戦姫衆たちを撒き、森へと逃げた佐介達を追撃すべくメイド部隊が襲い来る
それによって彼らはそれぞれ4つのチームに分散されてしまった
最中、東付近の佐介達と西付近の光牙達の前に追いついたメイド部隊、さらにそれらを指揮するメイド長が立ちはだかり戦闘が開始されるのだった
⦅孤島 南付近⦆
散り散りとなった際に南へと逃げた紫苑と相馬たち、負傷者が大多数の中、安全な場所を求めて島中を探索していた
シュン!シュンシュンシュン!
現在、森を駆ける一行、先頭を飛鳥が行き、その跡を負傷者を連れた春花と夜桜たちがその手伝いを行い、そして最後に後方の見張りを担当する忌夢といった感じだった
「この森すごく広い、全然抜け出せる気がしないよ?」
「仕方ないよ。ひばりたちここのこと何にも知らないんだから」
ひばりのいうことは最もだった
自分たちはここに来たというだけでこの島がどういう場所なのかよくわからないのだから
先の襲撃によって自分たちは分断され、合流するのも困難であろうことは容易に想像できた
「おっとと!?」グラッ
「どうしたの夜桜ちゃん?」
「いえ、何でもありません」
自分は大丈夫だという夜桜だがこれまでの道中ずっと負傷者を抱えてきていることもあって疲れが出ているようだった
「…みんな。ちょっといいかしら!」
「どうしたの春花さん?」
「「っ?」」
即座に春花が前方を行く飛鳥たちに声をかけた
全員がそれによって一先ず動きを止める
「少しどこかで休憩しましょう。ここまで走り通しだから」
「なっ、何を言ってるんですか春花さん、ここは少しでも進んで安全な場所を…」ス
話を聞いた夜桜が春花がなぜそう言ったのかを察した様子で前進を続けるように懇願するも彼女は首を横に振る
「無理は禁物よ。私もここまでの長距離の間、負傷者を2人も抱えてるから…ほら、この通り傀儡も限界のようなのよ」
見ると負傷者を2人も抱えている春花の傀儡から疲れともとれる表情とそれに好悪するかのように蒸気が噴き出している
「闇雲に逃げて体力を消耗してはいざと言う時にばててしまうわ。ここは多少のリスクはあれど休息を取るべきだわ」
「しかし」
「夜桜ちゃん、気持ちはわかるけど私も春花さんの意見に賛成だよ」
「…飛鳥さん」
正直まだ思うところはある。しかし確かに状況を見れば春花の言うことも一理ある
「…わかりました。わしも春花さんの意見に従います」
「ありがとう、ほかのみんなもそれでいいわよね?」
夜桜も納得してくれた様子にそれを聞いた春花がよしと言いたげな顔を浮かべてほかのみんなにも呼び掛ける
ほかのみんなも春花の提案を受け入れ、一行はどこかで休息を取ることに決めた
数分後、春花一行はどこか適当な場所で休憩を取っていた
正直春花の言う通りのとこもありここまでのことで皆疲れを覚えていた
そんな中、春花が負傷者である他チームの仲間と話しをしている夜桜の元に歩み寄る
「夜桜ちゃん、どうしたの?」
「はい、それが連れてきた彼らの容体がよくならないことに他の方たちが戸惑いを覚えているみたいで」
春花の呼びかけに答える夜桜は事情を説明する
「なぁ、あんた。本当にうちのもんは大丈夫なのか?」
「それは何とも言えないわ。私は別に医者でもないんだから、今の私たちにできることはなるべく彼らを安静にかつ安全が確保できるようにしてあげることくらいよ」
「確かにそうですね、今の我々にはどうすることもできないことですから」
「せめて応急処置でも出来たらいいんだけどね」
この状況は皆にとってもあまりよろしくはない、今もまだ敵の領土内、いつ襲われても仕方がない
故に逃げるしか今は手がないというのが歯がゆいところだった
一方そのころ、少し離れたところで飛鳥と忌夢が付近を警戒していた
いつ敵が来ても対処できるように見張りとして構えていた
「敵、来るかな?」
「当然だろう、奴らの目的はボクたちを倒してエネルギーを吸い上げて妖魔の餌にすることなんだから」
「…そうだよね、佐介くん大丈夫かな?」
あの騒動のせいで離れてしまったことに加え、亜騎羅との戦闘で手負いとなってしまっている佐介の身を案じずにはいられない様子だった
「心配ないさ、なんたってあの佐介だ、あの程度で終わるような奴じゃない。それは一番お前が分かっているんじゃないか飛鳥?」
「忌夢ちゃん…うん、そうだね。ありがとう」
忌夢からの励ましの言葉を受け、飛鳥は気持ちが少し晴れた思いになった
「なぁ、あんたら」
「「っ?」」
「そっちはどうだ?」
するとそんな2人に話しかける声がし、2人が振り返るとそこには他チームの2人組がいた
「こっちは問題ありません。特に敵の気配はなさそうですよ」
「そっか、そいつは良かった」
「よろしければ見張りを変わりましょうか?ずっと見張ってばかりでは気がめいってしまうでしょうから」
スポーツ忍チームと仏教忍チームの一員が見張りを変わると提案してくれた
「えっ?いいんですか?」
「あぁ、それくらい任せてくれ、あんたたちにはここまでいろいろ世話になりっぱなしだからよ」
「こう見えてもわたくし感知タイプでしてね。敵が近づけばその気配を察知できますので、安心して休んでくだされ」
これも感謝の気持ちだと2人は見張り役の交代を名乗り出たのだ
「そうか、ならお言葉に甘えてもらう。行くぞ飛鳥」
「…う、うん、あ、ありがとうございます」
2人の好意に感謝しつつ言葉に甘えることにした
そうして2人に見張りを任せて飛鳥たちが春花たちのほうへ行こうとした時だった
ヒュゥン!ザクッ!
「「っ?」」
突然、後ろから地面に刃物が刺さったような音がする
飛鳥と忌夢が振り返った瞬間だった
キュピィィィィン!!
「うっ!?」
「ぐぅっ!?」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」」
「「「「っ!?」」」」
刹那、強烈なフラッシュが炸裂し眩しい光があたりを包む
「ぐっ、し、しまった。目が!?」
「あぐっ、ぐおぉぉ!?」
発生したフラッシュによって目をやられてしまった一行は目を抑えながらもがき苦しむ
「追い詰めましたわ」
「「「「「「っ!?」」」」」」
刹那、声が聞こえた直後、飛鳥たちをメイド部隊が取り囲んでいた
「お、お前らどこから!?」
「ば、バカな、気配など微塵も感じなかったですぞ!?」
なぜ感知をしていたはずなのに接近を許してしまったのかという疑問が頭を過る
「失礼ながらわたくしは元忍であり、秘伝忍術を持っていましてね。感知ジャミングを得意としています」
「くっ、まさかジャミングできる者がいただなんて!?」
迂闊だったと後悔を口にする
「そうそう、そういうわけだから~、さっさとやられちゃってくれませんかお客様方♪」
するとジャミングを行ったとされるメイドの隣から雲雀や美野里並に小柄のメイドが現れた
2人とも相当強いということが紫苑と相馬も感じ取れていた
「っち、最悪な状況だな」
「えぇ、なんとかこの場を切り抜けないと」
こちらには手負の者たちがいるのだから
「何を考えてるか知らないけど無駄だよお客様方、あなたたちはここで終わっちゃうんだから!いくよみんな!」
小柄のメイドの掛け声とともにメイドたちが一斉に襲いかかってくるのだった