圧倒的な力で次々と仲間たちを戦姫衆によって倒されてしまった佐介達
なんとか機転を利かせ戦姫衆たちの目を逃れた佐介達はひとまず身を隠すべく近くの森に身を潜めることに
しかしそうゆっくりとはしてられず
自分たちの後を追ってきた新手の刺客のメイドたちの襲撃によって佐介達は4チームに分断されてしまったのだった
⦅孤島 東付近⦆
シュンシュンシュン!
「くっ、まだ追ってきますか!」
「まったく、しつこいなー!」
現在、分散後、島の東付近を佐介、斑鳩、雪泉、四季、両奈の5人が逃走を図っていた
例のごとくその後を追ってメイド部隊が追跡と攻撃を仕掛けて来ていた
逃走中の佐介達の背後から飛び道具などを投げつけてくるのだ
「きりがありませんわ!」
必要以上に追撃をしてくるメイド部隊の戦法に佐介達は手を焼かされる
「っ!」シュン!
「何度やっても一緒です!」
メイド部隊の1人が再び手裏剣を投げてきた
当然、斑鳩がこれをはじき返そうと身構える
しかしそれを待っていたといわんばかりにナイフを投げつけたメイドが素早く印を結ぶ
「刃分身!」
シュン!シャリリリリリリ!
「なっ!?」
「「「っ!?」」」
術が発動した瞬間、飛んでいった手ナイフが間合いに入った直後
一個だったナイフが無数のナイフへと増え、斑鳩めがけて飛んでいった
「まずいよまずいよ!」
「あのままじゃ串刺しに…はう~ん!両奈ちゃんがされたかったよ~ん!」
「何バカなこと言ってるんですか!?」
この状況を見た3人は驚きのあまり声を上げる
一方で両奈の言い分に雪泉が突っ込むという事態も発生していた
シャリリリリリリ!
しかしこの間にもナイフは斑鳩めがけて飛んでいく
「(くっ、このままでは!?)」
予想外の手を繰り出されてしまい、防ぐにも多少でありかなりのダメージは免れられない
対応しようにも今からではとても間に合わない
斑鳩はせめてもの抵抗と飛燕と鞘を駆使して防御姿勢を取る
そしてナイフが斑鳩の寸前まで迫ってきた時だった
「ふぁちゃ!ほ~わちゃ!」カキキキキン!
「…っ!」
間一髪のところで彼女の危機を救ったのはヌンチャクで分身したナイフを粉々に破壊した佐介だった
「大丈夫ですか斑鳩さん?」
「は、はい。助かりましたわ佐介さん」
危機を脱した斑鳩に佐介が声をかけ、斑鳩もまた自分を救ってくれた佐介にお礼を述べる
「斑鳩さん、大丈夫ですか?」
「はい、なんとか」
「無事で何よりだったよぉ~ん」
「さすが佐介ちん、紫苑ちん並みに頼りになる~♪」
そこへ他の3人も駆けつけて斑鳩の安否を気遣う
四季が斑鳩を助けた佐介を賞賛するとちょっと照れくさい顔を浮かべる
サササササッ!
「「「「「っ!?」」」」」
しかしそうそう喜んでばかりもいられなかった
ナイフ攻撃に気を取られているうちに周囲をメイドたちに取り囲まれてしまった
「しまった!」
「やられましたね!」
前後左右を取り囲まれ逃げ道を塞がれてしまった
「はう~ん、どうしようみんな、両奈ちゃんたち取り囲まれちゃった。このままだと両奈ちゃんたちきっと抵抗むなしくなすすべもなく蹂躙されてぜ~ったい、あ~んなことやこ~んなことを」クネクネ
「いえ多分このままだと僕ら普通に殺されてしまうのでは?」アセアセ
「死ぬほどの痛みが両奈ちゃんたちを待ってる!きゃわ~ん!想像しただけで両奈ちゃん体の中がじんじんしてきちゃったわ~ん♪」クネクネクネクネ
「あっ…えぇっと~」アセアセ
高揚感に浸る両奈に現実性の話しをする佐介だったが
それは両奈にとっては逆効果でさらに興奮を煽ってしまった
「佐介さん、お気持ちはわかりますが両奈さんの反応にいちいち対応していてはこちらの身が持ちませんわ」
「そうそう、Ⅿな人はある意味あれが正常みたいなもんなんだよ…たぶん」
「はっ、はぁ~?」
左右の肩に雪泉と四季がぽんと手を置いて困ったように苦笑いしながらそう助言し、それに対し佐介もよくはわからないがとりあえず従った
「お話し中申し訳ございませんが、よろしいでしょうか?」
「「「「「っ!」」」」」
話しがひと段落したタイミングを見計らうかのようにメイド部隊の長を務めているであろう女性が一歩前に出て佐介たちに語りかけてきた
「もう逃げ場はございません。観念していただきますよお客様方」
メイド長がそういうと周囲を取り囲んでいたメイドたちの目つきもまた険しくなっていく
「いかがいたしましょう皆さん、あの方たち只者ではありません」
「確かに、先例されたあの動きといい技術といい。それに極めつけは先ほど使った技」
「うん、今雪泉ちんが思ってることみんなも考えてると思うよ」
追い込まれたこの状況をどう打開するのかを模索する中、ここまでの流れでどうにも解せない様子を浮かべる雪泉の考えを他の4人も感じていた
というのもこの逃走劇の中で佐介たちはメイドたちの戦い方に自分たちと近しい何かを感じていた
そして先ほどのメイド部隊の隊長が使った技でほぼ確信に迫った
「あなた方、元"忍"ですね?」
佐介が皆を代表して確信を突いた
「先ほどのあの技、あれはおそらく手裏剣分身の術の応用ですね?」
「はい、さようでございます…すべてお客様方の推察通りでございます!」ガシッバサッ!
「「「「「っ!」」」」」
メイド部隊の隊長が佐介の問いかけに答えると同時に自分が着ているメイド服をわしづかみ、勢いよく引き抜く
その直後現れたのは忍装束を纏い、背中に忍者刀を携えたメイド部隊の隊長がりりしく構えていた
「「「「「っ!」」」」」バササササ!
佐介たちが呆気に取られている隙に他のメイドたちも自身のメイド服を脱ぎ棄て隊長が着ているのと同じ忍者刀を背にしょった装束を纏っていた
「あなた方のおっしゃる通りここにいる者たちは皆、元は忍であり、かというわたくしもかつては上忍でありました」
「上忍、どおりで」
手裏剣分身事態はそれほどまで難しい術ではない、しかしそれは二つ三つ増やす程度での話し、あそこまで複数の数の分身を作るのはかなり連弩を積まなければ早々できないことなのだ
「でもそんな方々がどうして?」
「あえて言わせてもらうならわたくしたちはお嬢様によって救われた。故に我々はこの命を懸けてお嬢様の御恩に報いる、それこそが今の我々が成すべき使命……さぁ、おしゃべりはここまでです」
メイド隊長がそういい放つと他のメイドたちも一斉に身がまえる
「お嬢様の悲願のために、お覚悟を!」
「来ますよ皆さん!」
「「「「っ!」」」」
「たあああぁぁぁぁぁ!」
先陣を切るようにメイド隊長が佐介達に飛びかかるのだった