閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

521 / 811
亜騎羅との壮絶な戦いはまさに雌雄を決するぶつかり合いを演じる


異形なる姿へと変貌を遂げた亜騎羅の強さは強化形態の佐介たちを追い詰めるほどだった


そんな彼を止めるべく、光牙、紫苑が順に応戦をするもあと一歩及ばず転身解除まで追いやられてしまう


2人が次々とやられてしまい、残った佐介と相馬は2人のためにも奮闘する


苦しい激戦の中、相馬と蒼馬が先に光牙が試みた胸の核への攻撃を試みる


相馬の振るう二対の武器と亜騎羅の剛腕の攻防が繰り広げられ、一瞬危ない場面に出くわすも


このピンチを佐介がアシストにより救った


佐介によって動きを封じこまれた亜騎羅に相馬と蒼馬の全力の一撃が決まる


核へのダメージを負った亜騎羅はその場に膝から崩れ落ち、動かなくなった


動かなくなった亜騎羅を目にした佐介たちは勝利を確信するのだった



沈黙する悪魔、豹姫の叫び 

 

時は光牙と紫苑が亜騎羅に倒され、佐介と相馬だけになってしまった時に遡る

 

 

飛鳥たちは2人の戦いをざわついた心で眺めていた

 

 

「2人とも…頑張ってっ!」

 

 

「佐介、相馬!負けるなよ負けたら承知しないぞ―っ!」

 

 

「紫苑や光牙さんの思いを無駄にしないでくださいっ!」

 

 

「頼んだぞ、お前らの背には私たちの思いが乗っかているんだっ!」

 

 

戦う2人に対し、皆が声援を送る

 

 

それに好悪してか佐介たちが奮起し、亜騎羅に果敢に挑んでいった

 

 

最中、相馬が力を高め、亜騎羅に襲い掛かる

 

 

佐介もサポートし、それによって相馬の攻撃が亜騎羅の核に炸裂し、凄まじい衝撃波を発生させた

 

 

やがてその衝撃波が収まりを見せた頃、飛鳥たちはようやく瓦礫の陰から顔を覗かせてみる

 

 

「「「「――っ!?」」」」

 

 

覗き込んだ先を見て飛鳥たちは驚きに包まれる

 

 

これまでに加え先の相馬の技によってあれだけ立派だった玉座の間はもはや見る影もなく

 

 

天上は影も形もなく、曇り切った空が一面に広がるだけとなり

 

 

辺りには崩れ落ちた瓦礫などが散乱している始末

 

 

「こりゃまた派手にやりやがったなっ?」

 

 

「壮絶だな…っ?」

 

 

惨状を間に辺りにした飛鳥たちは言葉が出ないといった思いだった

 

 

「あっ、みんなあそこ見て!」

 

 

「「「――っ?」」」

 

 

飛鳥たちが視界に捉えるのは疲れたようにその場にへたり込んでいる相馬とそんな彼と話し込んでいる佐介の姿があった

 

 

「佐介くんと相馬くんだよっ!」

 

 

「あぁ、確かに!」

 

 

2人を目にした飛鳥たちはその様子を見て安堵の表情を浮かべる

 

 

「それに見ろあそこをっ!」

 

 

「「「――っ?」」」

 

 

さらに雅緋が指さす方を見ると彼らの反対側には膝から崩れ落ちてうなだれたまま動かない亜騎羅の姿があった

 

 

「奴が…倒れてる?」

 

 

「ていうことはもしかして…」

 

 

「あぁ、ついにやったんだ。奴を倒したんだっ!」

 

 

倒れていることと佐介と相馬の様子から見て亜騎羅を倒したのだと皆が喜びの声をあげる

 

 

「――っ?」キョロキョロ

 

 

しかし雪泉は未だソワソワしていた

 

 

「どうしたの雪泉ちゃん?」

 

 

彼女の様子に気づいた飛鳥が声をかける

 

 

「あっ、いえ…紫苑は、紫苑はどこにいるのでしょうか?」

 

 

「「「っ!」」」

 

 

その言葉を聞いて飛鳥たちはハッとなる

 

 

「そうだ。言われてみれば光牙もいないぞっ?」

 

 

「なんだと、光牙、光牙――っ!?」

 

 

「紫苑、どこですか返事をしてください――っ!?」

 

 

姿が見えない2人のことが気掛かりな雪泉たちはあちこちを見回す

 

 

 

ガタッ…ガタタ――

 

 

 

「あっ、みんなあれを見てっ!」

 

 

「「「――っ?」」」

 

 

最中、瓦礫の山の一つがもぞもぞと震えだし始めていることに飛鳥たちは気づいた

 

 

 

ガタタァァン!

 

 

 

「「ぷは――っ!?」」

 

 

「「「「――っ!?」」」」

 

 

するとその直後、瓦礫の山鹿崩れだし、中から出てくる人影が見える

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…た、助かった…」

 

 

「えぇ、割と危うかったですけどね――っ」

 

 

「あぁ、お前が俺の元に来て力を使ってくれなかったら正直やばかった」

 

 

瓦礫の中から生還した紫苑と光牙が安堵したように一息付いた

 

 

「「光牙――っ!」」

 

 

「紫苑――っ!」

 

 

「「っ?」」

 

 

その時、自分たちを呼ぶ声に気づいた光牙と紫苑が視線を向けるとそこにはこちらに駆け寄ってくる焔、雪泉、雅緋の姿があった

 

 

「紫苑、大丈夫ですか!?」

 

 

「うわっ――雪泉!?…うん。なんとかね」

 

 

勢いよく抱き着いてきた雪泉に紫苑はビックリしつつも自分を心配してくれた彼女の頭を優しく撫でた

 

 

「光牙、無事か――っ!?」

 

 

「どこか痛むところはないか――っ!?」

 

 

「落ち着け2人とも、俺のことなら心配するな、特にこれと言って問題はない」

 

 

光牙のほうも光牙のほうで2人を宥めるのに必死だった

 

 

雪泉たちが光牙たちが無事であることを嬉しんでいるのを飛鳥は笑みを浮かべながら眺めていた

 

 

「…さてと、じゃあ私も佐介くんの元に行こうかな」

 

 

ある程度様子を見た飛鳥も雪泉たちと同じように佐介の元へと向かおうとするのだった

 

 

 

一方その頃、別の場所では……

 

 

 

ガタタァァン!

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…た、助かった」

 

 

忍陣営が勝利の余韻に浸っている中、ひっそりと瓦礫の中から豹姫が自力で脱出を果たした

 

 

「…――っ!?」

 

 

彼女の視界に映ったのはもう場の限界もない玉座の間の有正

 

 

「あ、あいつらよくも私の城を!」

 

 

所持するものを壊されたことに豹姫は怒りを露わにするが、不意に視線を別の方に向ける

 

 

「――っ!?」

 

 

次の瞬間、散々湧き上がっていた怒りが消えてしまうほどのものが豹姫の視界に映った

 

 

「……ア、アキ?」

 

 

豹姫が見たのは膝から崩れ落ち、項垂れたまま微動だにしない亜騎羅の姿だった

 

 

「嘘…そんな、嘘でしょ?」

 

 

目の前に映るものにまったく現実感を見出せない豹姫は絶句する

 

 

「アキが…やられたなんて…」

 

 

信じたくないという気持ちはあれど視線の先にいる亜騎羅は崩れ落ちたまま動かない

 

 

「……いや、そんなわけない、アキがあんな奴にやられるなんてあるわけない!」

 

 

しかし豹姫は沈黙する亜騎羅を目にしつつもその事実を強く否定する

 

 

そして先ほどまで悲しんでいた顔を険しいものに変え、再び亜騎羅のほうを向く

 

 

「何やってるのアキィィィィィィィィィィィィ!!」

 

 

豹姫は大きな声で叫んだ

 

 

彼女の声を聞いた忍たちが何事かとざわめきだす

 

 

最中、その豹姫の声が沈黙する亜騎羅の耳に届く

 

 

 

 

ドックン……

 

 

 

 

刹那、豹姫の声に好悪するかのように亜騎羅の中で鼓動が起こる、

 

〈『キ…ア………キ……』〉

 

 

「(…聞こ…える。こえが…)」

 

 

薄れる意識の中、自分を呼ぶ声に亜騎羅の意識が反応する

 

 

「(これは……姫の声だ)」

 

 

呼びかける声の主に亜騎羅はすぐに気づいた

 

 

これは豹姫の声だと

 

 

「(この感じ…姫、悲しんでる?…怒ってる?)」

 

 

聞き耳を立ててみると自分を呼ぶ豹姫の声は悲しみとも怒りともとれるような感じの声だった

 

 

「(…姫、泣かないで、怒らならいで……俺はまだやれる。俺はまだこんなところで止まらないよ……だから、だから……)」

 

 

<『何やってるのよアキィィィィィィィィィィィィ!!』>

 

 

「(――っ!!)」キュピン

 

 

 

 

ゴオオオオオオォォォォォォォォ!!!

 

 

 

「「「「「「「っ!?」」」」」」」

 

 

次の瞬間、凄まじいエネルギーの波が場に広がっていく

 

 

皆が震撼する中、その波を起こしているのは倒されたと思っていた亜騎羅だった

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。