突如として現れた戦姫衆の伏兵、亜騎羅によって事態はさらなる混乱に見舞われる
亜騎羅の力はすさまじく次から次へと彼の手によって多くの者たちがなぎ倒されてしまった
圧倒的な力を見せるその姿はまさに怪物と呼ぶにふさわしいほどのものであり
皆が亜騎羅の存在に恐怖を抱く
そんな中、この状況を危惧した佐介たち清栄の四人がついに意を決する
これ以上の被害を食い止めるために、もう犠牲者によって妖魔の繭にエネルギーを吸収させないために
万感の思いを胸に佐介たちと亜騎羅との正面衝突が幕を開けようとしていた
⦅コロシアム内⦆
「「「「…」」」」
「…」
一同の視線が集中する中、佐介たちと亜騎羅が互いに相手の出方を伺っている
だが、それもわずかな時間でしかなかった
「っ」グッ
「っ、用心しろ…来るぞ!」
「「「っ!」」」
「…っ!!」バッ
沈黙を破るように亜騎羅が得物を構えながら勢いよく駆け出してきた
「っ!!」スッ!
「「「っ!?」」」
「ここは僕が!!」
「佐介!?」
寸前で跳躍し、得物を持つ手を引き絞らせながら上空から攻めにかかろうとする亜騎羅を見た佐介が合わせるように跳躍し受けて立つ構えを取る
「ふぅぅぅん!」
「たああぁぁぁぁ!!」
ドガァァァァァァァン!ビュリリリリリリ!!
「『う、うわぁぁぁっ!?』」
「ぐっ、な、なんて衝撃波だ!?」
「吹き飛ばされないようにするので精一杯だ!?」
「っ~~…さ、佐介くん!?」
亜騎羅の振りかぶった鉄塊と佐介の拳が衝突と同時に大きな衝撃波を生み出す
その衝撃はコロシアムの外まで届くほどすさまじく
この場にいる者たちの大多数はその風圧によって吹き飛ばされいた
「ぬぅっ、ぐぅぅぅぅ!!」
「っ~~!!」
一方で衝撃波の中心核である佐介たちと亜騎羅の力と力の押し合いがなおも続いていた
力と力のぶつかり合い、一見すれば五部と五部な感じに見える
「~~…っ!?」
「っ…~~っ!!」
「なっ、佐介くんがどんどん押されだしてる!?」
「おいおい、冗談だろ!?」
だが、実際は亜騎羅の力にどんどんと押され始めていた
「うっ、ぐぅぅぅ!?」
「…ふぅぅぅぅぅぅん!!」
「っ、ぬぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ドゴォォォン!
「「「佐介(くん)!?」」」
「『っ!?』」
「そんな…佐介くん!?」
刹那、亜騎羅の力の前に佐介は押し負け、そのまま地面に叩きつけられてしまった
「佐介、大丈夫か!」
「がはっ…はぁ…はぁ…」
「…佐介」アセアセ
叩きつけられたダメージによって手傷を負ったが命に別状はなかった
「佐介くん…」
「…くっ!」
傷ついた佐介の身を案じつつも彼を吹き飛ばした張本人である亜騎羅に注意の目を向ける
「やろう…もう許さねぇ!!」
「相馬くん!?」
これを受け、佐介の仇を取るべく相馬が亜騎羅に向かっていく
「おりゃぁぁぁぁぁ!!」
「っ…!」
自分目がけて向かってくる相馬を前に亜騎羅は構える
相馬が亜騎羅の間合いに入る
「…っ!!」
すかさず亜騎羅が間合いに侵入した相馬をしとめるべく得物を振りかぶる
「行くぞアオ!!」ガチャン!
その最中、相馬がヴァイザーに巻物をセットし、スイッチをタッチする
「っ!!」
刹那、亜騎羅の放つ斬撃が相馬に襲い掛かる
ブォン!
シュン!シュン!
「っ?」
「一気に行くぜ!」
「あぁっ!」
「っ!?」
しかしここで相馬が瞬時に分裂の巻物をヴァイザーにセットしていたことで斬撃が繰り出される直前に蒼馬と分裂し、これを回避した
そしてすかさず二人になったと同時に亜騎羅に反撃を開始した
「おりゃっ!」
「ぐっ!?」
左方向から相馬が渾身の一発を打ち込み、それを咄嗟に亜騎羅が開いているほうの腕で防ぐ
「アオ!」
「わかってる!」
「っ!?」
隙をついた蒼馬が亜騎羅にヴァイザーの銃口を突き付ける
「くらえ!」
バキュゥゥン!!
「~~っ!?」ザザァァァ
ヴァイザーから繰り出された光弾によって亜騎羅が後方へと吹き飛ばされる
しかし、倒れるまでには至らず地面を削りながら踏みとどまった
「ナイスショット」
「今はそんなことはいい、それよりも気を引き締めていくぞ。奴は生半可な相手ではない」
「確かにな。おっし、一気に畳みかけるぜ!」
息を合わせつつ、再び相馬と蒼馬が連携攻撃を亜騎羅に仕掛ける
「たああぁぁぁぁ!!」
「せぇぇい!」
「っ!」
相馬と蒼馬が息のあったコンビネーションで亜騎羅を攻め立てる
しかし、二人はすぐに思い知ることになる
亜騎羅という男の真なる恐ろしさを
それは2人が攻め始めてから数秒してからだった
「っ!」ダキン!
「なっ!?」
「…っ!」カキキキン
「なにっ!?」
2人の連携による攻撃が少しずつ決定打を逃し始めており、攻撃を防がれることが多くなった
「このっ!」
「まだまだ!」
果敢に攻める相馬と蒼馬、だが結果は変わらずそれどころかどんどん悪くなっていくばかりだった
「な、どうなってんだ。さっきまでこっちが圧倒的に優勢だったのに!?」
「くっ、なんて奴だ…おそらく奴はこの数秒という短時間で俺たちとの戦い方を学習したんだ!?」
「お、おいおいアオ、そんな…冗談にもほどがあるぞ?」
「いや、ここまでで決定打を与えられてないどころか防がれることが多くなってきている。奴が俺たちの動きを学習していると考えられるのが自然だろう」
現状を見て蒼馬の想像は核心をついている
実際自分たちが優勢から劣勢になり始めていることがその何よりの証拠なのだから
「じゃあどうするんだよ?」
「それを今考えて」
「危ない!二人とも!?」
「「っ!?」」
この状況を打開するための策はないかと話し込んでいる最中、警告を促す声が
その声に反応し、見てみるとすでに亜騎羅のほうからこちらに向かってきていた
「「っ!?」」
「っ!」
状況を把握した相馬たちはすかさず身構えて亜騎羅の攻撃を迎え撃とうとする
「ふぅん!」
ドゴォォォン!
得物による挟撃が地に傷をつける
「調子に乗るな!」
「はあっ!」
「…っ」
回避に成功した二人が一斉に仕掛けた二人の攻撃を仕掛ける
「うりゃぁぁぁ!」
「ぬぇい!」
「っ!!」ガシィィン
「「なっ!?」」
だが二人の攻撃を亜騎羅が同時に防いだ
しかもそれだけにとどまらず、逃がさないように二人の部位をがっちりと掴んでいた
「て、てめぇこの!離せ!!」
「ぬぅぅぅん!…馬鹿な、渾身の力を出しているのだというのに全く振りほどけない!?」
2人は必死に自分たちを掴んでいる亜騎羅の手を振りほどこうとする
さりとて二人を掴む亜騎羅は一向に振りほどけなかった
「……っ!」ブゥン
「「なっ、ぐはっ!?」」バキィン
刹那、亜騎羅が掴んでいた二人の部位を勢いよく引き寄せ、それによって2人は激突し、ダメージを受ける
「っ、ふぅぅん!」
「「ぐあぁぁぁぁ!!!」」
さらに追撃の回し蹴りを繰り出し、相馬と蒼馬は二人同時に壁のほうに吹き飛ばされてしまった
「う、うそ…」アセアセ
「し、信じられない」アセアセ
その光景を見ていた一行、特に蛇女メンバーの驚きは凄まじかった
「っ…くっ!」
「あっ、紫苑!」
2人が吹き飛ばされる様子を見ていた紫苑がいてもたってもいられず雪泉の制止を振り切り駆け出す
「っ!」ザザァァァ!
「…っ?」
紫苑が亜騎羅の前に立つ
「次は僕が相手になりましょう…っ!!」
力を解放させ、紫苑が両手に元素の陣を展開させながら構える
「…っ!!」ジャキン
それを見た亜騎羅が地面に突き刺していた得物を引き抜き戦闘態勢を取る
引き抜いた得物から放たれる怪しげな煌めきを放つ刃先に紫苑の姿が反映されているのだった
今回で今年の投稿は終わりです。次回は年明け回を挟んで1月10日に投稿します