亜騎羅銭の直後に零姫と愛姫が皆の前に立ちはだかる
負傷した佐介たちの代わりに彼女たちに戦いを挑む飛鳥たちだった
やはり先の亜騎羅との戦いからの連戦、さらには2人の使う戦姫術によって翻弄されてしまい
最中に雅緋が負傷し、零姫によって焔が操り人形にされてしまうという事態に見舞われる
操られている焔に刃を振るうことができない飛鳥が油断し、零姫の戦姫術によって拘束され
操られた焔に斬られかかる
だが、そのピンチを救ったのは手負いの光牙であり、直後、光牙が春花に指示を仰ぐ
糸を察した春花の放った閃光弾の光によって戦姫衆は目くらましを食らってしまった
視界が戻った彼女たちが視線を向けなおすともうそこには誰もおらず
門を破壊して逃げたことを察した
計画の段取りを狂わされた豹姫は怒りに震え、亜騎羅及び零姫たちとともに追撃を刊行することを決めるのだった
⦅孤島・森⦆
春花の秘伝忍法によってどうにか逃げる時間を稼ぐことに成功した佐介達は先の戦闘で気力を奪われてしまった一行は手負いとなってしまった者たちをつれて近くの森の中に身を潜めていた
「ぐっ、うぅぅ…」アセアセ
「紫苑、大丈夫ですか?」
傷つき、苦しそうな声を発する紫苑を雪泉たちが心配そうに見ている
「…僕の、ことなら心配いらないよ。それより、他のみんなのほうは?」
「あなたと同じです。状況は芳しくありません」
そういって雪泉が視線を向けるとそこには自分と同じように傷ついた体を手当てしてもらっている佐介と光牙、雅緋の姿があった
「大丈夫佐介くん?」
「う、うん、なんとか…」
「雅緋、どこか痛むところとかはない?平気?」
「心配するな忌夢、ちょっと肩をやられただけのことだ。心配ないさ」
佐介と雅緋、光牙と焔のほうにも皆が心配そうに寄り添っていた
「焔ちゃん、どう調子は?」
「あぁ、大丈夫だ。自分の意思で動けるぞ」
あの時の閃光弾によって零姫の目が潰されたからなのかそれとも効果範囲外に出たからかは定かではないものの
様子を見る限りでは焔は身体の自由を取り戻せた様子だった
「光牙くんに感謝しなさいよ?あの時光牙くんが割って入って隙を作ってくれたからあなたを洗脳から解くことができたわけだし」
「あぁ、わかっている…光牙。礼を言うぞ」
「…なに、気にすることはないさ」
詠に介護されながら礼を述べる焔に対してそう語りかけるのだった
一方、先の騒動であの場から逃げたのは何も佐介たちだけではなかった
あの騒動に便乗する形で他のチームらも森に逃げてきていたのだ
「…どうだ?繋がったか?」
「い、いえ…すみません。圏外で繋がらないっす」
「なっ……くそっ!あのクソ女どもめ!あいつら俺たちをまんまと嵌めやがって…くそがっ、くそがっ!!」
逃げたはいいものの地団太を踏む以外の行動が思いつかない様子だった
仕方ないことだ。ここはどこかもわからないほど遠く離れた絶海の孤島
おまけにスマフォも圏外のため助けを呼ぶ手段もないのだから
「り、リーダーお、落ち着いてくださいよ?」アセアセ
「そうっすよ!まずは気を落ち着かせて!」アセアセ
苛立つリーダーをなだめようと必死に説得を試みる
「あぁん!?これが落ち着いていられると思ってんのか?それとも何か?お前らは落ち着いてられんのかよ!」
「い、いや…その…」
「自分ができてねぇ癖に俺に意見してんじゃねぇよ!」
「うわっ、す、すいやせん!?」
下手にな騙せようとしたことがかえって怒りを買ってしまったようで彼から制裁を受けてしまった
「くそっ…っ?」
むしゃくしゃする気持ちを抱いている中、彼の目に自分たちとは真逆にこの状況下で冷静にしている佐介たちの様子が見える
「おい、そこのてめぇら?」
『「っ?」』
「こんな一大事って時に悠長に、いいご身分だな?」
そうして衝動のままに佐介たちに声をかけてきた
「あの、なにか用ですか?」
「何か用ですか?…じゃねぇだろうがよ。この状況がわかんねぇわけじゃねえだろうがよ?なんでそんなに落ち着いてやがんだっての!」
喧嘩腰な口調で言ってくることに皆がムッとした表情を浮かべる
「ぎゃーぎゃー騒ぐなやかましい」
「あん!?」
最中、光牙が男に対して文句を垂れる
そうして詠に支えられながら光牙は立ち上がり、正面を向きながら短歌を切った
「てめぇ、今俺のことを愚弄しやがったな?」
「だったらどうだというんだ?俺は事実を述べてるだけだぞ?」
「ふざけてやがんのかごらっ!」
舐められたことが相当カチンときたのか鬼のような形相を向けている
一方の光牙はそんな彼の態度に呆れ果てた様子だった
「いちいちそんな感じでしか喋れんのか貴様は?」
「なんだと!?」
「まぁ、さっきの発言を聞く限り貴様がそういう奴なのは明白のようなものだったがな」
「どういう意味だ!」
光牙に小馬鹿にしてる様子を見てさらに怒りを募らせてる様子を見せていた
そうして自分を小馬鹿にしているのはどう言うことかと問い詰める
「なら言わせてもらうが、先ほどお前は舎弟に当たっていたが、慌てればこの状況を覆せるとでもいうのか?状況が好転すると言うのか?」
「そ、それは」
「違うだろ?できないから貴様はそうしてぎゃーぎゃー喚いているだ。自分では何もせず他力本願なことをしていて恥ずかしくないのか?」
「テメェ!言わせておけば!?」
光牙の発言に男はイラッとしていた
「慌てて何になる?こんな状況だからこそ落ち着くべきなんだ。そんなこともわからないのか?」
「貴様!もうゆるさねぇ!」
ついに我慢の限界が来た様子で光牙につかみかかろうとする
当然、それを見ていた皆が危険と判断して辞めさせようと動こうとした時だった
「おいおい。ちょい待てって!」
「なっ、テメェ!何しやがる!離しやがれ!」
「そうもいかねぇだろがよ!?」
突っかかっていこうとしたのを止めたのはスポーツチームのリーダーだった
その後ろから知性組のリーダーと仏教組のリーダーも顔を見せる
「まったく、これだから君みたいなのは低俗で野蛮だというんだよ」
「慌てていても何も始まりません。神を信じ、すべてを神の身心のままにゆだねなさい。さすればあなたのその不安も忽ち消え失せることでしょう」
「わけわかんねぇこと言いやがってくそが!」
「こら暴れるなっての!?」
この後、怒っている不良組のリーダーを落ち着かせるのに思いのほか手間取ってしまうのだった