閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第一章 通知、武闘大会 

⦅半蔵学院 演習場⦆

 

 

 

 

「行くよ佐介くん!」

 

 

「うん、掛かっておいで!」

 

 

「はああぁぁぁぁ!!」

 

 

「ふぅぅん!」

 

 

末渉青空の下、半蔵学院の演習所にて佐介と飛鳥が組手の真っ最中でほかの面々はその様子を遠くから見物していた

 

 

「ええぃ!!」

 

 

「ぬっ!ぐう!?」

 

 

跳躍からのかかと落としを繰り出す飛鳥に対し、佐介が両手をクロスさせて防いだ

 

 

「隙き有り!てやぁぁぁ!!」

 

 

「…あまい!」

 

 

「っ!?きゃあっ!!」

 

 

隙を突いた飛鳥が回し蹴りを繰り出す

 

 

しかし、それを佐介が受け止めると同時に勢いよく投げ飛ばそうとスイングする

 

 

「っく、ふぅん!」

 

 

「なっ!?」

 

 

「てやぁぁぁ!!」

 

 

「ぐぅっ!?」

 

 

だが、飛鳥も負けじと切り返して反撃の一撃を繰り出す、思わぬ反撃を受け、怯んでいる隙に距離をとる

 

 

「…やるね飛鳥ちゃん!」

 

 

「えへへ、私だって成長してるんだから!」

 

 

すかさず佐介に向かって再び飛鳥が攻め立てていった

 

 

「いけ!そこだ飛鳥!」

 

 

「しっかりしろ佐介、追い込まれるぞ!」

 

 

「2人とも頑張れ~!」

 

 

離れた先から2人を皆が応援していた

 

 

「しかし今日の飛鳥ちゃん、随分と攻めるね?」

 

 

「実戦経験に関しちゃ佐介のほうが圧倒的でいつもはそこで押し切られちまうからそうさせないために序盤から攻めにいってるんじゃないか?」

 

 

「佐介と幾多の戦いの経験があぁして形になってるということだ」

 

 

2人の戦う様子を葛城たちが冷静に分析していた

 

 

「えい、とおっ!!」

 

 

「くっ、うっ!?」

 

 

飛鳥の連続攻撃が佐介を翻弄する

 

 

「今日こそ勝ってみせる!」

 

 

「やるね飛鳥ちゃん。でも僕だってそう簡単に勝ちを譲る気は…ない!」

 

 

佐介に向かって突き進む飛鳥が小太刀に、佐介は自らの拳に力を集中させる

 

 

「てやあぁぁぁぁ!!」

 

 

「ふぅぅぅん!!」

 

 

 

ドゴォォォォォン!

 

 

 

2人の渾身の一撃がぶつかり合った。周囲に拳と刀がぶつかった鈍い音が響いていた

 

 

渾身の一撃を放った両者は互相を見据え、そのまま硬直していた

 

 

「そこまで!この勝負は引き分けです!」

 

 

「「っ?」」

 

 

ここで審判をしていた斑鳩が終了の合図を送った

 

 

それによりこの勝負の勝敗は引き分けという形で決着がついた

 

 

「ふぅ…強くなったね飛鳥ちゃん、正直かなりやばい感じだったよ」

 

 

「えへへ、私だって負けてられないから。今よりももっともっと強くなりたいから」

 

 

強くなり、佐介と肩を並べられるようになりたい、その思いが飛鳥を日に日に強くさせるのだった

 

 

2人は笑い合いながら互相の奮闘をたたえ合う

 

 

その時だった

 

 

 

ヒラヒラヒラヒラ

 

 

 

「あれっ?」

 

 

「どうしたの佐介くん?」

 

 

「…あれって?」

 

 

「「「「「っ?」」」」」

 

 

不意に佐介が向けた視線のほうに目を向けるとそこにはなんとクロアゲハ蝶がいたのだ

 

 

「あれって蝶蝶?」

 

 

「うわ~、クロアゲハだ~…ってあれ?」

 

 

「今の時期にクロアゲハだと?」

 

 

この寒い時期にクロアゲハはおろか他の蝶蝶が飛んでいることがあるのか?

 

 

そんなことを思っていると蝶蝶が新たな動きを見せてきた

 

 

どうしたことか蝶蝶がこちらに向かって飛んできているようだった

 

 

「こっちに向かってきてる…よね?」

 

 

「確かに…」

 

 

訳もわからないまま佐介たちはただただ蝶蝶の動きに目を見張る

 

 

そしていよいよね蝶蝶が近くにやって来た

 

 

翅をばたつかせながら蝶蝶が佐介のもとへ

 

 

反射的に佐介が止まり木の変わりとして腕を差し出すと、それを待っていたかのように蝶蝶が佐介の手に降り立つ

 

 

一体何なのだろうと疑問を抱いていると

 

 

 

シュィン!

 

 

 

「っ?」

 

 

「「「「「っ?」」」」」

 

 

佐介の手に止まっていた蝶蝶に異変が起こったと思いきや突如、蝶蝶が封筒になってしまった

 

 

「えっ?なにこれ?蝶蝶が封筒になっちゃった?」

 

 

「…一体これは?」

 

 

「…おそらく、伝書術の一種でしょう。この封筒を蝶蝶の姿に変えてここまで届けに来たってことですかね?」

 

 

これらのことを考えるにそういうことなのだろうと推察した

 

 

「その封筒、中身はなんなんだ?」

 

 

「ちょっと待っててくださいね」

 

 

中身が気になっている様子の葛城が急かすように佐介に切り出す

 

 

封筒から中身を取り出してみるとそこに入っていたのは一枚のカードだった

 

 

「これ…見たところ招待状ですね?」

 

 

「招待状?」

 

 

「なんて書いてあるんだよ?」

 

 

確認した佐介から封筒の中身が招待状だと聞かされキョトンとなる飛鳥たち

 

 

手紙の内容が気になった葛城が佐介にそれを読んでみるよう申し出る

 

 

「え~、なになに?…えっ?」

 

 

「どうしたの佐介君?」

 

 

手紙を見て数秒後、急に黙り込んでしまった佐介に皆がどうしたのかと思った

 

 

「おい佐介?…さ~す~け!!」

 

 

「えっ、あはいっ!?」ビクン

 

 

「はいじゃねぇよどうしたんだよ?手紙読みだした途端に黙りこけてよ?」

 

 

「何か良からぬことでもあったのですか?」

 

 

葛城の声でハッと我に返った佐介が自分が黙り込んでしまったことで皆を不安にさせてしまっていることを察した

 

 

「あっ、すみませんみなさん。ちょっと手紙の内容に驚いてしまったものですから」アハハ

 

 

慌てて皆の心配を解こうと必死に説明する

 

 

「それで手紙にはなんて書いてあったんだ?」

 

 

「はい、それがですね。どうにも武闘大会の正体みたいなんですよ?」

 

 

「「「「「「「「武闘大会?」」」」」」」」

 

 

手紙の内容について佐介から説明を受けた全員が何じゃそりゃといった顔を浮かべる

 

 

「しかもこれ、文面に「半蔵学院の忍の皆様へ」って書いてあるんです」

 

 

「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」

 

 

続けざまに説明受けたがその驚きは先ほど以上のものだった

 

 

「ということはつまり?」

 

 

「手紙の送り主は我々が忍であることを知っているとみてまず間違いないな」

 

 

わざわざ忍の皆様と書いてある事からもその可能性は十二分に考えられた

 

 

「で、で、その武闘大会ってのはどこでやるって書いてあるんだ?」

 

 

「えっと……オーグ島っていうとこらしいです?」

 

 

「オーグ島?聞いたことのない島だな?」

 

 

聞きなれない島の名前が出てきて全員がざわめきを見せる

 

 

佐介が文面の続きを読む

 

 

「…優勝したものには特典として「なんでも望みが叶う巻物を贈呈します」だそうです」

 

 

「な、なんでも!」

 

 

「あっ、はい。みたいです」

 

 

優勝商品が願いをかなえる巻物を聞いた瞬間、皆目の色が変わる

 

 

「あれ?みなさん?」

 

 

「佐介、出よう」

 

 

「えっ?」

 

 

その言葉を合図に皆が大会に出る気を示していた

 

 

「なぁなぁ、霧夜先生、アタイ達その大会に出たいんですけどいいっすか!」

 

 

「まったく、お前らときたら……仕方ない、いいだろう。ただし危なっかしいことはするなよ?」

 

 

「ひゃほー!しゃぁ、そうと決まったら早速準備に取り掛かろうぜみんな!」

 

 

「「「「「「おー!」」」」」」

 

 

葛城の一気呵成でみんなも盛り上がりを見せるのだった

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