閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第十七章 靡くツインテール

ラノベースを飛び続け、出口を抜け出た佐介を待っていたのはどこかもわからない異世界だった

 

 

そしてそこには自分と瓜二つと言っていいほどそっくりな少年サイトがいた

 

 

さらに彼を狙って自分同様次元を超えてきた道元が佐介とサイト、そしてサイトの仲間たちを襲撃

 

 

これに対し佐介たちは道元を迎え撃つべく戦いを繰り広げ、結果道元を倒すことには成功した

 

 

しかし戦いこそ勝利したものの。隙を突かれ道元にサイトのDNAを回収されてしまったのである

 

 

そして道元は再びゲートを開き、ラノベースへ

 

 

佐介は自分の身を案ずるサイトたちに笑顔で別れを告げ、道元を追うべくラノベースのゲートに入っていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、僕と同じ顔を持った人の世界に通じていたなんて、まだ信じられない思いだな…」

 

 

サイトとの出会い、自分と瓜二つな人物がいたことに未だ驚きを隠せない様子の佐介だった

 

 

「しかし道元はどうして僕やサイトくん、僕にそっくりな人のDNAを欲しているんだろう?」

 

 

自分の時もサイトの時も道元の狙いは自分たちのDNAを手に入れることに執着していた

 

 

「なんだか嫌な予感がする。次こそは絶対に道元の野望を阻止してみせる!」

 

 

そう佐介が意気込みを入れていると前方に光が

 

 

「いよいよ別の世界か、今度は世界なんだ?」

 

 

光が佐介を包み込み、眩い光に佐介は目をぎゅっと閉じた

 

 

 

 

 

 

 

 

ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅん……ここは?」

 

 

光が消えて少しずつ目を見開いていくとそこはどこかの公園のようだった

 

 

周りには子供達やペットと散歩を楽しむ人、カップルなどで賑わっていた

 

 

その時佐介はこの場所にいる女性がほぼツインテールの髪型をしてるのに疑問を抱いていた

 

 

「……ここもまた別の世界なんだよね?」

 

 

佐介がキョロキョロとあたりを見回していると

 

 

「「「「きやあぁぁぁぁ!!」」」」

 

 

「っ!?」

 

 

突然近くから叫び声が聞こえてきた

 

 

佐介は急ぎ悲鳴のした方へと走って行った

 

 

悲鳴のするとこに駆けつけた佐介が見たものは

 

 

「やれ!アルティロイドども!この星のツインテール属性を全て奪い尽くすのだ!」

 

 

「「「「モケー!」」」」

 

 

「「「「いやぁぁぁぁ!!」」」」

 

 

戦闘員らしき者たちが女性たちを捕まえていき、それらに指示を出している司令塔の怪人らしき者がいた

 

 

そして戦闘員たちが女性たちを司令塔の怪人の元に連れてくる

 

 

「(何をしようとしているんだ?)」

 

 

佐介は気づかれないよう物陰から様子を伺っていた

 

 

すると怪人は怯える女性たちをジロジロ見ていた

 

 

「ふふふ、どの子もなかなかの素材だ。…しからば!」

 

 

怪人が何かを取り出そうとしており、佐介はすぐにでも女性たちを助けようと身構えた

 

 

 

 

その刹那

 

 

 

 

「是非とも君たちにこのメイド服を着てもらいたい!」

 

 

「」ドテッ!?

 

 

あまりにも予想だにしない状況に佐介はズッコケてしまった

 

 

「素敵な出来栄えだろう〜?私の溢れんばかりの愛を込めた力作の数々だ。さぁこれを着てみてくれないか〜!」

 

 

そう言うとメイド服をチラつかせながらはぁはぁと息を荒くし、怪人が女性たちに近づいていく

 

 

「っ、危ない!」

 

 

こんどこそはと佐介は彼女たちを助けるべく物陰から飛び出し

 

 

「せぇぇぇい!」

 

 

「ぬっ?何者だ!?」

 

 

「っ、やあぁぁぁぁ!!」

 

 

「ぐほぉ!?」

 

 

佐介は怪人が反応するよりも先に間合いをとり、怪人に向けて天轟拳を繰り出す

 

 

それによって怪人は宙を舞いながら地面に落下した

 

 

「今のうちに逃げてください!」

 

 

佐介は軽く後ろを向き、驚いている女性たちにそう告げた

 

 

女性たちは我に帰るとその場から急いで逃げていった

 

 

無事逃げてくれたことに安堵するのもつかの間

 

 

「「「「モケー!」」」」

 

 

あっという間に戦闘員たちに取り囲まれてしまった

 

 

「よくもやってくれたな!貴様、ツインテイルズの仲間だな!我が名はヘッジホッグギルディ、使用人(メイド)属性のために、そして志半ばでちっていった同胞たちの無念を晴らしてやるぞ!」

 

 

「ツインテイルズ?アルティメギル?」

 

 

前回もそうだったが今回もまた自分の知らない単語に佐介は小首を傾げる

 

 

「行くぞ!」

 

 

怪人、ヘッジホッグギルディが佐介に襲いかかってきた

 

 

「忍、転身!」

 

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

 

「ぐっ!!」

 

 

転身するとともに佐介は襲いかかってきたヘッジホッグギルディのパンチを両手をクロスさせて防ぐ

 

 

衝撃によって立っていた場所にがひび割れ、凹んだ

 

 

「はあっ!」

 

 

「なっ!?」

 

 

ヘッジホッグギルディのパンチを防ぐと佐介は力いっぱいそれをはじき返した

 

 

「「「「モケー!」」」」

 

 

その刹那、アルティロイドが一斉に襲いかかってくる

 

 

「螺旋脚!!」

 

 

「「「「モケー!」」」」

 

 

しかし佐介はそれらに動じず、螺旋脚でアルティロイドを吹き飛ばした

 

 

「やってくれたな、これでもくらえ!」

 

 

そう言うとヘッジホッグギルディは丸くなり、佐介に向けてゴロゴロと転がってきた

 

 

佐介はそれをかわしていく

 

 

「くそっ、だったらこれでどうだ!」

 

 

攻撃が当たらないことにいらだちを感じたヘッジホッグギルディは勢いよく宙に飛ぶと回転するとともに佐介に向けてハリを飛ばす

 

 

「っ!!」

 

 

佐介はそれらを手刀で弾いていく

 

 

「いつまで受け切れるかな!そらそら!」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

いくら手刀で弾いているとはいえヘッジホッグギルディから放たれるそのハリの数の多さ

 

 

到底全て弾くことはできるばずもなく

 

 

「っ!?」チクッチクッ!

 

 

とうとうハリの攻撃を食らってしまった

 

 

「ふふふふ」

 

 

「な、なに…これ?…体が、痺れ、て…っ!」

 

 

「私のハリには麻痺性の毒があってな。どうだ?体が痺れてまともに動けんだろ?」

 

 

「ぐっ、ぐうぅ!」

 

 

痺れる体を無理やりに動かそうとするもやはり動けなかった

 

 

「そんなことをしても、無駄だ!」

 

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

 

ヘッジホッグギルディは佐介に体当たりし、佐介は吹き飛ばされた

 

 

そして痺れに悶える佐介にヘッジホッグギルディが迫りよる

 

 

「おとなしくしていればよかったものを!」

 

 

「っ!?」

 

 

佐介にとどめを刺さんとヘッジホッグギルディがゴロゴロと転がりながら迫りよる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりゃああぁぁぁぁ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

突然、何者かがヘッジホッグギルディに襲いかかった

 

 

ヘッジホッグギルディは間一髪として回避する

 

 

「くそっ、外した!…大丈夫かあんた?危ないから離れてろ!」

 

 

敵の方を向き、自分に背中を向けながら声をかけてきたのは赤いツインテールの少女だった

 

 

「「「「レッド!」」」」

 

 

少女の元に青、黄、白のツインテールの少女と仮面を被った謎の少女たちが現れた

 

 

「トゥアール、その人を安全な場所に!」

 

 

「了解しました!さぁ、こちらに」

 

 

そう言うとトゥアールと呼ばれた仮面を被った少女は佐介を連れて行く

 

 

「現れたなツインテイルズ!」

 

 

ヘッジホッグギルディの言い分からどうやら彼女たちがツインテイルズらしいことを知った

 

 

「アルティメギル!お前たちの好きにはさせないぜ!」

 

 

「僕たちが絶対に止めてみせる!」

 

 

「覚悟しなさいよ!」

 

 

「わたくしたちは負けませんわ!」

 

 

そう言うとツインテイルズたちが構える

 

 

「出たなツインテイルズ!やれアルティロイド!!」

 

 

「「「「モケモケー!」」」」

 

 

増援のアルティロイドがツインテイルズに襲いかかってきた

 

 

「おりゃああぁぁぁぁ!!」

 

 

「うりゃあぁぁぁ!!」

 

 

「えぇぇぇい!」

 

 

「「「「モケー!」」」」

 

 

赤、青、黄のツインテールの少女たちがアルティロイドを蹴散らしていく

 

 

「あなたどちらさまですか?こんなコスプレなんかして私たちに憧れてこんなことをしてらっしゃるのならオススメはしませんよ〜?」

 

 

前を向きながら走るトゥアールはそのままで自分の片腕に抱えられている佐介に忠告を促す

 

 

「すっ、すごい」

 

 

「ですよねですよね〜、なんたってあれらは私が作ったんですから」

 

 

そして連れられた少し離れた場所から戦いを見ていた佐介はそう呟き

 

 

トゥアールが得意げそうに言っていた

 

 

「あれ、あなたが作ったんですか?すごいですね」

 

 

「いや〜、それほどでもありますけど…ん?」

 

 

仮面越しに照れくさそうにしていたトゥアールだが、佐介の顔を見た瞬間声が止まった

 

 

「あっ、あの?どうしました?」

 

 

「えっ?…ええぇぇぇぇ!?」

 

 

「っ!?」

 

 

突然の驚きの声に佐介はびっくりした

 

 

 

 

 

 

 

「私の相手は君かテイルホワイト」

 

 

「これ以上好きにはさせないよ!」

 

 

「うーん、見れば見るほどいい素材だ。是非、是非とも私が製作した新型メイド服を着てはもらえないだろうか!?そしてこれを着て萌え萌えキュンと言ってくれ!」

 

 

「いっ、嫌だぁ!」

 

 

テイルホワイトは引きつった顔で青ざめながらヘッジホッグギルディに攻撃を仕掛ける

 

 

「ぐぅぅぅ!」

 

 

「くっぅぅ!」

 

 

力と力を押し合う両者

 

 

「君も私のハリの前に敗れるのだよ!」

 

 

そう言うとヘッジホッグギルディがハリを飛ばしてきた

 

 

「危ない!」

 

 

「「ホワイト!?」」

 

 

テイルホワイトのピンチを目の当たりにして叫ぶ3人

 

 

「っ、属性玉(エレメリアン・オーブ)!」

 

 

その刹那、テイルホワイトはガントレットについている玉を光らせる

 

 

そしてテイルホワイトは構えるとゴロゴロと迫りよるヘッジホッグギルディを睨みつける

 

 

ヘッジホッグギルディが直前に迫った瞬間、テイルホワイトはジャンプするとともに強烈な蹴りを繰り出す

 

 

「ぐおっ!?」

 

 

まさかの反撃により、ヘッジホッグギルディは木々を巻き込みながら吹き飛ばされた

 

 

「そ、それはフリイギルディの属性玉(エレメリアン・オーブ)の…力か!?」

 

 

テイルホワイトの反撃に体を引きずりながらヘッジホッグギルディが戻ってきた

 

 

「決める!」

 

 

「さっ、させるか!」

 

 

必殺技を繰り出そうと身構えたテイルホワイトに攻撃を仕掛けようとヘッジホッグギルディが構える

 

 

「ブレイクレリーズ・オーラピラー!」

 

 

「ぐおっ!?うっ、動けない!?」

 

 

しかし、テイルホワイトが放った光でヘッジホッグギルディは身動きが取れなくなる

 

 

「アトミックーーッ!シュゥゥゥゥト!!」

 

 

そしてテイルホワイトが前方にボール型のエネルギーを発生させ、オーバーヘッドキックの勢いでそれを蹴り飛ばした

 

 

「グォォォォォ!!……冥土のみあげをオーダーメイドォォォォォ!!!!!!!!!」

 

 

何やら痛々しい台詞の断末魔を上げながらヘッジホッグギルディは爆散し、消滅した

 

 

「やったな!」

 

 

「あっ、みんな」

 

 

「さすがねホワイト」

 

 

「見事でしたわ」

 

 

ヘッジホッグギルディを倒したテイルホワイトの元に戦闘員たちを倒したテイルレッドたちが駆け寄り

 

 

みんなが自分を褒め、それに照れくさそうな顔をするホワイトだった

 

 

そして戦いを終えた4人は変身を解くと

 

 

内、青と黄色のツインテールの戦士は女の子だったが、レッドとホワイトは変身を解いた瞬間、男の子へと姿を変えた

 

 

「えええぇぇぇ!!!??」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

その時、大きな声が聞こえ、びっくりした4人が向いた先には驚きのあまり口を開けているトゥアールがいた

 

 

「ちょっとどうしたのよトゥアール!?」

 

 

「まだエレメリアンの奴らが残ってたのか!?」

 

 

青い戦士だった女の子とテイルレッドだった男の子がトゥアールに声をかける

 

 

「みみみみ、みなさん大変です!!」

 

 

するとトゥアールは慌てた様子で4人の元に駆け寄ってきた

 

 

「どうしたのトゥアールさん?」

 

 

「どうしたもこうしたもないですよ!さっき助けた人が、人が!」

 

 

「先ほど助けた方がなんですの?」

 

 

トゥアールの慌てっぷりの理由が、理解できない4人だったが、次の瞬間、彼らも彼女と同じようになった

 

 

「あっ、あの…ちょっとよろしいですか?」

 

 

トゥアールの横から佐介が顔をだした

 

 

「「「「へっ?」」」」

 

 

それを見た瞬間、4人はとんでもないものを見たという顔をした

 

 

目の前に立っている佐介の顔がテイルホワイトだった少年とそっくりだったのだから

 

 

「さっ、佐利が2人!?」

 

 

「何よこれどうなってんのよ!?」

 

 

「な、なんということでしょう!?」

 

 

自分たちの仲間とそっくりな人物の出現に3人は驚き

 

 

テイルホワイトだった少年は驚きあまり言葉が出ない様子だった

 

 

そしてこの状況にデジャヴュを感じている佐介だった

 




はい、というわけで次の世界は「俺、ツインテールになります!」でした


果たしてこの世界ではどんなことになるやら?

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