お、お待ちなさい」

 

 

「それじゃお姉さま、バーイ♪」

 

 

背を向け様に一声かけ手を振り終えるや少女は少年を連れて去っていった

 

 

「…うっ」ドサッ

 

 

忍務(にんむ)失敗の事実と限界を迎えた麗王(れお)が先に倒れた三人同様にアスファルトにその身を倒すのだった

 

 

こうして姉妹の再会は最悪な形で幕を閉じたのだった

 




緊急速報!





其の者は破壊する。自らの本能のままに


「「「「っ…!」」」」アセアセ


「っ!!」



ザシュゥゥゥン!!



新たなる章、ここに解禁!



ヒュゥン!サクッ!



「「「「っ?」」」」


突如として忍学生たちに届いた招待状


「こ、これは」


それは歴戦の忍たちの忍による武闘大会への参加権


佐介たちを戦いの舞台へと誘う島、オーグ島


「うぁー!すごい!」


「「「「っ…」」」」


この大会に呼び寄せられた数々の猛者


「いよいよね…革命の時、ここに極まれりよ」


裏で蠢く者たちの陰謀が佐介たちに牙を剥く


ドガァァァン!


「「「「うわぁぁぁぁぁぁ!!」」」」


「みんな!?」


「嘘だろ!?」


次々と破れる仲間たち


「まだよ。ショーは始まったばかりよ!」


猛威を振るう謎の集団、「戦姫衆」


「何者だ?」


「……っ!」


そして、佐介、光牙、紫苑、相馬の前に立ち塞がるは絶対強敵!


長き時を経て掟を破り


五人目の男「亜騎羅」がついにその牙をむく!



新章「戦姫衆編」第一章近日投稿



「…潰す。姫の前に立ちふさがるものを…たとえそれがどんな奴だろうと」



その力に刮目せよ
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