閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第二十章 目標達成

佐介は佐利たちに別れを告げ、再びラノベースを流れていた

 

 

今度こそ道元の野望を打ち砕かんと意気込む佐介

 

 

そうこうしているうちに出口が見え、光が彼を包みこみ

 

 

目を見開き、次なる世界へと佐介は辿り着いたことを確信する

 

 

そして佐介が見た次の光景は風に揺られる木だった

 

 

ベンチに横になっていた佐介が起き上がったまさにそのタイミングで眼鏡をかけたやたら巨乳な女子学生が話しかけたり

 

 

お腹の音が鳴った自分に自らの弁当を差し出してきたりしてきた

 

 

さらに困惑する佐介と女の子の元に彼女の同級生らしき男と女の3人組が現れ

 

 

自分たちのことを冷やかし

 

 

そしてまたさらに佐介たちの元に2人の兄と妹の兄妹が寄って来た

 

 

ところが、その2人にはもう1人連れがいて

 

 

案の定その人物はこの世界の自分にそっくりな少年だった

 

 

こうしてまたなんとも言えぬタイミングで顔を鉢合わせる佐介と少年たちであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どっ、どういうことなの?佐織くんが2人も?」

 

 

「何がどうなってんのよ!?」

 

 

「知るか!俺に聞くなよ!?」

 

 

「みみみみみみんな!おおお落ち着いて!?」

 

 

信じられない光景に目を疑い、困惑する美月たちと

 

 

その中で一番動揺気味な男子生徒に対してこの場にいた全員が

 

 

「お前がおちつけ」と内心思っていた

 

 

「僕と…同じ顔?」

 

 

慌てふためく皆をよそにこの世界の佐介であろう佐織は

 

 

佐介の顔を見た瞬間、ありえないものを見たというほど驚いていた

 

 

「お兄さま、これはいったいどういうことなのでしょう?」

 

 

「おそらくは他人に成りすますことのできる古式魔法の一種だと思われるな」

 

 

「なるほど、それにしても、お前は大変な罪を犯しました。よりにもよって私たちの最愛の弟に成りすますなどと…万死に値します!」

 

 

佐織の姉と名乗る少女が怒りの表情を浮かべた瞬間、彼女の周囲の気圧が一気に低下していく

 

 

「ねっ、姉さま!?姉さま落ち着いてください!」

 

 

しかし、佐織の制止も聞かず、彼女が歩くたびに足元がどんどんと凍っていく

 

 

「ちょ!?ちょちょちょちょ!待ってください!僕は怪しいものではありませんっ!」

 

 

そう言うと佐介は持っている物を足元に置いてゆっくり後ろに下がる

 

 

「何の真似ですか?そんなことをしたところでなにも変わらn「待て深雪」お兄さま?」

 

 

敵意がないことをアピールした佐介だったが

 

 

少女、深雪はなおも佐介に迫りよる

 

 

しかしそんな彼女を兄である青年が止めた

 

 

「なぜです、なぜ止めるのですかお兄さま!」

 

 

「こいつは迷うことなく武器を捨てた。普通なら自分に敵意を向けてる相手を前にしてこんなことをする奴はそうはいない。何より…」

 

 

男は不意に佐介の方を向いて佐介の目を見た

 

 

佐介の目には何の迷いもない、自分はなにもしない、ただ話しがしたいんだと言いたげな目をしているのに気づいたからだ

 

 

「(こいつ、見た限り見た目だけじゃなく、雰囲気や体格や気迫など佐織にあまりにも似すぎている。いくら古式魔法の変装だろうがこれほどの完成度は不可能に違い)」

 

 

あらかた分析をし終えた男は佐介に声をかける

 

 

「驚かせてすまない、突然のことで混乱していたんだ。許して欲しい」

 

 

「兄さま!?」

 

 

「お兄さま!?」

 

 

青年は佐介にぺこりと頭をさげ、謝罪の言葉を述べた

 

 

「あっ、いえそんな!僕は気にしたませんから頭を上げてください」

 

 

それを見た佐介は慌ててやめさせる

 

 

「自己紹介がまだだったな。俺は司波 達也。そしてこっちは妹の深雪と弟の佐織だ」

 

 

「こっ、こんにちは」

 

 

「…先ほどは失礼しました」

 

 

「いえいえ、気にしないでください」

 

 

達也の先導で自己紹介をする深雪と佐織、そして自分に謝罪の言葉を述べた深雪に気にしてないと告げる

 

 

「さっきはビビったけど、おとなしそうなやつだし、大丈夫そうだな。なら今度は俺たちの番だな。俺は西城 レオンハルト」

 

 

「私は千葉 エリカ」

 

 

「僕は吉田 幹比古だ」

 

 

「えっ、えっと〜…柴田 美月です」

 

 

自己紹介をする達也たちを見てレオンハルトことレオたちも佐介に自己紹介をする

 

 

「初めまして、僕は佐介と申します」

 

 

佐介も佐織たちに自己紹介する

 

 

「にしても佐織に本当そっくりだな?」

 

 

「本当よね〜、深雪たちが間違えるほどなんだからね〜」

 

 

「でもそうなると彼はいったい何者なのか説明がつかないよ?」

 

 

レオたちは佐介をまじまじ見ながら思っていたことを口走る

 

 

「えっと、佐介くん…だっけ?」

 

 

「っ?」

 

 

「君は何者なの?どうして僕と同じ顔をしているの?」

 

 

佐織が佐介の正体について問いただす

 

 

「信じてはもらえないでしょうが、僕はこことは違う別の世界からきました」

 

 

「「「「「「「別の世界!?」」」」」」」

 

 

さすがに驚くよねと佐介は苦笑いしながら思っていた

 

 

「別の世界って、おいおい冗談きついぜ?」

 

 

「ありえないっしょ?」

 

 

「信じ難いね」

 

 

レオたちは佐介の言うことにイマイチな反応を示す

 

 

言葉にこそ出さないが達也たちもレオたちと同じだった

 

 

「……僕は、信じてもいいと思う」

 

 

「佐織くん?」

 

 

「何でそんなこと言えんだよ?」

 

 

「根拠はない……だけど、佐介くんを見てると嘘をつけるような人には見えない、もし仮に彼が別の世界からきたというのならその理由を知りたいんだ」

 

 

佐織は佐介の顔を見つめながらそうつぶやいた

 

 

「教えてくれるかな、佐介くんはどうしてこの世界にきたの?」

 

 

「……僕がこの世界に来のは……佐織くん。君に危険が迫っているからだよ」

 

 

「「「「「「「えっ?」」」」」」」

 

 

佐介からの思わぬ発言に佐織たちは驚いていた

 

 

「…どういうことだ?」

 

 

「佐織に危機が迫っているだなんて」

 

 

「驚かれるのも無理はありません。順に説明します…この世界に僕と同じ世界からきた悪い人が僕や僕と同じ顔をした人たちを狙っているんです。僕がここに飛ばされたということは十中八九、道元の狙いは佐織くんです」

 

 

「佐織くんが…っ?」

 

 

佐織に危険が迫っていると聞いた美月は不安そうに彼のほうを見た

 

 

「佐織くんが狙われてるなんて…」

 

 

「美月さん」

 

 

そんな美月に気づいた佐織が美月に近づく

 

 

「美月さん、大丈夫だよ」

 

 

「佐織くん…」

 

 

「たとえその人が僕を狙ってるとしても僕は負けないから」

 

 

「……うん、そうだね」

 

 

美月をこれ以上不安にさせまいと佐織が優しく語りかけ、見事慰める

 

 

「おやおや〜?お二人さん見せてくれるね〜♪」

 

 

「「っ!?」」

 

 

佐織たちのイチャコラを悪い顔をしているレオやエリカたちが

 

 

「もう、佐織ったら」

 

 

「まぁ、そう言ってやるな深雪」

 

 

そんな2人を見て弟が美月にとられている気がした深雪は少し不満そうな顔をしていて

 

 

達也がそれをなだめていた

 

 

その刹那だった

 

 

「あははは…っ!?」

 

 

「「…っ!」」

 

 

「どうしたんだよお前ら?」

 

 

佐介が何かを感じ取り、達也や佐織もまたそれに気づいたように反応する

 

 

それに気づいたレオが訪ねようとした時

 

 

「離れろ!」

 

 

ビューーーーン!

 

 

「「「「「っ!?」」」」」」

 

 

達也が叫ぶとほぼ同じにこちらに向かってビームが飛んできた

 

 

 

ドバァァァァン!

 

 

 

ビームを回避し、ビームが飛んできた方向を向くと

 

 

「ふっふっふっふ」

 

 

「やはり来ましたね道元!」

 

 

そこには3度目の正直と言わんばかりに道元がいた

 

 

「ようやく見つけたぞ。待ちに待った最後のピースをなっ!」

 

 

「最後のピース…っということは!?」

 

 

「そうだ。お前とサイト、佐利。そしてそこにいる佐織のDNAを手に入れれば私の目的は達成されるのだよ」

 

 

「っ!?」

 

 

佐織のDNAを手に入れた瞬間、道元の計画が完了してしまうことを知り、佐介は驚いていた

 

 

「佐介くん。会話から察するにあいつが?」

 

 

「そうです。あれが道元。僕らや君を狙う現況です!」

 

 

「あいつが…っ」

 

 

「兄さま?」

 

 

目の前の相手が弟を狙っている相手と知るや達也が鋭い剣幕で専用CAD「トライデント」を構え、道元を睨みつける

 

 

「ふん。司馬達也。弟が狙われてるとわかって私を止めようとしているようだが、果たしてできるかな?」

 

 

「……」

 

 

道元が兆発的な言葉を達也に吐いた

 

 

「達也!俺たちも加勢するぜ!」

 

 

「っ?」

 

 

「あなたのようなものに佐織の血は渡しません!佐織には指一本触れさせません!」

 

 

「深雪…っ?」

 

 

そんな達也とともにレオたちと深雪も並び立ち、道元を睨みつける

 

 

「相応の顔ぶれではあるが、所詮私の敵ではないな」

 

 

「ふーん。随分と余裕じゃないのおじさん」

 

 

「だったら試してやろうじゃねぇか!!」

 

 

「っ!」

 

 

まず戦陣を切ったのはレオとエリカだった

 

 

「エリカ!!」

 

 

「えぇ!!」

 

 

レオは自身の手をCADごと硬化魔法で頑丈なものに変化させ、警棒型のデバイスを手に道元に挑む

 

 

「「はぁぁぁぁ!!」」

 

 

両者一斉に攻撃を仕掛ける

 

 

「ふっ!」バッ! ガシッ!

 

 

「「っ!?」」

 

 

しかし、道元は動じることなく二人の攻撃を防ぐとともにその手を掴んで動きを封じる

 

 

「あまいな…はぁ!!」

 

 

「「ガハッ!!」」ゴチーン!

 

 

「はあぁっ!!」

 

 

「「うわあぁぁぁぁぁ!!」」

 

 

怯んだ隙に二人の頭をぶつけ合わせ、そこから勢いよく地面にむけて蹴り飛ばした

 

 

「エリカ!レオ!」

 

 

「よくも!」

 

 

幹比古が二人のもとに駆けつけ、深雪がCADを起動しようとするも

 

 

「させぬわ!」バシュン!バシュン!

 

 

「「っ!?」」

 

 

それを見た道元はグライダーで急接近するとともに何かを発射する

 

 

道元が放ったそれは破裂するとともに深雪と幹比古、さらに倒れたレオたとをも異様な空間に閉じ込める

 

 

「みっ、みんな!?」

 

 

「こ、これは!?」

 

 

「なんなのよ!?」

 

 

「くそっ!出しやがれ!」

 

 

美月がエリカたちのもとに駆けつける

 

 

「っ!…なっ!?魔法が使えない!?まさか、キャストジャミング!?」

 

 

「いいや違う。そのフィールドはこの世界にはないものだ。その中ではいかなる魔法も使えない…もちろん忍術もな」

 

 

「くっ!」

 

 

深雪たちを閉じ込めた道元はちらりと佐介のほうに目を向けた

 

 

「姉さま!…ぬぁ!?」バチッ

 

 

フィールドに触れた瞬間、手が痺れる感覚に襲われた

 

 

「無駄だ。その結界は対象者を一定時間の間拘束し続ける。その間は外部とのありとあらゆる干渉することはできない」

 

 

「お兄さま、佐織、ごめんなさい。私が迂闊でした」

 

 

「…っ!」

 

 

「兄さま!?」

 

 

深雪に手をだしたことが達也を怒らせたのか今度は達也が道元に向かっていく

 

 

「ふっ、今度は貴様が相手か司馬達也!」

 

 

道元がミサイルやら何やらを撃つが、その中を躊躇もなく進んでいく達也

 

 

「っ!!」

 

 

「ぬっ!」

 

 

攻撃をかいくぐり、達也が道元に向かってジャンプするとともに蹴りをかます

 

 

そしてそのままグライダーの上で激しい乱闘を繰り広げる

 

 

しかし、それでも体術では達也のほうが押していた

 

 

「ぐおっ!?ぐぅぅ…さっさすがに手強いっ!」

 

 

「まだまだっ!!」

 

 

達也が再び攻撃を仕掛けるも

 

 

「っ!」グラングラン!

 

 

「っ!?」ガタッ!

 

 

道元が咄嗟にグライダーを激しく揺らし、バランスを崩した達也がグライダーから落ちた

 

 

「今だ!!」バシュン!

 

 

「くっ!?」ガチャ! パシュン!

 

 

「ぬあぁっ!!??」ヴォォン!!

 

 

「ちっ!?」ヴゥゥゥン

 

 

その瞬間、道元がガントレットから深雪たちに使用したのと同じものを放つ

 

 

だが、達也もただでは転ばず、道元がそれを放つとほぼ同時にCADのトリガーを引いた

 

 

それによって道元の左腕が一瞬にして消え失せてしまった

 

 

しかし、それとともに達也もまた深雪たち同様フィールドに閉じ込められてしまった

 

 

「兄さま!」

 

 

「すまない。不覚を取った」

 

 

「兄さまっ…」

 

 

フィールドに閉じ込められてしまった達也を労しそうな目で見ている佐織だったが

 

 

「ふふふふ、さすがは司馬達也というところかな?一歩間違えば危ないとこだった」

 

 

「道元っ!」

 

 

そんな愉悦感に浸る暇すら道元は与えなかった

 

 

「念の為にこれを持ってきておいてよかった。一本しかない大事なものだったが、これで厄介な司馬達也は封じることができたとなれば安いものよ…あとは」

 

 

道元はなにやら注射器を取り出し、それを左腕にさす

 

 

するとぐにゅにゅにゅ~っと不気味な音を発てながら達也によって消滅したはずの左腕が再生する

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

「司馬佐織、貴様のDNAを奪うのみだ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

「させない!忍転身!!」

 

 

パシン!

 

 

「ぐっ、しつこい奴め!!」

 

 

間合いをつめ、襲いかかる道元を阻止せんと妨害する佐介に道元は苛立ちを覚える

 

 

「大丈夫、佐織くん!?」

 

 

「うんっ大丈夫……よくも、よくもみんなをっ!許さない!!」

 

 

仲間たちを閉じ込めた道元に怒り心頭な佐織はCADを起動させ、炎と氷の魔力を発動させた

 

 

「すごい、それが佐織くんの魔法?」

 

 

「まぁね。さぁ行くよ佐介くん!」

 

 

「えぇ。行きますよ道元!!」

 

 

「ふん。何度でもくるがいい!!」

 

 

能力を開放した二人が道元に立ち向かう

 

 

「やあぁぁぁぁ!!」

 

 

「ぐっ!!」

 

 

「たあぁぁぁ!!」

 

 

佐介がパンチから蹴りという連続攻撃で道元を吹き飛ばす

 

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

 

そのタイミングを見計らっていたかのように佐織が氷の風を飛ばす

 

 

「ぬっ!?ふん!」パキキキキ パリン!

 

 

右半分が凍結しかけたが、直ぐ様氷を砕いて凍結を阻止する

 

 

「くらえ!!」

 

 

道元がミサイルを放つ

 

 

「佐介くん。下がって!!はぁぁ!!」

 

 

佐織が佐介の前にたち、氷の盾を生成してそれを防ぐ

 

 

「ありがとうございます佐織くん」

 

 

「困ったときはお互い様ですよ」

 

 

「ふん。友情ごっこか?くだらんな!!」

 

 

侮辱の言葉を吐きながら道元がグライダーで加速し、通り過ぎるとともにその勢いで発生したソニックブームで佐介たちを吹き飛ばす

 

 

「なんの!獣波拳!!」

 

 

「やあぁぁぁぁ!!」

 

 

二人は獣波拳と炎を飛ばし道元を攻撃する

 

 

「ふん!!」

 

 

しかし、道元はガントレットからビームを放ち、それを相殺する

 

 

「拉致があかないな。……っ?」

 

 

早くDNAを手に入れたい道元は佐介たちを相手にするのが新底めんどくさくなっていたが

 

 

その時、道元の目に入ったのは捕まった達也たちを何とかして助けようとしている美月だった

 

 

「」ニヤ

 

 

「何を?」

 

 

道元の不敵な笑みに胸騒ぎを感じた二人だったが

 

 

「まさか!?」

 

 

佐織が感づいた時にはもう遅かった

 

 

道元はグライダーの向きを変えて美月の方へと突進する

 

 

「美月さん!!」

 

 

「えっなに?…はっ!?」

 

 

佐織の声に振り向いた美月が見たのは自分に向かって飛んでくる道元の姿だった

 

 

「ふっ!!」

 

 

「きゃあっ!?」

 

 

「美月さん!!」

 

 

道元に捕まった美月を助けようとする佐織だったが

 

 

「動くな!」

 

 

それを道元が言い止める

 

 

「動くとこの娘がどうなるかわかっているな?」シャキン!

 

 

「ひぃっ!?」ビクッ

 

 

「やっ、やめて!!」

 

 

美月にガントレットから突き出した剣を突きつけて佐織を脅す

 

 

「この娘を無事に返して欲しくば貴様のDNAを渡せ」

 

 

「ぐっ…」グヌヌ

 

 

「外道が」

 

 

「何とでも言うがいい、さぁ!どうする?」

 

 

人質を取りながら悪びれる様子もなくどちらの選択を選ばせようとする道元に怒りをあらわにする

 

 

「……わかったよ。僕の血をあげるから!美月さんを離して」

 

 

「さ、佐織、くん…」

 

 

自らの身をも厭わず自分を選んでくれた佐織に美月は涙を流す

 

 

「懸命だな…」

 

 

「っ…」チクッ

 

 

計画通りと言わんばかりに小型ロボットを放ち、血を奪い取るとロボットはガントレットに収納された

 

 

「さぁ、目的は達したんだ。美月さんを離して!」

 

 

「ふん。いいだろう。受け取れ!!」

 

 

「きゃぁっ!」

 

 

「美月さん!!」

 

 

道元が佐織にむけて美月を投げ捨て、佐織は彼女をキャッチしようと向かう

 

 

「ふっ」スッ

 

 

「っ!?」

 

 

しかし、直ぐ様道元は落下する美月に向けてガントレットを構え、エネルギーをチャージする

 

 

そう、道元は最初から彼女を無事に返す気など無かったのだ

 

 

チャージが完了し、ガントレットからビームが放たれる

 

 

「やめろぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

ビームが美月に迫り来る

 

 

 

その刹那だった

 

 

 

シュン! バッ!!

 

 

 

突如、高速で移動する影が美月を捕まえ、ビームの直撃を防いだ

 

 

そしてその影は美月を抱えながら地面に着地する

 

 

「あっ、あれ?私は?」

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「えっ?」

 

 

美月が見た先には極限魂(オーバーソウル)になった佐介だった

 

 

「佐介くん!」

 

 

「佐織くん。美月さんは無事だよ」

 

 

「…美月さん。よかった」ダキッ

 

 

「さ、佐織くん…」

 

 

佐介は佐織に美月の無事を確認させ、安心させた

 

 

そして美月が無事なことに安心して彼女を抱きしめた

 

 

「美しいね~」

 

 

「「っ!!」」

 

 

「美しすぎて反吐が出る」

 

 

「「道元!!」」

 

 

それを上から見下すように道元が言い放つ

 

 

美月にひどいことをしようとした道元に怒りを爆発させる二人

 

 

「盛り上がっているところ悪いが、目的のものは揃った。ということで私はそろそろいかせてもらうよ。これから

楽しいショーの開幕なのでね」

 

 

 

ヴォォォン!

 

 

 

そう言うと道元は装置を起動し、ゲートを発生させそのままゲートの向こうに飛んでいった

 

 

「くぅぅ!急いで追いかけないと…でも」

 

 

道元の野望は阻止したい。でも道元のフィールドに閉じ込められた達也たちを放っておくわけにもいかなかった

 

 

「佐介くん。行って」

 

 

「佐織くん?」

 

 

「兄さまたちのことは僕らで何とかしてみる。君は道元を追って…お願い」

 

 

ためらう佐介を佐織が説得する

 

 

「……わかった。みんなを助けてあげて」

 

 

「うん!」

 

 

佐介と佐織は互いに約束をかわす

 

 

「気をつけていってくださいね」

 

 

「はい。ありがとうございます美月さん」

 

 

「…///!?…佐織くんと似てるから、なんだか照れちゃいます」ボソッ

 

 

少々複雑な気分の美月だった

 

 

「ではここは任せましたよ!」バッ!

 

 

「頑張って!!」

 

 

応援の言葉を受けながら佐介は閉じようとしているゲートに入っていった

 

 

「大丈夫ですよね?」

 

 

「うん。きっと大丈夫だよ佐介くんなら」

 

 

「そうですね」

 

 

「さぁ、僕たちも早く兄さまたちを助けないと!」

 

 

そう言いながら二人は達也たちのもとに向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんてことでしょう。結局、道元に僕たち全員のDNAを奪われてしまった。道元はいったい何をするつもりなんだ?…ともかく、今度こそ必ず道元を止めてみせる!サイトくんや佐利くん。佐織くんたちのためにも!」

 

 

そう心に決めながらラノベースを進んでいく佐介だった

 

 

果たして道元のこれまでの行動に隠された意図とは?

 

 

 

 




人物紹介

司馬 佐織


「魔法科高校の劣等生」の世界の佐介的存在。司馬 達也、並びに司馬 深雪の弟


達也の戦闘力。深雪の魔力を併せ持ったような存在であり、兄並みの体術、魔法は姉と同系統の魔法を駆使して戦う


達也と深雪のことが大好き(達也たちもまた最愛の弟として可愛がっている。特に深雪にいたっては過保護すぎなとこがあり、未だに子供扱いする節がある)で達也を自分と深雪と同じように見ようとしない家の者たちのことは嫌っている


いつかは達也たちと同じく四葉家から解放されることを夢見ている


美月とは気があうのか、お昼もよく一緒に食べているほど仲が良く、互いに惹かれ合うほど仲良しであり


そのため他の友達であるレオたちからはよくからかわれている






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