しかし亜騎羅の独断と佐介たちの侵入と立て続けに厄介ごとに見舞われ、拠点防衛のために残ることを決める
そうこうしているうちに道中零姫を退けながらに佐介たちが豹姫の元に到着する
いざ戦闘を開始しようとする中、そこに爺やと総メイド長が現れ、飛鳥、焔、雪泉、雅緋以外が2人との戦闘を始める
残った飛鳥たちが豹姫と戦闘を開始する
だが、さすが戦姫衆を束ねる者というべきか、豹姫の戦闘力はとても高く、単身で挑む焔と雅緋を立て続けに返り討ちにする
飛鳥たちは今度は負けないという意識の元、4人全員が武器を手に豹姫と対峙する
直後、双方は互いに勢いよく飛び出すのだった
時は少々遡り、佐介たちが城にたどり着き、豹姫たちと交戦を繰り広げている頃だった
佐介たち以外の残ったメンバーは春花を中心に行動を開始していた
「はい、これで問題ないわ」
「ありがとうございます。助かりました」
運よくメイド部隊の所持ものから救急の物資を手にすることができたことで増えた分の人たちの手当てに当たっていた
さらには他チームの数名が医療知識や技術を持っているため、それも活用した
「柳生ちゃん。みんな大丈夫かな?なんとか敵さんはやっつけられてるけど」
「正直わからない、奴らの強さは全員が異次元級だ。3人倒せはしたが残っているのは筆頭の豹姫を含めていずれも猛者ばかりだからな」
「うぅ…佐介くん、飛鳥ちゃん」
佐介たちのことを思う雲雀に柳生はつい現状の厳しさを告げてしまう
気づいた時にはもう遅く、雲雀はとても不安そうな顔を浮かべている
「もう柳生ちゃんたらダメじゃない。ひばりを不安にさせちゃうなんて」
すると2人の会話に割って入るかのように語り掛け、後ろから雲雀を抱きしめてきた春花が現れる
「わわっ、春花さん?」
「大丈夫よひばり、私たちはこれまでもいろんな困難に遭遇したけど力を合わせて乗り越えてきたじゃない。光牙くんたちならきっとやってくれるわ。少なくとも私はそう信じてる」
「春花さん…うん。そうだね、そうだよね!ひばり佐介くんたちが上手くやってくれるって信じるよ!」
「そうそう、その調子よ。よしよし」
励ましの言葉を送り、見事ひばりの悩みを春花が解消する
頭をなでなでされ、照れたように笑みをこぼすひばりとその様子を見せつけるようにニヤリと邪な笑みを向ける春花に柳生はとても悔しそうにしていた
そうして佐介たちが戻って来るのを皆が待ちわびている時だった
一輪の風が波を揺らした…その時だった
「あ、あぁ….ああぁぁ!?」
「「「「っ?」」」」
他チームの1人が突然、とてつもなく怯え出した
「どうした、いったい何が…っ!?」
「「「「………っ!?」」」」
震え上がっている者が向けているほうに一同も視線を向けた瞬間、皆の顔が絶望の色に染め上がる
「………っ」
皆が向ける視線の先に見えたのはこちらに向かって波打ち際を歩いてくる亜騎羅の姿だった
彼を目にした途端、ほとんどのものが恐怖に竦み上がってしまっていた
「まさか…そんな」
春花たちのほうも突然の亜騎羅の出現に動揺を隠せない
ある程度の距離までくると亜騎羅が方に担いでいる大剣を降ろすとともに
こちらに向かって歩んでいる足波が少しずつ早くなっていき、終いには完全にこちらに向かって駆け出し始める
走りながらこちらに向かってくる亜騎羅を見て一向が慌てふためく
その間にも刻一刻と亜騎羅が迫り来ていた
「う、うあぁぁぁぁぁぁ!!!」
「「「うおぉぉぉぉぉ!!」」」
「あ、待ちなさいあなたたち!?」
1人が声を張り上げるとともに数名が向かってくる亜騎羅に挑みにかかる
春花が静止しようにも時すでに遅し、もうその時にはその者たちは亜騎羅に戦いを挑みに行ってしまう
「「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」」
「……っ!」
他チームの者たちと亜騎羅が間合いに入った
その刹那だった
ドガゴォォォォォォォン!!!
凄まじい轟音とそれによって発生した衝撃波が辺りに広がる
次の瞬間に一同が目にしたものは壮絶なものだった
亜騎羅を中心に先ほど勢いよく飛び出した他チームの者たちがまるで台風に巻き込まれたかのように宙を舞い、彼の周りを螺旋状に回っていた
やがて勢いが治ると吹き飛ばされていた者たちが今度は雨霰のように地面に落下した
「…っ」ギロリ
「「「「っ!?」」」」
挑んできた者たちを一撃で蹴散らし、亜騎羅は再びその眼光を春花たちに向け、何事もなかったかのように歩みだし始める
「こ、こうなったら、やるしかないよね」
「わしらの底力を見せる時じゃな!」
亜騎羅が迫りくる様子を見て未来を含む数名が腹を決めて戦おうとしようとする
「みんな、やめて、ここは逃げるのよ!」
「は、春花さま。でも」アセアセ
「分かってるはずよ。彼がどれだけ強いか、今の私たちの状況で彼を相手に戦うことがどれ程無謀かを」
覚悟を決めて亜騎羅と戦おうとする未来たちを春花が止める
戦力を分散してしまっている今の自分たちに佐介たちが束になってようやくギリギリだった相手に春花たちが勝てる見込みは途方もなく低い
それに闇雲に戦って敗れてしまえばエネルギーを取られて妖魔の繭を羽化させる羽目になる
どこをどうとっても今ここで亜騎羅と戦うのはデメリットしかないのだ
「でもだからってはいそうですかと逃がしてくれる相手ではないだろう」
しかしそんな春花の言い分に柳生が反論する
確かに戦うのは得策ではない
だが、相手が自分たちが逃げるのを易々と見ているほど大人しくしているはずがない
かなりまずい状況に追い込まれてしまい、どうすべきかと頭を悩ませている時だった
「君たちは行くんだ。ここは俺たちが引き受ける」
「我々が彼の方を相手している間に早く逃げられよ」
不意に春花たちの前に立ったのはスポーツチームと仏教チームのリーダーだった
さらにはリーダーに続くように他のチームメイトたちは知性チームの残ったメンバーも前に立つ
「あ、あなたたち何をしているの?」
「こんな俺たちでも多少の足止めにはなるはずさ。君たちはその間に城に向かったみんなと合流するんだ」
自ら囮役を買い、亜騎羅を食い止め、春花たちを逃がそうとしているのだ
「あなたたち何を言っているか分かってるの?」
「そ、そうだよ…だって」
「分かっております。我らが束になったところであの方に勝つのは無理です。それにエネルギーを吸われて怪物の繭の栄養にもされてしまうでしょう」
「だったら」
そこまでわかっているのならと春花たちが無謀なことはやめるよう説得を続けようとする
「でもだからと言ってこの場であんたたちがやられちまったらそれこそやばいのは明らかだ」
しかし彼らは状況を十分にわかっていたからこそ春花たちの言葉に従うつもりはない様子だった
「どうせ我らがやられてもたいしたエネルギーを奪えはしないでしょう。故に囮役は我らが適任なのです」
力も技も春花たちより劣る自分たちが捨て駒となって彼女たちを逃がすことが一番の得策だと彼らは考えていた
「どうしてそこまで」
「あんたたちには世話になりっぱなしだしさ」
「せめてものお役に立てるならば本望というものです」
リーダー2人の言葉にチームメイトたちも頷く
「さぁ、今のうちに逃げな!」
「我らが止めていられるうちに、さぁ!」
2人が声をかけた直後だった
「「「「うおぉぉぉぉぉ!!」」」」
チームメイトたちが一斉に亜騎羅に向かって特攻を仕掛けてきた
「…っ!!」
ブォン!!ザシュゥゥゥン!
「「「「うわあぁぁぁぁぁ!?」」」」
次の瞬間、亜騎羅の斬撃によって特攻した者たちは吹き飛ばされる
「怯むな!行け!!」
「我らが意地を見せる時ですぞ!」
「「「「うおぉぉぉぉぉ!!」」」」
発破をかけられたチームメイトたちが再び特攻する
「…みんな、行くわよ。彼らの思いをむげにはできないわ!」
「分かったよ春花さま!」
「…っ!!」
言われるがままに彼らにこの場を託し、春花たちは逃げるのだった