佐介たちがメイド部隊を退けた頃
館ではその一報を知った豹姫が悔し顔を見せ、尚且つやられてしまったメイドたちを心配する素振りを見せていた
本来行かせるつもりのなかった彼女たちの独断行動に気づけず
尚且つ腕輪をしていたことによってエネルギーを吸い取られたと知って不甲斐なさと後悔に苛まれてしまう
爺やが自分の思いも込めて彼女たちの気持ちを代弁するもそれでも尚納得がいくといえばそうでもなかった
そうして気持ちの整理がつかずにいた豹姫を亜騎羅が落ち着かせることでこの場は収まり
勢いと調子を取り戻した豹姫が零姫以外の3人に追撃の指令を出し、三者三様ではあったが指示に従い、出向くことになった
だが、そんな中、豹姫が見知らぬところで零姫が何やら暗躍するのだった
戦姫衆が追撃に伴い、動きを見せている頃、東西南北それぞれに逃げた逃走者たちは
各組紆余教区あったものの、それぞれのすべきことをしようということで行動をしていた
東付近では佐介、斑鳩、雪泉、四季、両奈たちが移動をしていた
メイドたちとの戦闘で他チームのは宗教チームのリーダーも混みで全滅してしまったのだ
「はぁ…はぁ…結局あの人たちを助けることができませんでした…不甲斐ないです」
「佐介さん、気を落とさないでください、それにそれならば我々とて同じです」
「そうですよ。あの状況ではそれも仕方ないことです。あなたは負傷している身でありながら敵の首領を倒してくれたんです。それだけでも被害を最小限に抑えることに繋がったんですから」
「うんうん、他のみんなを守りつつあのメイドさんたちの猛攻を耐え抜くとかそれこそ積んじゃうところだよ」
自分が他チームの人たちを守り切ることが出来なかったことに不甲斐ない気持ちを抱く佐介に斑鳩、雪泉、四季の3人が慰めの言葉を起こる
「そうだよ。両奈ちゃんも危うくやられちゃうところだったし…でもでも~両奈ちゃん的にはそうなったらそうなったでぜ~ったい気持ちよくなってたかも~♪」クネクネ
「そ、そうですか」アセアセ
他の3人と少し意味合いが違うがこれも両奈的には慰めているんだと思った
「しかしわかってはいましたがやはり広いですねこの森は」
「はい、これだけ移動しているにもかかわらず一向に他のみなさんと合流できていません」
「みんなどうしてるのかな~?」
「両備ちゃんたち無事だといいんだけど…それに、相馬くんのことも」
両奈にしては珍しいくらい暗い顔を見せる
無理もない、彼女にとっては相馬は両備同様特別な存在なのだから
「気持ちは分かりますがともかく急ぎましょう。早く合流してそのモヤモヤが晴れるように」
今度は佐介のほうが皆に慰めの言葉をかけた
皆も頷き、移動を続けるのだった
西側のほうでは光牙たちが佐介たち同様に追手から逃げるのと合流を目的として移動を開始していた
こちらもかなりやられてしまったが幸いにもリーダーを含む不良チーム数名、リーダーを含む理系チームの2名はおり、行動を共にしていた
「早くみんなと合流しなきゃな、やられてなきゃいいけど?」
「せやな」
葛城が離れている面々のことを思い、日影もそれに同意する
「心配はいらんだろう、俺たちは幾度となく死線をくぐり抜けてきたんだからな」
「そ、そうだよな、うん。無暗な心配するなんてあいつらに失礼だもんな」
「お、調子戻ったな?」
そんな不安を抱く葛城に光牙が励ましの言葉を受けて元気を取り戻した
「少なくとも他の3チームの中で内1組にが紫苑がいる。あいつらがいれば多少の事態なら対処できるはずだ…だが、問題は残りの2組だ」
「2組?…あっ!」
「そうだ。緊急を要してしまったとはいえ春花たちと別行動をとってしまったのは非常にまずい」
光牙が危惧するのも最もだった
春花たちのチームは負傷者の比率が覆い、もし敵と遭遇すれば彼らを守りながら戦うことになる
メイド部隊ですら手ごわい強者ぞろいだった
もし戦姫衆が負傷者組を襲撃でもしようものなら大変なことになることは明らかだ
「故に俺たちが一番にすべきことは春花たちと合流してあいつらの安全を確保することだ」
「確かにそうだな。よしそうしよう!」
戦姫衆に見つかる前に負傷者組を助け出そう
そう光牙たちの中で意見が纏まる
「おいおいおい、何勝手に話しを進めてんだよ」
「「「っ?」」」
声のする方を見るとそこには話しを聞きつけて寄ってきた不良チームと理系チームがいた
「(はぁ…また厄介なことになりそうだな?)」
様子からして面倒事が起こる予感がしてたまらない光牙たちだった
♦♦♦♦孤島・北側♦♦♦♦
一方そのころ、北側のほうでは紫苑と飛鳥、柳生、夜桜、美野里が今後の作戦を考えていた
「紫苑ちゃん、これからどうするの?」
「わしはみんなを探すべきだと思います。敵を退けた以上、今わしらがすべきはみんなと合流して戦力を整えることだと思います」
夜桜が皆との合流を提案し、他の皆もそれに賛同しそうな感じではあるが紫苑だけは違った
「いや、それは待った方がいい」
「なぜだ?」
紫苑がこの案を否定することに関して柳生が尋ねる
「恐らく他のチームもみんな夜桜やみんなの言う通りのことを行っている可能性がある」
「ならば尚更」
「だからこそだよ。ただでさえこの孤島は鬱蒼とした森に囲まれていてとてつもなく広い、こんな広いところをみんなが移動してそれですれ違いなんてことになってはそれこそ体力の無駄になってしまう」
「「「っ…」」」
先ほどまで移動をすべきだと言っていた皆の口が固まる
確かに紫苑のいうことも一理あることも事実だ
ここは戦姫衆の用意した孤島
自分たちは右も左もわからないような未知の場所
おまけにこれほどまでに広い森の中を進んだとして
仲間たちと合流できる確証もなければ敵の新手と遭遇し、戦闘になる可能性もある
メイド部隊との戦闘の疲労が残っている以上、これ以上の戦闘に発展することだけは避けたいところだ
「みんな、それでいいかな?」
「…うん、わかったよ」
「わしも異存はありません」
皆も納得してくれたことで意見はまとまり、自分たちを探しに来る他のみんなが近くに来たらそれに合流するという流れとなった
こうして3チームの今後の行動が決まり、それぞれが行動を開始し始める
だが、そのころ春花たち負傷組チームに本当に危機が訪れようとしていることを皆はまだ知る由もなかった
「「…っ!!」」シュンシュン!!