閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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妖魔の力を手にし、異形の力を得た零姫は佐介たちはもちろんのこと


今まで共にやってきた豹姫たちをも消すことを宣言し、その力を振るう


そんな絶望的なこの場に突然と現れたのはなんと亜騎羅だった


亜騎羅は佐介たちのと戦いでボロボロになっているにも関わらず


大切な存在である豹姫を守るべく零姫との戦いに身を投じる


傷ついた体であることをもろともしない亜騎羅が怒涛の追い込みを見せていき


零姫もまたそんな亜騎羅を全力で排除しようとするのだった


いいから寄こせ、亜騎羅、内なる取引 

目覚めた亜騎羅と零姫の戦いに発展した事で事態は大きく動き出した

 

 

「―――っ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

近くに落ちていた焔の刀を手にした亜騎羅がそれを手に零姫目掛けて特攻を仕掛けた

 

 

 

 

ザシュゥゥウウッ!

 

 

 

「がっ!?ぐぅうっ!?」

 

 

「―――っ!!」

 

 

亜騎羅の突き出した刀の刀身が零姫の左胸の上を貫いた

 

 

苦悶の表情を浮かべる零姫と刀を突き出した亜騎羅は肌が触れ合う程に密着する、

 

 

「――っ!!」

 

 

密着し合う中、亜騎羅が更なる追撃として捻り込みを行おうとしている

 

 

「は、離れなさい――っ!?」

 

 

それを悟った零姫がすかさず両翼を展開させる

 

 

 

ビュイイイイイイイイ!!!

 

 

 

「―――っ!?」

 

 

翼に浮かび上がっている瞳が怪しく発光するとそこから指から放つものよりも高質量の光線が放たれた

 

 

亜騎羅はその光線の威力と衝撃によって零姫から離されると共にその真下の地面に勢いよく激突した

 

 

「アキっ!?」

 

 

この様子を見ていた豹姫が不安そうに亜騎羅の名を叫ぶ

 

 

「ぐっ…ぬぁっ!?」

 

 

一方、その間に零姫は亜騎羅が自分に突き刺した焔の刀を強引に抜き取ると何処かへと捨てた

 

 

「くぅ…――っ!!」

 

 

傷口を抑えながら力を集中させる

 

 

するとたちまち亜騎羅が負わせた傷が再生し、傷口も残らぬ程に治ってしまった

 

 

その身に宿した妖魔の力により零姫は驚異的な再生能力を有しているからだ

 

 

「よくも私に傷を負わせてくれたわね。この屈辱にあった代価は支払ってもらうわ。代償は…貴方の命でね!!」

 

 

零姫はそう言い放つと右手を亜騎羅に突き出すとエネルギーをチャージする

 

 

 

ギュィン!ビュォォォォォォォ!!

 

 

 

手のひらから放たれた拡散式の光線が亜騎羅に向かって飛んでいく

 

 

「――っ!?」

 

 

 

ボバババババババババ!!!

 

 

 

「ア、アキ!?」アセアセ

 

 

動けない亜騎羅にむけてこれでもかというほどに気弾を放つ

 

 

亜騎羅がいた場所は着弾するエネルギー弾の弾幕によって地獄極楽とも言える光景が広がっていた

 

 

佐介たちや豹姫が意気消沈している中、立ち込めていた煙が徐々に晴れていく

 

 

そして煙が完全に晴れた

 

 

「――っ!?」

 

 

いち早くそれに気づいたのは豹姫だった

 

 

豹姫の視界に映ったもの、それは瓦礫の山の中に倒れる亜騎羅の姿だった

 

 

「そ、そんな…」

 

 

見るも無残にボロボロになった亜騎羅を前にして豹姫はあまりのショックに膝から崩れ落ちた

 

 

「はぁ…はぁ……ふっ、ふふふ、無様な姿ね。さしもの亜騎羅くんも妖魔を吸収し、強くなった今の私の敵ではなかったということね。ふふふ、ふふふふっ…あはははははは!」

 

 

自身にとって脅威であった亜騎羅を自分の手で仕留めたことに零姫はこの上ない幸福の絶頂に至り、高らかに笑い声をあげるのだった

 

 

しかしこの時の彼女たちは気づいていなかった

 

 

「……っ」ピクッ

 

 

まだ亜騎羅は意識を保っていることに

 

 

「(体に思うように力が入らない、動かそうとする度に体中がギシギシする…)」

 

 

先の零姫から受けたダメージが相当であったことを体が物語っている

 

 

「(今のままじゃ零姫に勝てない、姫を守ることができない…)」

 

 

この状況においても亜騎羅は自分の身体がどうこうというよりも豹姫を助けるにはどうしたらいいかということを考えていた

 

 

次の瞬間、亜騎羅はハッとした様子であることを思いだした

 

 

今の自分が豹姫を助け出せる可能性を秘めた方法を

 

 

「(おい、俺の中に妖魔(いるやつ)…お前、”零姫が取り込んでいる妖魔(あいつ)”が(ほしい)んだろ?)」

 

 

亜騎羅は心の中で語り掛ける

 

 

意識を向けている先は自身の胸に寄生している核だった

 

 

以前より亜騎羅は何度か幻聴を聞いた事がある

 

 

そして幻聴の聞こえる時は決まって妖魔の繭を目にしている時だ

 

 

幻聴から聞こえる内容は「食いたい」というシンプルな答え

 

 

自身の中に居る何かが羽化し、零姫に宿った妖魔を食べたいと渇望している

 

 

これを利用しない手はないと亜騎羅は考えたのだ

 

 

「(お前、アレが(ほしく)て仕方ないんだろ…?だったら寄越せ。お前の全部)」

 

 

取引を持ち掛けるように亜騎羅は呼びかける

 

 

「(俺によこせ。お前の力を――っ!)」

 

 

念押しで呼び掛けた時、その言葉に反応するかの様に核が脈動し始める

 

 

更には核が怪しげな光を放ち出し始める

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴ!!!

 

 

 

「あはは!……ん?」

 

 

「――っ?」

 

 

勝ち誇っていた零姫が突如感じ取った気配を察知し、高笑いを止める

 

 

「な、何だこの地響きは!?」

 

 

「分かりません、一体何が起こっているというのでしょうか!?」

 

 

「…――っ!?」

 

 

更にはそれと同時に地響きが発生し始め、佐介達や豹姫達が右往左往する

 

 

「――っ!?」

 

 

気配を察知した零姫がその震源地である亜騎羅が倒れていた瓦礫の山に視線を向ける

 

 

 

ドドォゴォォオオオオオオオ!!

 

 

 

次の瞬間、瓦礫の山が内側から爆発し、衝撃と共に吹き飛んだ

 

 

吹き飛ばされた瓦礫の山から邪気を孕んだ火柱が発生する

 

 

「あ、あれは何!?」

 

 

「わからない、けど凄まじい気を感じる…」

 

 

空に向かって立ち上る邪気を孕んだ火柱を目にした佐介達は

 

 

二転三転と変化するこの事態に思考と理解が追いつかなかった

 

 

するとその直後だった

 

 

 

ブォォオオッ…ガシッガシッ!!

 

 

火柱の中から右手、続くように左手が現れるとそれを掴んだ

 

 

 

火柱の中から見える何かの影が這い出てこようとしていた

 

 

 

 

グオオォォォォォォォ!!!

 

 

 

 

巨大な咆哮を上げ、火柱から這い出てきたのは実体こそないが恐ろしき怪物の姿を彷彿させるエネルギーの塊だった

 

 

「「「「「「――っ!?」」」」」」

 

 

突如として現れたそれの容姿と咆哮に皆が怯む

 

 

そしてその直後、怪物の中から何かが飛び出し、地面に着地する

 

 

屈んでいた身をゆっくりと起き上がらせ、立ち上がったのはやられたと思っていた亜騎羅だった

 

 

「あ…あぁ…」

 

 

「ば、バカなそんなはず!?」

 

 

亜騎羅が再び立ち上がったことに豹姫は言葉にできないほど歓喜し、逆に零姫は焦っていた

 

 

「…うん、いい。うまく言えないけど、これなら…いける」

 

 

驚く皆を他所に亜騎羅は自分の身体に力が溢れている事を感じていた

 

 

「あ、ああ、亜騎羅くん。あなたどうしてまだ……いえ、そんなことはどうでもいいわ。大人しくしていればいいものを、まだやるというのなら今度こそ叩き潰すだけよ!」

 

 

明らかに動揺しつつも零姫は今度こそ亜騎羅を仕留めることを告げる

 

 

「やれるならやればいい、だけど零姫…お前は俺が狩る」ギロリ

 

 

「っ!?」

 

 

鋭い眼光を見せる亜騎羅の迫力とプレッシャーにより零姫は実が震える感覚に襲われるのだった

 

 

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