亜騎羅を倒すために4人が力を全面開放し
押されていた形勢を逆転させるように亜騎羅を追い詰めていった
だが、追い詰められた亜騎羅が豹姫による発破をかけられた瞬間
当初は押し込んでいたはずの4人を再び圧倒し始めていった
突然のパワーアップを果たした亜騎羅によって佐介たちは再び劣勢に追い込まれてしまうのだった
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
「…っ」
先の亜騎羅の攻撃によって光牙はその場にひざまずき、苦しそうな吐息を吐く
そんな光牙の様子をジッと亜騎羅が伺っている様子だった
「(さっきのアレはいったいなんだ?なぜ術が突然途切れた?)」
光牙は相手の動きを警戒しつつ先ほどの出来事を思い返していた
亜騎羅を返り討ちにするために術を発動させたはずなのにその術が途中で途切れてしまった
それも自分の意思とは関係なくだ
さらには術を発動させている途中に発生したあの痺れが何なのかも気になって仕方ないところだった
シュゥゥゥ…ギュィン!ガッチャチャチャ
「…っ?」
すると突然先ほどまで力を失い、機能を停止していた各装甲に光が戻り、同時に収納される
「…っ」
一連の光景を見ていた光牙が呆気にとられつつもちらっと亜騎羅を見た
依然として彼の体からは黒い靄がこぼれている
「…まさか?」
このことから光牙は何かを察知した
「光牙くん!大丈夫ですか!?」
「あっ、あぁ…」
思い悩んでいる光牙のもとに急ぎ佐介と紫苑が駆け寄る
「…なんという強さなのでしょう、まさかまだ上があったなんて?」
この常態化の自分たち4人を相手にできる今の亜騎羅の強さに度肝を抜かされる
「…気をつけろお前たち、奴から出ているあの黒い靄には絶対に触れるな」
「えっ?」
「靄に気をつけろとはどういうことですか?」
「理由は分からん、だが俺が先ほど術をかけた時、術が途中で俺の意思に関係なく解除されたんだ。心当たりがあるとすれば術を使う直前に奴の攻撃を受けた時だ。その時一瞬黒い靄のようなものが俺の体についたんだ」
先ほど起きた現象を光牙が2人に教える
「なるほど、だとしたらそれに関しては僕も感じました。さっき相打ちになった際に獣波拳を放とうとしたら軽く体にしびれを覚えました。ですが構わず技を放とうとしたんですがどういうわけか技が出ませんでした」
「本当ですか佐介くん?」
「はい…とすればその原因は?」
「あぁ…間違いないだろうな?」
ここまでの流れからして3人は確信した
理屈はともかくとして亜騎羅から漏れ出ているあの黒い靄にはこちらの術を無効化させる何かしらの力が備わっているということを確信した
「だとすれば彼の攻撃を食らうのは相当厄介ということですね?」
「えぇ、ただでさえあんな化け物じみた攻撃力を持った強敵を相手をしているというのにその上忍術を無効化させる能力を持っているとは…」
「奴を相手にするこの現状下の中で忍術を無効化され続けるのは流石にきつい。下手にこのまま奴と戦い続ければこの状態であってもまず間違いなく殺られる」
「「…」」ごっくん
現時点においての現状下においてこの三人で相対しなければいけない中、忍術を無効化する能力を備えた亜騎羅とこのまま闇雲に戦えばかなりの確率でやられてしまうのはこちら側であるという想像が頭をよぎり
それを考えると佐介と紫苑は思わず息をのんだ
「だとしたら彼に勝てる勝算はあるのでしょうか?」
亜騎羅の体から噴き出す靄が厄介な代物であるとわかった以上迂闊に行動するのはリスクが伴うことだ
「臆するな、要は奴のあの靄さえ注意すればいいんだ。あの靄を避けつつ奴に隙を作ることができれば…」
「なるほど、確かにそれならいけそうかもしれませんね」
厄介なのは忍術を無効化するあの靄だ。あれを退けることができるならばまだ勝機は十分ある
「…ただ、不発に終わったとはいえ先ほど能力を使ったことに加えてこのモードになってからすでに数分が経過した。俺がこの状態でいられるのは持ってあと1分といったところだろう」
「…1分」
「この1分間が勝負だ。奴に隙を作らせてその隙を狙い大技を奴に叩き込む」
勝呂を分かつのこの1分、絶対に失敗できない1分であることを認識した
1分という限られた時間の中で亜騎羅を仕留める。できなければこちらの敗北は間違いなく決まる
それを3人は覚悟した
「ではお二人とも、援護は僕が引き受けましょう、今この中で一番の攻撃範囲を持っているのは僕ですから」
「紫苑さん」
「…できるか?」
「任せてください、その代わり殿は任せましたからね」
話し合いの末、紫苑が援護に回り隙を作る係となり、佐介と光牙が殿を務めることとなった
「僕らが殿ですか、責任重大ですね」
「なに、俺とお前なら問題はない…背中は任せるぞ?」
「…はい、任せてください!」
そして意見が纏まった3人は横一列に並びながらこちらを睨み据えている亜騎羅に視線を向ける
「…」
「「「…」」」
双方、互いをしっかりと視界にとらえる
「…ふぅぅぅ!!」バッ!
刹那、亜騎羅が声を荒げながら突っ込んできた
「来ます!」
「行くぞ佐介!」
「はい、光牙くん!」
「「はあぁぁぁぁぁぁ!!」」
それを見て佐介と光牙も受けて立つように駆け出した
「っ!」
「はっ!」
「せぇい!!」
間合いに入るや否や互いに技と技をぶつけ合う
「はあぁぁぁぁぁぁ!!」
「せぇぇぇい!!」
「っ!!」
ものすごいほどの奥州のかけあい、両者一歩も引かなかった
「ふっ、はあっ!!」
「っ、佐介!」バッ
「はいっ!」バッ
「っ!?」
最中、後方で様子を伺っていた紫苑が援護射撃を放った
それを感じ取った光牙と佐介が寸前まで注意を引き、すかさず後方に向かって下がった
直後、亜騎羅目がけて光弾の嵐が飛んできた
ボバババババババ!!!
「ぬぅぅぅ!?」
光弾が着弾し、あまりダメージこそは言ってない様子だが動きを封じるには十分な働きを見せていた
やがて紫苑が攻撃の手を止める
「今です2人とも!」
「はいっ!」
「待っていたぞ!」
「っ!?」
刹那、紫苑が作った隙をついて佐介と光牙が左右同時攻撃を繰り出す
「「絶・秘伝忍法!!」」
そして亜騎羅を仕留めるべく佐介と光牙が今自分たちの持てる力のすべてを注ぎ込んだ全力の一撃を発動させる
「っ!?」
「「っ!!」」
一気に加速するとともに左右同時に仕掛ける
「
「
右から佐介と左から光牙が同時に秘伝忍法技を放った
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
「たぁぁぁぁぁぁ!!」
「っ!!」
2人の拳と手刀が亜騎羅の寸前まで迫る
バシィィィィィィィィィン!
ものすごい衝撃が周囲に伝わるのを感じた
「~~~っ…っ!?」
衝撃が止まぬままに紫苑が何とか目を見開くとそこには信じられない光景が移っていた
「「っ!?」」
「っ~~!!」グヌヌヌ
なんと二人の渾身の一撃を両手を交互させた状態で受け止めていたのだ
「そ、そんな!?」
思いもよらぬ光景に紫苑はただただ唖然となるしかなかった