圧倒的な力を振るう亜騎羅と対峙する佐介たち
しかし亜騎羅の常軌を逸した強さの前に打つ手をことごとく跳ね除けられてしまう
佐介、光牙、紫苑の3人が連携による攻撃で大きな隙を作り
その隙を突いた佐介と光牙が渾身の力を込めた絶・秘伝忍法の一撃をかます
だが、そんな思いを乗せた起死回生の一手すら亜騎羅を倒すことができなかった
窮地を脱するために紫苑が攻撃を繰り出すもそれを逆手にとった亜騎羅によって逆に2人にダメージを与える結果となってしまった
さらに亜騎羅の進撃は止まることをしらず、すぐさま紫苑も巻きこみつつ攻撃を仕掛けてきた
紫苑の妨害もいに返さず、それを貫通し、首を締めあげる
意識を失いかけた紫苑を復帰した相馬が救う
亜騎羅の標的は必然的に相馬に代わり
その猛威を振るわれた相馬は志半ばで亜騎羅の一撃を受け、遠くまで吹き飛ばされ
直後、相馬を吹き飛ばして間もおかずに高めた力を集約させ、注ぎ込んだ両手を使った一発を放たんとする
刹那、せめてもの抵抗と言わんばかりに佐介がそばにいる2人を吹き飛ばし、亜騎羅の魔の手から救った
代償に佐介は亜騎羅の放った一撃をもろに受け、宙を舞うのだった
コロシアム内の時が制止世界のようにゆっくり、ゆっくりと進んでいく
外野の視線の先には亜騎羅の放った一撃によって宙を舞う佐介の姿が
やがて沈黙を破るかのようにドサッという音とともに佐介の身が地面に勢いよく叩きつけられた
「…さ、佐介くん!?」
我に返った飛鳥が呼びかけるも反応が返ってくることはなかった
「そ、そんな…」アセアセ
「さ、佐介」アセアセ
その様子を目の前で見ていた光牙と紫苑も呆気にとられていた
「佐介くん!」
「お、おい飛鳥!?」
「ともかく私たちも行きましょう」
「あっ、あぁ!」
ついに辛抱たまらず、皆が止める手が遅れてしまったことも合間って飛鳥は佐介のもとに大急ぎで駆け付け
後に続くように焔、雪泉、雅緋が向かう
「佐介くん!?」
彼のもとに駆け付けた飛鳥がすぐさま佐介を抱き起す
同じように焔と雪泉も光牙と紫苑のもとに駆け付け、安否を気遣っている様子であり
残る雅緋が彼らの前に立ち、前方にいる亜騎羅の前に立ちはだかる
「佐介くん!佐介くんしっかりして!?」
必死に佐介をゆすりながら目覚めるように声をかける
「…あ、ぁぁ」
「っ、佐介くん!?」
「あ…すか…ちゃん」
「佐介くん…」
意識を取り戻したことに飛鳥が安堵する
「っ…!?」ドックン
「っ!?」
「「「「「っ!?」」」」」
しかしただで済むはずなどなく
すぐに佐介の身に異変が生じる
「あっ…うぁっ…」ギュォン
それは先にやられてしまった者たちと同じ現象だった
「っ、だめぇぇぇぇ!!」
飛鳥の悲痛の叫びがこだまするがそれで事態がよくなるわけもなく
想いもむなしく佐介からエネルギーが吸い取られてしまった
ドックン!ドックン!ドックン!ギュィィン!
佐介のエネルギーを吸収した妖魔の繭が激しく脈動し、微かながら不気味な光を放っていた
「すごいな。あいつのエネルギー吸ったらあんなになってるな?」
「予想以上ね?」
その様子を見ていた戦姫衆の面々は少し驚いた表情を浮かべながら歓喜に打ち震える
「これはいい兆候かもしれないわね?…姫、あなたもそう思うでしょ?」
「あいつらっ!」
「許せませんわ!」
これまでの過程と戦姫衆の態度に焔と雪泉が怒りを孕んだ言葉を言い放つ
それは彼女たちに限った話ではない、この様子を見ていた外野側の仲間たちも皆同じ思いであった
「っ…」アセアセ
「……っ」
雅緋と亜騎羅の視線が合う度に雅緋は言い知れない恐怖を感じる
「(な、なんだこいつのこの殺気は!?近くで見て改めて感じてみたがこんな奴がいるなんて)」アセアセ
今までに感じた事がないほどの恐怖と不安感が雅緋を襲う
正直自分が忍でなければこの恐怖に耐えきれず逃げてしまうであろうことも感じ取った
それほどの奴なのだということを亜騎羅が存在で示しているのだ
いつでも動けるようにと刀を握りしめる雅緋の手にうっすら震えが見える
「飛鳥、雪泉!私たちも雅緋に加勢するぞ!私たちで奴を倒すんだ!」
「…うん!」
「承知いたしました!」
雅緋の様子を見ていた焔が2人に呼びかけ
その言葉を聞いた飛鳥と雪泉が佐介達の無念を晴らすために亜騎羅に戦いを挑む意思を決める
そうして焔とともに飛鳥と雪泉が前に立つ雅緋のもとに向かおうとした
「待て!」
「っ、光牙?」
「早まってはいけない雪泉、それに飛鳥さんも」
「紫苑?」
だが、そんな彼女たちを制止したのが光牙と紫苑だった
「離せ光牙、私は今すぐにでもあいつをぶっ飛ばすんだ!」
「落ち着け、冷静になれ!奴の強さはお前たちもわかっているだろう!」
「っ!」
光牙のその言葉に焔たちはぐうの音も出なかった
確かに自分たちが挑もうとしているのはこの四人をたった一人でほぼ再起不能になるくらいに追いやったほどの怪物だ
そんな相手に自分たちが勝てる見込みはあるのかと問われれば正直不安でしかない
「だが…だがっ!」
「…もしお前たちが負けてしまったらそのお前たちのエネルギーを吸収したあの繭が羽化するかもしれないんだぞ?もしそうなれば状況はさらに悪い方向に向かってしまうんだぞ!」
「「「「っ!?」」」」
真理を突いた光牙の言葉に3人は言葉を失う
確かに光牙のいう通りだということは理屈では理解できていた
「…光牙くん、紫苑さん。ごめんなさい!」
「飛鳥!?」
しかしそれを蹴り飛鳥は雅緋の隣に付く
「雅緋ちゃん、私も加勢するよ!」
「飛鳥?」
「おい飛鳥、わたしより先に出るなんてずるいぞ!」
「焔ちゃん!」
しかし、そうは言っても彼女たちとて大切な仲間を傷つけられて黙っていられるほど辛抱強くなかった
そうして亜騎羅を前に四人が並んでしまうと同時に一斉に身構えていた
「…馬鹿どもめが!」
「どうしましょう光牙さん、このままじゃ雪泉たちも佐介くんの二の舞になってしまいます!?なんとかしなくては」
「わかってる!わかってはいるが、~~っ!」グヌヌ
彼女たちを止めなければと体を起き上がら双にも肝心の体が言うことを聞いてはくれなかった
既に力の殆どを消耗している自分たちにこの現状をひっくり返す手立てはないと苦悶の表情を浮かべるのだった