閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第十六章 共闘! 炸裂する獅子と熊の蓮撃!

佐介は道元を追って別次元に通じる穴に自ら向かって行った

 

 

次元と次元をつなぐ道『ラノベース』を飛んでいく佐介は

 

 

しばらくの間、流れに身を任せていたが。前方に光りが見えたと思った瞬間

 

 

次元の穴から落とされ、目を開くとそこには見知らぬ世界が広がっていた

 

 

これには佐介もこんわくしていたが、そんな自分の前に銀髪の美少年らしき子が駆け寄ってきた

 

 

そして自分をサイトサイトと呼び、佐介の制止も聞かず、美少年らしき子は佐介を連れて校内に入っていった

 

 

しばらく校内を歩いていると自分たちの元に何人かが駆け寄ってきた

 

 

美少年らしき子がサイトを連れてきたと説明するとサイトはすでに見つけたと言われた

 

 

しかし、佐介がみんなの前に現れたことにより、事態は急展開を迎えてしまった

 

 

さらに追い討ちをかけるかのように佐介の前に自分と同じ顔をした男の子が現れ、さらなる混乱の予感を感じさせるのであった

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どういうことなの?」

 

 

「サイトが2人……っ?」

 

 

2人が顔を合わせてしまったことで緊迫した状況が続いていた

 

 

「(ぼ、僕と同じ顔…っ?)」

 

 

「(こ、この人はいったい誰なの?どうして僕とそっくりなの?)」

 

 

顔を見合わせていた2人もまた驚きのあまり唖然としていた

 

 

しかし、佐介はいち早く気づいた

 

 

「(そうか、道元が言ってたのはこのことだったのか…ということはこの人がこの世界の僕ということになる…そうとわかれば彼に警告を促さなきゃ!)」

 

 

そう内心で納得した佐介はさっそく話しを切り出す

 

 

「あっあの…どうもはじめまして…」

 

 

「ふぇ?…あぁ!?すみません。こちら…こそ?」

 

 

佐介が差し出した手をつないでキョトンとした顔をしながらも握手を交わした

 

 

「あっ、あの。あなたはいったい誰なの?どうして僕と同じ顔を?」

 

 

サイトが皆も聞きたがっていたことを佐介に質問をする

 

 

「まずは自己紹介からですね。僕の名前は佐介と申します。信じられないかもしれませんが僕は別の世界から来たんです」

 

 

「「「「「「別の世界?」」」」」」

 

 

まぁ、そうなるな。と言う反応をされて佐介は苦笑いした

 

 

「別の世界なんて信じられませんわね」

 

 

「でも、もしそうなら彼がサイトくんに似てるのも合点が行く気がする」

 

 

「くんくん…くんくん…まんざら嘘でもないと思います…」

 

 

クルクルロールのお嬢様的オーラを放っているクレアと

 

 

アイドルとして活躍し、休暇に伴い学園にきていたサクラは佐介の言っていることに半信半疑の様子だったが

 

 

その時、ハヤトとサイトの妹のカレンが佐介の隣までくると鼻をひくひくさせて匂いを嗅いでいた

 

 

「どういうことだよカレン?」

 

 

「この人からも兄さんと同じような匂いがします!」

 

 

「ちょっとカレン!?」

 

 

カレンの発言にサイトはとても驚いていた

 

 

「で、…えっと〜佐介くんだっけ?君の話しが本当だとして。どうして君はこの世界に来たんだ?」

 

 

ハヤトがゴタゴタしているみんなに変わって佐介に尋ねた

 

 

「あっ、はい……僕がここに来たのは、この世界に僕の世界の悪い人が侵入し、サイトくんを狙っているんです」

 

 

「「「「「「えっ!?」」」」」」

 

 

佐介から聞かされたことに驚いたサイトたち

 

 

「どっ、どういうこと?なんでサイトを狙うの?」

 

 

「そうだぜ。そいつは何が目的なんだ?」

 

 

「それは」

 

 

 

ドッカアァァァァァァァァァン!!

 

 

 

「「「「「「「っ!?」」」」」」」

 

 

その時、学園内から大きな爆発音が

 

 

「なんだ?」

 

 

「っ、もしや!」

 

 

「あっ、佐介くん!?」

 

 

佐介はいち早く現場に向かって走っていった

 

 

「俺たちも行くぞ!」

 

 

「わかったよ兄さん!」

 

 

ハヤトに続いてサイトたちも佐介を追いかけていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐介たちは爆発の発生源に到着した。その時だった

 

 

「ハーハッハッハッハッハートバーニング!」

 

 

「っ!?」

 

 

聞き慣れた声、佐介はその声のする方に振り向くと

 

 

「御機嫌ようリトルガーデンの諸君」

 

 

「道元!」

 

 

次元の扉を開き、佐介をこの世界に連れてきた張本人にしてサイトを狙う者、道元がグライダーに乗りながら自分たちの方を見下ろしていた

 

 

「おや、佐介じゃないか、君もこの世界に来ていたとは思いにも寄らなかったよ」

 

 

「御託はいりません!覚悟してください、僕がここであなたの野望を食い止めてみせます!」

 

 

今度こそと佐介は道元に向かって構える

 

 

「佐介くん。あの人と知り合いなの?」

 

 

「あの人です。あの人こそさっき僕が話したサイト君を狙っている人です」

 

 

「なんだって?」

 

 

佐介から目の前にいるやつがサイトを狙っているのだと知り、みな警戒態勢をとる

 

 

「ふん。相応たるメンツがそろっているようだな。ヴァリアントウィルスを体内に宿す如月兄弟に、グーテンベルク王国の姫、ワルスラーン社の令嬢にしてリトルガーデンの艦長。そして世界的歌姫とはな」

 

 

「あなたがどうしてそんなことを?」

 

 

道元がサイトたちの出生などを語ったことに佐介が訪ねる

 

 

「ふん。何事においても情報収集は基本だろう?」

 

 

「っ…」

 

 

確かに情報収集をするのは大事なことだと納得してしまった

 

 

そして道元は目線を佐介の隣にいるサイトに向けた

 

 

「ふっ、はじめましてだな如月サイト。出会って早々悪いが、私におまえのDNAをよこせ!」

 

 

そう言うと道元はグライダーのエンジンを加速させ。サイトに向かって行く

 

 

「サイト!」

 

 

「っ!?」

 

 

突然突っ込んできたのでサイトは完全に回避のタイミングを逃してしまった

 

 

やられると感じたその時

 

 

「忍、転身!!」

 

 

「っ!?」

 

 

「はぁぁぁ!」

 

 

 

バシィィィン!!

 

 

 

「ぬあぁぁぁぁ!?」

 

 

 

ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 

サイトの危機を救ったのは佐介だった

 

 

忍転身した佐介はサイトに迫る道元の前に立ちはだかるとともに強烈な螺旋脚をぶちかました

 

 

「すっ、すごい…佐介くん君はいったい?」

 

 

道元を吹き飛ばした佐介の力を目の当たりにしたサイトが佐介に尋ねた

 

 

「……僕は忍です」

 

 

「忍?忍者ってこと?」

 

 

「えぇ、そうですよ」

 

 

「すごい!忍者って映画とか漫画の話しだと思ってたけど本当にいたんだ!」

 

 

忍者がいると知ったサイトは目をキラキラさせており、佐介は少し照れ臭い気に成っていた

 

 

「ふっ、ふふふ…やってくれたな」

 

 

「「っ!?」」

 

 

いつの間にか戻ってきた道元が口から垂れた血を拭りながら不敵な笑みを浮かべていた

 

 

「そこまでですわ!これ以上、ここを荒らすことは私たちが許しませんよ!」

 

 

クレアを筆頭にハヤトたちが道元の前に立ちはだかる

 

 

「ふん。悪いが私は君たちと遊んでいる暇などないのだよ。というわけで君たちの相手は…」

 

 

ドスン!ドスン!ドスン!!

 

 

道元が話しをしている最中にこちらに向かってくる何ものかの足音が。それもかなり大きいものだ

 

 

 

ギュオォォォォォォォ!!!

 

 

 

姿を現したのはこの世界に突如として襲来し、人々を襲っている昆虫型地球外生命体「サベージ」であった

 

 

「さっ、サベージですって!?」

 

 

「なんでここに!?」

 

 

突然のサベージの出現に驚きを隠せないハヤトたち

 

 

「ふふふ、私が連れてきたのだよ。どうだね、私からのサプライズは?」

 

 

「こんなサプライズいらないわよ!」

 

 

道元にサクラが突っ込みを入れる

 

 

そんな時、サベージがエネルギーをチャージし、口から光弾を発射する

 

 

リトルガーデンが攻撃されていく

 

 

「っ、みんなが!?」

 

 

サイトが学園のみんなを助けようと走るも

 

 

「おっと、逃がさないぞ〜」

 

 

「っ!?」

 

 

その行く手を道元が邪魔する

 

 

「諸君、私に構っていていいのかな?早くしなければあのサベージがここを沈めてしまうぞ〜?」

 

 

「くそっ!」

 

 

「なんてやつなんだ!?」

 

 

完全に道元の思惑通りにことが運んでしまった

 

 

「仕方ありませんわ。私はサベージを排除してきます!ハンドレッド・オン!」

 

 

クレアはサベージを倒すべくハンドレッドを起動させ、サベージに向かって行く

 

 

「どうするのハヤトくん!?」

 

 

「学園も大事だけど、このままじゃサイトが!?」

 

 

「くそっ…」

 

 

どちらも救いたい大切なもの、そう思うとハヤトたちはどうすべきかとただ立つしかできなかった

 

 

「兄さん!エミール!サクラさん!」

 

 

「「「っ!」」」

 

 

その時、サイトが3人に声をかけた

 

 

「僕のことなら心配しないで、必ずこの人を倒すから!兄さんたちはサベージを!」

 

 

「サイト………わかった。行くぞ2人とも!」

 

 

「わかった…負けないでねサイト!」

 

 

「信じてるからね!」

 

 

そう言うとハンドレッドを起動したハヤトたちがサベージと戦うクレアを援護しに行った

 

 

「さぁて、邪魔者が消えたところで貴様のDNAをいただくとしよう」

 

 

不敵な笑みを浮かべて道元はつぶやく

 

 

「そんなことはさせません!僕が絶対に!」

 

 

「僕だけじゃなく、兄さんやみんなのいる学園にも手をかけるなんて…許さない!お前は僕が倒す!ハンドレッド・オン!」

 

 

意気込みながらハンドレッドを起動するサイト

 

 

サイトのハンドレッドは佐介同様接近戦を主体とした感じのハンドレッドであった

 

 

「面白い、かかってこい!」

 

 

「「上等!」」

 

 

佐介とサイトが道元に挑む

 

 

「天轟拳!!」

 

 

「ふん!」

 

 

「熊手!!」

 

 

「なんの!」

 

 

道元は2対1という状況にも動じず、互角の戦いを繰り広げる

 

 

「くらえぇ!」

 

 

グライダーからビームを発射し、佐介たちを攻撃する

 

 

「厄介ですね…」

 

 

「向こうは遠距離しか仕掛けてこない」

 

 

近距離型にとっては厄介極まりない相手である

 

 

「でも、手はあるよ!」

 

 

「サイトくん?」

 

 

この状況を打破する秘策ありという顔をしながらサイトは立ち上がる

 

 

「佐介くん、耳を塞いで!」

 

 

「えっ?…っ!」

 

 

急にのことだったが、佐介は急ぎ耳を塞ぐと

 

 

サイトは大きく息を吸い込んでいく

 

 

「なんの真似だ?」

 

 

道元が不思議そうな顔をしていると

 

 

「熊の咆哮おおぉぉぉぉぉ!!」

 

 

クマアァァァァァァァァァァァァ!!

 

 

「ぬがっ!?」キーン

 

 

「っ!?」キーン

 

 

吸い込んでいた息を声に変えて吐き出したサイトの大音量の声に耳がつんざかれそうになる

 

 

そして声が止むと耳を塞いでいた佐介はなんとか助かったが、それをしなかった道元は頭がクラクラしていた

 

 

「行くぞー!」

 

 

「」クラクラ

 

 

混乱して動けない隙に道元の間合いに入る

 

 

「奥義、羆拳!!」

 

 

「ぐっ!?ぬあぁぁぁぁ!?」

 

 

サイトはあらん限りの力で道元に必殺の技をかました

 

 

それにより道元は吹き飛んだ

 

 

「やったか?」

 

 

「………っ!」

 

 

吹き飛んだ道元だったが、なんとか我に返りグライダーを操作して再び舞い上がる

 

 

「くそ、惜しかった!」

 

 

「道元…っ!」

 

 

「ぬふふふ、やってくれたな小僧ども、今度はこちらからだ!」

 

 

そう言うと今度はグライダーだけでなくガンドレッドからもビームを撃ってきた

 

 

逃げ惑う佐介たちを道元があざ笑う

 

 

「やあああ!!!」

 

 

「佐介くん!?」

 

 

その時、道元に向かって佐介がジャンプする

 

 

「ふん!性懲りもなく。これでもくらえ!」

 

 

そう言うとボムを投げつけてきた

 

 

「っ!はぁぁぁ!」

 

 

その時、佐介がボムが目の前にくる瞬間

 

 

螺旋脚を繰り出し、まるで野球のボールを打つかのように打ち返した

 

 

「なに!?」

 

 

 

ドバァァァァァァァン!

 

 

 

「ぬあぁぁぁぁ!」

 

 

思わぬ反撃に対処できず道元は自らの爆弾のダメージを受けた

 

 

「佐介くんナイスです!はぁぁぁ!!」

 

 

その瞬間を見逃さず、落ちてきたタイミングを見計らったサイトが道元に向かって突進する

 

 

「なっ!?」

 

 

「いっけぇぇぇぇ!!!灰羆殴撃(グリズリー・ストライク)!!!!!」

 

 

 

ドゴォォォォォォォォォォォォン!!

 

 

 

「ぬあっ!?」

 

 

「ぐうぅぅっ!たぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!! バゴォォォォォォン!!

 

 

 

ハンドレッドをまとったサイトの拳が、道元の腹に命中させた

 

 

凄まじい勢いを乗せた強烈なパンチ

 

 

この攻撃により、道元は勢いよく吹き飛ばはれた

 

 

「……ふぅ」

 

 

「すごいですねサイトくん」

 

 

「佐介くんこそ」

 

 

佐介とサイトは互いに微笑み合う

 

 

「サイト〜!」

 

 

「っ?」

 

 

声のする方を向くとこちらに向かってみんなが走ってきてた

 

 

「みんな、サベージは?」

 

 

「安心しろ、きっちりと片付けた」

 

 

「もう心配は要りませんわ」

 

 

「よかった…」

 

 

みんなや学園が無事なことに安堵する佐介たち

 

 

 

「っ!?」チクッ!

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

だか、それは一瞬にして崩れた

 

 

小型ロボがサイトから血を抜き取ったからだ

 

 

「この!」

 

 

ハヤトが捕まえようとするも間に合わず、ロボが飛び去る

 

 

その先は

 

 

「ふふふふふ」

 

 

「道元!?」

 

 

サイトの灰羆殴撃(グリズリー・ストライク)を喰らい吹き飛んだはずの道元が

 

 

「やぁ、なかなか見事なものだったよ。かなりのパワーだった。だが、残念ながら私の勝ちのようだな」

 

 

ロボがガンドレッドに収納された

 

 

結局、道元にサイトのDNAは奪われてしまったのだ

 

 

「さて、もうこの世界には用はない。私は次に行かせてもらうとしよう」

 

 

 

 

ヴゥゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 

 

 

そう言うと道元は再び装置を使ってラノベースへと続くゲートを開く

 

 

「ではさらばだ」

 

 

佐介たちにそう言い残し、道元はゲートをくぐっていった

 

 

それとともに開いたゲートが閉まり始めていく

 

 

「いけない!このままじゃ!…僕は道元を追います。みなさんとはここでお別れです」

 

 

「あいつを追うんだな」

 

 

「はい」

 

 

ハヤトの問いに佐介は頷く

 

 

「また…会えるよね?」

 

 

「えぇ、きっと会えます」

 

 

せっかく会えたのにすぐにお別れというこの事態にサイトは悲しそうな顔をするも

 

 

それに対し佐介は笑みを見せて、いつかは再会できるとそう告げました

 

 

「ではみなさん。失礼します!」

 

 

佐介はサイトたちに一礼すると閉じかけているラノベースへと続くゲートに飛び込んだ

 

 

それとともにゲートが完全に閉じてしまった

 

 

「顔だけじゃなく、雰囲気とかも似てたな」

 

 

「うん…頑張ってね佐介くん」

 

 

サイトたちはゲートの向こうに消えていった佐介にエールを送るサイトたちだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「道元、今度こそあなたの野望を阻止してみせます!」

 

 

ラノベースを飛びながら次にいく世界に向けて佐介はそう告げるのだった

 

 

 




人物紹介

如月 サイト(きさらぎ サイト)


ハンドレッドの世界の佐介的存在。如月ハヤトの弟であり、カレンの兄

原作と異なり幼少期、第二次遭遇でサベージに襲われたエミリアから血を吸収したのは彼であり、ヴァリアントとなった祭に暴走しかけ、止めようとしたハヤトに噛み付き彼にもウィルスを感染させたということになっている

中学まで養護施設で育ったハヤトたちとは違い、いろいろな事情によって離れ離れで暮らしていた
そんな中、師匠と呼べる人から拳法「熊熊拳」を伝授され、後に入学したリトル・ガーデンにてハヤトとカレン、そしてエミリアと再会を果たした

ハンドレッドはマーシャルアーツ型《剣闘獣型(バトルビースト)》

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