佐介たちは豹姫たちを相手にするために、紫苑たちはその間に脱出用の乗り物を確保するために動く
しかしそこに爺やと総メイド長の乱入という事態に発展し、事態は思いもよらぬ展開になってしまう
一方で佐介たちが脱出用の乗り物を奪取するのを信じて待機する春花たちの前に亜騎羅が現れた
最悪の遭遇に困惑する中、競技、仏教チームのリーダーとその他のメンバーが囮役を買って出ることで
春花たちは逃げることに成功する
その事態を知らぬ佐介たちは城を舞台にそれぞれの相手と熾烈を極める戦いを繰り広げるのだった
城内の戦いは今なお白熱した戦いが行われている
飛鳥たちを相手に善戦する豹姫が自身の得物であるレーザーブレードに手を添えると先端に向けて刃先をなぞる
するとレーザーブレードの輝きが黄色から血を彷彿とさせるような赤い色に変わる
「なんだあれは?」
「豹姫さんの剣の刀身が赤くなりましたわ?」
「気をつけろ、何か仕掛けてくる気だ」
4人はそれを見て警戒を強める
「【戦姫術・
豹姫は赤く輝かせるレーザーブレードを身構えると同時にそれを勢いよく薙ぎ払う
刹那、振るわれた刀身から赤き斬撃波が4人目掛けて飛んでいく
「「「「っ!?」」」」
咄嗟に飛鳥たちがこれを回避する
「これで終わりじゃないわよ!」
そういうと豹姫が再度レーザーブレードを振るい、計数発の斬撃波が飛鳥たちめがけて飛んでくる
「くそっ、これじゃ近づけない!?」
「攻撃を受けないようにしているのが精いっぱいだよ!?」
連続で飛んでくる豹姫の斬撃波をかわすのがやっとで反撃の一筋が掴めずにいた
「あははっ!どうしたの~?遠慮なんていらないからやり返してきなさいよ!」
飛鳥たちが攻めあぐねているのをいいことに豹姫が挑発する
「埒が明かない……焔、飛鳥、雪泉、ここは私に任せろ!」
防戦一方だった状況の中、雅緋が3人に声をかける
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
左手で渦巻く黒炎を発生させるとそれを前に突き出す
次の瞬間、斬撃波が黒炎の渦に阻まれ、消滅する
「助かったぞ雅緋。飛鳥、雪泉。これを機に反撃開始だ!」
「はい。お任せください!」
「うん。雅緋ちゃんの作ってくれたチャンス、絶対に無駄にしない!」
雅緋が攻撃を防いでいる間に飛鳥たちが行動を開始する
「「っ!!」」バッ
飛鳥と雪泉が左右から同時に駆け出す
それを見た豹姫だが、雅緋に集中させていた攻撃を2人にも行う
「させるか!」
だがここで雅緋が力をフル活用させ、黒炎の渦の範囲を伸ばし、飛鳥たちに襲い掛かろうとしていた斬撃波を掻き消す
「ありがとう雅緋ちゃん!」
「飛鳥さん、一気に攻め込みますよ!」
「うん!」
雅緋の作ってくれたチャンスを無駄にせぬという思いを胸に飛鳥と雪泉が一気に加速し、豹姫との間合いを詰める
「やぁぁっ!」
先に仕掛けたのは飛鳥だった
二刀を振り下ろし斬りかかる
「ちっ…っ!!」
すかさず豹姫が防衛態勢をとること
ガキィィィィィィン!!
刹那、互いの得物と得物がぶつかり合う
金属どうしの振動する音が一瞬の静寂の田舎で木霊する
押し込みをかける飛鳥と踏ん張りを見せる豹姫の鍔迫り合いが数秒間続く
「~~…っ!!」バシン!
「っ!?」
しかしパワーの差がものを言うかのように押し込みをかける飛鳥を豹姫が強引に力で弾き飛ばした
飛鳥はそのまま大きく後方へと吹き飛ばされた
「隙ありです!」
だが、その直後、声のする方に視線を向けると既に準備を整えていた雪泉が氷塊を作り上げていた
「【黒氷】!!」
豹姫が飛鳥を吹き飛ばしたタイミングを見計らって雪泉が氷塊を飛ばす
まっすぐに一直線に豹姫めがけて氷塊が飛んでくる
「この程度で…っ!!」
舐めるなと言わんばかりに豹姫が身構えるとともに氷塊に向かって飛ぶ
氷塊が豹姫の直前に迫る
「はぁっ!」
ザシュシュシュン!
数回の斬撃による閃光が走ると共に豹姫と氷塊がすれ違う
パキキ…バリィィィィン!!
次の瞬間、氷塊が粉々に砕かれ、跡形もなくなった
「残念だったわね。惜しかったと褒めてあげるわ」
豹姫が飛鳥と雪泉に賞賛を送る
「「っ」」
「何がおかしいの?」
不意に笑みをこぼす飛鳥と雪泉の反応に豹姫は何んだと言った顔を浮かべる
「ここまでは」
「ただの前座にすぎません」
「えっ?」
どこか意味深な言葉を呟く2人を不思議そうに豹姫は見る
「本命は!私だぁぁぁぁぁぁぁ!!」
直後、豹姫の頭上から声が聞こえたと思ったら
そこには自らの身を螺旋脚に回転させながら特攻を仕掛けてきた焔の姿があった
「っ!?」
さしもの豹姫も3段構えの攻撃は予想できず
反応が遅れてしまい、防御が間に合わなかった
「どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ザシュゥゥゥン!!
「きゃあぁぁぁぁっ!!??」
さしもの豹姫も焔の特攻弾を受けて吹き飛ばされた
ここにきて初めてまともなダメージを受けたのだ
「お。お嬢様!?」
豹姫が攻撃を受けて吹き飛ばされたのを見て爺やが激しく動揺する
「…はあぁぁぁぁぁ!!」
「っ!?」
その様子に気を取られている隙を突いて光牙が爺やに反撃を仕掛けた
一方、攻撃を命中させ、豹姫を吹き飛ばした3人は雅緋の元に戻りながら次の出方を伺っていた
「…くぅ、ぬぅ〜っ」
数秒の沈黙の後、豹姫が上半身を起こした
「……っ、血?」
口元を拭った豹姫の視界に映ったのは手袋にこべりついた自身が流した鮮血の血
「この私が、この私があんな奴らを相手に地面に倒されたばかりか気高い血を………」
自分の置かれている状況が信じられないというかのように驚愕の顔を豹姫は浮かべる
「…………っ!!」
直後、驚きに満ちていた豹姫の表情が一転し、悪鬼羅刹が如く怒りに満ちていた
その顔を見た飛鳥たちは体に震えを感じる
「さない…絶対に許さないわこの虫けらども!ちょっと手加減してあげたらいい気になって、もう容赦しないわ覚悟しなさい!」
地べたにその身をつけられたばかりか血も出させられたことにプライドを傷つけられた豹姫は飛鳥たちを全力で潰すことを決めた
直後、豹姫はレーザーブレードを構えながら集中する
すると彼女の身に気が満ちていく
「…【戦姫術・狂姫乱舞】!!」
十分まで力を溜め込んだ豹姫が術を発動させる
次の瞬間、溜め込んだ気が彼女の身に纏い、その身から凄まじいほどの力を感じさせた
豹姫の急激な力の高まりを感じ取った飛鳥たちは背筋にゾッと寒いものを感じる
「気をつけなさい、こうなったからにはさっきまでのように優しくはないわ」
全力で飛鳥たちを潰す、力を解放した豹姫の目から感じられたのはそんなプレッシャーに似た何かだった