戦力は半分にまで追い込まれてしまう
そんな絶望的な状況下にも関わらず、佐介と相馬は諦めずに奮闘する
苦しいながらも佐介が動きを封じ、そこに相馬が大技を繰り出すことにより亜騎羅に大ダメージを与える
この攻撃によって亜騎羅は沈黙し、動かなくなった
佐介と相馬、そしてこの戦いを見ていた仲間たちはついに勝利したのだと気持ちを高まらせた
最中、遅れて状況を目にした豹姫が佐介たちの前に崩れ落ち、沈黙する亜騎羅をとらえる
信じられない光景を前に豹姫は悲しみと怒りを孕んだ声で亜騎羅の名を叫んだ
その時、亜騎羅から凄まじい力の波が発生し、それを見た一同は困惑するのだった
佐介たちが亜騎羅を倒したと勝利の余韻に浸っている時のことだった
「何やってるのアキィィィィィィィィィィィィ――っ!!」
突如、そこに豹姫の叫ぶ声が聞こえてきた
「うぉっ、なんだなんだ――っ!?」
「落ち着け、奴がただ叫んでいるだけだ。まぁ、そうしたところで何がどうしたという話しだがな」
豹姫の声に一瞬びくつく一同ではあったが既に亜騎羅が倒れているが故に特に気にすることはないと考えていた
この後に起こる事態も想像せず
「……――っ!?」ピクッ
「どうしたんだ光牙?」
急に険しい表情を浮かべたことに焔たちがきょとんとしていたその時だった
ギュォオオオオオオオ!!!
「「「「「――っ!?」」」」」
突如として溢れ出る禍々しい気流に一同は困惑する
気の発生源、それは倒れたと思っていた亜騎羅からだった
「こ、この重々しい気は――っまさか!?」
「おいおいおい、冗談じゃねぇぞ――っ!?」
佐介と相馬がその気圧にたじろぐとともに最悪のシナリオが頭を過ぎる
そしてその最悪が現実となる
「ーーーツ、ッッッツツツ――!!!」
沈黙していた亜騎羅が再び立ち上がり出したのだ
これには佐介たちのみならず全員が絶句する
「(そう、そうよ……あなたはこんなところで終わらない、あなたが私を終わらせないように私もあなたを終わらせたりなんかしない。ねぇ、そうでしょ…アキ?)」
一方、そんな彼らとは真逆に息を吹き返す亜騎羅を目にし、豹姫は堪えきれず嬉し涙を流す
「―――っ!!」
彼女の思いに好悪するかのように立ち上がった亜騎羅がその眼光を佐介と相馬に向ける
「「――っ!?」」
亜騎羅の眼力に佐介と相馬は怯んで身動きが取れなくなっていた
「――っっっつ!!」
ドドドドドドドドド!!
動けない佐介と相馬に向かって亜騎羅がダッシュする
「こ…こん畜生がぁぁぁぁぁぁ!!」
「相馬くん!?」
迫りくる亜騎羅を前にどうにか自身を振るい立たせた相馬が止めようとする佐介の静止を無視して応戦する
徐々に両者共に間合いに入る
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
先手必勝と相馬が仕掛けた
「っっつ!!」シュン!
「なにっ!?」
しかし亜騎羅がその攻撃を寸前でかわす
「っつ!!」ブォン!
「ふごっ!?」
次の瞬間、亜騎羅によるカウンターの拳が相馬の顔面に直撃する
押し込まれる拳によって相馬の顔がどんどんと陥没していく
「っっっっつ!!」
ドゴォォォン!!
「がはぁっ!?」
「相馬くん!?」
亜騎羅が殴りつけつつ相馬を勢いよく下に叩きつける
後頭部からモロに激突し、さらには重心をかけられた圧力によって相馬は大ダメージを受ける
「ぐっ…ゲホッゲホッ」」
なんとか体勢を立て直すべく相馬は痛みに震える体に鞭打って起きあがろうとする
「危ない、相馬くん逃げてください!」
「っ?」
するとその時、佐介が慌てた様子で相馬に向かって叫んだ
何事かと疑問を相馬が抱いていた次の瞬間
ズシィィィイイイイン!!
「ぐふっ!?」
相馬は背中に強烈な痛みとそれに加えて勢いよく地べたに押しつぶされた
「―――っ!?」
痛みに悶えながら相馬は恐る恐る振り返るとそこには自分を踏みつぶそうと背中に足をかけている亜騎羅がいた
「―――っつ!!」
ドスゥゥゥゥゥゥゥン!
「がうっ!?」
一度では終わらない、亜騎羅は相馬の背中にもう一発、さらにもう一発と踏み潰しを敢行する
何度も何度も襲ってくる重圧によって相馬はどんどんとダメージを負っていく
「や、やめなさい!」
黙らず佐介が相馬を助けようと飛び出す
「はぁっ!」
佐介が跳躍による勢いをつけた正拳突きを繰り出す
「ーーっ!」
その一撃が亜騎羅の顔面にヒットする
「…………っ」ギロリ
「っ!?」
しかし攻撃は当たってもそれで亜騎羅をどうにかできたわけではなかった
拳を顔面に食らいながらも亜騎羅はまるで動かざる山の如く微動だにしていなかった
「そ、そんな!?」
「っ!」パシッ
攻撃がまるで効いてない様子を目にし、佐介は動揺を隠せなかった
するとその隙に亜騎羅が佐介の手を払いのける
「しまっ!?」
「――――っつ!!」ブォン
「ぐほっ!?」
刹那、亜騎羅が佐介の首根に強烈なラリアットを繰り出す
「――っ~~~!!」
バシュゥゥゥゥゥゥン!!
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
亜騎羅の繰り出したラリアットの威力の凄まじいこと
勢いのままに亜騎羅が佐介を後方へと吹き飛ばす
ドドォォォォォン!!
後方へと飛ばされた佐介は半壊した壁の一部に体を勢いよくぶつけられ、そのまま地面に倒れてしまった
「さ、佐介くん!?」
その様子を見て飛鳥が思わず声をあげる
「ぐぅ…佐介……こんにゃろうめが!」
佐介が倒れる様子を見て相馬が敵討ちと言わんばかりにシノヴァイザーを銃モードに変え、その銃口を亜騎羅に向かって突きつける
直後、相馬が自身に銃口を向けているのに亜騎羅が気づく
「食らえ!!」
パシュシュシュ!!
「―――っ!!?」
シノヴァイザーから光弾が乱射され、それが亜騎羅に襲い掛かる
着弾による爆発と煙によって亜騎羅の顔は隠れて見えなくなっていく
だがそれでも相馬はシノヴァイザーの乱射をやめようとはしなかった
そうしてしばらく撃ち続けた後、ようやく相馬は乱射をやめた
乱射の影響からか胸部から上部分が煙で見えないまま数秒が経過した時だった
立ち込める煙の中にギロッと光る眼光が浮かび上がる
「―――っ!」フワッ!
「っ!?」
煙の中から現れた亜騎羅は多少黒焦げが見えるものの、これといったダメージを受けている様子はなかった
「っつ!!」ガシッ!
「がっ!?」
絶句する相馬に対し、亜騎羅は手を突き出して彼の首を鷲掴みにする
苦しみ藻掻いている相馬を強引に浮かび上がらせる
「こ、このっ!離せ!!?」
相馬は自身を鷲掴みしている腕やボディに蹴りを入れて必死に抵抗をするもそれでも亜騎羅はもろともしなかった
「っ……!」
抵抗をする相馬を他所に亜騎羅は拳を握りしめる
今にもその剛腕からの拳を突き出そうと狙いを定める
そして次の瞬間、亜騎羅は首を掴んでいた手を離し、今にも相馬に拳を振るおうとしていた
「―――っ!!」ブォン!
「~~っ!?」スッ
ドゴォォォォオオオオオオン!!
「「「「っ!?」」」」
次の瞬間、ものすごい轟音が轟き、一同はその音に戦慄するのだった