亜騎羅の前に倒れた四人の無念を晴らすために彼の前に全力の力を駆使して挑む飛鳥たち
その最中、暴走することを危惧した豹姫が亜騎羅に施した術を使い、強制的に彼の力を抑え込んだ
代償に反動として急激な体力の消耗をしてしまった豹姫と
彼女の術によってしばし戦闘行為を行えなくなった亜騎羅はここで後退することになる
亜騎羅の後退後、代わりとして零姫と愛姫が飛鳥たちの前に立つ
この間、飛鳥たちは意図せずして起こったこの好機を活かすためにもひとまず撤退をすることを模索する
だが、その最中に愛姫が攻撃を仕掛けてきたので雅緋がこれに応戦する
しかし、鍔迫り合いの際に愛姫が深淵の力を開放している雅緋の一撃を受け止めるという予想外の事態が起こったことに唖然となる
さらにその隙を突いた愛姫が雅緋に技を繰り出し、それによって転身解除にまで追いやられる
負傷した雅緋を忌夢に預け、先の作戦の通達を彼女たちに任せ
残された飛鳥たちが零姫と愛姫と相対し、殿を努めることとになるのだった
雅緋が交代し終えた後も三人はどうすべきかと思案を巡らせていた
無理もない、相手は亜騎羅との戦闘で疲労していたとはいえ深淵の力を開放していた雅緋をあっという間に倒してしまったほどの手練れなのだから
どうすべきかと攻めあぐねていた
「うふふ、どうやら向こうはかなり怖気ずいちゃってるようね?あの表情、実にいいわね~」
そんな彼女たちの様子を零姫は嬉しそうな表情を浮かべる
「…零姫?」
「っ?」
「…やっていい?」
「あら、一人倒したというのにまだ暴れたりないのね。…いいわよ、好きにして」
おもむろに愛姫が自分に許可をもらいたそうに尋ねてきたので零姫は許可をだす
零姫から許可をもらった愛姫はこくっと頷くと再びその邪なオーラを漏らしながらゆっくりと近づいてきた
「来るぞ!」
「うん!」
「はい!」
それを見た3人が先のこともあり警戒心を強める
「私と飛鳥で前に出る。雪泉は援護を頼む」
「わかりました」
「よし…やれるな飛鳥?」
「うん、問題ないよ!」
援護を雪泉に任せ、飛鳥と焔は迫りくる愛姫を待ち構える
「……っ!」
刹那、焔たちの動きを察知したのか愛姫が歩きから徐々に加速し、駆け出して来た
「来たぞ、行くぞ飛鳥!」
「わかったよ焔ちゃん!」
愛姫の動きを見ていた焔たちもまた迎え撃つべく駆け出した
「っ!」バッ!
「「っ!」」
包丁を身構え、間合いに入るや否や跳躍してきた
「…っ!!」
「ふっ!」
「たあっ!」
そこから仕掛けてきた愛姫に対して飛鳥と焔が応戦する
「っっ~~!!」
「ふぅん!」
「えぇい!!」
攻め立てようとする愛姫を飛鳥と焔は迎え撃つ
愛姫の包丁と飛鳥の小太刀、焔の炎月花の金属のぶつかり合う音が響く
「っ!」
「「っ!」」
刹那、愛姫が2人から距離を取る
「っ!」スッ!
そして距離を取る動作に付けたすかのように愛姫が指を指す
「(あっ、あれは!)」
後方で様子を伺ってうた雪泉がその時先ほどの雅緋がやられた瞬間のことを思い出した
あの戦闘、雅緋は愛姫が突き出した指先から放たれた血の光線を受けたことで戦闘継続が不可能になってしまった
つまり彼女が再び指を突き出したということは
「(またあのおかしな術を使うつもりですね。でもそうはさせませんよ!)」
再びあの技が来ると判断した雪泉がすかさず行動に出る
「くらいなさい!!」
そして空いている手の先に力を溜めると同時にその手を突き出した
雪泉が突き出した手の先から無数の氷のつぶてが放たれる
「…っ!?」
想定の範囲外の攻撃をうけたことで愛姫がひるんでしまう
「いいぞ雪泉!…たああぁぁぁぁぁぁ!!」
「っ!?」
攻撃を受けてひるんでいる隙を突いて焔が愛姫を切ろうと飛び掛かる
だがその時だった
「っ…」スッ
「「っ!?」」
真っ直ぐに愛姫に向かって突き進む焔と
その彼女に狙われている愛姫の間に一瞬にして零姫が割って入る
「…零姫?」
「うふっ♪」
「なんだかよくわからんが馬鹿め!のこのこと出てきたのが運の尽きだ!このままお前ら両方とも叩っ斬る!」
零姫の突然の介入に驚きこそしたが焔にとって彼女は愛姫同様に斬るべき相手であることに変わりはない
故に戸惑う必要もないのだから
「うりゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
そして焔が炎月花を振り上げ、続けざまにそれを今にも振り下ろさんとした
「…ふふっ♪」キュピン
「やぁぁぁぁぁ……っ!?」
「っ?」
「焔ちゃん?」
しかし剣先が零姫にあたる直前で焔が動きを止める
なぜ彼女が動きを止めてしまったのか飛鳥と雪泉は理解できずにいた
だが、実際彼女たち以上に理解できずにいたのはむしろ焔のほうだった
「(…な、なんだ?これは?……体が、うご、かない!?)」ピクピク
そう焔が動きを止めたのは故意にではない、急に体の自由が奪われてしまったからだ
まるで悲しみにあってしまったかのように
「(ぐっ、ぬぅぅぅぅぅぅ!?)」グヌヌ
何とか体の自由を取り戻そうとするもまるで駄目である
「(こ、これはいったいどういうことなんだ?)」
急にどうして体の自由が利かなくなってしまったのか焔は訳が分からずにいた
「ふふふっ」
「っ?」ピクピク
最中、焔の視線が零姫に向く、彼女は動きが取れないこちらを眺めながらくすりと笑みを浮かべている
「(そうだ。確かさっき!)」
この瞬間、焔の脳裏に先ほどまでの出来事の一部始終が蘇る
炎月花を手に猛スピードで愛姫に斬りかかろとし、その間に零姫が割って入ってきた時だ
一瞬、焔が零姫と目を合わせた直後にこうなったのだ
先ほどまでの出来事を思い出した焔が零姫に鋭い睨みをきかせる
「あら、怖い顔ね?」
焔が睨みつけてきたのを見て零姫はおかしなものを見るかのようにくすくすと笑う
「こ、これは貴様の仕業だな!」
「ええそうよ」
小ばかにされ、少々イラつき、動けない体のままで焔は零姫に問いただすと零姫はそれにそうだと答える
「やはりか…私の、体に…何をした!?」
なぜ身動きが取れないのかを零姫に問う
「簡単なことよ。私があなたの体を支配したからよ」
「な、なんだと!?」
「焔ちゃんの体を支配?」
「どういうことですか!?」
体を支配したと豪語する零姫に三人は驚きを隠せない様子だった
「これで、あなたはもう私のマリオネットよ。うっふっ♪」
そう呟き、零姫は不敵な笑みをこぼすのだった