不運急を告げる事態の中、佐介達の前に姿を現した豹姫率いる戦姫衆
そしてこれが武闘大会と称しながら実は忍たちを所持する妖魔への供物とせんとする戦姫衆の罠であることを知る
まんまとはまってしまった佐介たちが抵抗を試みるも直後に現れた戦姫衆の隠し玉である亜騎羅の出現によって事態は最悪のものとなり
大会に参加していた他の選手たちの殆どがねじ伏せられ、妖魔の繭の養分にされてしまう
この事態を重く見た佐介たちが彼らを止めるべく戦うも
亜騎羅の想像以上の実力によって絶・忍転身による強化を行っても尚勝てず
戦いの最中に相馬は城外に吹き飛ばされ、直後に繰り出された亜騎羅の攻撃から光牙と紫苑を守るべく佐介が犠牲となり、その力を吸い取られてしまった
もはや打つ手なしの彼らを助けるべく亜騎羅の前に飛鳥たちが立ちはだかるのだった
場は緊張と緊迫感に支配されていた
飛鳥、焔、雪泉、雅緋はこれから始まる戦いのためにそれぞれ「真影」「紅蓮」「氷王」「深淵」の姿に転身する
四人の後ろには先の戦闘でボロボロになってしまった光牙と紫苑、そして力を吸い取られ意識を失っている佐介がいる
さらに目の前にはここまでで多くの忍たちを屠り、さらには自分たちの中でも最強クラスだったあの4人をこれほどの状態に追いやった怪物、亜騎羅がいるのだから
「気を抜くなよお前ら」
「あぁ、わかってる。光牙や相馬たちをここまでにした相手だ。油断したら私たちなど瞬殺されかねんな?」
「ですが私たちとて引くわけには参りません」
「うん、たとえどれほどの相手だろうとこれ以上被害を出させるわけにはいかないもんね」
今自分たちが動かなければもっとひどいことになりかねない、そう考えればジッとしてなどいられるはずがなかった
その思いを胸に刻みつつ飛鳥たちは前方の亜騎羅を見据えていた
「……」ギロリ
「「「「っ」」」」ピクッ
こちらを見ている亜騎羅の瞳はとても同じ人間のものとは思えなかった
彼の鋭い眼光が自分の前に現れた新しい獲物を見定めるような感じがした
どのタイミングで仕掛けてくるのかもしれないという想像に支配されていく思いだった
「…」ユラッ
「っ?」
「っ!!」バッ!
「「「「「っ!?」」」」」
その直ぐ後だ。亜騎羅が襲い掛かってきたのは
「まずい!逃げろ!!」
亜騎羅が襲ってくるその様子を見て光牙が飛鳥たちに逃げるように言う
「心配するな!行くぞお前ら!」
「うん!」
「はい!」
「あぁ!」
だが4人はそれを聞かず迫りくる亜騎羅に応戦する
「いくよ!絶・秘伝忍法【女郎花】!!」
「私も行くぞ!絶・秘伝忍法【紅蓮帝釈天】!!」
「っ!!」
2人の剣劇の大技が亜騎羅を襲う、だが、亜騎羅の硬化されている腕に弾かれるだけでダメージは通ってはいない
「ダメだ。やっぱり決定打を当てられてない…このままでは」アセアセ
攻撃も防がれたままで攻撃の手が止まり、その隙を突かれでもしたら彼にねじ伏せられてしまうのも時間の問題だった
「いや、あれを見ろ!」
「…あっ!」
最中、光牙が指さすほうに目を向ける
するとそこには6枚の羽根を展開させ宙を舞い、刀に力を集約させている雅緋の姿が
「飛鳥、焔!待たせたな!」
「待ってたぞ!」
「お願い雅緋ちゃん!」
雅緋が刀をおおきく振りかぶる
「絶・秘伝忍法【深淵のParadiso!】」
その瞬間、左右方向に刀を横斬りし、斬撃を放つ
「飛鳥!」バッ!
「うん!」バッ!
「っ!?」
飛鳥と焔が斬撃が直撃する寸前に亜騎羅から離れた
ビュビュビュビュビュビュビュン!
「っ!?」
直後、亜騎羅に斬撃の雨が降り注ぐ、それによって亜騎羅を押していく
「今がチャンスだ雪泉!」
「はい!」
このタイミングを待っていたかのようにスタンバっていた雪泉が身構える
「これで!仕留めます!」
構えを取った次の瞬間、勢いよく雪泉が亜騎羅目がけて駆け出す
「…っ!」
「なにっ!?」
しかしここで雅緋の攻撃を強引に脱出した亜騎羅が雪泉に襲い掛かる
「危ない!」
「雪泉!?」
このままでは雪泉が危険だ。誰もが思ったその時
「ふっ、はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「っ!?」
迫りくる中、雪泉が急ブレーキをかけると同時にその勢いを利用し一回転するとともにそこから氷の気をまとった斬撃波を放った
そしてその斬撃が見事亜騎羅の胸元にヒットする
「グッ、グファ!?」ドテン、ドテテェ~ン!
「っ?」
雪泉の攻撃がヒットした瞬間、亜騎羅が苦しそうな声を上げるとともに大きく地に倒れこんだのだった
「はぁ…はぁ…」
「雪泉ちゃん!」
「やったな!」
「みなさん…はい」
すぐさま雪泉のもとに飛鳥たちが集まり彼女をたたえた
「…す、すごい、見ましたか光牙くん!雪泉たちがやりましたよ!」
一部始終を見ていた紫苑は歓喜の声を漏らす、先の戦闘で自分たちと乱戦していた直後の状態とはいえ、雪泉が亜騎羅を倒したのだと喜んだ
そんな紫苑とは対照的に無言のままここまでの戦闘を光牙は見ていた
「ッ…ッツ~!」グヌヌ
「み、みんな!」
「「「っ!?」」」
しかし倒れてから少しして再び亜騎羅が立ち上がってきた
「さすがあの光牙たちがてこずる相手だ。そう簡単に倒せるとは思ってなかったがもう起き上がるのかよ」
「恐ろしいくらいタフだな?」
亜騎羅の恐ろしいくらいの生命力の高さに全員が度肝を抜かれるほどだった
「ハァ…ハァ…ハァ…ッ!!」
再び恐ろしいほど凶悪な眼光を飛鳥達に向ける
「みんな気を付けて!」
「「「っ!」」」
仕返しが来ることを予測し飛鳥たちはそれに備えるべく構える
「ッ!」
そして亜騎羅が再び飛鳥たちに迫ろうとした瞬間
ピュ、ブシャァァァァ!!
「っ!」
『「っ!?」』
だが、その時、亜騎羅の体に異変が生じる
目や鼻や口、さらには体に浮かび上がっていた古傷などから血が吹き始める
「な、なんだ?」
唐突の出来事に一同は困惑する
「っ…ぐぅっ!?」グヌヌ
体中から血が噴出し、亜騎羅が動きを止める
吹き出る血の量は止まることを知らない
「アキ!…っ!!」スッ
「姫!」
その様子を見ていた豹姫がすかさず印を結ぶ
すると亜騎羅の足元に陣が浮かぶ
「封印術、【魔力抑制】!!」
そうして印を結んだあと右手を亜騎羅に向かって突き出し強く握りしめると
亜騎羅を囲んでいた陣を中心に複数の光の柱が出現した
グニュニュニュ~…ガオォォォ!
先端が豹の顔となった柱たちが一斉に亜騎羅襲い掛かる
豹の顔をした柱が亜騎羅に噛みついた
何事かと呆気に取られている一行を他所に事は進んでいく
「っ~~~!!」グヌヌ
術を発動させている豹姫からは苦悶の表情が見て取れる
そうして亜騎羅が柱に噛みつかれて数分後
亜騎羅の身から漏れ出していたオーラが勢いを収めていき、出血も止まっていく
「っ…」ガクッ
やがてオーラが消えて出血も止まった亜騎羅が気を失った
「はぁ…はぁ…」
「姫、大丈夫?」
「ど、どうにか…なったわ」
術を解除するとともに豹姫が疲労から倒れそうになり零姫がそれを支えた
「な、なんなんだ?」
「さっ、さぁ?」
一連の現状についていけない一行はただただ困惑するのみだった