豹姫との壮絶な戦いを繰り広げる飛鳥たちは
4人で力を合わせることで豹姫を追い込み、かなりのダメージを負わせることに成功する
飛鳥たちの力に押され、地面に倒れる豹姫は自分が今いかに劣勢なのかを噛み締めていた
このままでは負けてしまうという不安を豹姫が感じた瞬間、脳裏に浮かぶ亜騎羅の姿を見た
無言でこちらを見る亜騎羅にどこか安心感を思った豹姫は立ち上がり再び飛鳥たちと相対する
そして一転した様子で今まで侮辱していた飛鳥たちに敬意を称するとともに自身の持つ最大の技で葬ることを宣言する
彼女のその言葉に飛鳥たちが警戒を強める中、満を持して豹姫が大技を繰り出した
次の瞬間、世界は赤一色に染まるのだった
豹姫と飛鳥たちが戦いを繰り広げる中、佐介と光牙も爺やと対峙していた
「ふっ!!」
「はあっ!!」
「ホワッ!!」
双方ともに一歩も引かぬ駆け引きが続く
ボバアアァァァァァァァァァァァァァァン!!
「「「――っ!?」」」ビクッ
その直後、周囲を巻き込む程のものすごく衝撃波が発生した
「う、うわっ!?」
「ぐぅっ~!?」
「おおっ――!?」
佐介たちはその衝撃波に巻き込まれ、大きく吹き飛ばされた
「「「っ!!」」」ザザァァ!
なんとか体制を立て直し、地に着地するとともに衝撃波の飛んできた方に視線を向ける
発生した爆発による炎と煙があたりに広がっていた
「なんだ今の衝撃波は?」
「飛鳥ちゃんたちが戦っているほうから来ましたよね?」
いきなりの衝撃波に佐介たちは困惑する
「ふふふ、きっとお嬢様でございましょう」
「なにっ?」
「この威力、凄まじさ、お嬢様の技に違いありますまい。とすれば…ほほほほっ」
そんな2人に爺やがこの衝撃波の出所が豹姫の繰り出した技であることを告げる
「そんな…ということはもしかして!?」
「…焔、姉さん!?」
この衝撃波が豹姫の放ったものだと聞き、佐介と光牙は再び視線を衝撃波の飛んできた方にへと向けた
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!
「な、なんだこの揺れは?」
「上のほうから聞こえますね?」
「何が起こってるの?」
一方、船を保管している地下の船着き場にて紫苑たちと総メイド長との交戦が続いていたが
その最中に上のほうから大きな振動がしたことに皆の意識が行った
「…ふふふっ」ニヤッ
「何を笑っているんですか?」
「これは失礼いたしました。恐らくこの感じからしてお仲間様はやられているかと思いまして」
「「「っ!?」」
総メイド長の思わせぶりな発言に紫苑たちは絶句する
「な、何訳の分かんないこと言ってんのよ。そんなことあるはずないわ!」
「いったい何を根拠にそんなことをおっしゃるのですか!」
聞き捨てならないと両備と詠が総メイド長に食って掛かる
「この振動からして考えられるのは二つ、妖魔の繭に何かがあったか、お嬢様が大技を出したかのどちらかでしょう。いずれにせよそうであった場合はあなた方のお仲間様たちも無事でいられるはずはございませんでしょうからね」
それに対して総メイド長は自分が考えられるこの振動の原因についてを紫苑たちに説得する
「随分と勝手なことを言ってくれますね?早計すぎでは?」
「お嬢様が敗北したかもしれないとおっしゃるのですか?それこそとんだお笑い草でございます……お嬢様が負けるだなどと、そのようなことがあろうはずがございませんね」
主人である豹姫の敗北などこれっぽっちも信じていない絶対的な信頼により総メイド長は紫苑の問いに余裕そうに返す
「…雪泉、みんな…」
彼女のその発言によって逆に紫苑たちの脳裏には不安の2文字が過ぎる
「さて、であればわたくしもこれ以上手間取るわけにも参りません。一気に行かせていただきます。お覚悟を!」
豹姫が優勢であろうと考えたことで総メイド長の士気は一気に高まり、紫苑たちに再び攻撃を仕掛けるのだった
場面は戻り、佐介たちと爺やとの戦闘へ
「ホワァチョ!」
「ぐぅ!?」
爺やの攻撃に佐介がのけぞる
「まだまだ行きますぞ、ホイヤァァァァァ!!」
「ううっ!?」
隙を逃さずさらなる猛追をかましてくる爺やに佐介は防戦一方を余儀なくされていた
「そろそろ諦めなされ!先の衝撃からしてあなたたちのお仲間は今頃お嬢様の足元に崩れ落ちているでしょう!あなた方に勝ち目などないのですよ!」
「そ、そんな!?」
先の出来事から豹姫が勝利したであろうと思っている爺やは佐介たちに揺さぶりをかける
一方の佐介も強気な爺やの話しを聞かされ、動揺を隠せずにいた
「(まずいな、完全に押され始めている。なんとかしなければ!?)」
現状を見ても今の状況は芳しいものではなかった
「…ん?」
しかしそんな最中、光牙がふとあるものを視界に捉える
「…ふっ」
すると先ほどまでの動揺が嘘のように光牙が安堵の笑みをこぼす
「おい爺さん、思い込んでいるところ悪いが、今の話しはどうやらあんたの早とちりみたいだぜ?」
「っ!?」ザザァァ!
次の瞬間、爺やが佐介に突き出した拳を寸止めで止める
「ん?なんですと?」
「ど、どう言うことですか光牙くん?」
突然の光牙の発言に爺やのみならず佐介も驚いた様子を見せる
「根拠ならあるぞ…あれを見てみろ」
そう言うと光牙は視線を逸らすと佐介と爺やも釣られて視線を向ける
3人が向けた先には妖魔の繭がある
「あれが一体何の根拠になると?」
根拠として挙げたのが妖魔の繭だと知り、爺やは光牙の言っていたことの真意がわからない様子だった
「まだわからないのか?今までこの腕輪をつけてつけている者がやられた場合、あの妖魔の繭にエネルギーを吸われる。そしてエネルギーを吸った繭には何かしらのアクションが起こっていた。しかし今あの繭には何の変化も怒っていない、これがどう言う意味かわかるだろう?」
「―――っ!?」
そこまで光牙が言うと爺やは彼が言いたいことを理解した様子で動揺しだす
妖魔の繭に変化がない、それはすなわち飛鳥たちがやられていないことを示唆する内容だということに
「残念ながらまだ勝敗は分からないな?」
光牙は困惑する爺やに対して皮肉交じりに語り掛ける
「…っ、ホワチョオォォォォ!!」
「ぐぅ!?」
しかし数秒の沈黙の後、再び爺やが佐介に攻撃を仕掛けてきた
「だから何だというのです!お嬢様が勝つことに揺るぎはないのです!故に私はあなたたちを倒すだけです!」
先の光牙の発言に反論を述べながら爺やは佐介に欧州をかけていく
「お嬢様のために散ってください!お客人!ホワァァァァァ!!」
「うぅっ!?」
襲いくる拳打の嵐に佐介は苦戦は必死だった
「はあっ!!」
「ぬぅっ!?」
しかしその直後に光牙の横やりが入り、爺やは後ろに後退する
「勝つか負けるかはまだわかっちゃいない。あいつらを舐めるな、お前らの姫様が如何に強かろうと…あいつらがそう簡単にやられたりはしない」
「…えぇ、そうですね!」
「ほざきなさい!!」
飛鳥たちを信頼しているからこそ光牙はそう言い放ち、佐介もそれに賛同する
対する爺やも譲れない思いを抱きながら佐介たちに再び突っ込むのだった