閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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迫りくる危険 

メイド部隊を倒したことで一先ずの猶予を得ることができた忍学生たち逃亡者組

 

 

戦姫衆の間でも動きがある中で東西南北の各エリアに散りじりになってしまっている各組で今後の相談が行われていた

 

 

西のほうからは光牙たちがその他の仲間たちとの合流を目標として移動をしていた

 

 

一方の東のほうでもメイド部隊を退くことに成功しつつも

 

 

亜騎羅との戦いによってエネルギーを吸い取られてしまっているにも拘らず戦った佐介を運びながら移動をしていた

 

 

だが、そのことで進行が遅いことに業を煮やした他のチームたちから非難の嵐を受けてしまい、内輪もめの事態となってしまう

 

 

佐介を置いていこうなどという意見を言い出す他チームだったが、それを四季がド正論の追い込みで黙らせるなどしたりと

 

 

西と東ではこのようなやり取りが行われていた…

 

 

 

 

 

 

 

光牙たち西組と佐介たち東組がそのような状況に至っているのと同じころ

 

 

負傷者を多数連れて逃走した南側はというと

 

 

「気分はどうかしら?雅緋ちゃん?」

 

 

「あっ、あぁ…大分、よくなってきた」

 

 

「そう、ならよかったわ」

 

 

「雅緋、無事で何よりではあるけどあまり無理はしないでね」

 

 

あれから少しして身を隠すのに丁度よさげなところを見つけた一行は

 

 

春花の指示のもと、どうにか打てる手立てをフル活用させ、負傷者たちの看病を行っていた

 

 

その甲斐もあってか負傷者たちも少しずつ体力が戻ってきたようだった

 

 

雅緋のことを忌夢に任せて春花は他の者たちの様子を見るべく別のところに向かって行った

 

 

次に春花がやってきたのは傷ついた他チームの看病に勤しんでいる詠たちの元だった

 

 

「詠ちゃん、夜桜ちゃん」

 

 

「あぁ、春花さん」

 

 

「お疲れ様です」

 

 

「うふっ、ありがとう」

 

 

自分たちの元にきた春花に気づいた詠と夜桜はねぎらいの言葉を送る

 

 

「雅緋さんの様子はどうでしたか?」

 

 

2人も雅緋のことが気になっているようで身を案じていた

 

 

「ようやく薬の効果が効いてきたみたいね。少しずつだけど元気を取り戻してきているわ」

 

 

「そうですか」

 

 

「少し安心できたってところですね」

 

 

全回復とはいかなくても少しでも元気になってくれたことは喜ばしいことではあった

 

 

「ところでそっちのほうはどうかしら?」

 

 

雅緋の話しを一先ず置いて春花が現在、詠たちが看病をしている負傷している者たちの容体についてを問う

 

 

「えぇ、こっちとしてもだいたい同じところですね」

 

 

「みんな少しずつ元気を取り戻せているようですよ」

 

 

詠と夜桜が現在の状況を説明し、雅緋同様に他の者たちも少しずつではあるが調子を戻しだしていると聞いた

 

 

「そう、それは一安心ね…でも、このために所持している回復薬は全部使い切ってしまったわね」

 

 

春花が残念そうな顔を浮かべつつマントの内側を2人に見せる

 

 

本来なら彼女のマントの内側にはいかなる状況においても対処できるようにと試験管に入った薬品がびっしりと入っている

 

 

だが、先の戦いやらなにやらで回復薬や応急薬といった回復関係の薬品はすっかり品切れ状態になってしまっており

 

 

残っているものは戦闘用のものがほぼだった

 

 

「なんと…それは困りましたね?」

 

 

「えぇ、おそらく今頃はみんなもメイドたちと戦っている可能性はある。もし新たな負傷者が出てきたとしてもこちらとしてはもう手当てする手立てがないのだもの」

 

 

「「っ~…」」ムムムッ

 

 

あれだけ強かったメイド部隊と戦闘を行って無傷で居られるという保証はどこにもなく、逆に最悪の考えが脳裏をよぎる

 

 

しかしながらもし仮にそうなっていたとしても今の自分たちには手立てすらない

 

 

考えれば考えるほどに悩みが尽きないことを痛感させられていた

 

 

「ところで気になったんだけど美野里ちゃんはどこにいるのかしら?」

 

 

不意に春花がこの場に美野里の姿がないことに気づいて周囲を見渡す

 

 

「美野里でしたら先ほどあたりを散策してくるといって行ってしまいました…まったく、わしがやめるように注意をしたというのに聞く耳持たないんじゃから」

 

 

「あはは…」

 

 

仕方ない子だなと言いたげに夜桜は頭を抱えていた

 

 

「夜桜ちゃーん!詠ちゃーん!」

 

 

「「「っ?」」」

 

 

するとその最中、噂をすれば何とやらというように話しの根幹たる美野里がこちらに向かってかけてきていた

 

 

「美野里、心配しましたよ。わしの言うことも聞かずに飛び出して」

 

 

「ごめんね夜桜ちゃん…って、今はそれどころじゃないんだよ!」

 

 

「なにかあったの?」

 

 

表情と言動から美野里がどこか慌ただしいような気がすると3人は思っており、春花がすかさず訪ねてみた

 

 

「そ、それがね、みのりがまわりの様子を見に行ってた時なんだけど、その時見ちゃったんだ。おしろで雅緋ちゃんを怪我させた包丁を持ったおっかない子が走り去って行ったのを!」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

美野里の話しを聞いた瞬間に3人は絶句する

 

 

彼女が言うおっかない子たちというのは十中八九戦姫衆、そしてその特徴からして近くを通り過ぎていったのは愛姫だと言うことを知り、絶句する

 

 

「とうとう動き出したのね主戦力が動いたってことね…厄介だわ」

 

 

「で、ですが美野里の話しが本当なら彼女はここを通り過ぎて行った。つまりわしらが奴らと鉢合わせするという事態は阻止できたと言うことです」

 

 

「たしかにそうですね。不幸中の幸いと言ったところでしょうか」

 

 

今の状況下で戦姫衆の一味とやり合うのは自殺行為もいいところ、自分たちの存在に気づかずに走り去ってしまったのならばそれは幸運だったと言えた

 

 

「私たちはそうかもしれないけど、はたして他のみんなはどうかしら?」

 

 

自分たちはよくても他のチームはどうなのかと不安を募らせる春花だった…

 

 

 

 

 

一方そのころ、紫苑たちがいる北側のほうはというと

 

 

話し合いの結果、やみくもに行動することを避け、その場にとどまり様子を窺うことに決めた

 

 

「「…っ」」

 

 

そんな中、他チームの数人が見張り番として周囲を確認しながら敵の侵入がないかを警戒していた

 

 

「ふぁぁ~…眠い」

 

 

「気持ちは分かるが我慢しなよ。もうすぐ交代の時間になるんだからさ」

 

 

「分かってるよ」

 

 

見張り番を自分たちが引き受けて早10数分、あれ以来敵の襲撃はぴたりと止んでしまったこともあって少々退屈を感じている者もいた

 

 

「もし、お二人さん?」

 

 

「「っ?」」

 

 

「交代の時間だ」

 

 

「やっとか待ちくたびれたぜ」

 

 

ようやく次の見張りが来たのを喜んでいるようだった

 

 

「それじゃ頼むぞ」

 

 

「私たちはしばらく休ませてもらいますから」

 

 

番を交代し、戻ろうとした時だった

 

 

「……っ」シュン!

 

 

「…っ!?」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

どこからともなく、まったく気づかれずに目の前に現れた愛姫の姿に見張りの者たちは驚きの顔を浮かべる

 

 

「くっ!」

 

 

「……っ!」

 

 

「がっ!?……っ」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

反撃する間もなく懐に入った愛姫が先制し、1人を秒殺してしまった

 

 

「…っ」ギロリ

 

 

「ひぃっ!?」

 

 

「「…うおぉぉぉ!!」」バッ

 

 

その眼光に睨まれ、恐怖を感じつつも、他のp2人が異を決して愛姫を抑え込む

 

 

「ここは我々が引き受けます!」

 

 

「あんたはこのことをみんなに!」

 

 

「わ、わかりました!」

 

 

愛姫を拘束しているうちに残りの1人にこの事態を紫苑たちに告げるように伝え、逃がそうとする

 

 

2人の意図を組んでこの場から撤退をしようとした

 

 

「「ぎゃあぁぁぁぁぁ!?」」

 

 

「っ…!?」

 

 

しかし後ろを向いた瞬間に耳に響いたのは2人の断末魔の叫び

 

 

背中にぞわぞわと寒いものを感じ、恐る恐る振り返る

 

 

案の定、その背後には禍々しい眼光を光らせながら超至近距離で顔をのぞかせる愛姫の姿が

 

 

それが彼が意識を失う前に見た最後の光景だった

 

 

 

「っ……」

 

 

ほんの数分で見張りを瞬殺した愛姫はゆったりとした動きで明後日の方向に視線を向ける

 

 

「…臭う、臭う……幸せの、臭い…憎い、憎い憎い憎い憎い…」

 

 

鼻をひくひくさせ何か臭いを嗅ぎつけるや愛姫は生気のない瞳でその方向をとらえ、ゆっくりと歩き出した

 

 

彼女が歩みだし、向かっている方向の先、それは紫苑たちのいる待機場所だった

 

 

恐怖の化身がゆっくりと足音を立てて近づいていく

 

 

「…っ?」

 

 

「どうしたのですか紫苑さん?」

 

 

「いや…なんでもない」

 

 

「そうですか?」

 

 

何か寒いものを感じた紫苑に気づいた飛鳥が声をかけるも心配ないと宥めた

 

 

「〈なんだろう…なにかものすごく嫌なものを感じる?〉」

 

 

しかしながら紫苑もうすうすながら感づいていた

 

 

自分たちに訪れようとしている恐怖が刻一刻と近づいていることに

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