道元を追ってラノベースを通って異次元を行き来する佐介
2つ目に訪れた異世界でまたも自分とそっくりな少年「観束 佐利」と出会い
その仲間であるツインテイルズと知り合うこととなった
佐介はサイトの時と同じく佐利やその兄の「観束 総二」たちに佐利が狙われてる事を伝える
そこに噂をすればと言わんばかり道元が現れ、佐介たちを攻撃してきた
奮闘するも結果は道元に佐利の血を手にさせるという形になってしまった
しかし、テイルイエローこと「神堂 慧理那」を狙ったがためにそれを阻止せんとする佐利と佐介の連携によりそれを阻止に成功する
そして道元は装置を起動し、ゲートをくぐり別次元に行くのを見るや否や、佐介は佐利たちに別れを告げて道元を追うべく再びラノベースへと飛んでいくのだった
「道元の手には既に僕やサイトくんに佐利くんのDNAが…でもやっぱりわからない、どうして道元は僕たちの血を狙うんだろう?」
謎が謎を呼ぶ
「でも僕が今すべきは次なる世界でその世界の僕に危険を知らせ、道元を倒すことです!」
佐介はすべきことを確認する
その時、向こうからピカンと光が見えてきた
「いよいよか。今度はどんな世界なんだろう?」
光に包まれながら佐介は次なる世界のことを想像するのだった
「………っ、ここは?」
光が晴れて視界が回復して、佐介は目を開くとそこはどこかの学園の庭のような場所で、自分はその庭にそびえ立つ木の下の長椅子に横たわっていた
そして周りには生徒らしき人達が楽しくおしゃべりをしていた
「なんか、サイトくんのとこのリトルガーデンに似たり寄ったりな場所ですね?」
周りの風景を眺めながら佐介はそう呟く
「あれっ、佐織くん?」
「ふぇっ?」
突然、横から女性らしき声が聞こえ、その声は明らかに自分に向けられていた
佐介は恐る恐る声のする方を向くと、そこには白をベースにし、緑色の上着を着用している眼鏡をかけたやたらグラマラスな少女がお弁当箱らしきものを手に持っていた
そして少女はゆっくりと佐介の隣に腰掛ける
「今日は達也さんたちと生徒会のお仕事って言ってたけど、早く終わったんだね」
佐介に語りかけながらお弁当の入っている袋を開け、蓋をぱかっと開くと、そこには綺麗に詰め込まれたご飯やおかずが並んでいた
「っ!?」グゥ~
それを見た瞬間、佐介のお腹が鳴った
考えてみれば異世界を渡り、道元を追い続けてきたため
ここに来るまで何も食べてなかったので佐介の腹は空腹を感じていた
「…あれっ?佐織くん。お弁当はどうしたの?」
「あっ、いえ、その…持ってなくて」
佐介はおもわず答えてしまった
「そうなんだ………あの、佐織くん。よかったら……私のお弁当、分けてあげようか///?」
「っ!?」
それは願ってもないことだった
そそっと少女は自分のお弁当を佐介に差し出さした
まさに地獄に畑のような気持ちになる佐介だったが、同時に罪悪感も起きてしまう
「ほっ、本当にいいんですか?」
「うん……佐織くんにはいつもお世話になってるから///」
恥ずかしそうにそう呟く少女だったが、当の佐介はというととてつもなく頭を悩ませていた
「(おっ、美味しそう…いやいやいや落ち着いて僕!この人は恐らく僕をこの世界の僕と勘違いしてこんなことをしてるに違いない!そんな人に嘘偽ってまでお弁当を食べていいわけがないじゃないか!?…あぁもう!お腹さん。音を鳴らさないで!食べたくなるから!……僕はどうしたらいいんだぁぁぁぁ!!!)」
自分の頭の中で自問自答の苦しみを佐介は味わっていた
そんな時だった
「あれ?佐織に美月じゃねぇか?」
「あっ、本当だ!おーい!」
「っ!?」
「あっ、エリカちゃん。みんな」
2人のもとに男女3人ほどの生徒が自分たちの方に来た
「おやおや〜お2人ともアツアツですな〜♪」
「そそそ、そんなんじゃないよ///っ!?ただ佐織くんがお弁当を忘れたって言ってたから分けてあげようと思っただけだよ///!」
「照れなくていいって〜わかってるから♪」
「もっもうみんなったら!」
からかわれて慌てふためく美月を見て可愛いものを見るような目で見るエリカたちだった
「そういえば佐織、今日は達也と風紀委員の仕事に出てたんじゃ?」
「早く終わったみたいなの」
3人のうちの右目の目尻にホクロがある男性が佐介、と言うより佐介に似てる人と思い込みながらここにいることに疑問を抱き
美月がフォローを入れた
「ところでさ〜美月〜?」
「っ?なに、エリカちゃん?」
ふとエリカが美月に寄りかかりながら声をかける
「よかったね〜、思い通りにことが運んでさ」
「えっ?な、なんのこと?」
「とぼけなくてもいいって、自分で食べるように見せかけて実は佐織に食べてもらえるよう作ってたの私見てたんだ」
「っ////!?」
エリカの突然の言葉に美月は噴火した火山のように顔から煙を吹き出し、顔を真っ赤にする
「ちちちちちちちち、違うの!!これはただ純粋にぃ!?」
「あはは、本当美月ってば可愛いんだから」
「まったくだ」
「確かに」
美月の反応を見ていた3人はケラケラと笑っていた
「何ですかこの騒ぎは?」
するとそこに男女二人組の人物が現れた
「おっ、達也!ちょうどいいとこに来たな〜!」
「なにがだ?」
「見てよ見てよ、佐織と美月がいい関係になってるんだからさ〜♪」
エリカが二人をはぐらかすような言い方で達也たちにそう告げるも達也と少女は微妙な反応だった
「ちょっとなによその反応〜?弟が幸せそうだってのに嬉しくないの?」
二人の反応につまらなそうな顔を浮かべる面々
「あっ、あのみなさん?なにをおっしゃっていらっしゃるのですか?」
「なにって佐織と美月が「僕ならここにいるけど?」…えっ?」
ふと2人の後ろからもう1人の人物が現れた
そしてその人物の登場にあたりがしーんと静まり返る
その刹那
「「「「ええぇぇぇぇぇぇぇ!!!??」」」」
さっきの沈黙が嘘と思えるほど騒がしい声が響き渡る
「全く、急に騒いでなんです……か?」
騒ぎたてるエリカたちに呆れ気味に少女はつぶやいていたが、少女が次に見たものに驚きを隠せないほどの反応を示す
「どうした深雪?」
「姉さま?」
「お兄さま、佐織、あれを…っ!」
少女、深雪が指差す先を見た達也と佐織もまた驚きの顔を浮かべた
その先にいたのはもちろん
「あはは…」
佐介がいたのだから
「えぇぇ!?ぼ、僕がもう1人!?」
「……どうなっているんだ?」
「いや、俺らもさっぱりだよ」
自分と同じ顔の人を目の当たりにしたこの世界の佐介のそっくりさんや他の面々もあまりの衝撃に言葉も出ないほどだった
そして佐介もまた驚きすら起きなくなってきた自分になれって怖いなと内心つぶやいたのだった
はい、今回は「魔法科高校の劣等生」です
この世界ではどんなことが起きるのか?次回もお楽しみに