長い船旅が終わり、佐介達は目的地であるオーグ島にたどり着いた
島、そして洞窟内を行き、その先に広がる森と湖に囲まれた中央にそびえる城にたどり着いた
セバスチャンの案内の元、そこで彼らを待っていたのは
外見の凄さに勝るとも劣らないほどに飾り付けを施された城内の光景だった
思わず目移りしてしまう程に立派な城内を進んでいった佐介たちは
そこで自分たちの到着と同時に現れたメイドたちの歓迎を受ける
するとメイドたちがすぐに佐介たちが来たことを受け、部屋の窓などを閉め
部屋を闇で包むと、程なくしてそこから照射された光によって佐介たちの前にホログラムによる立体映像が出現する
立体映像の人物は自ら名乗りを上げ、佐介たちを武闘大会に招待した支配人であることを明かす
支配人によ演説、賞金によって参加者である忍たちの気分は最高潮に達し、気合いと闘志に満ち溢れていたのだった
「うおぉぉぉぉ!賞金はすべて俺達のものだぁぁぁぁ!!」
「エリートである我々の力を解くと見せてやる!」
「神よ。我らに勝利の加護をお与えくださいませ」ナムナム
「しゃあ、みんな張り切っていこうぜ!」
チームの代表格たちの号令が他のチームメイトたちの闘志に更なる火をともしている様子だった
「向こうも張り切ってるね。僕たちも負けてられないや」
「そうだね。私たちもあの人たちに負けないようにしないと」
半蔵学院のメンバーたちも気合十分
「ふっ、奴らもう勝った気でいるようだが、まったくもって片腹痛いな」
「だな。私たちがいる限り、優勝は夢のまた夢だということを思い知らせてやるぜ!」
紅蓮竜隊も香月満々といったところ
「たとえどんなに強豪ぞろいだろうと関係ない、この大会、僕らが絶対に勝利して見せる!」
「その通りですね紫苑、すべては我らが正義のために!」
月閃女学館も全員の志を合わせて大会に臨む構えだった
「おうおう、みんな張り切ってて暑苦しいね~?」
「何を他人事のように言ってるんだ相馬?この戦い、勝利を収めるのは我々蛇女だということを忘れるな。やるぞみんな、私たちの、悪の誇りをこの場にいる全員に知らしめてやれ!」
『久しぶりだ。俺も存分にやらせてもらうとしよう』
蛇女子学園も誇りを抱いて大会に臨む所存だった
それぞれのチームが己の信念、悲願、野望、それら様々なものを胸に抱き、大会に臨む構えを見せていた
『ふっ、それでいい、それでこそ私がはるばる呼び寄せた甲斐があったというものだよ』
大会参加者たちのやる気に満ちた姿に支配人が映像、もとい仮面越しに隠されていたところで笑みをこぼした
『では盛り上がっている気持ちが覚める前に君たちにはさっそく会場に行ってもらうよ』
支配人が選手たちに会場に行くように促してきた
「あの~、会場に行くのはいいんですけどその会場はどこにあるんですか?」
おもむろに紫苑が質問し、その疑問に皆もハッとなる
確かにここにはもう先へ行く道がないように見えた
故に参加者たちが会場が何処なのか疑問で仕方ない様子だった
『…っ』ニヤリ
するとそんな質問がくることを既に読んでいたかのように不敵な笑みを浮かべた
『そのことならば心配には及ばないよ』
「どういうことですか?」
心配いらないと告げる支配人の言葉に紫苑はおろか他の者たちもキョトンとなる
しかし、そんな彼らを他所に支配人が軽快にフィンガースナップを聞かせ、室内に音が響き渡る
その瞬間だった
ゴゴゴゴゴゴゴ!
「『っ!?』」ビクッ
突如、部屋中に振動が走るのを佐介たちは感じ取った
「な、なんだなんだ!?」
「じ、地震でしょうか!?」
振動が走るこの状況が皆に不安を与えていく
「っ、みんなあれ見て!」
「『っ?』」
ここで一つ先に何かに気づいた飛鳥が皆に呼びかけをし、その声に反応した佐介たちが振り返る
「あれは!」
飛鳥が指し示す先を見ると左右にある上り階段とは別の佐介達のいるところの奥にあった壁がスライドしていき
開いていくゲートの向こうから光が差し込んできた
「…隠し通路?」
「あんなものまで、いったいこの城には何度驚かされなきゃいけないんだ?」
豪華絢爛なつくりだけでは飽き足らず、これほどまでのギミックの仕掛けを施していることにもはや開いた口が塞がらないといった状況だった
「もしかしてあれが?」
『あぁ、そうだとも、あの先にあるのがお待ちかねの闘技場さ』
ゲートの向こうにはさんざん話題に出ていた闘技場が待っていると支配人が告げる
「へっ、やっとか。随分ともったいぶってくれやがったがこれでようやく暴れられるぜ」
「ふん、さっさと行こう。これ以上は時間の無駄だからね」
「確かに、神も我らにそう告げておられます故」
「まぁ、なんでもいいけどさ、とりあえず行こうぜ」
待ちかねたというように他方の忍たちがゲートの方に向かっていった
「じゃあ僕らも行きましょうか」
「あぁ、そうだな」
「そうですね」
「りょ~かいっと」
遅れてはいけないというように後に続く佐介たちもまたゲートに向かっていった
それを見送ったと同時にホログラムが終了し、消え去った
光に沿って佐介たちがゲートを突き進む
やがて、光の向こうに向かって歩き続けた佐介たちが目的地にたどり着いた
「…うわ~」
佐介たちの視界に映ったもの、それはまるで遥か古の時代
古代ギリシャにて行われていた闘志たちの戦いの義にふさわしい聖なる地として知られる
剣闘士たちの戦いの場「コロシアム」を彷彿させる造形の場所だった
「こりゃすげぇな?」
「うん、すんごい雰囲気出てるね?」
「こんな場所で思う存分やれるのか?くぅ~、わくわくするな!」
自分たちが戦う舞台を前に皆、興奮が収まらない様子だった
「選手一同の諸君!」
「『っ?』」
「ふふふっ、待っていたぞ」
「あれ?あの人?」
声のする方に目を向けるとそこにはまるで皇帝のごとくどっしりと構えて玉座に座る支配人が
その姿は先ほどと違ってホログラムではなく完全な実態だった
「どうだ?私が君たちのために用意した特別ステージは?」
「あぁ!もう、最高だ!戦いたくてうずうずするぜ!」
コロシアムの雰囲気と熱気でこれ以上にない盛り上がりを見せていた
「よろしい、ではこれよりここに集った屈強な忍たちによる武闘大会を開催する!」
開会宣言が行われる
「ルールは至ってシンプルだ。この大会、形式はバトルロワイアルとする!」
「バトルロワイアル?」
「そうだ。お前たちは最後の1人になるまで戦い続けることになる。ただし、あくまで最後の1人が決まれば問題はない、故にそれまでの間、誰かと共闘もよし、仲間内で戦うもよし、最後の1人が勝ち残れば後は何をしてもかまわない、それがこの大会のルールだ!」
支配人が今バトルロワイアルの大会のルールを説明した
説明を聞いた選手たちがそれを頭に刻む
「では皆のもの、準備はいいか?」
そして支配人が手を空にかざした瞬間、選手たちが一斉に構える
暫しの沈黙があたりを包む
「…試合」
「『っ…』」
「開始!」
「『っ!』」バッ
支配人が手を下した瞬間、選手たちが一斉に突っ込んでいき、そのまま乱戦に入った
いずれも皆互角の勝負を醸し出す
その様子を玉座で座しながら支配人が見つめる
「(ふふふ、いいぞもっとだ。もっと戦え)」
内に秘めし野心を胸に抱きながら