その中で神姫と愉姫との2人の戦姫衆コンビを相手にするという最悪なカードを春花たちの一団が引いてしまった
出来うる戦力で応戦をしていた彼女たちに光牙たちの一団が増援に駆け付けた
光牙が愉姫を相手に善戦し、状況が好転しかかる
しかし神姫のほうは単純そうもいかず、呼び出した特殊な傀儡3体が春花たちに立ちはだかる
この上なく頑丈な装甲が彼女たちの攻撃を通さず、逆に彼女たちをその力でねじ伏せ始める
必死に手を尽くすも傀儡の防御の前に春花たちは成す術を見いだせずにいたのだった
春花たちと増援に駆け付けた光牙たちと共に神姫、愉姫を相手にしている頃
雪泉たちと合流し、愛姫を相対している紫苑たちのほうはというと
「……姫術【哀怒路】!」
愛姫が召喚した人形を包み込み、次の瞬間
内側から崩れ落ちた血柱の中から現れたのは血でできた愛姫に酷似した人形の姿だった
「…全員、ここで…殺す」
そういうと愛姫が愛用の包丁をギラつかせる
さらには彼女のその動きに連動するように召喚した愛姫そっくりの人形も同じく構える
「…~っ!!」バッ!
「みんな、気をつけて!」
「「「「「「っ!」」」」」」
愛姫が動き出すのを見て紫苑が注意を促す
「っ、はあぁっ!!」
「紫苑ちん!」
さらに皆に注意を促すとともに紫苑も身構えると同時に愛姫に向かっていく
「はっ!!」
「…ふっ!」
一気に間合いを詰めた紫苑と愛姫がぶつかり合い
同時に他の面々が愛姫の分身体と交戦を開始する
「ふっ!~~~っ!!」シャリリリリリ!!
「くっ!…ふぅぅぅぅぅん!!」
凄まじい速さで切り込む愛姫の攻撃を同じ速さで紫苑もかわし、いなしていく
暫しの硬直状態が続く中、動きを見せた愛姫が跳躍し、身を宙に浮かせる
愛姫が手に持つ包丁に意識を集中させると先端から血のように赤い液体があふれ出す
「…~~っ!!」
ジュィィィィィィン!!
「っ!?~~~っ!!」
刹那、包丁の先端から斬撃波を繰り出すと紫苑はそれによる集中砲火を受けるのだった
一方、他の面々は愛姫が作り出した人形と交戦していた
「くらいなさい!はあっ!」
斑鳩が人形へ斬撃を繰り出す
「やりましたわ!」
「いいのが決まったぞ!」
皆が感服するほど完璧に攻撃がヒットした
斬撃による一撃を受けた人形がのけぞるようにぎこちない動きを見せる
これはいけたかと思った時だった
裂かれた傷部分を血のような液体が覆い尽くしていく
やがてそれが静まると人形は何事もなかったように動き出す
さらには先ほど斑鳩がつけた傷も完全に塞がってしまっていた
「な、なんですって!?」
「「「「っ!?」」」」
自己再生能力を持っているなど思っていなかった斑鳩たちは予想外のことに驚く
バッ!ガキィン!
「ぐぅっ!?」
刹那、驚く斑鳩に向かって人形が素早く間合いに入ると同時に攻撃を仕掛ける
咄嗟にガードする斑鳩だったが、もしあと少し反応が遅かったら斬られていてもおかしくはないほどに速かった
「斑鳩さん!今助けますわ!」
その様子を見ていた詠が斑鳩を助けるべく特攻する
「やあっ!ふっ!とおっ!」
詠が仕掛けてくるのに気づいた人形が斑鳩から離れつつ、攻撃をかわしていく
「てぇい!」
大剣を大きく振り下ろした詠の攻撃を人形が跳躍し、宙を舞い、回避を行った
「今度はボクが相手だ!」
するとそれを見越してか同じく跳躍し、宙へと舞い上がっていた忌夢が仕掛けてきた
「はあっ!」
忌夢が六尺棒を振るい人形を攻撃する
対する人形も忌夢の攻撃を得物で防いだりかわしたり、地面に落ちるまでの間空中戦が繰り広げられる
するとここで人形が動きを見せ、得物を突き出し忌夢に襲いかかる
「あまい!」
次の瞬間、忌夢が体に電気を浴びると人形が得物を突き出すと同じタイミングで瞬間的な加速を行う
標的を見失い周囲を見回す人形
「ボクならここだ!」
刹那、忌夢が人形の真っ正面に現れる
「食らえ!秘伝忍法【デッドリー・フォックス】!!」
雷を帯びた自身のさらなる加速度を駆使して忌夢が六尺棒で連続の打突攻撃を仕掛ける
その攻撃は次々と炸裂し、人形にヒットする
「止めだ!!」
だいぶ攻撃を加えたところで忌夢が最後の一突を繰り出し、それを受けた人形は地面に向かってまっすぐに落下した
「これならどうだ!」
忌夢が着地したとともに落下による砂埃が舞う前方に向かって言い放つ
数秒の沈黙の中、静かに時が過ぎる
…かに思えた次の瞬間だった
ジャシュシュシュシュ!!
「「「「っ!!?」」」」
砂煙の内側から飛び出すように無数の血の針が飛び出してきた
皆、突然のことに驚きを見せつつもなんとか間一髪のところで攻撃をかわす
距離をとった一同が再び視線を向けるとそこには攻撃に漬かった血を取り込み完全回復を終えた人形がいた
「な、なんてやつだ…」
「切っても叩いても再生する。これではイタチごっこもいいところです」
不死身ともとれる人形の驚くべきタフさを目の当たりにし、斑鳩たちは恐怖を覚える
恐怖を抱く斑鳩たちに人形が再び攻撃を仕掛けるのだった
一方その頃、人形を打ち出した張本人である愛姫と紫苑は交戦を続けていた
「っ!!」
「っ!?」
「〜〜っ!!」
「くぅ!?」
愛姫の怒涛のラッシュが紫苑を襲う
「【大地の
負けじと紫苑も自身の能力で地面を操り
地面を棘状に突き出させ愛姫を攻撃する
「っ!!」
咄嗟にかわす愛姫だったが、一瞬反応が遅れたためかわす際に数か所ダメージを負った
「~~っ!!」バッ!
これに憤慨したように愛姫が反撃に出る
「ふぅぅぅぅぅん!」
「っ~~~!!」
先ほどよりも凄まじい速度による攻防を紫苑と愛姫は繰り広げていく
包丁による切り傷による外傷を負う紫苑と体術による殴打によって肉体のダメージを負う愛姫
互いに死力を尽くしながら文字通りの身を削る戦いが続く
「(くっ、やはりこのままでは分が悪いか!?)」
交戦を続ける中、紫苑は状況が自身にとって劣勢に傾き危惧していた
相手は得物を使っているがこちらはそれを体術で補っている
加えて彼女はかなりの狂人、長引けば自分が不利になる可能性は十分に考えられた
「(この状況を変えるにはこれしかない!)」
何か策を考えた紫苑がそのタイミングを見計らう
「っ!」
対してそんな考えなど知らない愛姫が切り込んできた
「〜っ!」
刹那、紫苑がそれをみて動きを見せた
ズシュゥゥッ!
突き刺さる音が響くと共にポタポタと地面に滴るのは鮮血の血
その出所は紫苑の左手だった
愛姫が繰り出した包丁を紫苑が素手で受け止めたのだ
突然の紫苑のこの行動に愛姫も驚きを隠さずにいた
しかし、次の瞬間、紫苑は愛姫の手を握りしめた包丁ごとがっちりと掴んだ
「っ!?」
手を捕まれたことに気づいた愛姫が必死に振り払おうとするも紫苑は決して離さなかった
すると徐に紫苑人差し指が愛姫の腹に触れた時だった
「ふぅぅぅぅぅん!!」
ドスゥゥゥゥゥン!!!
「~~~~っ!?!?」
突然、爆発が起こったような衝撃を愛姫を襲い
思いもよらぬ一撃が彼女の顔に驚愕の二文字を刻み込むのだった