その襲撃により唯一無傷だった光牙が3人の代わりに差しで亜騎羅と戦いに望む
強敵亜騎羅を打破するため、己の限界を超えた力で一撃を食らわせた光牙だったが、それでもあと一歩及ばず
反動によって亜騎羅から反撃の一撃が繰り出されかけたその時、復活した佐介たちが光牙を守るために駆け付け
引き継ぐ形で3人が戦闘を開始する
しかし手負いでも亜騎羅は手ごわく、不利な状況をもろともせず、挑む佐介と相馬を蹴散らしてしまう
負けじと応戦をする紫苑だったが、亜騎羅が繰り出した一撃を受け、地に叩きつけられてしまう
紫苑を仕留めようと追撃を放つ亜騎羅だったが、間一髪で佐介がそれを救い、彼と対峙するのだった
亜騎羅にやられる紫苑を寸前のところをどうにか助けることに成功した佐介は
そのまま亜騎羅との睨み合いに発展していた
「―――ッツ!」
「……っ!」
佐介を捉える亜騎羅の目には怒りが感じ取れる
一度ならず二度も仕留めるあと一歩のところを邪魔され、亜騎羅はご立腹な様子だった
「すぅ~…ふぅ~……――っ!」
集中しつつ、一度大きく深呼吸をすると佐介は身構える
「っ、はあ――っ!!」
「――ッツ!!」
刹那、佐介が勢いよく駆け出し、亜騎羅に向かっていく
対する亜騎羅が佐介に向かって拳を突き出した
「ふっ!!」
「――ッツ!?」
飛んでくる拳を佐介は寸前で回避すると亜騎羅の背後を取る
「てい!やぁっ!!」
すかさず佐介は亜騎羅に対し左1発、右2発の蹴りを入れる
「――ッツ!!」ブォン!
「ぐぅっ――!?」
だがそんなものは効かんというかのように平然とした様子の亜騎羅が振り返り座間のバックハンドナックルを繰り出す
咄嗟にガードするもその威力に押され、大きく壁際のほうに吹き飛ばされる
「うぅっ――っ!?」ビリッ
攻撃を防いだものの、佐介は両手に生じる痛みと痺れに苦悶の表情を浮かべる
「―――ッツ!!」
「っ!?」
しかしそんな猶予を与える亜騎羅ではなく、すぐにも追撃の一手を繰り出してきた
間一髪で亜騎羅の拳が佐介の頬を掠めた
ドゴォォォォオオオオオオン!!
佐介の頬を掠った亜騎羅の拳がその後ろにある壁を粉々に粉砕し、大穴を開けてしまった
これを見て佐介は自分が食らっていたらという想像をするだけで肝が冷っとした
「ふぁっ!!」
追撃を警戒して佐介は迅速に飛び込みからのでんぐり返しで亜騎羅から距離を取る
「――ッツ!!」バッ
逃がすものかというかのように亜騎羅が佐介に詰め寄る
「……――っ」
亜騎羅が迫ってきているにも関わらず佐介は跪いたまま動こうとしない
突き出された亜騎羅の拳が佐介に迫り来る
その時だった
「獣波拳!!」
ガォォォォオオオオオオ!!!
「~~~――ッッッツ!?!?」
佐介が亜騎羅の拳が振るわれるよりも先にこの時のために準備をしていたカウンターの獣波拳を繰り出した
さしもの亜騎羅も不意を突かれたことと獣波拳の勢いも相まって床を大きく抉りながら後ろに吹き飛ばされる
「……―――ッツ!」
「そ、そんな…至近距離から撃ったのに倒れないなんて!?」
カウンターを狙ってかなり高火力の出力で放った獣波だったが、亜騎羅の鋼のような肉体には致命傷を負わせるほどには至らなかった
ありったけを耐えられてしまったことに佐介の精神が乱れを生じようとしていた
「交代だ。どいてろ佐介!!」
「――っ!?」
シュンバッ!!
するとその直後、背後から砲弾の如き速度で突っ込む影が
「うおおおおっ!!」
「相馬くん!!」
飛んできた影の正体は相馬であり、デュアルガンフレードを構えながら亜騎羅めがけて飛んでいく
「食らえ、どりゃぁぁぁぁぁ!!」
「――ッツ!!」
ガキィィィィィイイイイイン!!
間合いに入ると同時に相馬の繰り出した刃と亜騎羅の剛腕がぶつかり合い、鍔迫り合いを演じる
「ぎににににににぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」グヌヌ
「~~――ッツ!!」グググ
剛腕を叩き斬ってやると言わんばかりに力いっぱいに相馬が追い込みをかける
しかしそれとは裏腹に亜騎羅の剛腕は相馬の攻撃を今も尚、耐え続けていた
「こん、のぉぉぉぉぉ!!」
「…ッツ―――ッツ!!」
バキイィィィン!!
「なっ、こいつ!?」
相馬の奮闘も空しく亜騎羅が力に任せて鍔迫り合いを強制的に解除させてしまう
「――ッツツ!!」
直後、動きがぐらついた相馬に対して亜騎羅が剛腕を繰り出そうとする
「(まずい!!)」
ブォオオオオ!!
「――ッツ!?」
これに対し相馬は亜騎羅の拳が繰り出される直前にスラスターを噴射させる
スラスターの噴射によって亜騎羅が攻撃を中断させられ、動きも封じられる
その隙に相馬は距離をとるべく亜騎羅から離れた位置に降り立つ
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
ここまでの乱戦を演じたことにより相馬のスタミナはかなり消耗しつつあった
<『ソウ、大丈夫か?』>
するとそんな相馬に半身である蒼馬が語り掛けてきた
「(いやもうダメ、もう限界寸前だよ~)」アセアセ
その質問に対して相馬がそう答える
<『そうか、減らず口が言えるならまだ行けるな』>
「(あの、人の話聞いてますかあんた?)」
どこをどう聞いたらそんな言葉が帰ってくるんだとジド目になりながら蒼馬に対して言い放つ
<『仕方ないだろう、どの道奴を倒さねば俺たちは終わりだ』>
「(わかってはいるけどよ、あいつを倒すなんて簡単な話しじゃないのはお前だって分かってんだろ?)」
ここまで来ても未だ暴れ回る恐ろしいタフネスモンスターにどう対処するのかと相馬は投げやりな感じで言い放つ
<『あぁ、確かにな。このままではじり貧なのは確実。故にここは勝負に出るぞ』>
「(勝負に出るってどうするつもりだ?)」
<『その答えは簡単だ。奴の胸に付いてるあれを狙う』>
「(あれって…もしかしてあれか!?)」
蒼馬の言う言葉に一瞬きょとんとするもすぐに彼の言う言葉の意味を察した
亜騎羅の胸にはもう一つの心臓とでもいうような格が存在する
いかに亜騎羅が異様なタフネスを持っていようともあの生身に見える脈動する部位に攻撃を当てれば相当なダメージを与えられるかもしれないと考えたのだ
「(でもどうしてそんなことを?)」
<「光牙が必要に狙っていたとはあれが奴の弱点であるという証拠に違いない」>
先の戦いの中、佐介がやられた際に相馬は亜騎羅によって湖に落とされてしまったためその後の出来事に関しては知らないが
見るからに怪しげな部位であることや光牙が隙を突いた際に重点的にあそこを狙ったことからも
あの心臓らしきものが亜騎羅の弱点であると十分に想像できる
<『あの部位にダメージを与えられれば恐らく奴を倒せるかもしれん。それでいいなソウ?』>
「(あ~、くっそ。しょーがねぇな!他に方法もなさそうだしな、しゃあ!やっちゃる!)」
正直めちゃくちゃリスク高すぎると思いつつもここで逃げる訳にもいかないと相馬は腹を括る
<『よし…やるぞソウ!』>
「おう!」
こうして相馬はと蒼馬もまた勝負に出るのだった