豪華客船による長い船旅を終えた佐介たち一向はようやく目的である島、オーグ島にたどり着いた
島はまさに南海の孤島というかのように人気もなく随分と寂し気な感じが漂うといった感じがした
セバスチャンの後に続く形で歩き出した佐介たちはそこに広がる遺跡跡地や鍾乳洞に心奪われ
やがて鍾乳洞を抜け、その先で佐介たちが見たものはとても島の中心とは思えないような美しい光景だった
森の木々や湖に囲まれているそんな場所の中央にはとても立派な城がデーンと立っており
佐介たち心をさらに感極まらせた
そうして一行はセバスチャンに連れられてその城に向かっていくのだった
城へと続くロードを歩いていった佐介たちはようやく城の前に到着した
「皆さまご足労いただきありがとうございました。こちらが目的地になります」
「ふぃ~、やっと着いた~」
「だらしないぞ相馬、この程度で根を上げて」
道を歩いて城にたどり着くなりもう一苦労したような顔を浮かべる相馬に雅緋が説教を垂れる
そんな2人の様子に彼らを知る者たちはくすくすと笑みをこぼす
「では城の前まで来て長話しもなんですので、ささ、中へ入りましょうか」
これ以上の立ち往生はナンセンスというようにセバスチャンが佐介たちを中に入れるのだった
城の中に入るや否や佐介たちの目に映ったのは広々としたデカい部屋だった
「ほへ~、これまた凄すぎなんですけど?」
部屋には様ざまなものが飾られており、そのどれもこれもが高価なものだと一目ではっきりわかる
そんなこんなで奥まで進んでいくとエントランスに出た
「わ~、ひろーい!」
目を疑うほどに色鮮やかに飾られた城の内部に皆が釘付けにされる
「お褒めのお言葉大変痛み入りますわ」
「『っ?』」
刹那、自分たちに語りかける声に皆の視線が言った
するとそこには左右の階段から降りてくるメイドたちがやってきていた
「おかえりなさいませ、セバス様」
「参加者の皆様方もはるばるお越しくださいまして誠にありがとうございますわ」
佐介たちが来て早々にメイドたちが丁寧にお辞儀をし、歓迎してくれているようだった
「んで、肝心の主催者さんはどこにいんだよ?」
すると不良系の忍チームの1人が皆も思っていた疑問を突き付ける
そう、中央まで来たがそこには自分たちをこの島に招き入れた主催者の姿が何処にもない
どういうことなのかと皆も疑問を抱く
「御心配には及びません…っ」パチン!
おもむろにメイドの1人が腕をあげるとともにフィンガースナップを聴かせる
次の瞬間、突然照明が消えた
先ほどのフィンガースナップを合図に他のメイドが電源を切ったからだ
「な、なにっ?」
「何が始まるんだ?」
そうとはつい知らず、あたりが暗くなってしまったことに困惑する
さらに事はそれだけに終わらない
上の階から下の階にかけて光が注がれホログラムの映像が謄写されていった
数秒後、映像が浮かび上がるとそこには仮面に全身をマントで羽織った人影が映し出された
『welcome!ようこそ我が城へ!』
「な、なんだ!?」
「『っ!?』」
更なる驚きの展開に皆は驚く以外の行動ができずにいた
『ふふふふっ、相当、驚いてるようだな?期待以上の反応だ』
映し出された人物が佐介達の反応を見るなりくすりと笑っていた
『さて、うっうん…よくぞ遠いところはるばる来てくれたな参加者の者たちよ。私が君たちをこの島に招待したものだ。改めて君たちを歓迎させてもらうよ』
おもむろに両手を広げ、映像の人物はそうつぶやき、自分が闘技大会を主催し、佐介たちをこの島に招待したものだと告げる
「あ、あなたが僕たちをこの大会に読んだ方なんですか?」
『そうだよ。さっきも言ったじゃないか』
佐介が恐る恐る質問すると映像の人物が念押しもかねてそう答える
「何のために僕たちを?」
『なんのため、か?あえて言うならば一時の気まぐれとでも言っておこうかな』
「き、気まぐれ…ですか?」
『そう、気まぐれさ。毎日同じことを繰り返す日々に私もほとほと飽き飽きしていてね。そこで私は今大会の開催を思いついたのだ。君たち忍たちによる血沸き肉躍る戦いを目の当たりにしたい、歓喜に満ちたい。そう思ったのだよ』
大会の開催理由が代わり映えのない日々に飽き飽きした金持ちの暇つぶしなのだと知って少々驚きを見せる
「…」
そんな中、光牙は彼の発言に対してどうにも解せない様子を浮かべていた
「はん、あんたの趣味なんざどうでもいい、そんなことより手紙に書いてあった優勝賞金は嘘じゃないだろうな?」
不良チームのリーダー格の男が賞金のことに関しての質問をしてきた
『もちろんだよ…っ』
「っ」コクッ
すると映像の人物がメイドにアイコンタクトを送り
それを受けたメイドの1人が数秒席を外す
しばらくして戻ってきたメイドが何かの布を被せられたデカいものを積んだカートを運んできた
メイドが佐介達の元にやってくるやその布を取る
布を取り上げるとそこには今までに見たことがないような量の札束が積まれていた
「う、うそっ!?」
「マジかよ!?」
あまりの札束の多さに度肝を抜かされる
「あ、あれだけの大金を持ってるということはそれだけ毎日贅沢をしてらっしゃるということ…許せませんわ!」
「よ、詠さん、お、落ち着いてください!」
「そうだよ!詠お姉ちゃん!こんなところで暴れたらきっとえらい目にあっちゃうから!?」
「ですが、ですが!?」
斑鳩と未来に必死に押さえつけられつつも大金を目にしてどうにも怒りが収まり切れない様子の詠だった
『どうかな?これで信じてもらえたかな?』
「…へっ、あぁ、いいぜ。ともかく先ずはこいつら全員をぶっ飛ばしてこの金全部俺たちのものにしてやらぁ」
「「「「「「「おーー!!!」」」」」」」
大金を前に気合十分な様子を見せる不良チーム
「ふん、なんとも暑苦しい、これだから脳筋どもは、しかし優勝するのは我々だ。知性で勝る僕らこそが勝っている」
「「「「「「そうだそうだ!」」」」」」」
知性チームも負けじと張り上げる
「これもすべては神の御導き、我らの勝利を神に捧げましょうぞ」
「「「「「「「すべては神のために」」」」」」」」ナムナム
仏教チームもまた乗り気だった
「みんな張り切ってるな。っしゃあ、俺たちもやってやろうぜ!」
「「「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」」
スポーツチームがそれぞれのアイテムを掲げて叫ぶ
「どこの方々も気合十分ですね?」
「そうだな」
「我々も負けてられないですね」
「まぁ、やるからにはとことんやってやるさ」
彼らに負けじと佐介達もまた大会に臨む覚悟だった
戦姫衆編 今回はここまで、次週からは京都編第二幕を投稿します