閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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亜騎羅との壮絶な戦いに終わりを迎えた佐介たちだったが


零姫が乱入してきたことで事態は一変する


妖魔を取り込んだことによりパワーアップを果たした零姫が佐介たちに襲い掛かる


駆け付けた斑鳩たちが佐介たちの代わりに戦いを挑むも、零姫の力の前に次々とやられてしまう


傷ついた仲間たちを回収するべく動く飛鳥たちだったが、それを零姫が見過ごすはずもなく攻撃を仕掛けてきた


標的となった飛鳥だったが、間一髪のところで佐介がこれを妨害し、直撃を回避させた


そうして飛鳥を逃がすために傷ついた身で零姫と戦う佐介だったが、先の戦闘の蓄積疲労により十分に力を発揮できず吹き飛ばされてしまう


動けなくなった佐介を仕留めるべく零姫が再び光線のエネルギーをチャージするのだった



豹姫と零姫 

 

零姫の攻撃によって吹き飛ばされ、満身創痍な状態に佐介は陥ってしまっていた

 

 

そんな佐介を標的に零姫の指先の光線の光が怪しく輝く

 

 

「終わりよ!!」

 

 

 

ピシュゥゥゥゥン!!

 

 

 

「佐介くんっ!?」

 

 

「う、うぅぅ…」

 

 

動けない佐介目掛けて零姫の光線が飛んでいく

 

 

光線は瞬く間に佐介の直前まで迫ってきた

 

 

飛鳥が急ぎ向かおうとするも距離があるため間に合わない

 

 

絶命のピンチが押し寄せる

 

 

 

「っ!」シュゥン!

 

 

 

ガキン!!

 

 

 

しかしその直後、金属に激突した様な音が響く

 

 

「…っ?」

 

 

先の音といくら待っても痛みが来ない事を不思議に思い、佐介が目を開けると

 

 

「ぐぅぅぅ!!」

 

 

「こ、こうが…くん?」

 

 

そこには光線の直撃から佐介を守る様に立つ光牙が居た

 

 

「ぬ、ぬぇぇぇい!!」

 

 

残っているありったけの力で光牙は光線の軌道を変える事に成功する

 

 

「こ、光牙くんのお陰で助かった」

 

 

光牙の助けによって佐介が無事だった事に飛鳥はほっと胸を撫で下ろす

 

 

「…こう、が、くん…ありが、とう…ございます」

 

 

声が掠れながらも自分を助けてくれた事を佐介は感謝し、光牙に礼を言う

 

 

「…ぐぅっ!?」

 

 

「…あっ!?」

 

 

しかしその直後に光牙は膝から崩れ落ちた

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

立っているのも辛かった様で途端に荒く息を吐いていた

 

 

「光牙ー!」

 

 

そこに遅れて焔がやって来る

 

 

「大丈夫か光牙、まったく無茶を」

 

 

「はぁ…はぁ…仕方あるまい、あの場面で誰よりも佐介を助ける事が出来るのは俺以外居ないんだからな」

 

 

あの状況で窮地の佐介を救う術を持っているのは自分しか居ないと考え

 

 

「抜き足」による高速移動により佐介を救うことができた

 

 

しかしその為に残された体力を消耗してしまい、無念にも跪いたのだった

 

 

「だからって…もう、ほらしっかりしろ」

 

 

「すまない」

 

 

無茶をするにも程があると思う焔だが、光牙に手を差し伸べるのだった

 

 

「…余計なことを」

 

 

光牙の邪魔により佐介を仕留め損なった事に零姫はムッとした顔を浮かべていた

 

 

「零姫!!」

 

 

「ん?」

 

 

最中、自分を呼ぶ声に気付いた零姫が振り向くとそこには此方を見る豹姫がいた

 

 

「どうしたのかしら姫、そんな怖い顔して~?」

 

 

豹姫に対し、どこか舐め腐ったような言葉を送る

 

 

「…どうしてよ?どうして私たちを裏切る様な真似をしてくれたのよ!私達これまでずっと一緒にやってきたじゃない!」

 

 

それに対して豹姫は零姫に真意を問うた

 

 

零姫とは亜騎羅と会うよりも、戦姫衆を立ち上げるよりも前から一緒に行動を共にしていた

 

 

故に豹姫にとって零姫は仲間たちの中でも一、二位を争うくらい信頼を寄せていた

 

 

にも関わらずよもやこんな形で裏切られる事になるとは思っていなかった豹姫はただただ納得ができず

 

 

押し殺せない自身の胸の内を零姫に告げる

 

 

彼女の言葉を零姫は黙って聞いていた

 

 

「…ふふっ」

 

 

「零姫?」

 

 

「ふふ、ふふふふ…あはははははははは!」

 

 

「っ!?」

 

 

次の瞬間、黙っていた零姫が途端に狂ったように笑い声をあげ始める

 

 

その様子を見ていた豹姫はもちろん、この場の誰もが同じことを思っていた

 

 

「何よ?何笑ってるのよ零姫!」

 

 

「だってあなたがあまりにも滑稽なものだから笑いを堪えきれなかったのよ」

 

 

零姫は豹姫に対し、滑稽とそう言い放った

 

 

「姫、言ったはずよ。私はあなたたちを最初から利用するために戦姫衆という組織を作り上げたのよ。故に私はあなたたちを仲間だと思ったことはないわ」

 

 

「…っ」

 

 

「彼らはもちろんのことだけど私にとってはあなたたちも狩る対象なのよ」

 

 

「な、なんですって!?」

 

 

佐介たちのみならず自分たちも標的にしているのだと零姫に告げられ、豹姫は驚愕する

 

 

「例え抜けたからと言われようとも私からしたらあなたたちもまた忍であることに変わりはないわ」

 

 

抜忍だからと言えどかつて忍であったこと自体が零姫にとっては復讐を成す道理なのだと公言する

 

 

「でも安心して姫。あなたたちを今ここで葬ることはしない、全ての忍たちを消し去った暁として最後は痛みも苦しみも感じないように低調に死なせてあげるから」

 

 

「…零姫」

 

 

せめてもの慈悲と零姫は忍たちを消し去るという野望を果たした後に痛みも苦しみも与えぬ死を与えると豹姫に宣言する

 

 

「ふざけないで、ください!」

 

 

「「っ?」」

 

 

2人の会話に割って入る声が聞こえ、豹姫と零姫は視線を底に向ける

 

 

見るとそこには傷付き、立てないにも関わらず、必死に上半身を起こしながら2人に声を掛けた佐介が居た

 

 

「あなたは人の気持ちをなんだと思っているんですか!豹姫さんはあなたのことをこんなにも仲間だと思っているというのに、なのにあなたはそれを見て何も感じないんですか!」

 

 

必死に訴える豹姫の姿を見ていた佐介はそんな彼女の思いを遇う零姫の行動がどうしても無視できなかったのだ

 

 

「…うるさいわね。せっかくそこの彼が助けてくれたのに、バカな子ね」キュィィィィン

 

 

佐介の言うことが癇に障ったのか零姫が人差し指にエネルギーを溜める

 

 

「今度こそ死になさいっ!!」パシュゥゥゥン!

 

 

そしてそれを佐介に向けて放った

 

 

「っ!?」

 

 

迫り来る光線、しかし先程とは違い自分を助けてくれた光牙はもう動くことができない

 

 

今度は本当の本当に不味い状況、成す術が無い

 

 

前方から飛んでくる光線を目にし、佐介は死を悟る

 

 

「――っ!!」バッ

 

 

「あっ!?」

 

 

刹那、突如として誰かが前に立つ

 

 

 

ガキィィイイイン!!

 

 

 

再び聞こえる光線と金属がぶつかり合う音

 

 

ハッとなり佐介が自分の前に立っている人物が誰なのかを見てみると

 

 

「ぐっ、ぅぅうううう!!?」

 

 

「ひょ、豹姫さん!?」

 

 

なんと再度訪れた危機的状況から佐介を守ったのはあろうことか敵対しているはずの豹姫だった

 

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

バシュゥゥゥゥン!

 

 

 

渾身の力で踏ん張りを見せながら豹姫は零姫の光線を吹き飛ばした

 

 

「うっ…うぅぅっ…」ガタガタ

 

 

しかし予想以上の力を跳ね返したがために豹姫の身体はガタガタになってしまっていた

 

 

「どういうつもりなの姫?まさかあなたが忍であるその子を庇うだなんて、自分を正当化してくれたことにほだされたのかしら?」

 

 

「はぁ…はぁ…ふっ、ち、違うわよ。別にこいつのことなんかどうでもいい、だだね…私との会話が終わってもいないのに他の奴らに目移りしてるあんたが気に入らなかっただけよ!」

 

 

振るえながらに豹姫は零姫に物申す

 

 

「今は私があんたの相手をしてるのよ!無視するなんて許さないわよ!」

 

 

「……まったく、せっかく私が慈悲を与えてあげたのにそれを無碍にするなんて、いいわ。そこまで言うのなら望み通りあなたから先に始末してあげる」ギュィィィィィ!

 

 

零姫が再び指先にエネルギーをチャージさせる

 

 

ただし今度の標的に豹姫を定めながら

 

 

自身に向けて零姫が光線を放とうとしているのを目にし、豹姫は慌てふためく

 

 

「お別れよ…姫!」

 

 

「っ!?」

 

 

別れの言葉を告げながら零姫が光線を放とうとしたその時だった

 

 

 

 

ビュゥゥゥゥン!!

 

 

 

突然どこからともなく何かが零目掛けて飛んで来る

 

 

 

 

バシン!

 

 

 

「うぅ!?」ピシュゥゥン!

 

 

飛んで来た物が零姫の手に命中し、同時に指先が曲がった事で光線も明後日の方向に飛んでいった

 

 

いったい何が起きたのか困惑する現状の中、不意に豹姫が何かを感じ取ったように視線を向ける

 

 

「……っ」

 

 

刹那、豹姫は我が眼を疑った

 

 

「……なっ!?ば、バカな…そんなはず!?」

 

 

続くように零姫、さらには佐介たちも豹姫の向ける視線の方を向く

 

 

「あれは…」

 

 

「何故、彼が?」

 

 

皆の視線が集まる先には1人の人物が居た。その人物とは……

 

 

「…………っ」

 

 

……亜騎羅だった

 

 

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