閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第十三話 何故君がここに?

雅緋、両備、両奈、3人を相手という不利な状況の中、戦いを繰り広げる佐介

 

 

しかし佐介が本気を出したことによりそれは覆されていき

 

 

両奈、両備と次々と敵を撃破し、残すは雅緋だけとなった

 

 

タイマンとなり、雅緋は佐介を倒すべく全身全霊を込めた技で佐介を打ち倒そうとする

 

 

佐介もまた雅緋を迎え撃つべく構える

 

 

そして互いに走り出し、いざ戦わんとした時

 

 

突如として彼らの前を圧縮されて放たれた空気が横切っていった

 

 

空気弾が飛んできた方に目を向けるとそこには

 

 

飛鳥たちと戦っていたはずの蒼馬が居た

 

 

さらにその足元にはボロボロな状態で地面に這いつくばる飛鳥たちがいた

 

 

彼の身を案じ、ここから逃げるよう飛鳥たちは言うも

 

 

佐介は飛鳥たちを見捨てることはできないと、逃げずに蒼馬と戦う覚悟だった

 

 

そんな佐介に対峙する中、蒼馬は飛鳥たちを貶すような発言を口にし

 

 

それを聞いた佐介は怒りを露わにし、蒼馬に挑んでいくのだった

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁ!!」

 

 

「っ!」

 

 

ドスゥゥゥゥゥン!

 

 

「ちぃ!?」

 

 

佐介が放った正拳が大地を絶つ

 

 

それを蒼馬は既でかわすとともに宙返りしながら後ろに着地する

 

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

 

「っ!?」

 

 

ババババババババ

 

 

「くっ…はっ!!」

 

 

佐介は蒼馬が銃口から放たれた弾幕をバク転で回避する

 

 

「のがさん!」

 

 

バシュン!バシュン!バシュン!バシュン!

 

 

「っ!」

 

 

蒼馬が追撃の弾幕を放つも、佐介は無駄のない動きでそれをかわしていく

 

 

そして十分に距離を狭めたとこで佐介は急加速する

 

 

「はっ!」

 

 

「何?」

 

 

佐介は飛び上がるとともに蒼馬に狙いを定める

 

 

「忍、超・(ソウル)転身!」

 

 

さらにそれとともに極限魂(オーバーソウル)に転身する

 

 

「はぁぁぁ!!秘伝忍法・レオキック!!」

 

 

 

ガォォォォォォォォォォ!!!!

 

 

 

「っ!?」

 

 

秘伝忍法を発動させ、右足に炎が纏われる、さらに空中で回転するとともに右足を突き出す

 

 

さらにその炎が獅子の形をかだ取り、佐介は落下の勢いを加えた蹴りを放つ

 

 

「せいやっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

佐介の攻撃を回避しようとする蒼馬だったが

 

 

 

バシィィィン!

 

 

クルクルクルリ

 

 

 

「ぐっ、ぐぉぉぉぉぉぉ!?」

 

 

あまりの速度に反応が間に合わず、技の衝撃で吹き飛ばされたとともに商店街の壁に激突した

 

 

それとともに佐介は地面に着地する

 

 

「思い知りましたか!」

 

 

飛鳥たちを傷つけられた恨みを右足に乗せて放った佐介は壁に激突したであろう蒼馬に言い放った

 

 

煙がもくもくと立ち込める中

 

 

ドスン、ドスンという足音が

 

 

その足音に佐介がもしやと思っていると

 

 

煙の中からこちらに向かって歩み寄ってくる影が

 

 

そして、煙の中から出てきたのはあまり手応えを感じていない蒼馬の姿だった

 

 

「っ!?」

 

 

これには佐介も驚いていた

 

 

「……」

 

 

無言のまま尚も蒼馬は佐介に歩み寄ってくる

 

 

「……っ、はぁぁぁぁ!!!」

 

 

我に帰った佐介は再び構える

 

 

とにかく彼らを倒し、飛鳥たちを救う、今の佐介の頭にはそれ以外なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、しかし……

 

 

 

 

 

 

 

 

「」グポーン!

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

シュン!

 

 

 

 

 

 

ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!!!!

 

 

 

 

 

「あ…ぁぁ…」グラ

 

 

 

 

「…調子にのるなよ」

 

 

 

 

「がっ……ぶぉっ……!?」ドバドバ

 

 

 

それは一瞬の出来事だった

 

 

佐介は先手必勝とばかりに蒼馬に攻撃を仕掛けた

 

 

しかし、蒼馬はスピードに特化した極限魂(オーバーソウル)の佐介の腹に鋼鉄のような硬度の強烈なボディーブローを決めていた

 

 

口から血を吐き出し腹を抑えながら後ずさりする

 

 

 

 

しかし

 

 

 

「まだだ…っ!」ブゥン!!

 

 

 

バシィィィン!!!!

 

 

 

「うわあぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

「どうした?手加減なしになった途端に防戦一方だな?」

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ……ぐっうぅぅ…!」

 

 

蒼馬の兆発的態度を見た佐介は傷ついた体で踏ん張ると

 

 

「うっ…うおぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

そして再び蒼馬に挑んでいく

 

 

「あまいわ!!」

 

 

 

バキン!バキバキ!ドスン!バキン!!

 

 

 

「うわぁぁぁ!!!」

 

 

吹き飛ばされ

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

立ち向かい

 

 

「死にぞこないが!!」

 

 

「うがぁぁぁぁ!!!」

 

 

また吹き飛ばされ

 

 

「でやぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

「いい加減に沈め!!!」

 

 

それでも諦めず挑み続ける佐介の姿に蒼馬は驚いていた

 

 

「…くっ、だったらこれでどうだ」

 

 

蒼馬が飛び上がるとともにヴァイザーのボタンを押す

 

 

「秘伝忍法!!」

 

 

 

ブォォォォォォォォォォォォォ!!

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

バキィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!!!

 

 

 

 

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

蒼炎の炎を纏った蹴りよって佐介は建物のほうに吹き飛び

 

 

 

ドッカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

 

 

 

建物は崩壊し、佐介はその下敷きになった

 

 

「ぐあぁ…あぁ…」クラ

 

 

なんとか自力で抜け出すも、静かに地面に倒れ込む

 

 

 

 

 

 

「すっ、すごい…私と両備や両奈が束になってかかっても勝てなかった相手をあそこまで」

 

 

蒼馬の力を目の当たりにした雅緋は思ったことを口に出していた

 

 

 

 

 

 

「どうだ。実力の差を思い知ったか?これでもう立てはしな……っ?」

 

 

最後まで言い切る前に蒼馬は喋りをやめた

 

 

なぜなら

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

既にボロボロで虫の息のはずの佐介が再び立ち上がろうと力を振り絞っていたからだ

 

 

「…なぜそこまでこの小娘どもを助けようとする?こいつらをおいていけば少なくともお前は無事でいられたと言うに、それをわざわざ棒に振るとは……」

 

 

「……出来るわけがありません」

 

 

「なに?」

 

 

おぼつかない足取りながらも佐介は立ち上がり呟く

 

 

「飛鳥ちゃんたちを見捨てて逃げるくらいなら、僕はこの命を投げ捨てたって構わない!僕にとって飛鳥ちゃんたちは命よりも大事な存在だから!!」ドン!

 

 

そして腹の底から声を上げ、自分の思いを吐き出した

 

 

「…命を投げ捨ても構わない、大切な存在…?」

 

 

蒼馬は佐介の言った言葉の意味が分からず困惑する

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

息も絶えだえしいほどの状態で佐介は必死に構えを取る

 

 

「ならばその思いを抱いたまま食いを残して死ね!」バッ

 

 

「くっ!?」

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒼馬が佐介にトドメの一撃を放とうと走り出した

 

 

もう抵抗する気力すらない佐介は逃げもせず食らう覚悟でいた

 

 

しかし、いくらたっても痛みが来ない、不思議に思いながら佐介が目を見開いてみるとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だらしないぞ佐介!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「こっ、光牙くん!?」

 

 

 

 

 

 

蒼馬の攻撃を受け止め自分を助けてくれたのは自分にとって生涯のライバルである光牙だった

 

 

「光牙!」

 

 

「焔か」

 

 

「今、詠たちが飛鳥たちを安全な場所に避難させてくれてる」

 

 

「そうか」

 

 

倒れてしまった飛鳥たちを抱え、焔たちがその場から去っていった

 

 

「雅緋!無事!?……って光牙!?」

 

 

「光くん!?」

 

 

時を同じくして光牙の登場に驚いている雅緋の元に忌夢と紫が飛んでくるも、光牙の姿を見た瞬間、驚きを隠せない様子だった

 

 

「こっ、光牙!光牙なのか!?」

 

 

「久しぶりだな姉さん。それに忌夢に紫もな」

 

 

「あっ、…あぁ…」

 

 

「光くん」

 

 

状況が理解できず困惑気味な3人だったが

 

 

「貴様が光牙か?」

 

 

「そうだが、貴様は何者だ?」

 

 

「俺の名は蒼馬、蛇女の顔に泥を塗ったお前たちを葬るために派遣された者だ」

 

 

「なるほどな。貴様の標的は俺たちというわけか……ならばっ!」

 

 

「くっ!?」

 

 

蒼馬の目的を知った光牙は競り合いを強制解除させ、佐介の前まで後退する

 

 

「俺たち焔紅蓮竜隊はお前たち新・蛇女子学園に学炎祭を申し込む!」

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

「なんだと?」

 

 

「言葉通りだ。俺たちはお前たちに学炎祭を申し込む。よってお前の標的は佐介から俺たちに変わる。貴様とて俺たちの首を取りたいんだろ?」

 

 

挑発的な態度で光牙は尋ねる

 

 

「ふん。死ぬ順番を変えたところで無駄なあがきだが、そんなに先に死にたいというのなら望み通りにしてやろう」

 

 

「貴様ら程度に負ける俺たちではないわ」

 

 

「あぁ、その通りだな」

 

 

「光牙くん…焔ちゃん…」

 

 

自分たちの代わりに蒼馬たちと戦うという光牙たちの身を佐介は案じる

 

 

「光牙くん!」

 

 

そこに飛鳥たちを避難させ、一足先に光牙たちの元に戻ってきた詠が現れた

 

 

「詠か?ちょうどいいとこに来たな。悪いが佐介も連れて行ってやってくれ」

 

 

「承知しました、さぁ佐介さん。こちらに」

 

 

「光牙くん…」

 

 

詠の肩を借りながらその場から離れようとするも光牙たちのことが心配な佐介は不安気な顔をする

 

 

するとそれに光牙が気づいた

 

 

「…佐介、心配するな。こいつらは俺たちに任せてお前らは傷の手当を」

 

 

「ですが…」

 

 

「貴様、俺の力が信じられないのか?」

 

 

光牙のその言葉に佐介は言葉を失う

 

 

今まで数多く戦い、彼の強さを知っている自分が彼を信じられなくてどうするのかと

 

 

佐介は不安気な自分に喝を入れ、弱腰な考えをやめた

 

 

「光牙くん。負けないでくださいね」

 

 

「当たり前だ。貴様との決着をつけるまで俺は絶対に負けない!」

 

 

「…はい……すみませんね詠さん。お願いします」

 

 

「はい。ではしっかり掴まっててくださいね」

 

 

そう言うと詠に連れられながら佐介はその場から退避するのだった

 

 

 

 

 

 

「(信じてますよ。光牙くん)」

 

 

 

 

 

 

 

 


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